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【発明の名称】 プロジェクション装置およびプリズム体
【発明者】 【氏名】高島 譲

【要約】 【課題】十分な明るさを確保し、かつ光の放射量分布を比較的均一化可能な照明光学装置、液晶プロジェクション装置およびプリズム体を提供すること。

【解決手段】光源22から出射する光束に画像情報を付与することにより前記画像情報を投影するプロジェクション装置20において、前記光源22から出射した光束を前記画像情報を付加する手段29に対する許容入射角が大きい方向に対応する長辺または長軸を有する形状に変換して入射させることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源から出射する光束に画像情報を付与することにより前記画像情報を投影するプロジェクション装置において、前記光源から出射した光束を前記画像情報を付加する手段に対する許容入射角が大きい方向に対応する長辺または長軸を有する形状に変換して入射させることを特徴とするプロジェクション装置。
【請求項2】 光源から出射する光束に画像情報を付与することにより前記画像情報を投影するプロジェクション装置において、前記光束の光束断面を分割して複数の光束を生成した後、再びこの複数の光束を重ね合わせて結像させることを特徴とするプロジェクション装置。
【請求項3】 上記光の進行する経路の中途部には、この光の所定部分を遮断する絞り機構が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプロジェクション装置。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の構成を具備するプロジェクション装置であって、上記第2の結像手段より出射された光が入射され、この入射された光を波長ごとに所定方向へ反射させる分光手段と、上記分光手段より出射された光を入射させ、矩形状に形成されたアパーチャより光を出射させる液晶パネルと、上記液晶パネルを出射した光が入射され、スクリーン上に画像情報として投影可能である投影機構と、を具備したことを特徴とするプロジェクション装置。
【請求項5】 複数のプリズム素子より構成されており、三次元的にそれぞれのプリズム素子に応じて異なる進行方向を有する光が入射された場合に、出射されるそれぞれの光の光軸が、一の平面に対して平行となるように、それぞれの光の進行方向を調整するプリズム体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OHPなど、像を物体に投影する装置であるプロジェクション装置およびこれらに用いられるプリズム体に関する。特に液晶プロジェクション装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】例えばプロジェクションテレビのようなプロジェクション装置においては、近年高精細、高輝度、高画質化が要求されており、特に液晶パネルを照明する照明光学系には、高い光伝達率と均一な照明特性、さらに周辺部分まで明るい特性が要求されている。
【0003】しかしながら、液晶プロジェクション装置に使用される光源には、光源の形状や封入物の特性に起因する照度のむらが存在し、そのため高画質化を行う際の障害となっている。
【0004】そこで、従来、液晶プロジェクション装置の光学系には、一対のレンズアレイを組み合わせたオプティカルインテグレータ光学系が広く用いられている。この光学系は、光源のメタルハライドランプから出射される光をリフレクタで反射し、このリフレクタで反射された光をフライアイレンズのような光学的インテグレータに入射され、輝度むらの低減などがなされる。
【0005】ここで、近年注目を集めている方式としては、光学的インテグレータを出射した光束をダイクロイックミラーに入射してR(red)G(green)B(blue)の三色に分離し、この三色に分離されたそれぞれの光線が所定の角度を有して液晶パネルに入射される。図6(a),(b)に示すように、この液晶パネルの入射側には、複数のマイクロレンズ3が設けられており、このマイクロレンズ3にダイクロイックミラー1によって反射されたそれぞれの光線が入射される。
【0006】マイクロレンズ3に入射した3条の光線は、その光線の入射角度により別々の焦点を形成する。図6(a)に示す光学系においてこのような焦点は、R・G・Bの各画素に対応したアパーチャ4上に設定される。すなわち、例えば赤色光線用のダイクロイックミラー1によって反射された光がマイクロレンズ3に入射するとき、その入射角度は他の緑色用・青色用のミラーによる光線の入射角度とは異なっており、この固有の入射角度により赤色の光線は固有の屈折角と焦点を持つ。この焦点に対して赤色専用の画素、すなわち専用のアパーチャ4を設ける。アパーチャ4は液晶パネルの一画素に相当する領域であり、通常、ブラックストライプ5などにより隣接するアパーチャと区画されている。
