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【発明の名称】 車両用の放電式ランプ装置
【発明者】 【氏名】蘆田 隆

【要約】 【課題】部品点数及び組立工数の削減を図ると共に組立作業の容易な車両用の放電式ランプ装置を提供する。

【解決手段】非金属製ハウジング2の一端に金属製リフレクタ3を取付け、ハウジング2の他端に金属製バルブキャップ11を取付け、ハウジング2の内部に前記バルブキャップ11と接触した状態で金属製シールド筒21を取付けると共に、前記リフレクタ3と、シールド筒21との間に、両者に接触した状態で、金属製コイルスプリング16を介装したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非金属製ハウジングの一端に金属製リフレクタ又は金属製リフレクタカバーを取付け、ハウジングの他端に金属製バルブキャップを取付け、ハウジングの内部に前記バルブキャップと接触した状態で金属製シールド筒を取付けると共に、前記リフレクタ又はリフレクタカバーと、シールド筒との間に、両者に接触した状態で、金属製コイルスプリングを介装したことを特徴とする車両用の放電式ランプ装置。
【請求項2】 リフレクタ又はリフレクタカバーに、コイルスプリングの一端と接触する受面を形成すると共に、該受面にコイルスプリングの一端の内側に係合するリブを形成した請求項1記載の車両用の放電式ランプ装置。
【請求項3】 シールド筒の一端から外側に広がって、コイルスプリングの外周を覆うカバーフランジを形成した請求項1又は請求項2記載の車両用の放電式ランプ装置。
【請求項4】 リフレクタ又はリフレクタカバーに形成した受面の外周端が、カバーフランジの端末に対して近接した状態になっている請求項3記載の車両用の放電式ランプ装置。
【請求項5】 バルブキャップ内に電子回路を設け、該電子回路から直接的又は間接的にアース線をとる請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用の放電式ランプ装置。
【請求項6】 ハウジングの他端側の内面に、シールド筒の他端と当接可能なストッパを突設すると共に、ハウジングの他端に取付けたバルブキャップによりシールド筒が一端側に押されて、該シールド筒の他端と前記ストッパとの間に隙間が形成される請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用の放電式ランプ装置。
【請求項7】 ハウジングの内部に、バルブキャップが外されて、シールド筒がコイルスプリングの付勢力により他端側へ移動した状態を検出すセンサーを設けた請求項6記載の車両用の放電式ランプ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用の放電式ランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のヘッドランプにメタルハライドランプ等の放電式ランプが用いられている。この種の放電式ランプは起動時及び点灯時に高電圧が印加されるため、ランプ内部のバルブソケットやハーネスからノイズが発生し易く、ラジオ等の車載機器に悪影響を及ぼすおそれがある。従来はこのようなノイズの発生を減少させるために、バルブソケットを金属カバーで覆ったり、ハーネスを金属網製の静電シールドで被覆し、それらを電気的に結線している(類似技術として、特開平5−217503号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の技術にあっては、バルブソケットやハーネスを、個別に金属製のカバーや静電シールドで被覆しているため、部品点数及び組立工数の増加を招いている。また、金属カバーや静電シールドを電気的に結線しなればならないため、組立作業も面倒である。
【0004】この発明はこのような従来の技術に着目してなされたものであり、部品点数及び組立工数の削減を図ると共に組立作業の容易な車両用の放電式ランプ装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、非金属製ハウジングの一端に金属製リフレクタ又は金属製リフレクタカバーを取付け、ハウジングの他端に金属製バルブキャップを取付け、ハウジングの内部に前記バルブキャップと接触した状態で金属製シールド筒を取付けると共に、前記リフレクタ又はリフレクタカバーと、シールド筒との間に、両者に接触した状態で、金属製コイルスプリングを介装したものである。
