| 【発明の名称】 |
ヘッドランプ |
| 【発明者】 |
【氏名】秋山 良昭
【氏名】高瀬 真樹
【氏名】飯塚 俊一
|
| 【要約】 |
【課題】従来のヘッドランプにおいてエーミング調整装置に不可触機構が要求されるときには、別に用意したカバーをネジで操作部に被着するものであり、車体とのスペースなどから取付作業が煩雑化し作業性が悪いものであった。
【解決手段】本発明により不可触機構3は、ヘッドランプ1の一部に設置される固定部4と、固定部4に対し調整位置Pと出荷位置Qとに移動可能とし且つ操作部2aを覆う移動部5とから成り、固定部4には工具ガイド部4aと移動部ガイド部4bと係止部4cとが設けられ、移動部5には調整位置Pにあるときには工具ガイド部4aと一致し出荷位置Qにあるときには移動部ガイド部4bと一致する工具挿入孔5cが設けられているヘッドランプ1としたことで、ヘッドランプへの自動車取付け以前の時点での不可触機構3の組込みを可能とし取付用スペースを不要として課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 生産者側で調整可能であり使用者側では調整不能とするようにエーミング調整装置の操作部に不可触機構が設けられて成るヘッドランプにおいて、前記不可触機構は、ヘッドランプの構成体の一部に設置される固定部と、前記固定部に対し調整位置と出荷位置とに移動可能とし且つ前記操作部を覆う移動部とから成り、前記固定部には工具に所定位置を与える工具ガイド部と前記移動部の移動方向に沿い設けられる移動部ガイド部と少なくとも前記移動部が出荷位置に移動されたときにはその位置を保持する係止部とが設けられ、前記移動部にはこの移動部が前記調整位置にあるときには前記固定部の工具ガイド部と一致して前記操作部への工具の到達を可能とし前記出荷位置にあるときには前記移動部ガイド部と一致して工具の前記操作部への工具の到達を阻む工具挿入孔とが設けられていることを特徴とするヘッドランプ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車のヘッドランプに関するものであり、詳細には、生産工程で行われたヘッドランプの照準が市場で変更されることのないように、エーミング調整装置に不可触機構が設けられたヘッドランプに係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来のヘッドランプ90の構成の例を要部で示すものが図3であり、自動車側にもヘッドランプ90側にも完成時には幾分かの製造誤差が存在するものであるので、ヘッドランプ90を自動車の車体30に取付けた状態で規定の照射方向となるように調整を行う必要を生じるものとなる。 【0003】よって、ヘッドランプ90には例えば反射鏡の向きを上下、左右に調整可能としたエーミング調整装置91が設けられ、該エーミング調整装置91の操作部91aはヘッドランプ90のハウジング90aの外面まで延長するなどして、自動車に取付けた状態においても容易に操作が可能となる位置とされている。 【0004】ところが、上記のように操作部91aを露出させておくと、自動車の使用者側においても容易に操作が可能となり、照準に対し正確な知識を持たない使用者により不適切な調整が行われる可能性があるので、仕向地の規格によっては前記操作部91aの操作が使用者においては不可能となるように不可触機構92を設けることが規定されている。 【0005】この不可触機構92は、前記操作部91aを覆うカバー92aと、このカバー92aをハウジング90aに止着する取付ネジ92b(又は、リベットなどが用いられることもある)で構成され、生産者側において照準が終了した後に、前記カバー92aを取付ネジ92bで取付けて以後の操作を行えないものとする。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際の車体30にヘッドランプ90が取付けられている状態は、図3にも示すようにハウジング90aと車体30とに間隙が殆ど設けられていないのが実情であり、前記カバー92aを取付け、更に取付ネジ92bを止着するための作業スペースは存在しないに等しく、この作業が極めて困難で、且つ、手間を要するものとなり、生産性の低下、コストアップなどの問題点を生じるものとなっている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、生産者側で調整可能であり使用者側では調整不能とするようにエーミング調整装置の操作部に不可触機構が設けられて成るヘッドランプにおいて、前記不可触機構は、ヘッドランプの構成体の一部に設置される固定部と、前記固定部に対し調整位置と出荷位置とに移動可能とし且つ前記操作部を覆う移動部とから成り、前記固定部には工具に所定位置を与える工具ガイド部と前記移動部の移動方向に沿い設けられる移動部ガイド部と少なくとも前記移動部が出荷位置に移動されたときにはその位置を保持する係止部とが設けられ、前記移動部にはこの移動部が前記調整位置にあるときには前記固定部の工具ガイド部と一致して前記操作部への工具の到達を可能とし前記出荷位置にあるときには前記移動部ガイド部と一致して工具の前記操作部への工具の到達を阻む工具挿入孔とが設けられていることを特徴とするヘッドランプを提供することで課題を解決するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係るヘッドランプの要部であり、このヘッドランプ1においてもエーミング調整装置2が設けられ、該エーミング調整装置2の操作部2aがハウジング1aの外面に設けられているものである点は従来例のものと同様である。 【0009】また、前記操作部2aには、市場への出荷後に自動車の使用者などによる不適切な操作が行われないように不可触機構3が設けられるものである点も従来例と同様であるが、本発明では前記不可触機構3を固定部4と移動部5とで構成されるものとし、ヘッドランプ1を自動車に取付けを行う以前の状態でヘッドランプ1に取付けが可能なものとしている。 