【0007】アパーチャ4を通過したこれら光線は液晶パネルの液晶層2に入射する。液晶層2に入射する光線は光源からこの液晶層2までの任意の位置において直線偏光光に変換されている。液晶層2の出射面側には偏光板6が設けられているので、液晶の配向を電気制御することによりこの偏光光の通過の可否を決定することができる。このような構成により、RGBに対応する画素一組を制御することによって様々な色を再現することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の光学的インテグレータによる照明光学系は輝度むらの低減により均一な照明が可能である。この光学的インテグレータを出射した光線は、液晶パネルへと入射されるが、この光線の液晶パネルへの光線入射角度は、フライアイレンズの光軸からの位置と液晶パネルまでの距離で決まる角度となっている。
【0009】ここで、従来の光学的インテグレータにおいては、光軸に対して個々の光学的インテグレータがほぼ対称に配置されたものとなっている。そのため、液晶パネル2への入射角度も、光軸に対してほぼ対称なものとなっている。
【0010】また、上述のダイクロイックミラー1とマイクロレンズ3とアパーチャ4を利用した方法では、図6(b)に示すように、アパーチャ4が矩形状に形成されているために、マイクロレンズ3より出射される光のアパーチャ4に対する許容入射角度は、短手方向と長手方向とでは異なり、矩形状の形状を有するために長手方向の許容入射角度が短手方向の許容入射角度よりも大きなものとなっていて色分離特性が著しく低下している。
【0011】また、従来、光軸に対して回転対称となるように光学的インテグレータを配置したために、短手方向と長手方向の光の出射角度が等しくなってしまい、このため矩形状のアパーチャ4の許容入射角度の関係から、特に短手方向で光が遮られてロスが生じ、そのため十分な明るさの画像が得られない、という問題が生じていた。
【0012】本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、十分な明るさを確保し、かつ光の放射量分布を比較的均一化可能なプロジェクション装置およびプリズム体を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、光源から出射する光束に画像情報を付与することにより前記画像情報を投影するプロジェクション装置において、前記光源から出射した光束を前記画像情報を付加する手段に対する許容入射角が大きい方向に対応する長辺または長軸を有する形状に変換して入射させることを特徴とするプロジェクション装置である。
【0014】請求項2記載の発明は、光源から出射する光束に画像情報を付与することにより前記画像情報を投影するプロジェクション装置において、前記光束の光束断面を分割して複数の光束を生成した後、再びこの複数の光束を重ね合わせて結像させることを特徴とするプロジェクション装置である。
【0015】請求項3記載の発明は、上記光の進行する経路の中途部には、この光の所定部分を遮断する絞り機構が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプロジェクション装置である。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプロジェクション装置を用いた液晶プロジェクション装置であって、上記第2の結像手段より出射された光が入射され、この入射された光を波長ごとに所定方向へ反射させる分光手段と、上記分光手段より出射された光を入射させ、矩形状に形成されたアパーチャより光を出射させる液晶パネルと、上記液晶パネルを出射した光が入射され、スクリーン上に画像情報として投影可能である投影機構と、を具備したことを特徴とする液晶プロジェクション装置である。
【0017】請求項5記載の発明は、複数のプリズム素子より構成されており、三次元的にそれぞれのプリズム素子に応じて異なる進行方向を有する光が入射された場合に、出射されるそれぞれの光の光軸が、一の平面に対して平行となるように、それぞれの光の進行方向を調整するプリズム体である。
【0018】請求項1の発明によると、前記光源から出射した光束を前記画像情報を付加する手段に対する許容入射角が大きい方向に対応する長辺または長軸を有する形状に変換して入射させるため、光の利用効率が増し、そのため低電力で輝度の向上を達成することが可能となる。