【0006】請求項1記載の発明によれば、ランプ内部の部品を金属で個別にシールドするのではなく、ハウジングの内部構造を取り囲む部材であるリフレクタ又はリフレクタカバー(以下、リフレクタ等)と、シールド筒と、バルブキャップをそれぞれ金属製とし、リフレクタ等とシールド筒との間に金属製のコイルスプリングを介装した状態で、前記三者を電気的に接続しているため、内部の部品を個別にシールドせずにノイズの発生を減少させることができる。従って、部品点数及び組立工数の削減を図ることができる。前記三者の部材は、コイルスプリングを介装した状態で、互いに接触した導通状態が得られているため、電線で電気的に接続する必要がなく、組立作業も容易である。また、リフレクタ等も金属製にしているため、バルブから発生するノイズが車内側へ侵入するのを防止することもできる。更に、リフレクタ等とシールド筒との間にコイルスプリングが介装されているため、リフレクタ等のエイミング(向き調整)も容易に行える。
【0007】請求項2記載の発明は、リフレクタ又はリフレクタカバーに、コイルスプリングの一端と接触する受面を形成すると共に、該受面にコイルスプリングの一端の内側に係合するリブを形成したものである。
【0008】請求項2記載の発明によれば、リフレクタ等に形成した受面により、コイルスプリングとの接触状態が安定すると共に、コイルスプリングの内側に係合するリブによりコイルスプリングのずれが防止される。
【0009】請求項3記載の発明は、シールド筒の一端から外側に広がって、コイルスプリングの外周を覆うカバーフランジを形成したものである。
【0010】請求項3記載の発明によれば、シールド筒の一端にカバーフランジが形成されているため、コイルスプリングを介装したリフレクタ等とシールド筒との間隙からノイズが漏れ出すのを抑制することができる。
【0011】請求項4記載の発明は、リフレクタ又はリフレクタカバーに形成した受面の外周端が、カバーフランジの端末に対して近接した状態になっている。
【0012】請求項4記載の発明によれば、受面の外周端がカバーフランジの端末に近接した状態になっているため、前記リフレクタ等とシールド筒との間隙からノイズが漏れ出すのをより確実に抑制することができる。
【0013】請求項5記載の発明は、バルブキャップ内に電子回路を設け、該電子回路から直接的又は間接的にアース線をとっている。
【0014】請求項5記載の発明によれば、バルブキャップ内に設けられた電子回路から直接的又は間接的にアース線をとるため、アース線の短縮化を図ることができると共に、シールドを形成する各構成部品が電気的に導通しているため、アース線も1本で済む。
【0015】請求項6記載の発明は、ハウジングの他端側の内面に、シールド筒の他端と当接可能なストッパを突設すると共に、ハウジングの他端に取付けたバルブキャップによりシールド筒が一端側に押されて、該シールド筒の他端と前記ストッパとの間に隙間が形成される。
【0016】請求項6記載の発明によれば、シールド筒の他端側にバルブキャップによる押し代としての隙間が形成されているため、シールド筒の他端がバルブキャップに対してコイルスプリングの付勢力を作用させた状態で接触することになり、シールド筒とバルブキャップとの確実な導通状態が得られる。
【0017】請求項7記載の発明は、ハウジングの内部に、バルブキャップが外されて、シールド筒がコイルスプリングの付勢力により他端側へ移動した状態を検出すセンサーを設けた。
【0018】請求項7記載の発明によれば、センサーによりバルブキャップが外された状態を検出することができるため、該センサーからの信号により、電子回路を内蔵したバルブキャップが外された際に、電子回路への高電圧を停止させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。
【0020】この実施形態に係るランプ装置1は、自動車前面の進行方向左側に取付けられたものである。このランプ装置1のハウジング2内には、左右一対のリフレクタ3、4が設けられている。このリフレクタ3、4は、それぞれ図示せぬ角度調整手段により支持されており、リフレクタ3、4のエイミング(向き調整)を自由に行えるようになっている。
【0021】ハウジング2は樹脂製で、複雑な形状でも成形し易くなっている。左右のリフレクタ3、4はそれぞれ金属で出来ている。そして、右側のリフレクタ3には、ヘッドランプとしての放電式メタルハライドランプのバルブ5が取付けられている。
【0022】ハウジング2の前側(一端側)には前記バルブ5、6を覆うレンズ7が設けられている。ハウジング2の後側(他端側)には、各バルブ5、6に対応した筒状部8、9が形成されており、該筒状部8、9の後端開口10(図2参照)には、各バルブ5、6の着脱を行うためのバルブキャップ11、12が取付けられている。
