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【発明の名称】 レンズを有する車両用外装品
【発明者】 【氏名】小原 仁

【要約】 【課題】特別な別部品を設けることなくレンズとハウジングとによって形成された空間と大気との連通経路を長く確保して空間内への水滴の侵入を防止することができるレンズを有する車両用外装品を提供する。

【解決手段】前面に開放しその開放端がレンズ3に覆われた樹脂製のハウジング2に、前面に開口する吸気口2h,2i、背面に開放する排気口2j、吸気口2h,2iと排気口2jとを連通するようにガスインジェクションによって形成された通気路としての空間部Eを形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】前面に開放する樹脂製ハウジングと、該ハウジングの開放端を覆うレンズとを備えたレンズを有する車両用外装品において、前記ハウジングは、前面に開口する吸気口と、背面に開放する排気口と、前記吸気口と前記排気口とを連通するようにガスインジェクションによって形成された通気路と、を備えていることを特徴とするレンズを有する車両用外装品。
【請求項2】前記排気口には、該排気口と大気とを連通する連結通気路を形成した車体取付用固定手段が係合していることを特徴とする請求項1に記載のレンズを有する車両用外装品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用灯具や車両用リヤフィニッシャー等のように、前面に開放する樹脂製ハウジングと、ハウジングの開放端を覆うレンズとを備えたレンズを有する車両用外装品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、リヤコンビネーションランプなどの車両用等具には、前面開口を有するハウジングと、このハウジングに保持され且つ前面開口と同方向に開放するインナーハウジングと、インナーハウジングの開放端を覆うように前面開口を閉成するレンズと、ハウジングに保持されたバルブとを有するものが知られている。
【0003】また、このような車両用等具には、バルブが点灯した際の熱によってインナーレンズとハウジングとで形成された灯室内の空気が膨張して大気とに差が生じ、これによりレンズ裏面に曇りが発生することを防止するためにハウジングに大気と連通するよう貫通させた呼吸孔を設けるたものが知れれている。
【0004】尚、このような呼吸孔には、外部から呼吸孔を介して灯室内に水滴が侵入することを防止するための略U字形状のグロメットを係合したものもある。
【0005】一方、レンズを有する車両用外装品としての車両用リヤフィニッシャーにおいても、例えば、直射日光等によってハウジングとレンズとの間の空間内の空気が暖められ、これにより、空間と大気とに差が生じてレンズ裏面に曇りが発生することを防止するため、ハウジングに貫通孔を設けて空間と大気とを連通したものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如く構成されたレンズを有する車両用外装品にあっては、ハウジングに貫通孔を設けた場合、灯室や空間内と大気とがハウジングの肉厚を存してダイレクトに連通してしまうため、大気側から水滴が侵入し易く、この侵入した水滴が蒸発してレンズに曇りが発生してしまうという問題が生じていた。
【0007】また、このような水滴の侵入を防止するためにグロメットを設け場合、部品点数が増してコストが高騰するという問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、特別な別部品を設けることなくレンズとハウジングとによって形成された空間と大気との連通経路を長く確保して空間内への水滴の侵入を防止することができるレンズを有する車両用外装品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、前面に開放する樹脂製ハウジングと、該ハウジングの開放端を覆うレンズとを備えたレンズを有する車両用外装品において、前記ハウジングは、前面に開口する吸気口と、背面に開放する排気口と、前記吸気口と前記排気口とを連通するようにガスインジェクションによって形成された通気路と、を備えていることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明のレンズを有する車両用外装品の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】(実施の形態1)図1は本発明のレンズを有する車両用外装品の実施の形態1を示し、リヤコンビネーションランプ等の車両用灯具に適用したものである。
【0012】図1において、車両用灯具1は、前面開口2aを有する合成樹脂製のハウジング2と、このハウジング2に装着されたレンズ3と、ハウジング2とレンズ3とによって形成された灯室4と、ハウジング2に保持されたバルブ5とを備えている。
