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【発明の名称】 照明器具用ラッチ装置
【発明者】 【氏名】鈴木 達也

【氏名】岸 正勝

【要約】 【課題】軽い力でラッチ解除でき、器具本体に傷を付けずにてこの原理を利用でき、かつラッチ部の跳ね上がりを防止できる照明器具用ラッチ装置を提供する。

【解決手段】照射用の開口部2を有する器具本体1と、開口部2を開閉する配光制御部材3と、開口部2に設けられた受け部4と、配光制御部材3に設けられて受け部4に引っ掛かる引掛部5を有し引掛部5を記受け部4に引っ掛けた状態で閉操作により引掛部5を引っ掛けた状態に保持し開操作により引掛部5の引っ掛けを解除可能にするラッチ具6とを備え、ラッチ具6に工具を挿入可能な解除用穴48を設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 照射用の開口部を有する器具本体と、前記開口部を開閉する配光制御部材と、前記開口部および前記配光制御部材のいずれか一方に設けられた受け部と、前記開口部および前記配光制御部材の他方に設けられて前記受け部に引っ掛かる引掛部を有し前記引掛部を前記受け部に引っ掛けた状態で閉操作により前記引掛部を引っ掛けた状態に保持し開操作により引掛部の引っ掛けを解除可能にするラッチ具とを備え、前記ラッチ具に工具を挿入可能な解除用穴を設けたことを特徴とする照明器具用ラッチ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スポットライトなどの照明器具の開口部に設ける配光制御部材を取付ける照明器具用ラッチ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例を図6から図9に示す。すなわち、この照明器具用ラッチ装置は、照射用の開口部70を有する器具本体71と、開口部70を開閉するルーバ72付き開閉部73と、開閉部73に設けられた受け部74と、開口部70に設けられたラッチ具75とを備えている。
【0003】ラッチ具75は、図8に示すように受け部74に引っ掛かる引掛部76を有し、引掛部76を受け部74に引っ掛けた状態で閉操作により引掛部76を引っ掛けた状態に保持し開操作により引掛部76の引っ掛けを解除可能にするものである。ラッチ具75は引掛部76とラッチ部77からなる。引掛部76は線ばねを略矩形に曲成しその両端部が短辺に位置する。ラッチ部77は、一端に軸孔78を有し、中間部に引掛部76の両端部を嵌合する嵌合孔79を有し、先端部にマイナスドライバ91の先端が挿入できる段部80を形成している。開口部70にラッチ軸81を軸支する軸受け部82を設け、ラッチ部77の軸孔78を軸受け部82に整合しラッチ軸81を軸受け部82および軸孔78に通しE形止め輪83で抜止めする。
【0004】また図6に示す照明器具はスポットライトであり、開閉部73は開口部70にヒンジ95により取付けられている。84は照射角度設定用つまみ、85はアーム、86は台座、87は止め金具、88は電源線、89はランプソケット、90ランプ、96はアンカボルト、97はそのナットである。図9(a)は開閉部73を閉じて引掛部76を受け部74に引掛けた状態であり、ラッチ軸81と引掛部76の受け部74に引っ掛かる部分とを結ぶ線Lよりも嵌合孔79が下に位置するのでラッチ部77は開くことができず、引掛部76は受け部74に保持される。この図ではラッチ部77を開こうとして段部80と開口部70の表面との間にマイナスドライバ91の先端部を挿入している。同図(b)はドライバ91でラッチ部77をこじり開いた状態であり、ラッチ部77はラッチ軸81を中心に回動し嵌合孔79が線Lよりも上方に位置すると死点を超えるのでラッチ部77は大きく開ことができ、引掛部76が受け部74から離れるように移動する。同図(c)は開閉部73の受け部74から引掛部76を外した状態であり、開閉部73を開くことができ、これによりランプ交換ができる。開閉部73を閉じて止める場合は、前記の手順を逆に行い、最後にラッチ部77を手等で器具本体1に向けて押して図1の状態にする。
【0005】ここで、ラッチ部77の開き操作には、素手(指)ではなくマイナスドライバを必要とする程度に引掛部76のばね力を大きくしている。これはいたずら防止のためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この照明器具用ラッチ装置は、ラッチを解除するのに必要な力以上の力をかけてラッチ部77を上に引上げなくてはならない。ドライバ91によりてこの原理を利用して、例えば図7に示すようにドライバ91を段部80に挿入し矢印の方向に回動すると軽い力でラッチ部77を開くことができるが、器具本体71に傷を付ける。またラッチ部77を勢いよく解除するとラッチ部77やばね性の引掛部76がはね上がり、器具の他の部分に傷を付けたり、指などにあたって痛い思いをすることがあった。
