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【発明の名称】 ヘッドランプ
【発明者】 【氏名】金田 真

【氏名】谷内 均

【要約】 【課題】従来のこの種、放電灯を光源とするヘッドランプにおいては、反射鏡に対し光源の位置を移動してビームの切換えを行うものであったので、繰り返しの精度などが不足し、信頼性に劣る問題点を生じていた。

【解決手段】本発明により、配光切換機構は、少なくとも一つの切欠部31bが設けられた固定部31と、該固定部31の切欠部31bをこのヘッドランプ1の光軸Zと略平行な回動軸33で回動する、ことで開閉を自在とする移動部32とからなる遮光フード3で構成されるヘッドランプ1としたことで、配光特性を得るために最も高い精度が要求される光源2と反射鏡4との相互位置を固定した状態で走行ビーム配光とすれ違いビーム配光との切換えを可能とし、課題を解決するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一つの光源に対しすれ違いビーム配光と走行ビーム配光とを切換える配光切換機構が設けられて成るヘッドランプにおいて、前記配光切換機構は、少なくとも一つの切欠部が設けられた固定部と、該固定部の前記切欠部をこのヘッドランプの光軸と略平行な軸で回動することで開閉を自在とする移動部とからなる遮光フードで構成されることを特徴とするヘッドランプ。
【請求項2】 一つの光源に対しすれ違いビーム配光と走行ビーム配光とを切換える配光切換機構が設けられて成るヘッドランプにおいて、前記配光切換機構は、少なくとも一つの切欠部が設けられた固定部と、該固定部の前記切欠部をこのヘッドランプの光軸と略平行方向に移動することで開閉を自在とする移動部とからなる遮光フードで構成されることを特徴とするヘッドランプ。
【請求項3】 前記固定部に設けられる切欠部には、すれ違い用切欠部と走行用切欠部とが設けられ、前記移動部により一方の切欠部が開口されているときには他方の切欠部が遮蔽され、他方の切欠部が開口されているときには一方の切欠部が遮蔽される構成とされていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のヘッドランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両に設けられるヘッドランプに関するものであり、詳細には、光源としてメタルハライド放電灯などが採用されたことで、例えばハロゲン電球を光源とする場合のように、光源にすれ違いビーム用と走行ビーム用とを設けることができないものと成るヘッドランプの構成に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放電灯を光源とする前照灯90におけるすれ違いビームと走行ビームとを切換えるときの構成としては、例えば特開平8―111101号公報に示されるものがあり、図6に要部を再録して示すように、放電灯91を上方に支点92aを有し、垂直方向に沿い配置されたレバー92に、放電灯91をバーナーなど光源91aが略光軸Z上に位置するすれ違いビーム位置として取付けておくものである。
【0003】そして、走行ビームに切換えるときには、支点92aを回動の中心としてレバー92をモータ或いはソレノイドなどのアクチュエータで後方に所定角αだけ振子状に回動させ、放電灯91の位置をすれ違いビーム位置から反射鏡93に対して後方で且つ下方である走行ビーム位置に移動させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来のすれ違いビームと走行ビームとを切換える構成においては、反射鏡93に対する光源91aの位置をすれ違いビーム位置、走行ビーム位置の共に極めて高い精度に保たないと所定の配光特性が得られないものとなる。