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【発明の名称】 車両用灯具及び車両用装飾具
【発明者】 【氏名】角田 宏司

【氏名】鷹田 修

【要約】 【課題】良好な外観。

【解決手段】外来光や光源バルブからの光が蒸着膜12の内面反射作用により反射され、かつその蒸着膜12の内側の有色透明な印刷膜11又は凸形の有色透明な印刷層130を経て着色され、さらに凸形の(有色又は無色)透明な印刷層13、130で集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感及び立体感が与えられた有色光のパターンが灯室内の反射面に写し込まれる。その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜12のパターンの合間から視線移動により見え隠れし、かつ灯室内の反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。また、蒸着膜12と反射面との相乗効果により、蒸着膜12、有色透明な印刷膜11、凸形の無色透明な印刷層13のパターンの見切り線(縁)が見え難くなり、さらに外観の美観が向上される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源バルブ及び反射面が設置されている車両用灯具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源バルブ及び反射面が設置されている車両用灯具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】 ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源バルブ及び反射面が設置されている車両用灯具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】 ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源バルブ及び反射面が設置されている車両用灯具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】 前記の灯室内にインナーリフレクタが配置されているとともに、前記の前面レンズには(a)光源バルブから出射した光束および/または該光源バルブから出射した後に前記インナーリフレクタで反射された光束が入射して通過するレンズ発光部と、(b)光源バルブから出射した光束はほとんど入射せず、外来光および前記インナーリフレクタで反射された外来光が通過するレンズダミー部とが形成されており、かつ、前記の印刷シートは前面レンズのレンズ発光部を覆うことなく、レンズダミー部とインナーリフレクタとの間に配設されていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4に記載した車両用灯具。
【請求項6】 前記の灯室内にインナーリフレクタが配置されているとともに、前記の前面レンズには(a)光源バルブから出射した光束および/または該光源バルブから出射した後に前記インナーリフレクタで反射された光束が入射して通過するレンズ発光部と、(b)光源バルブから出射した光束はほとんど入射せず、外来光および前記インナーリフレクタで反射された外来光が通過するレンズダミー部とが形成されており、かつ、前記所定パターンに疎な区域と密な区域とが有って、前記印刷シートがレンズ発光部に対向している区域のパターンは、レンズダミー部に対向している区域のパターンよりも疎になっていることを特徴とする、請求項1又は2又は3又は4に記載した車両用灯具。
【請求項7】 ハウジング及びレンズにより画成された室内に反射面が配置されている車両用装飾具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用装飾具。
【請求項8】 ハウジング及びレンズにより画成された室内に反射面が配置されている車両用装飾具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用装飾具。
【請求項9】 ハウジング及びレンズにより画成された室内に反射面が配置されている車両用装飾具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用装飾具。