【0019】請求項2の発明によると、前記光束の光束断面を分割して複数の光束を生成した後、再びこの複数の光束を重ね合わせて結像させるため、像の重合部の光強度分布を均一化させることが可能となっている。そのため、輝度むらの低減を図ることが可能となっている。
【0020】請求項3の発明によると、上記光の進行する経路の中途部には、この光の所定部分を遮断する絞り機構が設けられたため、上記光の所定部分を遮断することによって光の無駄な部分を良好に遮断することが可能となっている。
【0021】請求項4の発明によると、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプロジェクション装置を用いており、さらに上記第2のプリズム体より出射された光が入射され、この入射された光を波長ごとに所定方向へ反射させる分光手段が設けられ、この分光手段より出射された光を入射させ、矩形状に形成されたアパーチャより光を出射させる液晶パネルが設けられ、上記液晶パネルを出射した光が入射され、スクリーン上に画像情報として投影可能である投影機構が設けられているため、アパーチャに入射される光の出射角度は、このアパーチャの幅方向にはそれほど角度的な幅を持たなく、小さくすることが可能となっている。そのため、このアパーチャによって遮断される光の量を少なくすることが可能となっている。
【0022】また液晶パネルの表面で、上記第2の結像手段より出射される分割された光が重畳されるため、光の照度を比較的均一化することが可能となっている。請求項4の発明によると、入射される光をそれぞれ分割して異なる方向に進行させるように複数のプリズム素子より構成されており、このプリズム素子によって所定の位置でそれぞれ分割された光が所定の方向を長手方向として並べられるため、このようなプリズムを利用して光の重畳を行うことが可能となっている。
【0023】請求項5の発明によると、複数のプリズム素子より構成されており、三次元的にそれぞれのプリズム素子に応じて異なる進行方向を有する光が入射された場合に、出射されるそれぞれの光の光軸が、一の平面に対して平行となるように、それぞれの光の進行方向を調整するように設けられているため、それぞれ異なる方向から入射された光が、一の平面に対して平行でない方向へ出射されるのを少なくできるものとなっている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について、図1ないし図5に基づいて説明する。図1に示す液晶プロジェクション装置20は、光源21を有している。この光源21は、例えば白色光を発するメタルハライドランプ22とリフレクタ23を有しており、このメタルハライドランプ22は、内面が例えば放物曲面に形成されたリフレクタ23によってこの周囲を覆われている。これによって、上記メタルハライドランプ22から発せられた白色光は、所定の方向へ向かって平行に進行するようになっている。
【0025】そして上記リフレクタ23によって反射された白色光は、無偏光光を直線偏光にする図示しない偏光化手段を通過した後、光学手段である第1のリレーレンズ24に入射される。この第1のリレーレンズ24は、例えば非球面レンズであり、この第1のリレーレンズ24に入射した略平行な光束は、所定の焦点に集束する。
【0026】第1のリレーレンズ24を出射した集束光は、この集束光を分割する第1のプリズムアレイ25に入射する。この第1のプリズムアレイ25は本実施の形態においては第1のリレーレンズ24とこのリレーレンズの焦点との間に配置した。もちろんこれはプリズムの設計の問題であり、設計次第では焦点以後に配置しても構わない。第1のプリズムアレイ25はこれに入射する集束光を光束断面内で分割し、第2のプリズムアレイに橋渡しをする作用さえ有していれば良い。したがって、この第1のプリズムアレイ25はプリズムである必要も無く、光束を第2のプリズムアレイに向けて偏向させる手段であれば何を用いても本発明の所期の効果を達することは可能である。
【0027】さて、この第1のプリズムアレイ25は、図2に示すように光束断面内所定領域の光を独立した方向に屈折させる複数のプリズム素子25a〜25dによって構成されている。本実施の形態においては、第1のプリズム素子25aと第3のプリズム素子25c、および第2のプリズム素子25bと第4のプリズム素子25dの組み合わせ、すなわち、光軸に対して点対称にあたるプリズム同士が同一形状を成している。
