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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】斎藤 博之

【要約】 【課題】樹脂製アウターレンズの曇止め。

【解決手段】樹脂製アウターレンズ2(ガラス製や樹脂製インナーレンズ7、700を含む場合がある)の内面に光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜5が形成されている。この結果、紫外線による酸化チタン薄膜の光触媒作用により、樹脂製アウターレンズ2の内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難くなり、しかもその内面に汚れが付着し難い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプハウジングと樹脂製アウターレンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源が配置されており、かつ前記灯室内には前記光源からの光を前記樹脂製アウターレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタが配置されている車両用灯具において、前記樹脂製アウターレンズの内面には光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜が形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記灯室内には前記リフレクタと別機能のリフレクタが配置されており、前記リフレクタには光ファイバーの入射端が配置されており、前記別機能のリフレクタには前記光ファイバーの出射端が配置されており、前記光源からの光が前記光ファイバーを経て前記別機能のリフレクタ側に出射されることにより、1台の灯具で複数の灯具の機能を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】 前記光ファイバーの出射端には光拡散系エレメントが設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】 前記光ファイバーはガラス製からなる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用灯具。
【請求項5】 ランプハウジングと樹脂製アウターレンズにより灯室が画成されており、前記灯室内にはガラス製インナーレンズ及び光源が配置されており、かつ前記灯室内には前記光源からの光を前記ガラス製インナーレンズ及び前記樹脂製アウターレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタが配置されている車両用灯具において、前記ガラス製インナーレンズの内面及び樹脂製アウターレンズの内面には光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜が形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項6】 前記灯室内には前記リフレクタと別機能のリフレクタが配置されており、前記リフレクタには光ファイバーの入射端が配置されており、前記別機能のリフレクタには前記光ファイバーの出射端が配置されており、前記光源からの光が前記光ファイバーを経て前記別機能のリフレクタ側に出射されることにより、1台の灯具で複数の灯具の機能を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
【請求項7】 前記光ファイバーの出射端には光拡散系エレメントが設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具。
【請求項8】 前記光ファイバーはガラス製からなる、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用灯具。
【請求項9】 前記灯室内であって、前記別機能のリフレクタと前記樹脂製アウターレンズとの間には別機能の樹脂製若しくはガラス製インナーレンズが配置されており、前記別機能のインナーレンズの内面には光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜が形成されている、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両用灯具。
【請求項10】 前記光ファイバーは樹脂製からなる、ことを特徴とする請求項9に記載の車両用灯具。
【請求項11】 前記光源は、紫外線を発生するHIDランプである、ことを特徴とする請求項1乃至10のうちの1に記載の車両用灯具。
【請求項12】 前記親水性薄膜は、アナターゼ型結晶構造の酸化チタンをスパッタリング法又は蒸着法により形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至11のうちの1に記載の車両用灯具。
【請求項13】 ランプハウジングとアウターレンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源が配置されており、かつ前記灯室内には前記光源からの光を前記アウターレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタが配置されている車両用灯具において、前記灯室内には前記リフレクタと別機能のリフレクタが配置されており、前記リフレクタには光ファイバーの入射端が配置されており、前記別機能のリフレクタには前記光ファイバーの出射端が配置されており、前記光源からの光が前記光ファイバーを経て前記別機能のリフレクタ側に出射されることにより、1台の灯具で複数の灯具の機能を有する、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項14】 前記光ファイバーの出射端には光拡散系エレメントが設けられている、ことを特徴とする請求項13に記載の車両用灯具。
【請求項15】 前記灯室内であって、前記リフレクタと前記アウターレンズとの間、又は及び前記別機能のリフレクタと前記アウターレンズとの間には、インナーレンズが配置されている、ことを特徴とする請求項13又は14に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ヘッドランプ、また、ヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプ等の車両用灯具に係り、特に、樹脂製アウターレンズ(ガラス製インナーレンズ及び又は樹脂製インナーレンズを含む場合がある)の内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難く、しかもその内面に汚れも付着し難い車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用灯具は、一般的に、ランプハウジングとアウターレンズにより灯室が画成されており、その灯室内には光源が配置されており、かつ前記灯室内には前記光源からの光を前記アウターレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタが配置されているものである。光源を点灯することにより、その光源からの光がリフレクタの反射面でアウターレンズ側に反射され、その反射光がアウターレンズを経て外部に所定の配光パターンで照射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の車両用灯具においては、アウターレンズの内面に水滴が付着し易く、かつその内面が曇り易く、しかもその内面に汚れも付着し易い等の課題がある。
【0004】本発明の目的は、樹脂製アウターレンズ(ガラス製インナーレンズ及び又は樹脂製インナーレンズを含む場合がある)の内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難く、しかもその内面に汚れも付着し難い車両用灯具にを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1乃至12に係る発明)は、上記の課題を解決するために、樹脂製アウターレンズ(ガラス製インナーレンズ及び又は樹脂製インナーレンズを含む場合がある)の内面に光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜が形成されている、ことを特徴とする。
【0006】この結果、本発明の車両用灯具は、紫外線による酸化チタン薄膜の光触媒作用により、樹脂製アウターレンズの内面と水との接触角が約20°以下となり、その樹脂製アウターレンズの内面が親水化されて、その樹脂製アウターレンズの内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難くなる。しかも、上述の酸化チタン薄膜の光触媒作用により、親水作用同時に、電子と正孔とが生成され、電子は空気中の酸素を還元し、残った正孔は水素基準電極に対して約+3Vもの非常に強い酸化力を持ちほとんどの有機物を酸化する。このために、汚れ物質が分解除去されて、樹脂製アウターレンズの内面に汚れが付着し難い。
【0007】また、本発明(請求項13乃至15に係る発明)は、灯室内に光源を備えたリフレクタと別機能のリフレクタが配置されており、前記リフレクタには光ファイバーの入射端が配置されており、前記別機能のリフレクタには前記光ファイバーの出射端が配置されていることを特徴とする。
【0008】この結果、本発明の車両用灯具は、光源からの光が光ファイバーを経て別機能のリフレクタ側に出射されることにより、1台の灯具で複数の灯具の機能を有することとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用灯具の実施の形態のうちの6例を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の車両用灯具の第1実施形態を示した縦断面図であって、図2におけるI−I線断面図である。図2は本発明の車両用灯具の第1実施形態を示した正面図である。この例は、ヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。