【請求項10】 ハウジング及びレンズにより画成された室内に反射面が配置されている車両用装飾具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、上記の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする車両用装飾具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用灯具及び車両用装飾具に係り、特に、良好な外観が得られる車両用灯具及び車両用装飾具に関するものである。ここで、車両用灯具とは、ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源を有するリヤーコンビネーションランプ、フロントコンビネーションランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、フォグランプ、ヘッドランプ等を言う。一方、車両用装飾具とは、ハウジング及びレンズにより画成された室内に光源の無いリヤーフィニッシャーやガーニッシュ等を言う。
【0002】
【従来の技術】車両用灯具は、一般に、ランプハウジングの前面開口部をレンズで覆うとともに、該ランプハウジングとレンズとによって囲まれた空間(灯室)内に光源バルブ及び反射面が配置された構造である。この車両用灯具は、点灯時において、光源バルブからの光がレンズを通過して灯具前方に投光される。この車両用灯具は、照明用、信号用、装飾用、それらの組合せのものに使用されている。なお、上述の光源バルブからの光とは、光源バルブから出射した光束であって、直接的に、および/またはリフレクタ(ランプハウジングと一体のもの又は別体のものである反射面)で反射された光束のことを言う。一方、車両用装飾具は、一般に、ハウジングの前面開口部をレンズで覆うとともに、該ハウジングとレンズとによって囲まれた空間(室)内に反射面が配置されかつ光源が無い構造である。この車両用装飾具は、外側の周囲の外来光や環境光等(例えば太陽光,他車のヘッドランプ光などであって、以下、単に外来光と言う)がレンズを経て室内に入射されかつ反射面において反射されて装飾作用を果たすものであって、装飾用として使用されている。
【0003】図8は車両用灯具の従来例を示す2面図であって、(A)は水平断面図、(B)は上記車両用灯具の前面レンズおよび光源バルブを取り外し、ランプハウジングを仮想線で描いた正面図である。ランプハウジング1の前面開口部を覆って前面レンズ2が装着されている。上記ランプハウジング1の背面を貫通してバルブ用のソケット3が設置されていて、前記ランプハウジング1と前面レンズ2とによって囲まれた空間(灯室)の中に光源バルブ4および反射面としてのインナーリフレクタ5が配設されている。なお、反射面としては、上述のランプハウジング1と別体のインナーリフレクタ5の他に、ランプハウジング1と一体のリフレクタであっても良い。また、図中、9は有色の透明なプレートである。
【0004】前記の前面レンズ2には、レンズ発光部Lおよびレンズダミー部D,D′が形成される。この発光部Lとダミー部D,D′との差は主としてランプハウジング1および/またはインナーリフレクタ5との関係によって生じる。すなわち、レンズ発光部Lには光源バルブ4から出射した直射光束、および、該光源バルブ4から出射してインナーリフレクタ5で反射された光束が入射し、通過する。このため、点灯時に当該灯具の前方から見ると、この発光部Lは明るく輝いて見える。(以下、紛らわしくない場合はレンズ発光部を単に発光部と言い、レンズダミー部を単にダミー部と言う。)
これに比してダミー部Dおよびダミー部D′は、インナーリフレクタ5の影の中に入った形になっていて光源バルブ4からの直射光も、光源バルブ4から出射してインナーリフレクタ5で反射された光も入射しない。従って、このダミー部D,D′は、点灯時に灯具前方から見たとき発光している感じを受けない。当該灯具の非点灯時に外来光が例えば矢印aのように入射すると、インナーリフレクタ5で反射されて矢印bのように出射する。このため、このダミー部D,D′は、非点灯時に外来光を受けたときに輝いて見え、装飾的な効果を果たす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車の灯具は、当該自動車の意匠を構成する重要な要素の一つであるから、単に光学的特性が所定の機能を果たすことだけでなく、美麗であって顧客の関心を惹き得るものであることも要望される。ところが、従来の車両用灯具は、非点灯時において、前面レンズ2の外観がただ単にそのまま見え、若しくは、前面レンズ2を経てインナーリフレクタ5が外来光の反射によって輝いて見えるだけなので、外観上課題がある。すなわち(図6(A)参照)灯具を見る視線が矢印cから矢印dのように平行移動しても、矢印dから矢印eのように角度が変わっても、灯具前面レンズ2の外観に別段の目新しい変化を生じない。一方、従来の車両用装飾具も、レンズの外観がただ単にそのまま見え、若しくは、レンズを経て反射面が外来光の反射によって輝いて見えるだけなので、外観上課題がある。
