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【発明の名称】 光学装置
【発明者】 【氏名】蕪木 清幸

【要約】 【課題】■ 被照射領域における照度の均一性に優れ、光源ランプからの光の利用効率が高く、コンパクトな構成の照明用の光学装置の提供。■ 光源ランプの封止部における箔とリード棒との接続部分の温度上昇を抑制できる光学装置の提供。

【解決手段】両端に封止部11,12を有するショートアーク型の光源ランプ10と、この光源ランプ10のアーク方向と光軸が一致するように配置された凹面反射鏡20と、この凹面反射鏡20からの反射光の光路内に配置された、複数のレンズ素子30Aを有する第1のレンズ板30と、この第1のレンズ板30とともにインテグレータ光学系を構成する、当該第1のレンズ板30のレンズ素子30Aと対応する複数のレンズ素子40Aを有する第2のレンズ板40とを備えてなる光学装置であって、当該第1のレンズ板30の中央に貫通孔31が形成され、この貫通孔31の周囲に、複数のレンズ素子30Aが配列されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端に封止部(11,12)を有するショートアーク型の光源ランプ(10)と、この光源ランプ(10)のアーク方向と光軸が一致するように配置された凹面反射鏡(20)と、この凹面反射鏡(20)からの反射光の光路内に配置された、複数のレンズ素子(30A)を有する第1のレンズ板(30)と、この第1のレンズ板(30)とともにインテグレータ光学系を構成する、当該第1のレンズ板(30)のレンズ素子(30A)と対応する複数のレンズ素子(40A)を有する第2のレンズ板(40)とを備えてなる光学装置であって、当該第1のレンズ板(30)の中央に貫通孔(31)が形成され、この貫通孔(31)の周囲に、複数のレンズ素子(30A)が配列されていることを特徴とする光学装置。
【請求項2】 光源ランプ(10)に第1のレンズ板(30)の貫通孔(31)を通して冷却風を供給する冷却手段(50)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】 前記凹面反射鏡(20)の開口端面と、前記第1のレンズ板(30)との間の離間距離が0〜15mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】 凹面反射鏡(20)に対向している第1のレンズ板(30)の一面に、紫外線反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光学装置。
【請求項5】 凹面反射鏡(20)は放物面鏡であり、該凹面反射鏡(20)に対向している第1のレンズ板(30)の一面において、レンズ素子(30A)が存在しない領域に反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光学装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学装置に関し、更に詳しくは、照度の均一性に優れ、液晶表示素子、DMD(Digital Micro Mirror Device)などの画像表示素子を照明するために好適に用いることのできる光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子上に形成された画像をスクリーンに拡大して投写する装置(投写型液晶プロジェクター)が提案されている。このような画像投写装置においては、画像が形成されている液晶表示素子を照明することが必要である。そして、かかる照明用の光学装置には、被照射領域における照度の均一性が要求される。
【0003】被照射領域における照度の均一性の良好な光学装置として、図1に示すような、インテグレータ光学系を搭載してなる光学装置が紹介されている(米国特許2186123号明細書参照)。図1に示す光学装置は、両端に封止部を有するショートアーク型の光源ランプ1と、この光源ランプ1のアーク方向と光軸Lが一致するよう配置された放物面鏡2と、この放物面鏡2からの反射光の光路上で、前記光軸Lと垂直な平面上に配置された第1のレンズ板3と、この第1のレンズ板3とともにインテグレータ光学系を構成する第2のレンズ板4とを備えてなる。同図において、5は紫外線カットフィルター、6はコンデンサレンズ、7は被照射領域(例えば液晶表示素子面)である。インテグレータ光学系を構成する第1のレンズ板3は、図2にも示すように、矩形状のレンズ素子3Aが複数(例えば20枚)配列されて構成されている。また、第2のレンズ板4は、前記複数のレンズ素子3Aの各々に対応する(すなわち、複数のレンズ素子3Aの各々の焦点に位置する)複数のレンズ素子4Aが配列されてなる。