【0010】このフロントコンビネーションランプは、車両(自動車)の前部に装備された際の中央側(図2の例では左側)がヘッドランプAであり、サイド側所謂回り込み部(図2の例では右側)がクリアランスランプBである。このフロントコンビネーションランプは、例えば樹脂製のランプハウジング1と透明の樹脂製アウターレンズ2により灯室12が画成されており、その灯室12内には光源3が配置されており、かつ前記灯室12内には前記光源3からの光を前記樹脂製アウターレンズ2側に反射させる反射面40を有するリフレクタ4が配置されているものである。なお、この例のリフレクタ4はランプハウジング1と別体構造をなすが、本発明の車両用灯具はランプハウジングとリフレクタとが一体構造のものにも適用できる。上述の光源3を点灯すると、その光源3からの光がリフレクタ4の反射面40で樹脂製アウターレンズ2側に反射され、その反射光が樹脂製アウターレンズ2を経て外部に所定の配光パターンで照射され、ヘッドランプとしての機能を果たすことができる。
【0011】そして、本発明の車両用灯具においては、樹脂製アウターレンズ2の内面に光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜5が形成されている。この親水性薄膜5は、アナターゼ型結晶構造の酸化チタン(すなわち、TiO2、二酸化チタン)をスパッタリング法又は蒸着法により膜厚が約100〜400オングストローム形成されているものである。
【0012】上述の光源3としては、紫外線を発生するHIDランプ(すなわち、高輝度放電灯であって、例えば、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等の高圧金属蒸気放電灯、若しくはキセノンランプ等の高圧気体放電灯)を使用する。
【0013】この実施の形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、光源3の点灯時に発生する紫外線や太陽光の紫外線等により、親水性薄膜5の酸化チタン薄膜の光触媒作用が働き、この酸化チタン薄膜の光触媒作用により、樹脂製アウターレンズ2の内面と水との接触角が約20°以下となり(もともと物質表面に吸着している微量の疎水性分子が分解されここに物理吸着水層が非常に薄く生成するため)、その樹脂製アウターレンズ2の内面が親水化されて、その樹脂製アウターレンズ2の内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難くなる。しかも、上述の酸化チタン薄膜の光触媒作用により、親水作用同時に、電子と正孔とが生成され、電子は空気中の酸素を還元し、残った正孔は水素基準電極に対して約+3Vもの非常に強い酸化力を持ちほとんどの有機物を酸化する。このために、汚れ物質が分解除去されて、樹脂製アウターレンズ2の内面に汚れが付着し難い。なお、無機物の汚れは、微量の油物質がバインダーとなって樹脂製アウターレンズ2の表面に付着しているので、そのバインダー成分が上述の酸化チタン薄膜の光触媒作用により分解され、有機物の汚れと同様に樹脂製アウターレンズ2の表面に付着し難くなる。
【0014】上述の汚れが樹脂製アウターレンズ2の表面に付着し難くなることにより、親水性薄膜5の親水作用が持続されることとなり、例えば、夜間光源3を点灯した場合には翌日の昼間まで持続されることとなる。なお、親水性薄膜5の親水作用を持続させるために、酸化チタン薄膜と蓄水性物質とを構成した薄膜を使用する場合もある。また、親水性薄膜5の表面にトップコートを被覆して親水性薄膜5を保護する場合もある。
【0015】特に、この実施の形態においては、親水性薄膜5のアナターゼ型結晶構造の酸化チタンをスパッタリング法又は蒸着法により形成するものであるから、この親水性薄膜5の形成時に高温とならずに、樹脂製アウターレンズ2には最適である。
【0016】図3は本発明の車両用灯具の第2実施形態を示した横断面図であって、図2におけるIII−III線断面図である。この例は、上述の第1実施形態と同様にヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。図中、図1及び図2と同符号は同一のものを示す。
【0017】このフロントコンビネーションランプは、灯室12内に上述のヘッドランプ機能のリフレクタ4と別機能(クリアランスランプ機能)のリフレクタ400がそれぞれ配置されている。上述のヘッドランプ機能のリフレクタ4には光ファイバー6の入射端60が1箇所に纏められて配置されており、かつ、上述のクリアランスランプ機能のリフレクタ400には先の光ファイバー6の出射端61が一様にばらばらに配置されている。また、クリアランスランプ400の内面(樹脂製アウターレンズ2と対向する面)に反射面を設けても良い。
【0018】前記光ファイバー6は、多数本のファイバー素線から構成されており、このファイバー素線は、1本の極小径の円柱径の細長いコア材と、その1本のコア材が挿通された極小径の円筒形状をなすジャケットと、そのジャケットと1本のコア材との間に形成される空隙に充填されたクラッド材とから構成されているものである。この多数本のファイバー素線から構成されて光ファイバー6はホルダ等(図示せず)により保持されている。