【0010】本発明においては、前記固定部4を、例えばハウジング1aの外面など操作部2aが設けられている場所の近傍で、且つ、照準作業を行う際にも移動することのないヘッドランプ1を構成する部材に設けるものであり、この固定部4は照準作業に用いられるドライバーなど工具40をガイドし、この工具40に対し作業を行うときの位置を与える工具ガイド部4aと、後に説明する移動部5の移動をガイドする移動部ガイド部4bと、照準が行われた後の移動部5の移動を禁止する係止部4cとで構成されている。 【0011】また、前記移動部5は前記操作部2aを覆う、浅い有底円筒状として形成され、従来例とほヾ同様な形状とされているが、本発明により前記移動部5は操作部2aに被着させるにあたり、例えばアンダーカットなど適宜な構成とした係着部5aが設けられ、ハウジング1aなど操作部2aが設けられている部材に回動自在に係着できる構成とされている。尚、前記移動部5の係着は操作部2aに設けられた歯車2bなどを利用し操作部2aに直接に行っても良い。 【0012】また、この移動部5の側面5bには工具挿入孔5cが設けられ、操作部2aに移動部5を被着させた状態でも、この工具挿入孔5cにドライバーなど工具40を挿入することで照準作業が行えるものとされている。加えて、この実施形態の場合には前記移動部5には、円筒状の外径から放射状に突出するタブ5dが設けられている。 【0013】そして、前記固定部4の移動部ガイド部4bは、内径を前記移動部5の外径が嵌合する略円筒状に形成されると共に、前記タブ5dに対応し適宜角度の切欠部4dが設けられ、前記移動部5に対し適宜範囲での回動が行えるものとし、この回動範囲の一方の端部で調整位置Pを設定し、他方の端部で出荷位置Qを設定するものとしている。 【0014】このときに、前記移動部5が調整位置Pに設定されたときには、前記固定部4の工具ガイド部4aと移動部5の工具挿入孔5cが一致するものとされ、移動部5を出荷位置Qに回動し設定したときには工具ガイド部4aと工具挿入孔5cとの位置がずれて工具ガイド部4aを移動部5の側面5bが塞ぎ、工具40を挿入しても操作部2aに達するのを阻止する構成とされている。 【0015】また、前記固定部4には、例えば、前記移動部5を調整位置Pから出荷位置Qに回動させる際には斜路と成りタブ5dが乗り越えることが比較的に容易であり、逆に出荷位置Qから調整位置Pに向かい回動させようとすると段差状となり乗り越えが実質上不可能となるボス状などとした係止部4cが設けられている。 【0016】上記のように構成された不可触部3は、初期状態においては、移動部3が調整位置Pに位置するように固定部2に対する組立が行われ、この状態でヘッドランプ1が自動車に取付けられる。従って、自動車の生産ラインにおいては工具ガイド部4aと工具挿入孔5cとが一致しているのでヘッドランプ10に対して照準作業を行うことが可能である。 【0017】上記の照準作業を行った後には、作業者は工具40などで前記タブ5dを押して移動部5を調整位置Pから出荷位置Qに向かい回動させる。この回動により移動部5は係止部4cにより出荷位置Qに固定されるので、この状態で市場に出荷すれば、自動車の使用者などが照準を行おうとしても操作部2aに触れることはできず、よって、市場での不適切な照準の変更は防げるものとなる。尚、上記の作用、効果を一層に確実なものとするために、例えば、出荷位置Qへの固定に前記係止部4cに加えて、接着剤を併用するなどは自在である。 【0018】図2に示すものは本発明の別の実施形態であり、前の実施形態では移動部5は略有底円筒状として形成され回動するものとして形成されていたが、この実施形態では移動部7は略函状として形成されて直線移動を行うものとされ、その移動方向と平行する側面7bに工具挿入孔7cが設けられている。 【0019】また、前記移動部7の底面には直線移動に適するように略U字状の溝とした係着部7aが設けられ、ハウジング1aなどの適宜位置に係着されている。尚、係着を行った状態ではエーミング調整装置2の操作部2aを覆うものとされている点は前の実施形態と同様である。 【0020】一方、固定部6には、前記移動部7の移動に対し調整位置Pと出荷位置Qとを与える略コ字状とした移動部ガイド6bが設けられ、前記調整位置Pに対応しては工具ガイド部6aが設けられるものである点は前の実施形態と同様であり、そして、係止部6cも設けられている。 【0021】この実施形態の場合にも、不可触部5は、初期状態においては、移動部7が調整位置Pに位置するように固定部6に対する組立が行われ、生産ライン中で照準作業が行われた後には、移動部7が出荷位置Qに移動され、以後の操作部2aへの工具40の到達を防止するものである点は、前の実施形態と同様である。但し、移動部7は略函状で且つ直線運動をするものであるので、移動に際しては工具40などで図中に矢印Fで示すように移動部7の移動方向に直交する側面を押せば良く、前の実施例で設けられていた切欠部およびタブは省略しても良いものとなる。 【0022】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、不可触機構は、ヘッドランプの構成体の一部に設置される固定部と、前記固定部に対し調整位置と出荷位置とに移動可能とし且つ操作部を覆う移動部とから成り、固定部には工具ガイド部と移動部の移動方向に沿い設けられる移動部ガイド部と移動部が出荷位置に移動されたときにはその位置を保持する係止部とが設けられ、移動部にはこの移動部が調整位置にあるときには固定部の工具ガイド部と一致し出荷位置にあるときには移動部ガイド部と一致する工具挿入孔とが設けられているヘッドランプとしたことで、ヘッドランプへの自動車取付け以前の時点での不可触機構の組込みを可能とし、もって、従来例の取付け時に生じていたスペース不足による作業の困難などの問題をなくし、生産性の向上およびコストダウンに極めて優れた効果を奏するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
|
| 【公開番号】 |
特開平11−176207 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−337326 |
|