【0006】本発明の目的は、非点灯時においては良好な外観が得られる車両用灯具、及び、良好な外観が得られる車両用装飾具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1乃至4に記載の発明)は、上記目的を達成するために、ランプハウジング及びレンズにより画成された灯室内に光源バルブ及び反射面が設置されている車両用灯具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、請求項1に記載の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項2に記載の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項3に記載の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項4に記載の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする、ものである。
【0008】この結果、本発明の車両用灯具は、外来光や光源バルブからの光が蒸着膜の内面反射作用により反射され、かつその蒸着膜の内側の有色透明な印刷膜又は凸形の有色透明な印刷層を経て着色され、さらに凸形の(有色又は無色)透明な印刷層で集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感(光沢感、メタリック感、キラキラ感等)及び立体感が与えられた有色光のパターン(蒸着膜及び有色透明な印刷膜及び凸形の無色又は有色透明な印刷層の所定パターンとほぼ同一のパターン)が灯室内の反射面に写し込まれる。その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜のパターンの合間(蒸着膜以外の部分)から視線移動により見え隠れし、かつ灯室内の反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。また、蒸着膜と反射面との相乗効果により、蒸着膜及び有色透明な印刷膜及び凸形の無色又は有色透明な印刷層のパターンの見切り線(縁)が見え難くなり、外観の美観が向上される。
【0009】一方、本発明(請求項7乃至10に記載の発明)は、上記目的を達成するために、ハウジング及びレンズにより画成された室内に反射面が配置されている車両用装飾具において、前記レンズに沿わせて、もしくは前記レンズとほぼ平行に印刷シートが配置され、または、印刷シートが前記レンズとして用いられており、請求項7に記載の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項8に記載の印刷シートは、透明なプレートの内側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜の内側表面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項9に記載の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に有色透明な印刷膜が印刷され、かつ上記印刷膜の内側表面に凸形の無色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とし、請求項10に記載の印刷シートは、透明なプレートの外側の面に所定パターンの蒸着膜が成膜されるとともに、上記蒸着膜に対向せしめて前記プレートの内側の面に凸形の有色透明な印刷層が形成されているものであることを特徴とする、ものである。
【0010】この結果、本発明の車両用装飾具は、外来光が蒸着膜の内面反射作用により反射され、かつその蒸着膜の内側の有色透明な印刷膜を経て着色され、さらに凸形の(有色又は無色)透明な印刷層で集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感及び立体感が与えられた有色光のパターンが室内の反射面に写し込まれる。その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜のパターンの合間から視線移動により見え隠れし、かつ室内の反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。また、蒸着膜と反射面との相乗効果により、蒸着膜及び有色透明な印刷膜及び凸形の無色又は有色透明な印刷層のパターンの見切り線(縁)が見え難くなり、外観の美観が向上される。
【0011】
【発明の実施の形態】図3は本発明の車両用灯具の1実施形態における断面平面図であって、従来例を描いた図8(A)に対応する図である。図8の従来例に比して異なるところは、従来技術に係る有色透明プレート9を配設した位置に、以下に詳しく述べるように構成された印刷シート6が配設されていることである。この印刷シート6の設置個所は、基本的には前面レンズ2に沿わしめて、その内側であるが、前面レンズ2から離間させて、該前面レンズ2と光源バルブ4との間に配置することもできる。なお、この印刷シート6は、レンズの代わりとしてレンズとして使用しても良い。上記印刷シート6は、透明なプレートにパターン形状の印刷と蒸着処理とを施した部材である。上記のパターン形状とは、例えばハニカム形や格子形,ストライプ形などのように、空隙を分布せしめた形状を総称する意である。