【0028】上記第1から第4のプリズム素子25a〜25dは、それぞれ図2の上下方向に向かって薄くなる楔形に形成されている。そして、いずれのプリズム素子25a〜25dにおいても、上記第1のプリズムアレイ25の中心に向かうに従って、それぞれのプリズム素子25a〜25dの厚さが薄肉となるように設けられている。
【0029】ここで、上記第1のプリズム素子25a及び第3のプリズム素子25cは、第2のプリズム素子25b及び第4のプリズム素子25dよりも側面(略台形状をなしている面)の傾斜角度が大きくなるように設けられている。すなわち、上記第1のプリズム素子25a及び第3のプリズム素子25cは、最も厚い部分の底面A付近の厚さが、上記第2のプリズム素子25b及び第4のプリズム素子25dの底面B付近の厚さよりも厚くなるように設けられている。
【0030】この傾斜角度は、上記第1のプリズム素子25a及び第3のプリズム素子25cは、40.35度の広がり角度θ1 を、第2のプリズム素子25b及び第4のプリズム素子25dは、16.28度の広がり角度θ2 を持つように形成されている。
【0031】なお、上記第1から第4のプリズム素子25a〜25dまでの底面A,Bと対向する反対側の面、すなわち上記第1のプリズムアレイ25の中心側に位置する面は、上記第1から第4のプリズム素子25a〜25dまで全て同じ大きさとなっている。
【0032】上記第1のプリズム素子25aと第2のプリズム素子25bは、隣り合って設けられている。これと同様に、上記第3のプリズム素子25c、第4のプリズム素子25dも、側面の傾斜方向が同一となるように隣り合って設けられている。そして、これら第1のプリズム素子25aと第4のプリズム素子25d、および第2のプリズム素子25bと第3のプリズム素子25cが図2に示すように光束断面内に点対称に取り付けられ、上記第1のプリズムアレイ25が構成されている。すなわち図2では、第1のプリズム素子25aから第4のプリズム素子25dへ向かうそれぞれのプリズム素子の並び方は、反時計回りを成すように並べられている。
【0033】なお、上述のように第1のプリズム体25は4つのプリズム素子、すなわち第1から第4のプリズム素子25a〜25dに分割されており、そのためそれぞれのプリズム素子25a〜25dを光束が通過すると、プリズム素子25a〜25dの形状、傾斜角度に応じてそれぞれの光束が別個独立に屈折されることなる。そのため4つのプリズム素子25a〜25dを別個独立な光源と仮定して以下の光束の進行を考慮する。この場合、光軸は光束の中心線をいうものとする。
【0034】上記第1のプリズムアレイ25を出射した光束は、第2のプリズムアレイ26に入射される。上記第2のプリズムアレイ26は、第1から第4のプリズム素子26a〜26dより構成されており、これら第1から第4のプリズム素子26a〜26dが図2に示すように一列に並べられて設けられている。この第1のプリズム素子26aには、上記第1のプリズムアレイ25の第2のプリズム素子25bより出射された光束が入射されるようになっている。
【0035】第1のプリズムアレイ25を透過した光は、このままではそれぞれ独立な方向に進行するため、アパーチャ4に入射できない。第2のプリズムアレイ26は、第1のプリズムアレイ25により光束断面内で分割されて列状にならべられた光束を受光し、第2のリレーレンズ27に送る手段である。すなわち、第1のプリズムアレイ25によってそれぞれ独立の方向に進行している光束がアパーチャ4の長手方向に対応する方向に並ぶ位置に配置され、この光束全体の進行方向を再度アパーチャ4に向ける補正を行う手段である。したがって、第2のプリズムアレイ26もプリズム体であることは必須要件ではなく、独立な方向に進行する光束が列状に並んだ時点において一様な所定方向に屈折させる作用を有していれば良い。なお、列状とは長手方向と短手方向とを有する形状であり、必ずしも一列に並んでいる必要はない。2列に並ぶ場合でも、長手方向がアパーチャ4の長手方向に対応する方向であれば所期の効果を奏する。すなわち第2のプリズムアレイ26を配置する位置での第1のプリズムアレイ25を出射した後の光束の態様は矩形のマトリクス状を含む。
【0036】さて、本実施の形態における第2のプリズムアレイ26の形態について詳述する。上記第1のプリズム素子25aおよび第3のプリズム素子25cを光束が透過すると、第2のプリズムアレイ26の第2のプリズム素子26b及び第3のプリズム素子26cに光束が入射され、同じように上記第2のプリズム素子25bおよび第4のプリズム素子25dを透過した光束は、第2のプリズムアレイ26の第1のプリズム素子26aおよび第4のプリズム素子26dに光束が入射されるようになっている。なお、図2においては、白色光の光束の進行を光軸の進行で表している。
