| 【発明の名称】 |
車両用前照灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】二見 隆
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| 【要約】 |
【課題】従来の光源の移動により配光特性を切換える構成とした前照灯においては、移動時に光源が傾いて所望の配光特性の形状が得られなかったり、強度に不足し信頼性が保てないなどの問題点を生じていた。
【解決手段】本発明により、位置移動機構4は、垂直方向の上下に光源3を挟んで配置された2つの軸41、42と、軸41、42と共に回動する同長の2つのアーム43、44と、アーム43、44のそれぞれの前端に軸支される光源保持板45とから成る平行リンクとして構成されている車両用前照灯としたことで、傾きを生じることなく後方と下方とへの光源3の移動を可能とし、加えて、多数のアーム41、42で光源保持板45を支持されるものとし、強度の向上を可能として課題を解決するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つの反射鏡に対し光源に位置移動機構を設けることで、1つの光源で走行ビーム配光とすれ違いビーム配光とを得る構成とされた車両用前照灯において、前記位置移動機構は、この車両用前照灯の車両への取付状態における垂直方向の上下に前記光源を挟んで配置された2つの軸と、前記軸のそれぞれを中心として共に回動する同長の2つのアームと、前記アームのそれぞれの前端に軸支される光源保持板とから成る平行リンクとして構成されていることを特徴とする車両用前照灯。 【請求項2】 前記アームには、このアームを一方向に回動させる駆動装置と、反対方向に回動させるスプリングとが設けられ、前記駆動装置は駆動されないときには前記スプリングにより、前記光源保持板に前記走行ビーム配光、又は、すれ違いビーム配光の何れか一方に対する定位置が与えられていることを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。 【請求項3】 前記位置移動機構、駆動装置およびスプリングは、エーミング部材を兼ねる基板に取付けられ、該基板を介して前記反射鏡の取付けが行われていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用前照灯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車など車両に用いられる前照灯に関するものであり、詳細には例えばメタルハライド放電灯が光源として採用されるなど、近接する2箇所にすれ違いビーム用光源と走行ビーム用光源とを設けることが不可能なものとなり、1つの光源の位置を移動させることですれ違いビーム配光と走行ビーム配光とを切換える構成とした前照灯に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来の放電灯を光源とする前照灯90におけるすれ違いビームと走行ビームとを切換えるときの構成としては、例えば特開平8―111101号公報に示されるものがあり、図4に要部を再録して示すように、放電灯91を上方に支点92aが設けられ垂直方向に沿い配置されたレバー92にバーナー91aが略光軸Z上に位置する、すれ違いビーム位置として取付けておき、走行ビームに切換えるときには、支点92aを回動の中心としてレバー92をモータ或いはソレノイドなどの駆動装置94で後方に所定角αだけ回転させ、放電灯91の位置をすれ違いビーム位置から反射鏡93に対して後方および下方に移動させて走行ビーム位置とするものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の構成においては、第一には、走行ビーム位置としたときにバーナー91aに前下がりの傾きを生じるものとなるので、反射鏡93に反射された後の光像にも形状変化を生じ、必ずしも予測した形状の走行ビーム配光と成らず、性能的に不充分なものと成る問題点を生じている。 【0004】また、第二には、駆動装置94の動作方向が前後方向と成るので、前照灯90全体としての奥行寸法が大きくなり、車両への取付けが困難となる問題点を生じ、更に、第三には、放電灯91が1つの支点92aにより支持されているので機械的な強度に不足し、例えば放電灯91の交換などで僅かな外部応力でガタなどを生じて配光特性の狂いを生じ、信頼性に欠けるなどの問題点も生じている。 【0005】加えて、前記支点92a、駆動装置94を反射鏡93に直接に取付けを行うと、例えば駆動装置94を駆動したときの応力が反射鏡93にも伝わるものとなり、この応力により反射鏡93が変形して配光特性の形状が変化する問題点も生じるものとなり、これらの点の解決が課題とされていた。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、1つの反射鏡に対し光源に位置移動機構を設けることで、1つの光源で走行ビーム配光とすれ違いビーム配光とを得る構成とされた車両用前照灯において、前記位置移動機構は、この車両用前照灯の車両への取付状態における垂直方向の上下に前記光源を挟んで配置された2つの軸と、前記軸のそれぞれを中心として共に回動する同長の2つのアームと、前記アームのそれぞれの前端に軸支される光源保持板とから成る平行リンク装置で構成されていることを特徴とする車両用前照灯を提供することで課題を解決するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る車両用前照灯1を要部で示すものであり、この車両用前照灯1は基本的には1つの反射鏡2に対し、放電灯などとした1つの光源3が設けられ、この光源3を位置移動機構4で移動させることで、走行ビーム配光とすれ違いビーム配光とを得るものである点は従来例のものと同様である。尚、車両用前照灯1には上記以外にハウジングおよびレンズなどが設けられているが、本発明の要旨の部分ではないので、ここでの図示と説明は省略する。 【0008】ここで、本発明においては、前記位置移動機構4を図2にも模式的に示すように、この車両用前照灯1の車両への取付状態における垂直方向の上下に前記光源を挟んで配置された2つの軸41、42と、前記軸41、42のそれぞれを中心として共に回動する2つのアーム43、44と、前記アーム43、44の先端に軸支される光源保持板45とで構成するものである。 