【0004】このような構成の光学装置において、光源ランプ1の発光部1Hからの光は、放物面鏡2によって反射され、この反射光は、第1のレンズ板3に入射され、この第1のレンズ板3によりレンズ素子3A毎に分割される。そして、分割された光の各々は、第2のレンズ板4における対応するレンズ素子4Aの各々に収束される。そして、第2のレンズ板4におけるレンズ素子4Aに収束された光の各々は、当該レンズ素子4Aにより、発光部1Hの実像が拡大された状態で被照射領域7において重畳される。
【0005】ここに、図1における破線は、発光部1Hの中心からの放射光の光路を示している。然るに、発光部1Hは一定の大きさを有するものであり、この発光部1Hの端部からの放射光(図示省略)は、放物面鏡2に反射されることにより、光軸Lに対して一定の角度をもって第1のレンズ板3に入射される。この結果、第2のレンズ板4におけるレンズ素子4Aの各々の位置には、光源ランプ1における発光部1Hの実像が光スポットとして形成される。しかして、レンズ素子4Aの各々の位置に形成される光スポットの大きさは、■ 光源ランプ1の発光部1Hが大きいほど、■ 放物面鏡2の焦点距離が小さいほど、■ 放物面鏡2の開口端面と第1のレンズ板3との間の離間距離が大きいほど大きくなる。
【0006】ところで、図1に示した構成の光学装置において、発光部1Hからの光を捕捉する立体角度を大きくする観点からは、放物面鏡2の焦点距離は小さい方が好ましい。また、光源ランプ1の封止部において、モリブデン箔1Mと、外部リード棒1Lとの接続部分における劣化(高熱による酸化)を防止する観点からは、放物面鏡2の開口端面と第1のレンズ板3との間の離間距離を大きく設定して(例えば20mm程度)、冷却風wの流路を確保することが好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(1)しかしながら、放物面鏡2の開口端面と第1のレンズ板3との間の離間距離を大きく設定すると、光軸(L)方向のサイズを大きく設定する必要があり、光学装置として大型のものとなる。
【0008】(2)また、放物面鏡2の焦点距離を小さくし、放物面鏡2の開口端面と第1のレンズ板3との間の離間距離を大きくすると、第2のレンズ板4におけるレンズ素子4Aの各々の位置に形成される光スポットが、当該レンズ素子4Aの開口よりも大きくなる。そして、光スポットを形成する光束のうち、レンズ素子4Aに収束されない光(レンズ素子4Aから外れた光)は、被照射領域7に到達することができず、この結果、光源ランプ1からの光を有効に利用することができない(光の利用効率の低下)という問題を招く。
【0009】このような問題に対して、第2のレンズ板4におけるレンズ素子4Aの開口を大きくして、光の利用効率を向上させることも考えられる。しかしながら、レンズ素子4Aの開口を大きくすると、第2のレンズ板4の周辺部に位置するレンズ素子4Aから出射される光は、被照射領域7に対する照射角度が大きいものとなるため、投写レンズとして、Fナンバーの小さいものが必要となる。然るに、Fナンバーの小さい投写レンズは、有効径が大きくて高価なものであるため、画像投写装置の大型化、高コスト化を招くことになる。
【0010】本発明は、以上のような事情に基いてなされたものである。本発明の第1の目的は、被照射領域における照度の均一性に優れ、光源ランプからの光の利用効率が高く、コンパクトな構成の照明用の光学装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、光源ランプの封止部における箔と外部リード棒との接続部分における温度上昇を抑制することができ、当該部分における劣化を防止することができる光学装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、画像投写装置における画像表示素子を照明するために好適に用いることができ、当該画像投写装置の小型化、低コスト化に寄与することができる照明用の光学装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の光学装置は、両端に封止部(11,12)を有するショートアーク型の光源ランプ(10)と、この光源ランプ(10)のアーク方向と光軸が一致するように配置された凹面反射鏡(20)と、この凹面反射鏡(20)からの反射光の光路内に配置された、複数のレンズ素子(30A)を有する第1のレンズ板(30)と、この第1のレンズ板(30)とともにインテグレータ光学系を構成する、当該第1のレンズ板(30)のレンズ素子(30A)と対応する複数のレンズ素子(40A)を有する第2のレンズ板(40)とを備えてなる光学装置であって、当該第1のレンズ板(30)の中央に貫通孔(31)が形成され、この貫通孔(31)の周囲に、複数のレンズ素子(30A)が配列されていることを特徴とする。
【0012】本発明の光学装置においては下記の形態が好ましい。
