| 【発明の名称】 |
車両用灯具 |
| 【発明者】 |
【氏名】志田 浩士
|
| 【要約】 |
【課題】金属製リフレクターの光源挿着孔に光源を固定保持する合成樹脂製バルブソケットや合成樹脂製ソケットフィクチャーといった合成樹脂製の光源固定保持手段が熱変形するおそれのない車両用灯具の提供。
【解決手段】灯室内の容器状金属製リフレクター42の後頂部のバルブ挿着孔43に、バルブ本体56を合成樹脂製バルブソケット52に一体化した構造のバルブ50が合成樹脂製ソケットフィクチャー57により固定保持された車両用灯具において、リフレクター42に対流形成孔60(60A,60B)を設け、対流形成孔60を介してリフレクター42内外間で生成される空気対流が、リフレクター42の放熱作用を促進し、リフレクター42内側に熱がこもることが阻止されて、また、対流形成孔60相当だけリフレクター42の受光面積が減少し、それだけリフレクター42に伝わる直射および輻射による熱が減少して、リフレクター42が高温となることが抑制される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯室内に、前面の開口する容器状の金属製リフレクターと、前記リフレクターの後頂部に設けられた光源挿着孔に合成樹脂製の固定保持手段により固定保持されて、リフレクターの前方所定位置に配置された光源本体とを備えた車両用灯具において、前記リフレクターには、リフレクターの高温化を抑制する対流形成孔が設けられたことを特徴とする車両用灯具。 【請求項2】 前記対流形成孔は、リフレクターの非有効反射面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 【請求項3】 前記対流形成孔は、リフレクターの光軸に対し略直交する方向に長い光軸方向所定間隔に設けられた複数の横長スリットで構成されるとともに、前記隣接スリット間には、スリットに沿って延びる立壁状の放熱フィンが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。 【請求項4】 前記放熱フィンは、光源本体からの直射光に対し略直交するように傾斜して、光を後方に反射することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項5】 前記対流形成孔は、光源本体の上下に対向するように設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項6】 前記リフレクターには、筒型のレンズホルダーを介して投射レンズが一体化されて、レンズホルダー内からリフレクター前面にかけての領域が略密閉されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具。 【請求項7】 灯室内に、前面の開口する容器状の金属製リフレクターと、前記リフレクターの後頂部に設けられた光源挿着孔に合成樹脂製の固定保持手段により固定保持されて、リフレクターの前方に配置された光源本体とを備えた車両用灯具において、前記リフレクターの外側には、リフレクターの高温化を抑制する放熱フィンが設けられたことを特徴とする車両用灯具。 【請求項8】 前記光源本体の固定保持手段は、発光源である光源本体に一体化された合成樹脂製バルブソケットまたは/および発光源である光源本体に一体化されたバルブソケットを光源挿着孔に固定する合成樹脂製ソケットフィクチャーであることを特徴とする請求項1または7に記載の車両用灯具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、灯室内の金属製リフレクターの光源挿着孔に光源が挿着された車両用灯具に係わり、特に、合成樹脂製の固定保持手段により金属製リフレクターの光源挿着孔に光源が固定されている車両用灯具に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の灯具の従来技術の一例として、自動車用の投射型ヘッドランプを挙げると、図7に示すように、ランプボディ1と前面カバー2とによって形成される灯室内に、光源であるバルブ4を挿着した略楕円体形状のリフレクター3と円筒型のレンズホルダ5と投射凸レンズ6とを一体化した光源ユニットを備えた構造となっている。符号5aは、すれ違いビームにおけるクリアカットライン形成用のシェードである。 【0003】バルブ4は、発光源であるバルブ本体4aに合成樹脂製のバルブソケット4bが一体化された構造で、バルブソケット4bの外周には、周縁部に係合爪4c1の形成された焦点リング4cが一体化されている。