【0019】この実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、上述の第1実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。しかも、ヘッドランプ機能の光源3を点灯すると、その光源3からの光が光ファイバー6の入射端60に入射し、その光ファイバー6を経てクリアランスランプ機能のリフレクタ400側の出射端61から出射される。この結果、1台の灯具(1個のヘッドランプ機能の光源3)で複数の灯具の機能、すなわちヘッドランプ機能とクリアランスランプ機能とを有することとなる。
【0020】また、光ファイバー6を使用して、ヘッドランプ機能の光源3をクリアランスランプ機能の光源として利用するので、ヘッドランプ側の光とクリアランスランプ側の光とは同一の色調となるので、見栄えが向上される。
【0021】さらに、クリアランスランプ機能のリフレクタ400には光ファイバー6の出射端61が一様にばらばらに配置されているので、多数の点光源による高輝度感のキラキラ感が得られ、見栄えが向上される。
【0022】なお、上述の光ファイバー6のコア材としては、透明なアクリル樹脂や透明なガラス等が使用される。ガラス製のコア材の場合には、光源3からの光の紫外線を酸化チタン薄膜の光触媒作用に影響を与えない程度にカットするので、樹脂製アウターレンズ2のうちクリアランスランプ機能の光源(光ファイバー6の出射端61)に近い部分の劣化を防止できる。
【0023】また、ヘッドランプ機能の光源3の光をクリアランスランプ機能のリフレクタ400側に導く導光手段として光ファイバー6を使用したので、ヘッドランプ機能のリフレクタ4が光軸調整時に上下左右に傾動しても光ファイバー6がヘッドランプ機能のリフレクタ4の傾動に追従でき、クリアランスランプ機能のリフレクタ400には何等影響を与えることがない。
【0024】図4は本発明の車両用灯具の第3実施形態を示した横断面図であって、図2におけるIII−III線断面図である。この例は、上述の第1実施形態及び第2実施形態と同様にヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。図中、図1乃至図3と同符号は同一のものを示す。
【0025】このフロントコンビネーションランプは、光ファイバー6の出射端61に光拡散系エレメント、例えば凸レンズ62が設けられているものである。この実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、上述の第1実施形態及び第2実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。
【0026】しかも、光ファイバー6の出射端61には光拡散系エレメントの凸レンズ62が設けられているものであるから、光ファイバー6の出射端61から出射された光は凸レンズ62により拡散されるので、光が広範囲に亘って均一に見え、見栄えが向上される。
【0027】図5は本発明の車両用灯具の第4実施形態を示した縦断面図であって、図2におけるI−I線断面図である。この例は、上述の第1実施形態及び第2実施形態及び第3実施形態と同様にヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。図中、図1乃至図4と同符号は同一のものを示す。
【0028】このフロントコンビネーションランプは、灯室12内にガラス製インナーレンズ7がインナーパネル等のインナー部材8により保持配置されている。このガラス製インナーレンズ7の内面にも上述の親水性薄膜5が形成されている。この実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、上述の第1実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。
【0029】しかも、ガラス製インナーレンズ7の内面にも親水性薄膜5が形成されているので、このガラス製インナーレンズ7の内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難く、しかもその内面に汚れも付着し難くなる。特に、2重レンズ(樹脂製アウターレンズ2とガラス製インナーレンズ7)の間の空間中に対流(アウターレンズ内面の曇止め用の対流)を起こすための開口部を積極的に設ける必要がない。
【0030】また、ガラス製インナーレンズ7及びその内面の親水性薄膜5(酸化チタン薄膜)により、光源3からの光の紫外線を樹脂製アウターレンズ2の酸化チタン薄膜の光触媒作用に影響を与えない程度にカットするので、樹脂製アウターレンズ2の劣化を防止できる。
【0031】図6は本発明の車両用灯具の第5実施形態を示した横断面図であって、図2におけるIII−III線断面図である。この例は、上述の第1実施形態乃至第4実施形態と同様にヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。図中、図1乃至図5と同符号は同一のものを示す。