〔1〕第1のレンズ板(30)の貫通孔(31)を通して光源ランプ(10)に冷却風を供給する冷却手段(50)が設けられていること。
〔2〕凹面反射鏡(20)の開口端面と、第1のレンズ板(30)との間の離間距離が0〜15mmであること。
〔3〕凹面反射鏡(20)に対向している第1のレンズ板(30)の一面に、紫外線反射膜が形成されていること。
〔4〕紫外線反射膜が誘電体多層膜からなること。
〔5〕凹面反射鏡(20)が放物面鏡である場合、該凹面反射鏡(20)に対向している第1のレンズ板(30)の一面において、レンズ素子(30A)が存在しない領域に反射膜が形成されていること。
〔6〕第1のレンズ板(30)を構成するレンズ素子(30A)が矩形状であること。
〔7〕光源ランプ(10)がメタルハライドランプまたは超高圧水銀ランプであること。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学装置について詳細に説明する。図3は、本発明の光学装置の構成の一例を示す説明図である。この光学装置は、光源ランプ10と、この光源ランプ10のアーク方向と光軸Lが一致するように配置された凹面反射鏡20と、この凹面反射鏡20の開口端部に一面が接触するように装着されている第1のレンズ板30と、この第1のレンズ板30とともにインテグレータ光学系を構成する第2のレンズ板40と、光源ランプ10の冷却手段50とを備えてなる。図3において、60および70は、それぞれ、画像投写装置におけるコンデンサレンズおよび液晶表示素子であり、70Aは、液晶表示素子70における被照射領域である。
【0014】光学装置を構成する光源ランプ10は、両端に封止部(11,12)を有するショートアーク型のメタルハライドランプからなる(同図において、電極の図示は省略している)。これにより、当該光源ランプ10の発光部10H全体において、分光エネルギー分布の均一性に優れた光を効率よく放射することができる。ここに、光源ランプ10内に封入される金属成分としては、ジスプロシウム、インジウム、スズなどが挙げられ、ハロゲン成分としては、ヨウ素、臭素などが挙げられる。光源ランプ10の封止部12(陰極側)には、モリブデン箔12Mが埋設されており、このモリブデン箔12Mの外端部には、外部リード棒12Lが溶接によって接続されている。なお、封止部11(陽極側)も同様の構成を有している。光源ランプ10の発光部10Hは、通常、長さ1.0〜3.0mmの円柱状である。発光部10Hの長さ(発光長)が小さすぎる場合には、発光特性やランプ寿命に悪影響を与えることがある。発光長が大きすぎる場合には、これを備えた光学装置において、光源ランプからの光を高い効率で利用することができない。
【0015】光学装置を構成する凹面反射鏡20は放物面鏡からなり、その光軸Lが、光源ランプ10のアーク方向(発光部10Hの長さ方向)と一致し、かつ、その焦点に、発光部10Hの中心が位置するように配置されている。凹面反射鏡20における焦点距離は、光源ランプ10の発光部10Hからの光を捕捉する角度を大きくする観点(反射鏡のコンパクト化を図る観点)からは小さい方が好ましいが、焦点距離が小さすぎる場合には、これを備えた光学装置において、光源ランプからの光を高い効率で利用することができない。このため、凹面反射鏡20の焦点距離は7〜13mm程度であることが好ましい。また、凹面反射鏡20の開口端部における径(開口径)は60〜90mm程度とされる。
【0016】図4は、光学装置を構成する第1のレンズ板30を示す正面図(凹面反射鏡20側から見た正面図)である。この図4にも示すように、第1のレンズ板30は、例えばパイレックスガラスからなり、中央(光軸Lを含む領域)に貫通孔31が形成された基板32と、貫通孔31の周囲に複数(例えば18枚)配列された矩形状のレンズ素子30Aとを有してなり、当該レンズ素子30Aの各々は、基板32の表面(液晶表示素子70側)に密着した状態で配列されている。ここに、基板32の大きさとしては、凹面反射鏡20の開口を塞ぐことができる程度の大きさとされる。また、基板32の板厚としては2〜5mm程度とされる。
【0017】第1のレンズ板30の一面(凹面反射鏡20に対向している基板32の表面)には、誘電体多層膜からなる紫外線反射膜が形成されており、これにより、光路中に存在する偏光板(図示省略)などの光学系および液晶表示素子70中の液晶の劣化、並びに第1のレンズ板30の歪みおよび割れを有効に防止することができる。かかる誘電体多層膜としては、酸化チタン膜と酸化ケイ素膜との積層膜(積層数:11〜25)を挙げることができ、その膜厚は、例えば1.0〜2.6μmとされる。なお、紫外線反射膜は、基板32の表面全域ではなく、レンズ素子30Aが配列されている領域のみに形成されていてもよい。