一方、リフレクター3においてバルブ挿着孔3aを形成する円筒部3bの端面には、合成樹脂製のリング状ソケットフィクチャー7がネジ固定されて、バルブ挿着孔3aとソケットフィクチャー7間に、バルブソケット4b側の係合爪4c1 がバヨネット係合できる係合溝8が形成された構造となっている。そして、バルブ4(バルブソケット4b)を回動操作することで、バルブ4をバルブ挿着孔3aに対し着脱できるようになっている。 【0004】この種の投射型のヘッドランプは、放物面形状のリフレクターを使用する反射式のヘッドランプに比べて、リフレクターが小さくてよい分、コンパクト化が可能でしかも大光量が得られることから、近年では特に脚光を浴びており、自動車用ヘッドランプに積極的に利用されつつある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した投射型のランプにおけるリフレクター3は、熱伝達率の高い金属で構成(一般には、アルミダイキャスト製)されているため、バルブ4の点灯時の発熱により高温となって、合成樹脂製のバルブソケット4bや合成樹脂製のソケットフィクチャー7におけるリフレクター3と接触する部位が熱変形する虞があるという問題があった。 【0006】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、金属製リフレクターの光源挿着孔に光源を固定保持する合成樹脂製バルブソケットや合成樹脂製ソケットフィクチャーといった合成樹脂製の光源固定保持手段が熱変形するおそれのない車両用灯具を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用灯具においては、灯室内に、前面の開口する容器状の金属製リフレクターと、前記リフレクターの後頂部に設けられた光源挿着孔に合成樹脂製の固定保持手段により固定保持されて、リフレクターの前方所定位置に配置された光源本体とを備えた車両用灯具において、前記リフレクターに、リフレクターの高温化を抑制する対流形成孔を設けるようにしたものである。対流形成孔を介してリフレクター内外間で空気対流が生成され、この空気対流がリフレクターの放熱作用を促進するとともに、リフレクター内側の温まった空気が対流形成孔から流出し、リフレクター内側に熱がこもることが阻止されて、リフレクターの高温化が抑制される。また、対流形成孔相当だけリフレクターの受光面積が減少し、それだけリフレクターに伝わる直射および輻射による熱が減少して、リフレクターの高温化が抑制される。請求項2では、請求項1に記載の車両用灯具において、前記対流形成孔を、リフレクターの非有効反射面に設けるようにしたものである。リフレクターの有効反射面での反射光により灯具の配光が得られ、リフレクターの非有効反射面での反射光は、灯具の配光にほとんど寄与しないので、対流形成孔を非有効反射面に設けても、灯具の配光に影響しない。請求項3では、請求項1または2に記載の車両用灯具において、前記対流形成孔を、リフレクターの光軸に対し略直交する方向に長い光軸方向所定間隔に設けた複数の横長スリットで構成するとともに、前記隣接スリット間に、スリットに沿って延びる立壁状の放熱フィンを設けるようにしたものである。対流形成孔を複数の横長スリットで構成することで、対流形成孔の開口総面積を大きくし、対流を活発化してリフレクターの放熱作用を促進するとともに、スリットに沿って設けられた立壁状の放熱フィンがリフレクターの放熱作用を促進する。請求項4では、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具において、前記放熱フィンを、光源本体からの直射光に対し略直交するように傾斜させて、光を後方に反射するように構成したものである。光源本体から出射して対流形成孔を通過しようとする直射光は、放熱フィンによって遮られるため、合成樹脂製の灯室形成壁に直射光が照射することがない。また、光源本体からの直射光は、放熱フィンによって後方に反射されるので、灯具前方に漏れる光の強さは非常に弱く、灯具の配光にはほとんど影響がない。また請求項5では、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具において、前記対流形成孔を、光源本体の上下に対向するように設けるようにしたものである。リフレクター内側の温められた空気は、上方の対流形成孔からリフレクター外にスムーズに流出できるとともに、リフレクター外の空気は、下方の対流形成孔からリフレクター内にスムーズに流入できる。