【0023】以下、右側のリフレクタ3に取付けられた放電式バルブ5側の構造を図2に基づいて説明する。
【0024】リフレクタ3の中央には支持孔13が形成されており、この支持孔13の周辺3ケ所に対して、バルブ5を固定するためのバルブソケット14が、ネジ15により取付けられている。また、リフレクタ3の支持孔13の周辺部には、更に金属製コイルスプリング16の前端を受け止める受面17、18が略連続状態で形成されている。更に、この受面17、18には、コイルスプリング16の前端の内側に係合するリブ19、20が形成されている。
【0025】ハウジング2の筒状部8内には、該筒状部8の内面に沿って金属製のシールド筒21が、前後移動自在に設けられている。このシールド筒21の前端21aには、外側に広がった形状のカバーフランジ22が形成されており、該カバーフランジ22に対してコイルスプリング16の後端が当接していると共に、該カバーフランジ22がコイルスプリング16の外周を覆っている。このカバーフランジ22の端末と、前記受面17、18の外周端とは近接した状態になっている。
【0026】コイルスプリング16は、リフレクタ3の受面17、18と、シールド筒21のカバーフランジ22との間で、圧縮された状態で介装されており、シールド筒21を後方へ向けて付勢している。受面17、18にコイルスプリング16の前端を当接させているため、該コイルスプリング16との接触状態が安定すると共に、コイルスプリング16の内側に係合するリブ19、20によりコイルスプリング16のずれが防止される。
【0027】また、リフレクタ3とシールド筒21との間には、前記リフレクタ3のエイミングを可能にするための間隙S1 が設けられているが、この間隙S1 はカバーフランジ22により外側から覆われている。
【0028】筒状部8の後端開口10付近の内面には、内周に沿ってストッパ23が形成されている。後端開口10に取付けられているバルブキャップ11は、該ストッパ23よりも筒状部8の内部に入り込んだ状態となっている。従って、バルブキャップ11の前面と、ストッパ23との間に隙間S2 が形成されている。
【0029】シールド筒21の後端21bは内側へ向けて曲折形成されており、該後端21bはコイルスプリング16の付勢力により、バルブキャップ11の前面に対して押し付けられている。従って、シールド筒21とバルブキャップ11との確実な導通状態が得られる。シールド筒21の後端21bは、バルブキャップ11の前面に当接することにより、シールド筒21の前端21a(カバーフランジ22)と、筒状部8の前端との間には前記隙間S2 以上の間隔の隙間S3 が形成されている。
【0030】バルブキャップ11は中空形状をしており、該バルブキャップ11内に、「電子回路」としての高電圧用イグナイタ回路24が設けられている。イグナイタ回路24と前記バルブソケット14とは、余裕をもったハーネス25により接続されている。
【0031】イグナイタ回路24には、電源26からコントロールユニット27を介して高電圧の電流が送られる。また、アース線28は、このコントロールユニット27と介して、前記イグナイタ回路24からとられている。
【0032】ハウジング2の内面における前記下側の受面18の近くには、「センサー」としてのマイクロスイッチ29が設けられている。このマイクロスイッチ29のボタン29aは、カバーフランジ22の先端により押された状態になっている。このマイクロスイッチ29は、前記コントロールユニット27と接続されており、このボタン29aが押された際の信号により、バルブキャップ11が後端開口10に取付けられていることを検出している。
【0033】この実施形態のランプ装置1は、ハウジング2の内部構造を取り囲む部材であるリフレクタ3と、シールド筒21と、バルブキャップ11をそれぞれ金属製とし、且つ、リフレクタ3とシールド筒21との間にコイルスプリング16を介装した状態で、前記三者を電気的に接続しているため、バルブソケット14やハーネス25から発生するノイズを遮断することができる。イグナイタ回路24は、バルブキャップ11の中空内に収納されているため、イグナイタ回路24からのノイズの発生もバルブキャップ11により遮断される。更に、カバーフランジ22により、リフレクタ3とシールド筒21との間隙S1 からノイズが漏れだすのを抑制することもできる。このノイズ遮蔽効果は、受面17、18の外周端がカバーフランジ22の端末に近接した状態になっていることにより、更に高められている。
