| 【発明の名称】 |
樹脂反射鏡および該樹脂反射鏡を具備するヘッドランプ |
| 【発明者】 |
【氏名】中田 祥弘
【氏名】坪井 亨
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| 【要約】 |
【課題】従来の樹脂反射鏡においてエーミング機構を一体に設けるとその操作時に剛性不足で変形し正確な配光特性の形状が得られず、また、肉厚を増して剛性を向上すると重量増加とコストアップの問題点を生じるものであった。
【解決手段】本発明により、樹脂反射鏡1は、リブ厚Dが前記樹脂反射鏡の基本肉厚tに対して、0.5≦(D/t)≦2.5の範囲であり、且つ、リブ断面積Sが3≦S≦50(mm2 ) の範囲である補強リブ3Cが、縦方向に少なくとも2本、横方向に少なくとも2本の格子状として背面に設けられていることを特徴とする樹脂反射鏡1としたことで、重量増加を必要最低限のものとして要求される剛性が得られるものとし、性能を向上させると共にコストアップも極小として課題を解決するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エーミング機構を兼備する樹脂反射鏡において、前記樹脂反射鏡は、リブ厚Dが前記樹脂反射鏡の基本肉厚tに対して、0.5≦(D/t)≦2.5の範囲であり、且つ、リブ断面積Sが3≦S≦50(mm2 ) の範囲である補強リブが、縦方向に少なくとも2本、横方向に少なくとも2本の格子状として背面に設けられていることを特徴とする樹脂反射鏡。 【請求項2】 請求項1記載の樹脂反射鏡を具備することを特徴とするヘッドランプ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車、二輪自動車に用いられるヘッドランプに関するものであり、詳細には、前記ヘッドランプを構成する部材の一部である反射鏡が樹脂で形成され、且つ、この反射鏡にヘッドランプの照射方向を調整するためのエーミング機構を兼備する構成とされたものに係る。 【0002】 【従来の技術】自動車用部品においては、常に軽量化とコストダウンとが追求されてきた。ヘッドランプ90においても例外でなく、樹脂部材の耐熱性の向上、あるいは、例えば添加物による耐熱性を向上させるための技術の向上などにより、図4に示すように、ハウジング91を初めとして、光線、即ち熱線が透過するレンズ92、熱源であるバルブ94に最も接近している反射鏡93も樹脂化が進められ、軽量化とコストダウンとが行われている。 【0003】そして、更なる軽量化、コストダウンに向けて、ヘッドランプ90を自動車に取付けた状態で照射方向を調整するためのエーミング機構93aを樹脂化された反射鏡93に兼備させる試みが行われているが、この樹脂化された反射鏡93は、例えば鉄材で形成された反射鏡に較べて剛性に不足するので、エーミング機構93aを操作すると反射鏡93が変形し、配光特性の形状が変化し、これにより所定の規格を満たすことができなくなる問題点を生じている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の問題点を解決する手段として、反射鏡93の剛性を向上させるために反射鏡93の基本肉厚tを増す手段が行われているが、この場合、必要とする剛性が充分に得られるように図中に二点鎖線で示すように反射鏡93の基本肉厚tを増すときには、例えば基本肉厚tを50%増せば、この反射鏡93の重量も50%増すものとなる。 【0005】従って、材料の使用量が増すことでコストも増加し、鉄材で形成された反射鏡に対する軽量化の有利性が失われたり、使用材料の増加によるコストアップでコストダウンの目的が失われる問題点を生じるものとなる。また、極端に反射鏡93に重量増加を生じた場合、この反射鏡93の支持に強度不足を生じ補強を要するなど別の問題点も新たに生じ、これらの点の解決が課題とされるものとなっていた。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、エーミング機構を兼備する樹脂反射鏡において、前記樹脂反射鏡は、リブ厚Dが前記樹脂反射鏡の基本肉厚tに対して、0.5≦(D/t)≦2.5の範囲であり、且つ、リブ断面積Sが3≦S≦50(mm2 ) の範囲である補強リブが、縦方向に少なくとも2本、横方向に少なくとも2本の格子状として背面に設けられていることを特徴とする樹脂反射鏡を提供することで課題を解決するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る樹脂反射鏡であり、図1は背面側から見た状態で示し、図2はヘッドランプ10として組立てた状態で示してある。この樹脂反射鏡1は樹脂部材で形成され、背面側にはボス状などとしたエーミング機構2が設けられている点は従来例のものと同様である。 【0008】ここで、本発明においては、前記エーミング機構2が設けられた場合においても、前記樹脂反射鏡1の基本肉厚t(代表的にはt=2mm)を変更することなく剛性の向上を図り、樹脂反射鏡1の重量面、コスト面における有利性を維持しようと図るものであり、その具体的な手段として樹脂反射鏡1の背面に格子状とした補強リブ3Cを設けるものである。 【0009】図3に示すものは、本発明を成すための発明者による試作、検討の結果を総括して示すグラフであり、図3中に符号VLで示す曲線は、樹脂反射鏡1を自動車に取付けられる状態としたときの縦方向に3本の補強リブ3V(図示は省略する)を設けたときの、補強リブ3Vの厚みDと、剛性の向上との関係を示すものである。 