また請求項6では、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具において、前記リフレクターに、筒型のレンズホルダーを介して投射レンズを一体化して、レンズホルダー内からリフレクター前面にかけての領域を略密閉するように構成したものである。対流形成孔を介しリフレクターの内外間に生成される空気の対流により、略密閉状態のリフレクター内側に熱がこもらない。また請求項7に係わる車両用灯具においては、灯室内に、前面の開口する容器状の金属製リフレクターと、前記リフレクターの後頂部に設けられた光源挿着孔に合成樹脂製の固定保持手段により固定保持されて、リフレクターの前方に配置された光源本体とを備えた車両用灯具において、前記リフレクターの外側に、リフレクターの高温化を抑制する放熱フィンを設けるように構成したものである。リフレクターは、放熱フィン相当だけ外表面積が増えて、放熱効果が高められる。即ち、放熱フィンは、リフレクターの放熱作用を促進し、リフレクターの高温化が抑制される。また請求項8では、請求項1または7に記載の車両用灯具において、前記光源本体の固定保持手段は、発光源である光源本体に一体化された合成樹脂製バルブソケットまたは/および発光源である光源本体に一体化されたバルブソケットを光源挿着孔に固定する合成樹脂製ソケットフィクチャーによって構成するようにしたものである。請求項1では、対流形成孔を介してリフレクター内外間に生成される空気流れによるリフレクターの放熱作用の促進と、対流形成孔相当の受光面積の減少に伴う直射熱および輻射熱の減少により、請求項7では、放熱フィンによるリフレクターの放熱作用の促進により、それぞれリフレクターの高温化が抑制されることで、合成樹脂製バルブソケットまたは/およびソケットフィクチャーの熱変形が回避される。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。 【0009】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明の一実施例であるヘッドランプの正面図、図2は同ヘッドランプの縦断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同ヘッドランプの縦断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)、図4は同ヘッドランプの水平断面図(図1に示す線IV−IVに沿う断面図)、図5はフォグランプユニットの分解斜視図、図6はフォグランプユニットのリフレクターの対流形成孔に設けられた放熱フィンの遮光作用を説明する拡大断面図である。 【0010】これらの図において、符号10は、前方から斜め側方に開口する縦長容器状のランプボディで、ランプボディ10の前面開口部には、側面側が後方に湾曲する透明な前面カバー11が組付けられて、前面側から側方に湾曲する灯室が形成されている。灯室内には、走行ビームおよびすれ違いビーム形成用の反射式ランプユニット20と、投射式のフォグランプユニット40とが上下に並設されている。 【0011】符号H1 ,H2 はランプボディ10に設けられている空気孔で、灯室内で温められた空気は上方の空気孔H2 から灯室外に流出するとともに、灯室外の空気が下方の空気孔H1 から灯室内に流入するという呼吸作用が営まれて、前面カバー11に結露が発生しないようになっている。 【0012】ランプユニット20は、アルミ蒸着処理(鏡面処理)が施された放物面形状の合成樹脂製リフレクター22と、このリフレクター22の後頂部に形成されたバルブ挿着孔23に挿着固定された光源であるバルブ30とから構成されている。 【0013】バルブ30は、合成樹脂製のバルブソケット32に、走行ビーム用のフィラメント36aとすれ違いビーム用のフィラメント36bとを一体に収容したバルブ本体36が一体化された構造で、バルブソケット32の外周には、周縁部に3個の係合爪33aを突設させた焦点リング33が形成されている。 【0014】一方、リフレクター22においてバルブ挿着孔23を形成する円筒部24の端面には、合成樹脂製のリング状ソケットフィクチャー37が3個のネジ(図示せず)によって固定されて、バルブ挿着孔23とソケットフィクチャー37間に係合爪33aがバヨネット係合できる係合溝38が形成されている。そして、バルブ30(バルブソケット32)を回動操作することで、バルブ30をバルブ挿着孔23に対し着脱できるようになっている。なお、ランプボディ10に形成されたバルブ交換用の開口部10bと、リフレクター22の円筒部24間には、伸縮可能なゴム製フードF1 が介装されて、ランプボディ10の後方開口部10bが閉塞されている。 