【0012】図2は本発明の実施形態に係る車両用灯具における印刷シートに用いられるパターンの3例を示し、(A)はハニカム形パターンの部分的な平面図、(B)は多数円形パターンの部分的な平面図、(C)は格子状パターンの部分的な平面図であって、それぞれのパターンの空隙部を除いて、それぞれのパターンの実質部に斑点を付して描いてある。上記(A)図のハニカムパターンは、正六角形の空隙を規則的に配列したものであり、(C)図の格子状パターンは正方形の空隙を規則的に配列したものである。本発明を実施する際、上記の例以外に長方形の空隙を配列したり、菱形や三角形の空隙を配列したりしても良く、必ずしも規則的な配列しなくても良い。また、楕円形とか台形とかいうように幾何学的な名称を有しない不定形状の空隙を配列しても良い。要するに本発明においてパターンとは、実質部分と空隙部分とが面上に分布していることを言う。
【0013】図1は本発明の実施形態に係る車両用灯具における印刷シートの断面図であって、図2に示したi−i断面、もしくはj−j断面、またはk−k断面の何れにも相当する図である。10は透明なプレート(シート)であって、本実施形態においては無色透明に合成樹脂板で構成してあり、図における右側を灯具の内側に向け、図における左側を灯具の外側に向けて用いる。担持代としての上記透明プレート10の面上に任意のパターンを設定する。区域mは実質部を、区域nは空隙部を、それぞれ表している。該透明プレート10の内側面の区域m(実質部)に、金属製の蒸着膜12a,12b,12cを成膜し、この金属製の蒸着膜12a,12b,12cの内側表面に有色(例えば赤色)の透明な印刷膜11a,11b,11cを印刷技法によって形成する。印刷技法を適用することにより、正確なパターン形状に、迅速,容易,低コストで透明な有色被膜を成膜することができる。この有色透明印刷膜11a,11b,11cの内側表面に凸形の無色透明印刷層13a,13b,13cを後述するように印刷形成する。所謂多重印刷である。
【0014】これにより、この印刷シート6よりも灯具内側(図の右側)に位置している光源バルブ(図外)から直射光および/または反射光、若しくは外来光が矢印fのごとく入射すると、有色透明印刷膜11cを通過して着色され、有色光となって蒸着膜12cの内面で反射され(この反射された有色光は再び有色透明印刷膜11cを通過する場合がある)、さらに凸形の無色透明な印刷層13cで集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感(光沢感、メタリック感、キラキラ感等)及び立体感が与えられた有色光が矢印gのように灯具内に向けて出射する。この矢印gの光輝感及び立体感のある有色光は灯具内で反射したり再々反射したりして散乱した後、印刷シート6のパターン空隙部(区域n)を通過して灯具の外側(図の左方)に出射する(例えば矢印h)。前記矢印gの反射光は強く着色され、平行光束に類似するか、または単純な拡散光束であるが、灯具内で反射を繰り返した矢印hの光は他の光と混った散乱光になっているので着色の度合いが淡く、見る者に深みと柔かみを感じさせる。さらに、前記矢印hの淡い着色光はパターンの空隙部nを通って漏れ出す光であるから、見る者の位置や方向が変わると見え隠れして、動的に変化する。
【0015】このように、蒸着膜12a,12b,12cの内面反射の光輝作用と、有色透明印刷膜11a,11b,11cの着色作用と、凸形の無色透明印刷層13a,13b,13cの集光傾向に屈折される立体作用とにより、光輝感及び立体感のある有色光のパターンがインナーリフレクタ5の反射面に写し込まれ、その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜12a,12b,12cのパターンの合間から視線移動により見え隠れし、かつ反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。
【0016】また、蒸着膜12a,12b,12cの外面の金属光沢と反射面の金属光沢との相乗効果により、蒸着膜12a,12b,12c及び有色透明な印刷膜11a,11b,11c及び凸形の無色透明な印刷層13a,13b,13cのパターンの見切り線(縁)が見え難くなり、さらに外観の美観が向上される。特に、この実施の形態においては、印刷シート6の透明プレート10の外側表面には、蒸着膜12a,12b,12c、有色透明な印刷膜11a,11b,11c、凸形の無色透明な印刷層13a,13b,13cのパターン等の凸部層等が無いので、印刷シート6の透明プレート10の内側表面に蒸着膜12a,12b,12c、有色透明な印刷膜11a,11b,11c、凸形の無色透明な印刷層13a,13b,13cのパターン等の凸部層等を設けたのにも拘らず、一般の車両用灯具と同様に見える。
【0017】図1に示した矢印uのように入射した外来光は、蒸着膜12cの外面で反射されて矢印vのように灯具の外側へ出射する。このため、当該灯具の外観に光輝性が与えられる。この作用における光輝感は主として蒸着膜12cによって与えられる。なお、この場合の光輝性のある光は無色である。