従って、2点間に高い精度で光源91aを移動させることが要求される従来の構成では、走行中の振動、衝撃或いは繰り返し動作による摩耗などで精度が低下する問題点があり、また、これを解決するためには機構が複雑化、大型化してコストアップする問題点を生じ、これらの点の解決が課題とされていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、一つの光源に対しすれ違いビーム配光と走行ビーム配光とを切換える配光切換機構が設けられて成るヘッドランプにおいて、前記配光切換機構は、少なくとも一つの切欠部が設けられた固定部と、該固定部の前記切欠部をこのヘッドランプの光軸と略平行な軸で回動すること、若しくは、ヘッドランプの光軸と略平行方向に移動することで、開閉を自在とする移動部とからなる遮光フードで構成されることを特徴とするヘッドランプを提供することで、反射鏡に対し光源が移動しないものとして課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1に符号1で示すものは本発明に係るヘッドランプの第一実施形態であり、このヘッドランプ1は光源2として発光源が一つしか設けられていない例えばメタルハライド放電灯が採用され、一つのヘッドランプ1ですれ違いビーム配光と走行ビーム配光とを得るためには配光切換機構が必要とされるものである点は従来例のものと同様である。
【0007】ここで、本発明では通常には眩惑光の発生を防止するために光源2からの直射光を遮蔽する目的などとして設けられている遮光フード3を利用して配光切換機構切換とするものであり、これにより、相互の位置に精度が必要とされる光源2と反射鏡4との間に移動を生じないものとしている。
【0008】前記遮光フード3は、図2にも示すように、基本的に固定部31と移動部32とで構成され、前記固定部31は底面31aを有する略円筒状に形成され、従来の遮光フードと同様に光源2からの直射光の遮蔽などの機能を備えると共に、本発明により切欠部31bが設けられるものとされている。
【0009】また、移動部32はこの実施形態においては前記固定部31の内径に略嵌合する外径とし、同様に底面32aを有する略円筒状に形成され、両者の底面31a、32a同士は中心で回動軸33で係着されて、前記移動部32は固定部31内で、このヘッドランプ1の光軸Zと略平行に回動自在なものとされている。また、移動部32には切欠部31bを覆うに必要充分な寸法とされた張出部32bが設けられている。
【0010】そして、図2(A)に示すように前記切欠部31bと張出部32bとが重なり合う位置とすることで切欠部31bは閉止され、この位置から移動部32を回動させることで、張出部32bによる切欠部31bの遮蔽は解かれ、図2(B)に示すように切欠部31bは開口する構成とされている。
【0011】このように構成したことで、本発明においては反射鏡4に切欠部31bを開口したときにのみ光源2からの光が達する選択反射部4aを生じる(図1参照)ものとなる。よって、本発明では、前記切欠部31bが閉止されているときに反射鏡4に達する光ですれ違いビーム配光が得られるものとしておき、前記選択反射部4aからの反射光を正面方向を照射するものとしておくことで、切欠部31bが開口されたときには、すれ違いビーム配光に選択反射部4aからの正面方向を照射する光が加わり走行ビーム配光が得られるものとしている。
【0012】次いで、上記の構成とした本発明のヘッドランプ1の作用および効果について説明を行えば、本発明の構成では移動部32の回動を行うことで、すれ違いビーム配光と走行ビーム配光との切換えが可能となり、従って、配光特性を得るために最も必要となる光源2と反射鏡4との位置関係を固定できるものとなる。
【0013】また、上記従来例の光源の移動に換えて移動を行う固定部31と移動部32との位置精度は、単に切欠部31bを開閉すれば良いものであるので、例えば張出部32bを適宜に広く設定するなどの手段で、回動角に多少の誤差を生じても開閉は確実に行えるものとなり、高い精度が要求されることがないものとすることが可能となる。
【0014】図3に示すものは本発明の第二実施形態であり、前の第一実施形態では固定部31に切欠部31bが1個所にのみ設けられていたが、この第二実施形態では切欠部31b、切欠部31cの2個所が設けられ、これに対応して移動部32にも張出部32b、張出部32cの2個所が設けられている。尚、このときに、すれ違いビーム配光を得るときには、図3(A)に示すように両切欠部31b、31cが閉止されている点は第一実施形態と同様である。