【0015】そして、バルブ30がバルブ挿着孔23に固定された状態(係合爪33aが係合溝38にバヨネット係合した状態)では、バルブ本体36内のフィラメント36a,36b間の略中間位置にリフレクター22の焦点が位置する形態となって、走行ビーム用のフィラメント36aの発光により走行ビームが形成され、すれ違いビーム用のフィラメント36bの発光によりすれ違いビームが形成されるようになっている。 【0016】そして、ランプユニット20は、ランプボディ10の背面壁に回転可能に支承されて前方に延出する2本のエイミングスクリュー12,13と、1個の玉継手14とによって、ランプボディ10に対し傾動可能に支持されている。即ち、リフレクター22の背面に突設されたブラケット22a,22aには、エイミングスクリュー12,13に螺合するナット12a,13aが嵌着されており、エイミングスクリュー12,13の回動操作によって、ナット12a,13aがエイミングスクリュー12,13に沿って進退し、これによってランプユニット20が垂直軸Ly2 ,水平軸Lx2 (図1参照)回りに傾動して、ランプユニット20の光軸L2 を左右上下方向に傾動調整できるようになっている。 【0017】なお、図3における符号Dはエイミングスクリュー回動操作用のドライバーで、エイミングスクリュー13の後端部に設けられている冠状歯車13bを回動操作できる。エイミングスクリュー12の後端部にもエイミングスクリュー13側の冠状歯車13bと同様の冠状歯車(図示せず)が設けられている。 【0018】ランプユニット40は、ランプユニット20のリフレクター22より口径の小さいアルミ蒸着処理(鏡面処理)が施されたアルミダイキャスト製の略楕円体形状リフレクター42と、リフレクター42のバルブ挿着孔43に挿着された光源であるバルブ50と、リフレクター42の前面開口部にアルミダイキャスト製の円筒型レンズホルダ46を介し一体化された正面視円形の投射凸レンズ48とから構成されている。 【0019】バルブ50は、合成樹脂製のバルブソケット52に、フィラメント56aを収容したバルブ本体56が一体化された構造で、バルブソケット52の外周には、3個の係合爪53aを突設させた焦点リング53が形成されている。 【0020】一方、リフレクタ42においてバルブ挿着孔43を形成する円筒部44の端面には、合成樹脂製のリング状ソケットフィクチャー57が3個のネジ59(図4参照)によって固定されて、バルブ挿着孔43とソケットフィクチャー57間に係合爪53aがバヨネット係合できる係合溝58が形成されている。そして、バルブ50(バルブソケット52)を回動操作することで、バルブ50をバルブ挿着孔43に対し着脱できるようになっている。なお、ランプボディ10に形成されたバルブ交換用の開口部10cとリフレクターの円筒部44間には、伸縮可能なゴム製フードF2 が介装されて、ランプボディ10の後方開口部10cが閉塞されている。 【0021】そして、バルブ50がバルブ挿着孔43に固定された状態(係合爪53aが係合溝58にバヨネット係合した状態)では、バルブ本体56内のフィラメント56aがリフレクター42の回転楕円形状有効反射面の第1焦点上に位置し、フィラメント56aの発光によりフォグランプ用ビームが形成されるようになっている。即ち、符号46aは、レンズホルダ46に一体に形成されて、リフレクター42の回転楕円形状有効反射面の第2焦点近傍位置で、投射凸レンズ48の焦点位置に立設されたカットオフライン形成用のシェードで、リフレクター42で反射されて投射凸レンズ48に向かう光の一部がこのシェード46aで遮られて、シェード46aの上縁形状に倣ったクリアカットオフラインをもつ所定の配光パターンが形成される。 【0022】そして、ランプユニット40は、ランプボディ10の背面壁に回転可能に支承されて前方に延出する1本のエイミングスクリュー15によって、ランプボディ10に対し上下方向にのみ傾動可能に支持されている。即ち、レンズホルダ46に設けられた外向きフランジ47(図3,5参照)の左右の上側縁コーナ部が、ランプボディ10に突設されたボス10a(図3参照)にネジ47aによって固定されるとともに、この外向きフランジ47の右下側縁コーナ部には、エイミングスクリュー15に螺合するナット15aが嵌着されている。このため、エイミングスクリュー15を回動操作すると、ナット15aがエイミングスクリュー15に沿って進退し、これによってランプユニット40が水平軸Lx4 (図1参照)回りに傾動して、ランプユニット40の光軸L4 を上下方向にのみ傾動調整できるようになっている。