【0010】また、図3中に符号HLで示す曲線は、樹脂反射鏡1に対して横方向に3本の補強リブ3H(図示は省略する)を設けたときの同様な関係を示すものであり、図3中に符号CLで示す曲線は、樹脂反射鏡1に対して縦横方向に各2本が格子状となる補強リブ3Cを設けたときの同様な関係を示すものである。尚、このときに前記の補強リブ3V、3H、3Cは幅Wを同一なものとしてある。また、図3はそれぞれの曲線VL、HL、CLの比較を容易とするために、補強リブ3Cの厚さを5mmとしたときの剛性を100%として示してある。 【0011】ここで、上記の各曲線VL、HL、CLから、補強リブ(3V、3H、3C)の厚みDと剛性の向上率との関係を概算してみると、補強リブ3Vにおいては1.2(%)×Dであり、補強リブ3Hにおいては2.0(%)×Dであり、補強リブ3Cにおいては3.2(%)×Dであり、即ち、格子状の補強リブ3Cとしたときが最も剛性の向上の効果に優れることが確認された。 【0012】ここで、もう一つの要素である、重量の増加率について検討してみると、補強リブ3Vは厚さDの1mmあたりの重量増加率は0.6%であり、補強リブ3Hの同じ厚さDに対する重量増加率は1.5%であり、補強リブ3Cの同じ厚さDに対する重量増加率は1.4%であることが確認された。 【0013】上記の結果を比較検討してみると、補強リブ3Cは補強リブ3Vに対して同じ厚さDで約2.7倍(3.2/1.2≒2.7)の剛性の向上が得られるので、逆に補強リブ3Vで補強リブ3Cと同じ剛性を得るためには厚さDを約2.7倍としなければならない。そして補強リブ3Vの1mmあたりの重量増加率は0.6%であるので、厚さDを2.7倍としたときの重量増加率は約1.6%となり、同じ剛性の補強リブ3Cより重くなる。 【0014】同様に、補強リブ3Hにおいては補強リブ3Cと同じ剛性を得るためには厚さDを約1.6倍としなければならず、このときの重量増加率は約2.4%となり、補強リブ3Vと同様に同じ剛性の補強リブ3Cより重くなる。従って、以上の結果から、本発明では格子状とした補強リブ3Cを採用することを決定したものである。 【0015】また、同じ実験、検討の過程において、この種の樹脂反射鏡1の数多くについて検討したところ、剛性の向上は略5〜20%の範囲で良いものであることが判明した、このことから前記補強リブ3Cの厚さDとしては、0.5≦(D/t)≦2.5、即ち、樹脂反射鏡1の基本肉厚tが2mmであるときには、補強リブ3Cの厚さDは1〜5mmの範囲として設定すれば実用上に充分な剛性が得られるものとなる。 【0016】尚、このときに前記補強リブ3Cは、上記した厚さDのみならず、幅Wも剛性の向上に寄与するが、幅Wの側を主として剛性の向上を計ろうとすると結果的には基本肉厚tを増して剛性の向上を行った場合と重量面でそれ程に相違がない場合も生じる。従って、本発明では、補強リブ3Cの厚みDの設定を優先させるものであり、そして、補強リブ3Cの幅Wとしては、剛性の向上に有効であり、且つ、重量の増加を来さない範囲である3≦S≦50(mm2 ) の範囲を設定するものである。尚、このときの断面積Sは、(リブの厚みD×リブの幅W)で計算されたものである。 【0017】再び図2を参照して、この図2に示すものは前記にも述べたように上記樹脂反射鏡1を採用したヘッドランプ10であり、本発明により樹脂反射鏡1を、格子状とした補強リブ3Cで補強するものとしたことで、剛性を向上させるための重量増加は必要最低限のものとなる。よって、樹脂反射鏡1のエーミング時の変形の問題は補強により解消されて、常に正確な形状の配光特性の得られるヘッドランプ10の実現を可能とすると共に、使用素材の増加によるヘッドランプ10のコストアップも必要最低限のものとすることができる。 【0018】また、樹脂反射鏡1の重量増加が抑えられると言うことは、例えばハウジング4など、この樹脂反射鏡1を自動車の走行時の振動、衝撃に耐え保持している部材への負担も低減させるものであり、実質的には本発明の構成とすることで、これらハウジング4などの部材への補強の必要性を不要とすることができる。尚、図中に符号5で示すものはレンズであり、符号6で示すものは電球である。 【0019】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、樹脂反射鏡は、リブ厚Dが前記樹脂反射鏡の基本肉厚tに対して、0.5≦(D/t)≦2.5の範囲であり、且つ、リブ断面積Sが3≦S≦50(mm2 ) の範囲である補強リブが、縦方向に少なくとも2本、横方向に少なくとも2本の格子状として背面に設けられていることを特徴とする樹脂反射鏡としたことで、重量増加を必要最低限のものとして要求される剛性が得られるものとなり、樹脂反射鏡にエーミング時の変形を生じないものとして、常に正確な形状の配光特性が得られるものとして、前照灯の性能向上に優れた効果を奏する。 【0020】また、上記重量増加を必要最低限のものとしたことで、樹脂反射鏡を形成するときに必要とされる樹脂素材の増加も必要最低限のものとし、所望の効果を得るためのコストアップも必要最低限のものとする効果を奏する。更には、ハウジングなど当該の樹脂反射鏡を支持するための部材へ補強も不要として、一層確実にコストアップの度合いを低下させる効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−185503 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−351120 |
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