【0034】リフレクタ3、コイルスプリング16、シールド筒21、バルブキャップ11が、互いに接触した導通状態になっているため、電線で電気的に接続する必要がなく、組立作業も容易である。
【0035】また、リフレクタ3も金属製のため、放電式のバルブ5から発生するノイズが車内側へ侵入するのを抑制することもできる。更に、リフレクタ3とシールド筒21との間にコイルスプリング16が介装されているため、図示せぬ角度調整手段により、リフレクタ3のエイミング(向き調整)も容易に行える。
【0036】加えて、イグナイタ回路24からコントロールユニット27を介してアース線28をとっているため、アース線28の短縮化を図ることができると共に、前記シールドを形成するリフレクタ3やシールド筒21等が電気的に導通しているため、アース線も1本で済む。
【0037】そして、バルブキャップ11を筒状部8の後端開口10から外すと、隙間S2、S3 の存在により、シールド筒21が、コイルスプリング16に押されて後方へ移動し、シールド筒21の後端21bがストッパ23に当接する。シールド筒21が後方へ移動すると、カバーフランジ22がマイクロスイッチ29のボタン29aを押すのを止める。ボタン29aの押圧状態が解除されたことを知られる信号が、マイクロスイッチ29からコントロールユニット27に送られる。コントロールユニット27では、この信号により、バルブキャップ11が外された状態を認識し、電源26からイグナイタ回路24への高電圧を停止させる。
【0038】尚、以上の説明では、リフレクタ3の全体を金属製にする例を示したが、リフレクタ自体は非金属製とし、そのリフレクタの後面に金属製のリフレクタカバーを取付けるようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ランプ内部の部品を金属で個別にシールドするのではなく、ハウジングの内部構造を取り囲む部材であるリフレクタ又はリフレクタカバーと、シールド筒と、バルブキャップをそれぞれ金属製とし、リフレクタ等とシールド筒との間に金属製のコイルスプリングを介装した状態で、前記三者を電気的に接続しているため、内部の部品を個別にシールドせずにノイズの発生を減少させることができる。従って、部品点数及び組立工数の削減を図ることができる。前記三者の部材は、コイルスプリングを介装した状態で、互いに接触した導通状態が得られているため、電線で電気的に接続する必要がなく、組立作業も容易である。また、リフレクタ等も金属製にしているため、バルブから発生するノイズが車内側へ侵入するのを防止することもできる。更に、リフレクタ等とシールド筒との間にコイルスプリングが介装されているため、リフレクタ等のエイミング(向き調整)も容易に行える。
【0040】請求項2記載の発明によれば、リフレクタ等に形成した受面により、コイルスプリングとの接触状態が安定すると共に、コイルスプリングの内側に係合するリブによりコイルスプリングのずれが防止される。
【0041】請求項3記載の発明によれば、シールド筒の一端にカバーフランジが形成されているため、コイルスプリングを介装したリフレクタ等とシールド筒との間隙からノイズが漏れ出すのを抑制することができる。
【0042】請求項4記載の発明によれば、受面の外周端がカバーフランジの端末に近接した状態になっているため、前記リフレクタ等とシールド筒との間隙からノイズが漏れ出すのをより確実に抑制することができる。
【0043】請求項5記載の発明によれば、バルブキャップ内に設けられた電子回路から直接的又は間接的にアース線をとるため、アース線の短縮化を図ることができると共に、シールドを形成する各構成部品が電気的に導通しているため、アース線も1本で済む。
【0044】請求項6記載の発明によれば、シールド筒の他端側にバルブキャップによる押し代としての隙間が形成されているため、シールド筒の他端がバルブキャップに対してコイルスプリングの付勢力を作用させた状態で接触することになり、シールド筒とバルブキャップとの確実な導通状態が得られる。
【0045】請求項7記載の発明によれば、センサーによりバルブキャップが外された状態を検出することができるため、該センサーからの信号により、電子回路を内蔵したバルブキャップが外された際に、電子回路への高電圧を停止させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)8月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】高月 猛
【公開番号】 特開平11−66902
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−216459