【0013】ハウジング2は、バルブ5が挿入されると共に、そのバルブ5を保持するバルブホルダ6が装着されるバルブ挿入開口2bが形成されている。また、ハウジング2には、バルブ5から出射された照明光束をレンズ3に向けて反射する反射部2cと、反射部2cとは別に、意匠上の関係から車体側方へと回り込んだ意匠フランジ部2dとが一体に形成されている。さらに、ハウジング2の開放端には、前面開口2aの開口縁部に沿って延びる係合溝2eがフランジ2fによって形成されている。尚、係合溝2e内には、レンズ3から突出された脚部3aが係合するホットメルト材料等のシール剤7が充填されている。しかも、ハウジング2には、車両用灯具1を車体パネルSに取り付ける際に、この車体パネルSと当接する厚肉部2gが一体に形成されている。
【0014】一方、ハウジング2を成型する際には、例えば、車体下方で且つ車幅方向(図示左右方向)の左右2か所に位置する部分から噴射ノズル(図示せず)によってガスが導入され、これによってハウジング2の肉内にガスが流入して通気路としての空間部Eが形成される。
【0015】この空間部Eは、ハウジング2を形成するための金型設計やガスの圧力設定によって形成され、意匠フランジ部2dから車体パネル当接部2gに跨って流入しており、しかも、バルブ挿入開口2bを回り込むようにして車体左右の他方側に形成された空間部E’と対に同時に形成されている。尚、この空間部E,E’の他、その他の厚肉部においても空間部e,e’を形成することができる。
【0016】また、空間部Eよりも灯室4側の反射部2cと意匠フランジ部2dとには、灯室4と空間部Eとを連通する吸気口2h,2iとが形成されている。また、空間部Eよりも大気側の車体パネル当接部2gには、空間部Eを挟んで吸気口2h,2iから車体左右方向(上下方向も可)にずれた位置に、大気と空間部Eとを連通する排気口2jが形成されている。従って、灯室4と大気とは、吸気口2h,2i、空間部E、排気口2jを介して連通可能となっている。
【0017】一方、車体パネル当接部2gには、車体パネルパネルSに車両用灯具1を装着するための固定手段8が係合している。この固定手段8の先端は排気口2gを経て空間部Eに臨んでいる。また、固定手段8には、軸線方向に沿って連結通気路8aが形成されており、この固定手段8を車体パネル当接部2gに係合させた状態で車体パネルSに車両用灯具1を固定することによって灯室4と大気とが連通状態となる。
【0018】上記の構成において、バルブ5を点灯させることによって灯室4内の空気が温められると、吸気口2h,2i、空間部E、連結通気路8a(排気口2j)を介しての灯室4と大気との呼吸作用が促進されることによって灯室4内での蒸気の発生が防止され、これによりレンズ3の裏面への水滴の付着が防止される。
【0019】また、車体走行時の水跳ねや雨による水や高圧洗車時の水が連結通気路8a(排気口2j)から灯室4内に侵入しようとしても、排気口2jと吸気口2h,2iとが空間部Eを介して分離しており、しかも、排気口2jと吸気口2h,2iとが車体左右方向(若しくは上下方向、又は車体上下左右方向)にずれていることによって、その水滴の侵入が防止される。
【0020】しかも、固定手段8に空間部Eと連通する連結通気路8aを設けたことにより、従来で説明したグロメットを配置するような車体設置スペースの確保が不要となるばかりでなく、コストを大幅に削減することができる。また、吸気口2h,2iの形成位置は任意であるため、車両用灯具1の設計変更等への対応を容易に行うことができる。
【0021】(実施の形態2)図2は、本発明のレンズを有する車両用外装品の実施の形態2を示し、実施の形態1とは異なった構成のリヤコンビネーションランプ等の車両用等具に適用したものである。
【0022】図2において、車両用等具11は、前面開口12aを有する合成樹脂性のインナーハウジング12と、インナーハウジング12を傾動可能に保持するアウターハウジング13と、前面開口12aを閉成するようにアウターハウジング13に装着されたレンズ14と、インナーハウジング12とレンズ14とによって形成された灯室15と、インナーハウジング12を貫通した状態でアウターハウジング13に保持されたバルブ16とを備えている。
【0023】インナーハウジング12は、バルブ16から出射された照明光束をレンズ13に向けて反射する反射部12bと、反射部12bとは別に、意匠上の関係から車体側方へと回り込んだ意匠フランジ部12cとが一体に形成されている。
【0024】一方、インナーハウジング12を成型する際には、例えば、車体下方で且つ車幅方向(図示左右方向)の左右2か所に位置する部分から噴射ノズル(図示せず)によってガスが導入され、これによってインナーハウジング12の肉厚内にガスが流入して通気路Fが形成される。
【0025】この通気路Fは、インナーハウジング12を形成するための金型設計やガスの圧力設定によって形成され、意匠フランジ部12cから反射部12bに跨って形成されている。
【0026】また、意匠フランジ部12cの両縁部には、灯室15と通気路Fとを連通する吸気口12d,12eが形成されている。また、通気路Fよりも大気側の意匠フランジ部12cと反射部12bとには、通気路Fと大気とを連通する複数の排気口12f,12f…が形成されている。