【0018】以上に述べたように、厚みと丸みとを有して、平凸レンズとして機能する透明な印刷層の構成は、未公知の発明(例えば平成9年特許願第109403号)を適用することによって容易に、低コストで実施できる。
【0019】すなわち、本実施形態においては紫外線硬化性インキ(ウレタンアクリレート94Wt%、光反応開始剤3Wt%、補助剤3Wt%のUV樹脂)を用いてスクリーン印刷を施した。スクリーン印刷によって厚めに成層された紫外線硬化性インキは表面張力によって外側面が凸曲面をなし、紫外線照射されると硬化して本図1に示したような平凸レンズ状の凸形(無色)透明印刷層13a,13b,13cが形成される。なお、上述の凸形透明印刷層13a,13b,13cは、上述の平凸レンズ状以外に、半球凸状、長円球凸状等々がある。
【0020】前記紫外線硬化性インキの粘度は、BH型回転粘度計2rpm…450p4rpm…450p2rpm…450p10rpm…450p20rpm…440pスプレートメータ値1分間…21.5である。また、前記スクリーン印刷の作業条件は、スキージ圧…………………3〜4.5kg/cmスキージスピート…………20〜30cm/秒メッシュ数…………………80〜100メッシュである。さらに、紫外線照射条件は、紫外線エネルギ密度………80〜100W/cm2紫外線ランプ仕様…………メタハラランプ(1灯若しくは2灯)
移動照射スピード…………10m/分である。これらの値は、先に述べた未公知の発明(特願平9−109403号)に開示されている実施形態の範囲内である。
【0021】以下に、図4および図5を参照して3種類の実施形態を説明するが、既に説明した図3に示した水平断面図は、以下に説明する3種類の実施形態にほぼ共通して参照し得る図である。図4は本発明に係る車両用灯具を示し、(A),(B)それぞれ互いに異なる実施形態の模式的な正面図であって、前面レンズと光源バルブとを取り除き、印刷シートを平行斜線で表してある。図4(A)の実施形態の印刷シート6は、インナーリフレクタ5のほぼ全面を覆い得る形状,寸法に構成されている。従って、図示を省略した前面レンズの発光部およびダミー部の総べてを覆う形状,寸法になっている。このように構成すると、車両用灯具のレンズ発光部にもレンズダミー部にも光輝性の立体感、および深みや柔かみの有る淡い色調、並びに動的な外観変化が得られる。ただし、点灯時におけるレンズ発光部Lの投射光量は、パターン実質部の蒸着膜に遮られて若干減少する。従って本図4(A)の実施形態は、投射光量の減少を忍んでも外観の向上を優先したい場合に好適である。
【0022】図4(B)の実施形態における印刷シート7には、発光部Lに対応する区域に無パターン部7aが形成されている。この実施形態によると、発光部Lについては投射光量の減少も無く、外観の改善も無い。そして、ダミー部D,D′について光輝性立体感、深み,柔かみの有る淡い色調、および動的な外観変化の効果が得られる。
【0023】図5は、前掲の図4(A)の実施形態におよび図4(B)の実施形態の何れとも異なり、かつ、これら(A),(B)の実施形態に比して長所・短所が中間的な実施形態の模式的な正面図である。本図5に示した印刷シート8には、パターンの密な区域と疎な区域とが設けられている。詳しくは、ダミー部D,D′に対応する区域には密パターン部8aが、発光部Lに対応する区域には疎パターン部8bとが設けられている。この図5の実施形態によれば、ダミー部D−D′については前掲の図4の実施形態におけると同様に光輝性の立体感、深み柔かみの有る淡い色調、および動的な外観変化が得られ、かつ、発光部Lについては、点灯時の投射光量の減少が僅かで実用上の不具合を無視することができ、しかも、非点灯時の深み柔かみの有る淡い色調と、光輝性立体感とが或る程度得られる。その程度は、パターンの疎密の度を設計的に設定することによって選択し得る。
【0024】図6は本発明の車両用装飾具の一実施の形態を示した横断面図である。図中、図1乃至図5と同符号は同一のものを示す。この車両用装飾具、例えば、リヤーフィニッシャーは、ハウジング100の前面開口部を覆ってレンズ101が装着されるとともに、該ハウジング100とレンズ101とによって室102が囲まれている。上述のレンズ101に沿わせて、もしくはレンズ101とほぼ平行に印刷シート600が配置されている。上述の室102内には、ハウジング100と別体のもので、例えばジグザグ形の反射面を有するリフレクタ103が配置されている。なお、このこの別体のリフレクタ103を使用せずに、ハウジング100と一体のリフレクタを使用しても良い。
【0025】上記の印刷シート600は、図1に示すように、透明なプレート10の内側の面に所定パターンの蒸着膜12a,12b,12cが成膜されるとともに、上記蒸着膜12a,12b,12cの内側表面に有色透明な印刷膜11a,11b,11cが印刷され、かつ上記有色透明な印刷膜11a,11b,11cの内側表面に凸形の無色透明な印刷層13a,13b,13cが形成されているものである。