【0015】このようにしたことで、図3(B)に示すように両切欠部31b、31cを開口させることで、第一実施形態の略2倍の光量を走行ビーム配光用として用意することが原理的には可能となり、より一層に明るい走行ビーム配光が得られるものとなる。ここで、更に言えば、前記切欠部はこの第二実施形態で示した2個所以上とすることも当然に可能であり、本発明はその設ける数を限定するものではない。
【0016】図4に示すものは本発明の第三実施形態であり、前の第二実施形態では複数の切欠部31b、31cは移動部32の回動により同時に開閉を行うものとして設けられていたが、この第三実施形態では、例えば5個所に切欠部31b、31c、31d、31e、31fが設けられていると共に、移動部32側には3個所に張出部32b、32c、32dが設けられている。
【0017】ここで、移動部32ををすれ違いビーム位置としているときには、図4(A)に示すように、切欠部31bと切欠部31dがすれ違い用切欠部として開口し、切欠部31c、31e、31fは張出部32b、32c、32dにより閉止される構成とされている。
【0018】そして、移動部32を走行ビーム位置へと回動すると図4(B)に示すように切欠部31b、31dが閉止し、切欠部31c、31e、31fが走行用切欠部として開口される。このように構成することで、切欠部31b、31dはすれ違いビーム位置としているときには光源2からの光を通過させ、走行ビーム位置としているときには光を遮蔽するものとなる。
【0019】このときに、例えば切欠部31b、31dに対応する反射鏡4の部分に、車両の直前を照射する配光を割付けておくと、走行ビーム配光に切換えたときにはこの部分が遮蔽されるので、車両の直前の明るさに影響されて目の視感度が低下し、遠方に対する視認性が低下するなどが解消でき、すれ違いビーム配光、走行ビーム配光共に一層に適正化が行えるものとなる。
【0020】図5に示すものは本発明の第四実施形態であり、前の第一〜第三実施形態では固定部31内で移動部32を回動することで切欠部31b(〜31f)の開閉を行うものであったのに対し、この第四実施形態では、移動部35を固定部34内で前記ヘッドランプ1の光軸Zに平行に前後移動させることで、切欠部34bの開閉を行うものとしている。
【0021】このときには、移動部35を回動することなく切欠部34bの開閉が可能となるので、固定部34と移動部35との移動方向に対する断面形状が同一であれば前の第一〜第三実施形態のように円筒状とする必要はなく、四角形状、五角形状或いは楕円形状、星型状など、どのような形状とすることも自在となる。
【0022】また、移動部35の移動方向に切欠部34cをすれ違い用切欠部として設けておけば、例えば、走行ビーム形成用である切欠部34bが開放されると切欠部34cが閉止し、切欠部34bが閉止されると切欠部34cが開放し、上記に説明した第三実施形態と同様な作用が得られるものとなり、同様な効果が期待できるものとなる。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように本発明により、配光切換機構は、少なくとも一つの切欠部が設けられた固定部と、該固定部の前記切欠部をこのヘッドランプの光軸と略平行な軸で回動する、若しくは、ヘッドランプの光軸と略平行に移動することで開閉を自在とする移動部とからなる遮光フードで構成されるヘッドランプとしたことで、配光特性を得るために最も高い精度が要求される光源と反射鏡との相互位置を固定した状態で走行ビーム配光とすれ違いビーム配光との切換えを可能とし、例えば車両走行時の振動、衝撃、或いは、光源交換時の外部応力、更には、繰り返し動作による疲労などで容易に配光特性に狂いの生じるのを防止し、この種のヘッドランプの信頼性の向上に極めて優れた効果を奏するものである。
【0024】また、固定部に設けられる切欠部には、すれ違い用切欠部と走行用切欠部とが設けられ、前記移動部により一方の切欠部が開口されているときには他方の切欠部が遮蔽され、他方の切欠部が開口されているときには一方の切欠部が遮蔽される構成とされているヘッドランプとすることで、走行ビーム配光とすれ違いビーム配光とに一層の適正化を図れるものとする効果を奏するものとなる。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
【公開番号】 特開平11−162206
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−331758