【0027】アウターハウジング13は、バルブ16が挿入されると共に、そのバルブ16を保持するバルブホルダ17が装着されるバルブ挿入開口13aが形成されている。また、アウターハウジング13の開放端には、前面開口12aの開口縁部に沿って延びる係合溝13bがフランジ13cによって形成されている。なお、係合溝13b内には、レンズ14から突出された脚部14aが係合するホットメルト材料等のシール剤18が充填されている。しかも、アウターハウジング13の後壁13dには、貫通孔13eが形成されている。
【0028】従って、灯室15と大気とは、吸気口12d,12e、通気路F、複数の排気口12f、貫通孔13eを介して連通可能となっている。
【0029】上記の構成において、バルブ16を点灯させることによって灯室15内の空気が温められると、吸気口12d,12e、通気路F、複数の排気口12f、貫通孔13eを介しての灯室15と大気と呼吸作用が促進されることによって灯室15内での蒸気の発生が防止され、これによりレンズ14の裏面への水滴の付着が防止される。
【0030】また、車体走行時の水跳ねや雨による水や高圧洗車時の水が貫通孔13e若しくは排気口12fから灯室15内に侵入しようとしても、排気口12fと吸気口12d,12eとが通気路Fを介して分離しており、しかも、排気口12fと吸気口12d,12eとが排気口2jと吸気口2h,2iとが車体前後及び左右方向(若しくは上下方向、又は車体上下左右方向)にずれていることによって、その水滴の侵入が防止される。
【0031】また、意匠フランジ部12cの両縁部に吸気口12d,12eを形成したことにより、呼吸口12d,12eを目立たなくすることができる。
【0032】(実施の形態3)図3は、本発明のレンズを有する車両用外装品の実施の形態3を示し、車両用リヤフィニッシャー適用したものである。
【0033】図3(A)において、車両用リヤフィニッシャー21は、車体左右のリヤコンビネーションランプ22,23の間に位置しており、図示しないトランクリッド等に装着されている。
【0034】また、車両用リヤフィニッシャー21は、前面開口24aを有する合成樹脂性のハウジング24と、前面開口24aを閉成するようにハウジング24に装着されたレンズ25と、ハウジング24とレンズ25とによって形成された空間26とを備えている。
【0035】ハウジング24の開放端には、前面開口24aの開口縁部に沿って延びる係合溝24bがフランジ24cによって形成されている。尚、係合溝24b内には、レンズ25から突出された脚部25aが係合するホットメルト材料等のシール剤27が充填されている。
【0036】一方、ハウジング24を成型する際には、例えば、車体下方(図示下方)で且つ車幅方向の左右2か所に位置する部分から噴射ノズル(図示せず)によってガスが導入され、これによってハウジング24の肉厚内にガスが流入して通気路Gが形成される。
【0037】この通気路Gは、ハウジング24を形成するための金型設計やガスの圧力設定によって形成され、フランジ24cから後壁24bに跨って形成されている。
【0038】また、後壁24dの車体上下2箇所には灯室26と通気路Gとを連通する吸気口22e,24fが形成されている。また、フランジ24cの下縁には、通気路Fと大気とを連通する排気口24gが形成されている。
【0039】従って、灯室26と大気とは、吸気口24d,24e、通気路G、排気口24gを介して連通可能となっている。
【0040】上記の構成において、例えば、直射日光等によって空間26内の空気が温められると、吸気口24e,24f、通気路G、排気口24gを介しての空間26と大気との呼吸作用が促進されることによって、空間26内での蒸気の発生が防止され、これによりレンズ25の裏面への水滴の付着が防止される。
【0041】また、車体走行時の水跳ねや雨による水や高圧洗車時の水が排気口24gから空間26内に侵入しようとしても、排気口24gと吸気口24e,24fとが通気路Gを介して分離しており、しかも、排気口24gと吸気口24e,24fとが車体上下にずれていることによって、その水滴の侵入が防止される。尚、排気口24gが車体下方に形成されていることによって、後壁24dを伝わった水滴が排気口24gから入りにくくなっている。
【0042】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のレンズを有する車両用外装品にあっては、ハウジングは、前面に開口する吸気口と、背面に開放する排気口と、前記吸気口と前記排気口とを連通するようにガスインジェクションによって形成された通気路と、を備えていることにより、特別な別部品を設けることなくレンズとハウジングとによって形成された空間と大気との連通経路を長く確保して空間内への水滴の侵入を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−25707
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−174240