【0037】上記第1のプリズム素子26aは、上記第4のプリズム素子25dと同一形状を成しており、また第2のプリズム素子26bと第3のプリズム素子26cも形状が同一となっている。ここで、第1のプリズム素子26aおよび第4のプリズム素子26dは、図3に示す形状に形成されている。すなわち、それぞれのプリズム素子26a〜26dにおける斜面のオイラー角(Euler角)の一例としては、図3に示すy軸方向に対する傾斜角度が、略34.53度、x軸方向に対する傾斜角度が15.18度となるように形成されている。
【0038】また、上記第2のプリズム素子26bおよび第3のプリズム素子26cにおける斜面のオイラー角(Euler角)は、y軸方向に対する傾斜角度が6.29度、x軸方向に対する傾斜角度が−16.97度となるように形成されている。ここで、上記第2のプリズムアレイ26を構成する個々のプリズム素子26a〜26dの水平方向の大きさと、垂直方向の大きさは、以下のような式によって設定されている。
【0039】Lh=f2 ×tan(Θh)/NhLv=f2 ×tan(Θv)/Nvただし、f2 は第2のリレーレンズ27の焦点距離、Θhは液晶パネルの垂直方向の許容入射角度、Θvは液晶パネルの水平方向の許容入射角度、Nhは液晶パネルの垂直方向に設けられたプリズム素子の個数、Nvは液晶パネルの水平方向に設けられたプリズム素子の個数である。
【0040】なお、本実施の形態では、Nh=1,Nv=4であり、また一例としてΘh=±1.5。,Θv=±5.5。,f1 =57.4mm,f2 =229.6mmの場合には、Lh=12.83mm,Lv=11.62mmとなる。
【0041】そして、以上のような傾斜角度を有する形状に形成されたそれぞれのプリズム素子26a〜26dを白色光が通過することにより、白色光の光束全体が屈折され、この光軸が一の平面Aに対して平行となるように出射される。この平面Aは、上記第2のプリズムアレイ26の長手方向に沿う方向であり、また光の進行方向、すなわち上記第1から第4のプリズム素子26a〜26bを出射したそれぞれの光軸に平行となっている。
【0042】この第2のプリズムアレイ26を出射した白色光は、図4に示すように第2のリレーレンズ27に入射され、それぞれの白色光のこの第2のリレーレンズ27の入射位置および入射角度に対応して所定角度水平方向から屈折し、そして所定の位置で結像するように設けられている。
【0043】上記第2のリレーレンズ27を出射した白色光は、ダイクロイックミラー28に入射される。このダイクロイックミラー28は、白色光をそれぞれ光の三原色、すなわち青、緑、赤に対応する波長の光を選択的に反射する多層膜反射フィルターの一種であり、本実施の形態ではこの反射膜が光の三原色に対応して三層設けられている。また入射光束に対する角度をそれぞれ変えて配置しているので、三原色に分けられた3つの光束は、それぞれ違う角度で次の光学素子に入射する。
【0044】上記ダイクロイックミラー28によってそれぞれ分離された光は、偏光板29aを通過して直線偏光光に変換された後、液晶パネル29の入射部分に設けられた多数の微小レンズからなる、従来の図6(a),(b)に示すようなマイクロレンズ3に入射される。ダイクロイックミラー28による反射光束がこのマイクロレンズ3に入射する場合、それぞれの波長の光は、上記ダイクロイックミラー28での光の分離によって互いに異なる角度で入射されるようになっている。
【0045】マイクロレンズ3のひとつひとつは液晶パネル29に設けられたアパーチャ4に3対1で設けられる。すなわち、RGBに対応するアパーチャ4の3個に対してマイクロレンズが1個の割合で配置されている。マイクロレンズ3に大して互いに異なる角度で入射した3条の光束は互いに異なる3つの焦点を有するので、このそれぞれがひとつひとつ各別のアパーチャ4に入射されるように設けられている。液晶層2に入射した光は偏光板29aにより直線偏光化されているので液晶の状態を電圧で変化させることによりこの偏光方向を制御し、液晶層2終端部に設けた第2の偏光板29cでの通過・不通過を決定することができる。これにより色合いや輝度などの画像情報の付与が達せられた光束は投射レンズ系に入射されスクリーン上に投影される。
【0046】このような構成の液晶プロジェクション装置20によると、上記白色光は第1のプリズムアレイ25によって第1から第4のプリズム素子25a〜25dに分割され、これらの分割されたそれぞれのプリズム素子25a〜25dより出射された白色光が、上記第2のリレーレンズ27に光束を送る手段である上記第2のプリズムアレイ26の第1から第4のプリズム素子26a〜26dに入射され、これらのプリズム素子26a〜26dより出射される白色光が、上記第2のリレーレンズ27に入射される。