【0007】したがって、この発明の目的は、軽い力でラッチ解除でき、器具本体に傷を付けずにてこの原理を利用でき、かつラッチ部の跳ね上がりを防止できる照明器具用ラッチ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の照明器具用ラッチ装置は、照射用の開口部を有する器具本体と、前記開口部を開閉する配光制御部材と、前記開口部および前記配光制御部材のいずれか一方に設けられた受け部と、前記開口部および前記配光制御部材の他方に設けられて前記受け部に引っ掛かる引掛部を有し前記引掛部を前記受け部に引っ掛けた状態で閉操作により前記引掛部を引っ掛けた状態に保持し開操作により引掛部の引っ掛けを解除可能にするラッチ具とを備え、前記ラッチ具に工具を挿入可能な解除用穴を設けたことを特徴とするものである。
【0009】請求項1記載の照明器具用ラッチ装置によれば、ラッチ具を開く際には工具を挿入可能な解除用穴に例えばプラスドライバの先端部を挿入し、解除用穴に掛けてラッチ部が開く方向にドライバを動かす。この場合、解除用穴がてこの作用点となりドライバの長さに応じて軽い力で解除することができる。また器具本体にドライバの先端を当てなくてもよいので器具本体に傷を付けず、さらにラッチ具の開閉の際にドライバが解除用穴に係合しているのでラッチ具のはね上がりを防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を図1から図5により説明する。すなわち、この照明器具用ラッチ装置は、器具本体1と、配光制御部材3と、受け部4と、ラッチ具6とを有する。器具本体1は、照射用の開口部2を有するもので、実施の形態は図2に示すようにラッパ形のスポットライトであり、頂部7にランプソケットを内蔵し、頂部7の側面突部8に照射角度設定用つまみ軸9を介してアーム10を連結している。アーム10はその端部を取付ボルト11により台座12に取付けている。器具本体1の内部は略ラッパ形の反射板14を有し、ランプソケットに装着されたランプ(図示せず)が反射板14の焦点に位置する。13は電源線である。
【0011】配光制御部材3は、開口部2を開閉するもので、実施の形態では透過ガラス20と、透過ガラス20の周縁に冠着したリング状のゴムパッキンを用いた緩衝材46と、透過ガラス20を保持する枠45からなり、枠45の内側に緩衝材46を介して収納し、枠45を開口部2に閉じたときに緩衝材46の表面を開口部2の縁部に押え付けている。枠45の一縁部をヒンジ18により開口部2に連結し、枠45を開口部2に対して開閉自在に取付けている。
【0012】受け部4は、配光制御部材3に設けられている。実施の形態では配光制御部材3の枠45の縁部のヒンジ18と反対側の位置に凹部16を形成し、凹部16内に開口部4の開口方向に突出するように受け突起17を形成している。ラッチ具6は、開口部2に設けられて受け部4に引っ掛かる引掛部5を有し、引掛部5を受け部4に引っ掛けた状態で閉操作により引掛部5を引っ掛けた状態に保持し開操作により引掛部5の引っ掛けを解除可能にするものであり、このラッチ具6に工具を挿入可能な解除用穴48を有する。実施の形態のラッチ具6は、一端側に引掛部5を設け他端部に解除用穴48を設けたラッチ部40と、解除用穴9の近傍に一端を回動自在に連結したリンク24からなっている。さらに具体的にはラッチ部40は、ばね性のある金属板を略十字形に打ち抜き、その下端部を略U字形に折り曲げて引掛部5を形成し、また両腕22を引掛部5と同方向に略直角に折り曲げてその先端に軸孔23を形成し、さらに金属板の両腕22よりも上端側を両腕22と同方向に略直角に折り曲げて折曲片25を形成しその先端を外向きに折曲し、また折曲片25の中央に穴開けした解除用穴48を形成している。27は引掛部5と折曲片25との間に形成したリブである。リンク24は剛体性の線材で角形でC字形に形成したリング状であり、その両端のある一端部24aを両腕22の軸孔23に回動自在に嵌合している。解除用穴9の穴径は工具としてプラスドライバが挿入できる大きさである。
【0013】開口部2の縁部に設けたフランジ部分の枠取付面2aと反対側の面2bにねじ孔30を形成し、ねじ孔30に隣接してリンク24の他端部24bが回転自在に嵌合する溝34を形成している。リンク24の他端部24bを溝34に嵌め、リンク止めねじ28をねじ孔30にねじ込んで頭部で他端部24bを押えてリンク24を器具本体1に取付ける。