なお、エイミングスクリュー15の後端部には、ドライバーDの係合できる係合部15bが設けられており、ドライバーDを使ってこの係合部15bを回動操作する。 【0023】符号18は、ランプユニット20のリフレクター22及びランプユニット40の投射凸レンズ48にそれぞれ対応する円形開口部18a,18bが形成され、ランプボディ10の前面開口部から前面カバー11の内側に沿って設けられたエクステンションリフレクターである。エクステンションリフレクター18の表側には、リフレクター22,42と同様のアルミ蒸着処理(鏡面処理)が施されており、ランプユニット20,40の周辺領域を隠すとともに、灯室内全体を単一の鏡面色に見せてヘッドランプの見栄えを良好ならしめるという働きがある。 【0024】符号60(60A,60B)は、リフレクター42の上下の側壁に設けられた対流形成孔で、この対流形成孔60(60A,60B)を介してリフレクター42内外間に図2矢印で示すような対流が生成され、この対流によってリフレクター42の熱が奪われて、リフレクター42の高温化が抑制されるようになっている。 【0025】即ち、バルブ50の点灯時には、バルブ50自体が高温となり、バルブ50の輻射熱や直射光による熱エネルギーが熱伝導率の高いアルミニウムダイキャスト製リフレクター42を介して、合成樹脂製のバルブソケット52やソケットフィクチャー57に伝達される。特に、リフレクター42の内側は、円筒型レンズホルダ46と投射凸レンズ48とによって略密閉された状態であるため、熱がこもって、バルブソケット52やソケットフィクチャー57に高熱が伝達され、バルブソケット52やソケットフィクチャー52が熱変形するおそれがある。 【0026】そこで、本実施例では、リフレクター42のバルブ本体56を挟んだ上下の側壁に対流形成孔60(60A,60B)が設けられており、リフレクター42内側において温められた空気は、上方の対流形成孔60Aからリフレクター42外に流出するとともに、リフレクター42外の空気が下方の対流形成孔60Bからリフレクター42内に流入するという空気の対流が生成される。そして、対流形成孔60(60A,60B)を介してリフレクター42内外間に形成されるこの空気の対流により、リフレクター42の放熱作用が促進されるとともに、リフレクター42内外間の空気が攪拌されることとなり、これによって、リフレクター42内側の密閉空間に熱がこもるようなことがなくなって、リフレクター42の高温化が抑制されるようになっている。 【0027】また、リフレクター42の受光面積は、対流形成孔60(60A,60B)相当だけ小さいことから、リフレクター42に伝達されるバルブ50の直射光による熱エネルギーおよびバルブ50の輻射熱エネルギーも減少し、それだけリフレクター42の高温化が抑制されるようになっている。 【0028】なお、リフレクター42の内側のアルミ蒸着処理された反射面41は、バルブ挿着孔43の周りから左右の内側面にかけた領域に形成されて、ランプの配光に寄与する略回転楕円体形状の有効反射面41aと、リフレクター42の開口寄りの上下の内側面にかけた領域に形成されて、ランプの配光にはほとんど寄与しない非有効反射面41bとから構成されており(図5参照)、対流形成孔60(60A,60B)は、この非有効反射面41bに形成されていることから、対流形成孔60(60A,60B)を形成しないリフレクターを用いたフォグランプユニットの光量と略同様の光量が確保されている。 【0029】また、対流形成孔60(60A,60B)は、前後方向所定間隔に形成した多数の横長スリット62により構成されて、その総開口面積は大きいので、リフレクター42内外間に形成される空気の対流の流量も大きく、リフレクター42からの放熱量および攪拌空気量も大きく、それだけリフレクター42が高温となりにくい。 【0030】また、スリット62,62間には、立壁状の放熱フィン63がスリット長手方向に沿って設けられており、スリット62から流出する空気流れは、放熱フィン63に沿って流れる際に、放熱フィン63の表裏両面において熱を奪うので、リフレクター42の放熱作用が高められている。 【0031】さらに、内側にバルブ挿着孔43の形成されている円筒部44の外周面にも放熱フィン64が設けられて、リフレクター42からの放熱作用が高められている。 【0032】また、放熱フィン63は、フィラメント56aからの直射光に対し略直交するように傾斜していることから、直射光はこの放熱フィン63によって確実に遮光されて、直射光がそのままスリットを通過することがない。