【0018】また、第1のレンズ板30の一面(凹面反射鏡20に対向している基板32の表面)のうち、レンズ素子30Aが配列されていない領域には、反射膜が形成されており、これにより、凹面反射鏡20からの光を有効に利用することができる。かかる反射膜としては、アルミニウムを使用し、その保護膜に酸化ケイ素を使用している。
【0019】第1のレンズ板30(基板32)の中央に形成されている貫通孔31は、光源ランプ10を冷却するための冷却風の流路となるものである。そして、当該貫通孔31が、第1のレンズ板30のうち、凹面反射鏡20からの光の照度が相対的に小さくなる中央領域(光源ランプ10のバルブの陰影が形成される光軸Lを含む領域)に形成されているので、当該貫通孔31が形成されていることによる光の利用効率への影響(光量の低下)はきわめて小さいものである。
【0020】貫通孔31の形状および大きさ(面積)は、特に限定されるものではないが、具体的には25〜100mm2 (5.6〜11.3mm径の円に相当)であることが好ましい。貫通孔の大きさが過小である場合には、光源ランプ10(封止部12)の冷却効果を十分に発揮することができない。一方、貫通孔の大きさが過大である場合には、当該貫通孔から漏れる光によって、光の利用効率の低下を招く。
【0021】上記第1のレンズ板30とともにインテグレータ光学系を構成する第2のレンズ板40は、第1のレンズ板30における複数のレンズ素子30Aの各々と対応する複数のレンズ素子40Aを有している。具体的には、パイレックスガラスまたはソーダガラスからなる基板42と、前記複数のレンズ素子30Aの各々の焦点に位置する複数のレンズ素子40Aが配列されて第2のレンズ板が構成されている。ここに、基板42の大きさおよび板厚としては、第1のレンズ板30を構成する基板32の大きさおよび板厚と同程度とされる。
【0022】光学装置を構成する冷却手段50は、第1のレンズ板30における貫通孔31に向けて冷却風を供給できる手段であれば、その構成および位置は特に限定されるものではない。
【0023】上記のような構成の光学装置において、光源ランプ10の発光部10Hからの光は、凹面反射鏡20によって反射され、この反射光〔発光部10Hの中心からの光が反射された平行光(点線で示す)を含む光束〕は、当該凹面反射鏡20の開口端部に接触するように装着されている第1のレンズ板30に入射される。第1のレンズ板30に入射した光は、この第1のレンズ板30により、レンズ素子30A毎に分割され、この分割された光の各々は、第2のレンズ板40における対応するレンズ素子40Aの各々に収束される。そして、第2のレンズ板40におけるレンズ素子40Aに収束された光の各々は、当該レンズ素子40Aにより、発光部10Hの実像が拡大された状態で、液晶表示素子70の被照射領域70Aにおいて重畳される。
【0024】上記のような構成の光学装置によれば、下記のような効果が奏される。
<被照射領域における照度の均一性>第1レンズ板30により分割された光は、それぞれ中心付近における光束密度と周辺部における光束密度との差が小さいものであり、しかも、分割された光の各々が、第2レンズ板40によって同一の被照射領域70Aに重畳されるので、当該被照射領域70Aにおける照度の均一性に優れたものとなる。
【0025】<装置のコンパクト化(光軸方向)>第1のレンズ板30が、凹面反射鏡20の開口端部に接触するように装着されている(両者の離間距離が0mm)ので、光軸(L)方向のサイズを小さく設定することができ、光学装置がコンパクトな構成となる。
【0026】<高い光の利用効率>第1のレンズ板30が、凹面反射鏡20の開口端部に接触するように装着されているので、第2のレンズ板40を構成する各々のレンズ素子40Aの位置に形成される光スポット(発光部10Hの実像)は、きわめて小さいもの、少なくとも、当該レンズ素子40Aの開口よりも小さいものとなる。従って、光スポットを形成する光束のすべてが、レンズ素子4Aに収束されて被照射領域70Aに到達する。この結果、光源ランプ10からの光を高い効率で有効に利用することができる。
【0027】<装置のコンパクト化(光軸と垂直な方向)>光の利用効率を向上させるために、レンズ素子40Aの開口を大きくする必要がないので、光軸と垂直方向のサイズを小さく設定することができ、光学装置がコンパクトな構成となる。
【0028】<光源ランプの長寿命化(箔と外部リード棒の接続部分における劣化防止)>第1のレンズ板30の中央に貫通孔31が形成されているとともに、この貫通孔31に向けて冷却風を供給する冷却手段50が設けられているので、凹面反射鏡20の開口端部に第1のレンズ板30を接触するように装着しても、貫通孔31を通過して供給される冷却風によって光源ランプ10の封止部12が確実に冷却され、モリブデン箔12Mと、外部リード棒12Lとの接続部分における温度上昇が抑制される。この結果、当該接続部分における劣化(高熱による酸化)を有効に防止することができる。