【0047】ここで、光の光軸が上記平面Aと平行にならず、所定角度をなしてずれる場合、すなわちアパーチャ4の横方向にずれる場合には、アパーチャ4が縦方向に長く形成された矩形状であるため、このアパーチャ4に光軸が良好に入射されず、そのため光束がアパーチャ4に入射されずに遮断されてしまう場合もある。
【0048】しかしながら、上記第1から第4までのプリズム素子26a〜26dより出射される光の光軸が、平面Aに対してなるべく平行となるように、上記第1から第4までのプリズム素子26a〜26dの形状が形成されているため、これらのプリズム素子26a〜26dよりそれぞれ出射される光の垂直方向には出射角度の幅が比較的大きくなるが、それぞれ出射される光の光軸が図2に示す平面Aに平行となるようにそろえられているので、水平方向には出射角度の幅を小さくすることが可能となっている。
【0049】すなわち、上記第2のプリズムアレイ26に光を入射させることにより、平面Aに対して平行となるように、それぞれの光の進行方向が調整され、それぞれ異なる方向から入射された光が平面Aに平行でない方向へ出射されるのを少なくすることが可能となっていて、光束をアパーチャ4の許容入射角が大きい縦方向に長軸を有する形状に変換して入射させるようになっている。
【0050】そのため、白色光が上記アパーチャ4に入射される場合でも、白色光の水平方向での無駄になる部分を少なくして利用効率を向上させることが可能であり、そのため低電力で輝度の向上を達成することが可能となっている。
【0051】また、図5に示すように上記第1のプリズムアレイ25によって光の中心部分の明るい部分が端部に位置するように分割され、これらの光が上記液晶パネル29の表面で重畳されるように設けられているため、重畳された光の端部が明るくなり、また中心部分も光の重畳によって重ね合わされることで、より明るくすることが可能となっている。また、複数の光束が重ね合わせて結像されるため、像の重合部の光強度分布を均一化させることが可能となっている。そのため、輝度むらの低減を図ることも可能となっている。
【0052】このような光がダイクロイックミラー28によってRGBのそれぞれの色に分離され、この分離された光が液晶パネル29のマイクロレンズ3に入射すると、それぞれの色の光の入射角度の相違により、それぞれ異なるアパーチャ4に向かって進行するが、水平方向への出射角度の幅が小さいために、それぞれのアパーチャ4に入射すべき色の光が他のアパーチャ4に入射することが少なくなり、このため液晶パネル29より投影される画像の色純度を向上させることが可能となっている。
【0053】以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下それについて述べる。上記実施の形態において、光の進行経路の中途部の所定位置、例えば第1のリレーレンズ24の焦点位置などに、この光の水平部分の所定の部分を遮断する絞りを設けても構わない。この絞りを設けた場合には、水平方向の所定以上の幅の部分が遮断され、所定のアパーチャのみに所定の幅を有する光のみを入射させることができ、この場合にはそれぞれの色の光を他の色の光を入射させるアパーチャには入射させない構成とすることが可能であり、より色純度の向上を図ることが可能となっている。その他、本発明の要旨を変更しない範囲において、種々変形可能となっている。
【0054】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1ないし請求項4記載のプロジェクション装置によれば、光源から出射した光を光束断面内で分割し、この分割した光束群を入射角度に制限のあるアパーチャを有するパネルに対して、このアパーチャの入射特性が甘い方向、すなわちアパーチャの長手方向に対応する方向に並べ替えたので、光の利用効率が増し、輝度の上昇に寄与する。
【0055】また、光源から出射する光束を光束断面内で分割し、一の光束にまとめ直したので、光束断面内での輝度むらが低減される。さらに絞り機構を設ければ、光の所定部分を遮断することによって光の無駄な部分を良好に遮断できる。
【0056】請求項5記載のプリズム体では、三次元的にそれぞれのプリズム素子に応じて異なる進行方向を有する光が入射されても、出射される光の光軸を一の平面に対して平行となるようにそろえて出射させることができ、光の利用効率の向上が図れる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−25705
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−171701