このため、エクステンションリフレクター18やランプユニット20のリフレクター22やランプボディ10にこの直射光が直接当たって、熱変形するという不具合もない。 【0033】また、放熱フィン63で反射した光は、図6に示されるように、リフレクター42の後方や前方に向かうが、放熱フィン63を含むリフレクター42の外表面は酸化処理された黒色を呈しているため、放熱フィン63で反射した光の強さは弱く、さらにランプボディ10やエクステンション18やリフレクター22で反射することで、反射光の強さは一層弱まったものとなるため、前面カバー11を透過して前方に向かう光があったとしても、その光の強さは非常に弱く、ランプの配光に影響を与える心配は全くない。 【0034】なお、前記した実施例では、金属製リフレクター42に対流形成孔60(60A,60B)および放熱フィン63,64を設けるようにしているが、金属製リフレクター42に対流形成孔を形成せず、放熱フィンだけを設けるようにして、リフレクターの高温化を抑制するようにしてもよい。また、前記した実施例では、内側が略密閉されている投射式のランプユニット40の略楕円体形状のリフレクター42に対流形成孔60(60A,60B)を設けた構造について説明したが、反射式ランプユニット20におけるリフレクター22が金属製の場合には、この金属製リフレクター(の非有効反射面)に対流形成孔を設けた構造とすることで、本発明を反射式のランプにも適用することができる。 【0035】また、前記した実施例では、自動車用のフォグランプについて説明したが、本発明はフォグランプに限られるものではなく、金属製リフレクターを備えた灯具であればよく、ヘッドランプその他の車両用灯具にも広く適用できる。 【0036】また、前記した実施例では、光源本体固定保持手段であるバルブソケット52およびソケットフィクチャー57が合成樹脂製であったが、バルブソケット52が合成樹脂製で、ソケットフィクチャーが金属製の場合、又はソケットフィクチャーが合成樹脂製でバルブソケットが金属製の場合にも本発明を適用することで、合成樹脂製のバルブソケット又は合成樹脂製のソケットフィクチャーの熱変形を回避することができることはいうまでもない。 【0037】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1に係わる車両用灯具によれば、リフレクターに対流形成孔を設けるという非常に簡潔な構造により、灯具点灯時におけるリフレクターの高温化が抑制されて、合成樹脂製の光源固定保持手段が熱変形するおそれがないので、合成樹脂製の光源固定保持手段の耐久性が長期にわたり保証されたものとなる。請求項2によれば、灯具の配光にほとんど寄与しない非有効反射面に対流形成孔を設けたので、対流形成孔を設けない構造の灯具の配光と略同等の配光が得られる。請求項3によれば、対流形成孔の開口総面積が大きいので、対流が活発化し、立壁状の放熱フィンの放熱促進作用と相まって、灯具点灯時におけるリフレクターの高温化が確実に抑制される。請求項4によれば、対流形成孔から直射光が出射しないので、合成樹脂製の灯室形成壁等が熱変形するおそれがなく、また、対流形成孔から前方に直射光が出射することもないので、灯具の配光が狂ったりグレア光が発生するおそれもない。請求項5によれば、リフレクター内の光源本体回りには、対流形成孔を介し下方から上方に向かう空気の対流が形成されることで、リフレクター内外の空気が効率よく攪拌されて、リフレクターの高温化が抑制される。請求項6によれば、投射式ランプユニットにおける略密閉状態のリフレクター内側が、対流形成孔を介し生成されるリフレクター内外間の空気対流により、攪拌かつ放熱されて、リフレクターの高温化が抑制される。請求項7に係わる車両用灯具によれば、リフレクター外側に放熱フィンを設けるという非常に簡潔な構造により、灯具点灯時におけるリフレクターの高温化が抑制されて、合成樹脂製の光源本体固定保持手段が熱変形するおそれがないので、合成樹脂製の光源本体固定保持手段の耐久性が長期にわたり保証されたものとなる。請求項8によれば、リフレクターの高温化が抑制されて、光源本体の固定保持手段である合成樹脂製バルブソケットまたは/およびバルブソケットを光源挿着孔に固定する合成樹脂製ソケットフィクチャーが熱変形することがない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】八木 秀人
|
| 【公開番号】 |
特開平11−111010 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−270959 |
|