【0029】以上、本発明の光学装置の実施形態の一例を説明したが、本発明の光学装置は、この形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、第1のレンズ板は凹面反射鏡の開口端部に接触するように装着されている必要はなく、光の利用効率および装置のコンパクト化に影響を与えない範囲(例えば15mm以下)で、両者の離間距離を設定することができる。また、第1のレンズ板の中央に形成された貫通孔の形状は、矩形に限定されるものではなく、円形等であってもよい。また、光源ランプにおける封止部の一部が、第1のレンズ板から突出していてもよい。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>下記の仕様に従って、図3に示すような構成の光学装置を作製した。
(1)光源ランプ10:ショートアーク型のメタルハライドランプ(消費電力250W,全長75mm,封止部11の長さ25mm,封止部11の断面積35mm2 ,外部リード棒12Lの外径1mm,発光長1.8〜2.4mm,)
【0031】(2)凹面反射鏡20:放物面鏡(開口径85mm,焦点距離12mm)
【0032】(3)第1のレンズ板30:■ レンズ素子30A(開口の大きさ15mm×11.5mm,枚数18)
■ 基板32(パイレックスガラス製,75mm×70mm×2mm)
■ 貫通孔31(6mm×11.5mm=69mm2
■ 基板32の一面(凹面反射鏡側)に形成された誘電体多層膜(酸化チタン膜と酸化ケイ素膜との積層膜,積層数:36,膜厚5μm)
【0033】(4)第2のレンズ板40:■ レンズ素子40A(開口の大きさ15mm×11.5mm,枚数18)
■ 基板42(パイレックスガラス製,68mm×60mm×2mm)
【0034】(5)冷却手段50:液晶表示素子を冷却するためのファンからの冷却風の一部(0.2cm3 /min程度)を貫通孔31に向けて供給した。
【0035】(6)第1のレンズ板30と第2のレンズ板40との離間距離:70mm(7)第2のレンズ板40と被照射領域70Aとの離間距離:140mm(8)被照射領域70Aの大きさ:28.6m×22mm(9)第1のレンズ板30(第2のレンズ板側)から突出している外部リード棒12Lの長さ6mm【0036】上記の光学装置を作動させたところ、被照射領域(70A)における平均照度は、約700万ルクスであり、しかも、照度の均一性に優れていた。また、モリブデン箔(12M)と外部リード棒(12L)との接続部分における温度を、封止部(12)に埋設された熱電対を利用して測定したところ、330℃であり、2000時間にわたり連続的に作動させても、当該接続部分における劣化は認められなかった。
【0037】<比較例1>第1のレンズ板(30)から外部リード棒(12L)を突出させた状態で、貫通孔(31)を塞いで光源ランプ10へ供給される冷却風の流路を遮断することにより、比較用の光学装置を作製した。この光学装置を作動させ、モリブデン箔(12M)と外部リード棒(12L)との接続部分における温度を測定したところ、390℃と相当に高いものであり、500時間にわたり連続的に作動させた後、前記接続部分を観察したところ、劣化(高熱による酸化)の発生が認められた。
【0038】
【発明の効果】本発明の光学装置は、被照射領域における照度の均一性に優れ、光源ランプからの光の利用効率が高く、コンパクトな構成を有している。しかも、本発明の光学装置によれば、光源ランプの封止部における箔と、外部リード棒との接続部分における温度上昇を抑制することができ、当該接続部分の劣化(高熱による酸化)を有効に防止することができる。本発明の光学装置は、画像投写装置における画像表示素子を照明するために好適に用いることができ、当該画像投写装置の小型化、低コスト化に寄与することができる。
【0039】請求項1〜2に係る光学装置によれば、凹面反射鏡の開口端部と第1のレンズ板との間の離間距離が短い場合であっても、光源ランプへの冷却風の流路を確保することができ、この貫通孔を通して冷却風を供給することにより、光源ランプの封止部における箔と、外部リード棒との接続部分の温度上昇を抑制することがことができる。請求項3に係る光学装置によれば、凹面反射鏡の開口端部と第1のレンズ板との間の離間距離が15mm以下と短いので、コンパクトな構成を有するとともに、光源ランプからの光を高い効率で利用することができる。
【0040】請求項4に係る光学装置によれば、光路中に存在する偏光板などの光学系部材および液晶表示素子中の液晶の劣化、並びに第1のレンズ板の歪みおよび割れを有効に防止することができる。請求項5に係る光学装置によれば、凹面反射鏡からの光を有効に利用することができる。
【出願人】 【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大井 正彦
【公開番号】 特開平11−86603
【公開日】 平成11年(1999)3月30日
【出願番号】 特願平9−250282