【0026】この実施の形態における本発明の車両用装飾具は、以上の如き構成からなるので、外来光が印刷シート600の内面側に入射すると、蒸着膜12a,12b,12cの内面反射の光輝作用と、有色透明印刷膜11a,11b,11cの着色作用と、凸形の無色透明印刷層13a,13b,13cの集光傾向に屈折される立体作用とにより、光輝感及び立体感のある有色光のパターンがリフレクタ103の反射面に写し込まれ、その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜12a,12b,12cのパターンの合間から視線移動により見え隠れし、かつ反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。
【0027】また、蒸着膜12の外面の金属光沢と反射面の金属光沢との相乗効果により、蒸着膜12及び有色透明な印刷膜11及び凸形の無色透明な印刷層13のパターンの見切り線(縁)が見え難くなり、さらに外観の美観が向上される。特に、この実施の形態においては、印刷シート600の透明プレートの外側表面には、蒸着膜12、有色透明な印刷膜11、凸形の無色透明な印刷層13のパターン等の凸部層等が無いので、印刷シート600の透明プレートの内側表面に蒸着膜12、有色透明な印刷膜11、凸形の無色透明な印刷層13のパターン等の凸部層等を設けたのにも拘らず、一般の車両用装飾具と同様に見える。
【0028】さらに、外来光が印刷シート600の内面側に入射すると、蒸着膜12a,12b,12cの内面反射の光輝作用により、光輝性のある光が車両用装飾具の外側へ出射する。このため、当該車両用装飾具の外観に光輝性が与えられる。なお、この場合の光輝性のある光は無色である。
【0029】図7は本発明の車両用灯具及び車両用装飾具に使用される印刷シート6、8、600の変形例を示すものである。(A)は透明なプレート10の内側の面に所定パターンの蒸着膜12が成膜されるとともに、上記蒸着膜12の内側表面に凸形の有色透明な印刷層130が形成されているものである。この変形例の印刷シート6、8、600は、上述の実施の形態と同様に、印刷シート6、8、600の透明プレートの外側表面には、蒸着膜12、凸形の有色透明な印刷層13のパターン等の凸部層等が無いので、印刷シート6、8、600の透明プレートの内側表面に蒸着膜12、凸形の有色透明な印刷層13のパターン等の凸部層等を設けたのにも拘らず、一般の車両用灯具及び車両用装飾具と同様に見える。
【0030】(B)は透明なプレート10の外側の面に所定パターンの蒸着膜12が成膜されるとともに、その蒸着膜12に対向せしめて前記プレート10の内側の面に有色透明な印刷膜11が印刷され、かつ上記有色透明な印刷膜11の内側表面に凸形の無色透明な印刷層13が形成されているものである。
【0031】(C)は透明なプレート10の外側の面に所定パターンの蒸着膜12が成膜されるとともに、上記蒸着膜12に対向せしめて前記プレート10の外側の面に凸形の有色透明な印刷層130が形成されているものである。
【0032】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用灯具は、外来光や光源バルブからの光が蒸着膜の内面反射作用により反射され、かつその蒸着膜の内側の有色透明な印刷膜又は凸形の有色透明な印刷層を経て着色され、さらに凸形の(有色又は無色)透明な印刷層で集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感(光沢感、メタリック感、キラキラ感等)及び立体感が与えられた有色光のパターン(蒸着膜及び有色透明な印刷膜及び凸形の無色又は有色透明な印刷層の所定パターンとほぼ同一のパターン)が灯室内の反射面に写し込まれる。その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜のパターンの合間(蒸着膜以外の部分)から視線移動により見え隠れし、かつ灯室内の反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。
【0033】一方、本発明の車両用装飾具は、外来光が蒸着膜の内面反射作用により反射され、かつその蒸着膜の内側の有色透明な印刷膜を経て着色され、さらに凸形の(有色又は無色)透明な印刷層で集光傾向に屈折されるので立体感が与えられ、その光輝感及び立体感が与えられた有色光のパターンが室内の反射面に写し込まれる。その反射面に写し込まれた光輝感及び立体感のある有色光が、蒸着膜のパターンの合間から視線移動により見え隠れし、かつ室内の反射面の形状に左右されながら変化して、すなわち、動的変化して見える。この結果、良好な外観が得られる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開平11−162204
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−324956