【0009】このときに、前記アーム43、44は同じ長さとされると共に、前記光源保持板45を軸支するときのお互いの先端間の間隔を前記軸41、42間の間隔と同一にして平行リンクとし、前記軸41、42に回動を行うときにも前記光源保持板45は垂直を保つものとしている。 【0010】加えて本発明では、前記軸41、42の何れか一方、例えば軸41には、この軸41に一方向への回動力を与えるためのステッピングモータ、ソレノイドなどによる駆動装置5と、前記駆動装置5とは反対の方向への回動力を常に与えているスプリング6とが設けられている。尚、この実施形態においては軸41にソレノイド51が接続されたレバー41aを設け回動力を与える例で示してある。 【0011】このときに、軸41に与える回動力は駆動装置5の側が大きいものとされ、駆動装置5が駆動されたときには一方向への回動力が与えられ、駆動装置5の駆動が停止されたときにのみスプリング6による反対方向への回動力が与えられるものとされている。また、前記位置移動機構4の光源保持板45には取付孔45aが設けられて光源3が交換自在として取付けられるものとされている。 【0012】よって、本発明においても、駆動装置5を駆動することで光源3がすれ違いビーム配光が得られる位置から走行ビーム配光が得られる位置へ、或いは、その逆に移動するものとなる。従って、すれ違いビーム配光で走行することが通常である近年の交通状況下では、駆動装置5を駆動しない状態ですれ違いビーム配光が得られる位置としておき、使用頻度の低い走行ビーム配光側で駆動するものとしておく方が消費電力の低減の面で有利となる。 【0013】また、本発明では、前記軸41、42を基板7に軸支して位置移動機構4の保持を行わせるものであり、同時に前記駆動装置5、スプリング6も前記基板7上に保持される。また、本発明においては、基板7は適宜に切込部7aなどが設けられ(図1参照)て、前記位置移動機構4、駆動装置5、スプリング6の保持を行うと共にエーミング部材を兼ねるものとされている。そして、前記基板7の前記位置移動機構4などが取付けられたのとは反対側の面には反射鏡2が取付けられている。 【0014】次いで、上記の構成とした本発明の車両用前照灯1の作用および効果について説明する。先ず位置移動機構4については、光源保持板45は軸41、42を回動の中心とし、アーム43、44の長さを半径とする円弧運動を行うものであるので、前記アーム43、44の長さと、軸41、42の回動の始点と終点とを調整すれば、光源3の反射鏡2に対する後方と下方とへの移動量を設定できるものとなる。 【0015】上記を具体的に説明すれば、この実施形態においては、光源3のすれ違いビーム配光から走行ビーム配光への切換時の反射鏡2に対する後方と下方とへの望ましい移動量は、後方へ3.2mm、下方へ1.5mmである。この条件を満足させるべく、この実施形態では図3に示すようにアーム43(44)の長さを20mmに設定すると共に、アーム43(44)が垂直から20°傾いた位置を始点Pとし、この状態ですれ違いビーム配光が得られる位置となるように光源3は光源保持板45に取付けられている。 【0016】そして、走行ビームへの切換を行うときには軸41(42)を10°回転させてアーム43(44)が垂直から30°傾いた終点Qに位置させる。このようにすることで、光源保持板45は始点Pから終点Qに移動する間に、後方へ3.2mm、下方へ1.5mmだけ移動するものとなり、即ち、すれ違いビーム配光から走行ビーム配光への切換が行われる。 【0017】このときに、前記光源保持板45は位置移動機構4による平行リンクの一部であるので、上記の移動を行う際にも傾きを生じることはなく垂直の状態を保つものとなり、従って、光源3にも傾きを与えず、配光特性の形状に乱れを生じることがない。また、光源保持板45は、1対のアーム43、44により支持されているので、例えば上記の移動時の応力、或いは、光源3交換時の外部応力によっても変形を生じない充分な強度を有するものとなる。 【0018】また、上記位置移動機構4は本発明により、基板7の一方の面に設けられているので、この基板7の強度を適宜なものとしておくことで、基板7の他の一方の面に取付けられている反射鏡2に駆動装置5などの応力が伝わるのを防止でき、反射鏡2に変形が生じるのを防止できるものとなる。更には、前記駆動装置5の動作方向、即ち、最も寸法が長い方向を垂直若しくは水平として取付けることが可能な構成となるので、車両用前照灯1全体としての奥行寸法も短縮が可能となる。 【0019】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、位置移動機構は、この車両用前照灯の車両への取付状態における垂直方向の上下に前記光源を挟んで配置された2つの軸と、前記軸のそれぞれを中心として共に回動する同長の2つのアームと、前記アームのそれぞれの前端に軸支される光源保持板とから成る平行リンクとして構成されている車両用前照灯とし、加えて、位置移動機構、駆動装置およびスプリングは、エーミング部材を兼ねる基板に取付けられ、この基板を介して反射鏡の取付けが行われている車両用前照灯とすることで、第一には、位置移動機構の平行リンクにより、傾きを生じることなく後方と下方とに光源の移動を可能とし、切換を行った後の配光特性にも形状の狂いなどを生じないものとして、この種の車両用前照灯の性能向上に極めて優れた効果を奏するものである。 【0020】また第二には、上記の構成としたことで、光源保持板は、例えば1対と複数のアームで支持されるものとなり、従来例のものに比較して強度が向上する。従って、動作時の応力、或いは、光源の交換など外部応力が加わった場合にも精度の維持が確実に行われ、信頼性の向上に窮めて優れた効果を奏するものとなる。 【0021】更に第三には、上記の構成により駆動装置の軸を垂直などとして取付けを可能とし、車両用前照灯全体としての奥行寸法を短縮し、車両への取付性、整合性を向上させる効果を奏し、第四には、位置移動機構と反射鏡とを基板の表裏面に分割したことで反射鏡の位置移動機構の動作時の応力による変形も防止し、一層の性能向上に優れた効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−162207 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−331745 |
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