【0032】このフロントコンビネーションランプは、灯室12内にヘッドランプ機能のリフレクタ4とクリアランスランプ機能のリフレクタ400がそれぞれ配置されている。このヘッドランプ機能のリフレクタ4とクリアランスランプ機能のリフレクタ400には光ファイバー6の入射端60と出射端61とがそれぞれ配置されている。また、灯室12内にはヘッドランプ機能のガラス製インナーレンズ7とクリアランススランプ機能のインナーレンズ700とがそれぞれインナーパネル等のインナー部材8により保持配置されている。このクリアランススランプ機能のインナーレンズ700の内面にも上述の親水性薄膜5が形成されている。
【0033】この実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、上述の第2実施形態及び第4実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。なお、クリアランスランプ機能のインナーレンズ700が樹脂製の場合には、光ファイバー6のコア材として透明なガラス製のコア材を使用することが好ましい。すなわち、光ファイバー6のガラス製コア材の場合により、光源3からの光の紫外線を樹脂製のインナーレンズ700及び樹脂製アウターレンズ2の酸化チタン薄膜の光触媒作用に影響を与えない程度にカットするので、樹脂製のインナーレンズ700及び樹脂製アウターレンズ2の劣化を防止できる。
【0034】また、クリアランスランプ機能のインナーレンズ700がガラス製の場合には、光ファイバー6のコア材として透明なアクリル樹脂製のコア材を使用しても良い。すなわち、ガラス製のインナーレンズ700及びその内面の親水性薄膜5(酸化チタン薄膜)により、光源3からの光の紫外線を樹脂製アウターレンズ2の酸化チタン薄膜の光触媒作用に影響を与えない程度にカットするので、樹脂製アウターレンズ2の劣化を防止できる。
【0035】図7は本発明の車両用灯具の第6実施形態を示した横断面図であって、図2におけるIII−III線断面図である。この例は、上述の第1実施形態乃至第5実施形態と同様にヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明する。図中、図1乃至図6と同符号は同一のものを示す。
【0036】このフロントコンビネーションランプは、光ファイバー6の出射端61に光拡散系エレメント、例えば凸レンズ62が設けられているものである。この実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるので、上述の第3実施形態乃至第5実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。
【0037】なお、上述の実施形態は、ヘッドランプとクリアランスランプとが組み合わせられたフロントコンビネーションランプについて説明したが、本発明の車両用灯具は、その他の車両用灯具にも適用できる。例えば、ヘッドランプとフォグランプとを組み合わせた車両用灯具、ヘッドランプとフォグランプとクリアランスランプとを組み合わせた車両用灯具等、又は、ヘッドランプ、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ターンシグナルランプを任意に組み合わせた車両用灯具。又は、リヤーコンビネーションランプ等の車両用灯具。
【0038】また、本発明の車両用灯具は、上述の第2実施形態、第3実施形態、第5実施形態、第6実施形態において、樹脂製アウターレンズ2やインナーレンズ7、700の内面に親水性薄膜5が形成されていない車両用灯具にも適用できる。すなわち、1個の光源で複数機能の灯具が得られ、若しくは複数個の光源でその光源の数よりも多くの機能の灯具が得られる車両用灯具にも適用できる。この場合、アウターレンズやインナーレンズは樹脂製でもガラス製でも良い。
【0039】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用灯は、樹脂製アウターレンズ(ガラス製インナーレンズ及び又は樹脂製インナーレンズを含む場合がある)の内面に光透過性かつ光触媒性の酸化チタン薄膜からなる親水性薄膜が形成されているものであるから、紫外線による酸化チタン薄膜の光触媒作用により、樹脂製アウターレンズの内面と水との接触角が約20°以下となり、その樹脂製アウターレンズの内面が親水化されて、その樹脂製アウターレンズの内面に水滴が付着し難く、かつその内面が曇り難くなる。しかも、上述の酸化チタン薄膜の光触媒作用により、親水作用同時に、電子と正孔とが生成され、電子は空気中の酸素を還元し、残った正孔は水素基準電極に対して約+3Vもの非常に強い酸化力を持ちほとんどの有機物を酸化する。このために、汚れ物質が分解除去されて、樹脂製アウターレンズの内面に汚れが付着し難い。
【0040】また、本発明の車両用灯具は、灯室内に光源を備えたリフレクタと別機能のリフレクタが配置されており、前記リフレクタには光ファイバーの入射端が配置されており、前記別機能のリフレクタには前記光ファイバーの出射端が配置されているものであるから、光源からの光が光ファイバーを経て別機能のリフレクタ側に出射されることにより、1台の灯具で複数の灯具の機能を有することとなる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開平11−273407
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−74250