【0014】配光制御部材3の開き動作を図5により説明する。図5(a)は配光制御部材3を開口部2に閉じた使用状態である。このときリンク24の両端の軸となる一端部24aは引掛部5と他端部24bとを結ぶ線L1 よりも器具本体1側すなわち器具中心La寄りに位置し死点となる線L1 を超えることができないので閉じた状態が保持される。配光制御部材3を開く際には図1と同様に解除用穴48にプラスドライバ12の先端を挿入し矢印の方向にドライバ12のハンドル12aを押す。このとき、ラッチ部40の引掛部5および折曲片25が互いに離れる方向に、そしてリブ27の部分が反るように弾性変形しながら受け部4を支点にラッチ部40が回動してリンク24の一端部24aが線L1 を超える。そして、ラッチ部40の引掛部5が支点となり、解除用穴48が作用点となり、ハンドル12aが力点となり、ドライバ12の長さを利用しててこの原理で軽い力でラッチ部40を回動することができる。同図(b)はドライバ12の回動により一端部24aが線L1 を超えた状態である。線L1 を超えるときラッチ部40が勢いよく開いてもドライバ12がラッチ具6自身に係合したままであるので不意に指などにあたる危険性がなくなる。同図(c)はドライバ12を解除用穴48から抜取り、リンク24の回動により引掛部5が開口部2から離れる方向に移動し、配光制御部材3が開口部2から若干離れた状態である。同図(d)はさらにリンク24を回動して引掛部5を受け部4から外した状態で、配光制御部材3はヒンジ18の回りを開くことができる。これによりランプ交換が可能になる。
【0015】つぎに配光制御部材3を閉じるときは、上記の反対の手順を行なう。すなわち図5(d)から図5(c)のように配光制御部材3を閉じ、受け部4に引掛部5を引っ掛ける。この状態でラッチ部40の折曲片25寄りの位置を器具本体1に向けて押し付ける。あるいは同図(b)のようにドライバ12の先端を解除用穴48に挿入し、矢印の反対方向にドライバ12を回動する。これによりラッチ具6は引掛部5が引っ掛かった受け部4を支点に解除用穴9を作用点にし、ハンドル12aを力点にして軽い力でラッチ片40が回動し線L1 をリンク24の一端部24aが超えると図(a)のようにラッチ状態となる。
【0016】この実施の形態によれば、ラッチ具6を開く際には工具を挿入可能な解除用穴48に例えばプラスドライバ12の先端部を挿入し、解除用穴48に掛けてラッチ具6が開く方向にドライバ12を動かす。この場合、解除用穴48がてこの作用点となりてこの原理によりドライバ12の長さに応じて軽い力で解除することができる。
【0017】またラッチ具6自身にてこの原理の作用点を解除用穴48により設けることにより、従来のように器具本体1を支点にして、器具本体1にドライバ12の先端を当てなくてもよいので器具本体1に傷を付けてしまうようなことがない。さらに従来は解除するとラッチの金具がパチンと勢いよく跳ね上がり、器具の他の部分に傷をつけてしまったり、はね上がった先に指でもおいていると、ラッチ具が指に当たって怪我までしなくても非常に痛い思いをすることがあった。しかし、ラッチ具6の開閉の際にドライバ12が解除用穴9に係合したままであるのでラッチ具6のはね上がりを防止することができる。
【0018】その結果、ラッチ解除の操作性の向上と安全性を図ることができ、また小型化が可能である。また、従来はマイナスドライバに限られていたが、プラスドライバも利用できる。なお、この発明は従来例のラッチ装置のラッチ片にドライバを係合できる解除用穴48を設けることにより適用することができる。またラッチ具6は1個設けられているが複数設けられてもよい。また受け部4を配光制御部材3に設けたが、開口部2に設けてもよい。さらに配光制御部材3はヒンジ18で連結されているが、ヒンジ18をなくしてすべてラッチ装置により開口部2に取付けてもよい。配光制御部材3は透過ガラスに限らずルーバ、透光用カバー等でもよい。解除用穴48は丸形等の各種形状の孔に限らず切欠であってもよい。また工具はドライバ12に限らず、解錠用穴に差し込める部材であればよい。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の照明器具用ラッチ装置によれば、ラッチ具を開く際には工具を挿入可能な解除用穴に例えばプラスドライバの先端部を挿入し、解除用穴に掛けてラッチ部が開く方向にドライバを動かす。この場合、解除用穴がてこの作用点となりドライバの長さに応じて軽い力で解除することができる。また器具本体にドライバの先端を当てなくてもよいので器具本体に傷を付けず、さらにラッチ具の開閉の際にドライバが解除用穴に係合しているのでラッチ具のはね上がりを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【識別番号】593142950
【氏名又は名称】山口照明株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】宮井 暎夫
【公開番号】 特開平11−273404
【公開日】 平成11年(1999)10月8日
【出願番号】 特願平10−73620