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【発明の名称】 ガスランタン用火花放電電極
【発明者】 【氏名】横山 博昭

【氏名】五十嵐 敏一

【要約】 【課題】マントルを損傷することなく取り付けることができ、かつ、確実に可燃ガスに点火することができるガスランタン用火花放電電極を提供する。

【解決手段】バーナーヘッド(36)の下方には、バーナーヘッド(36)に近接して、二つの火花放電電極(38a,38b) が相互に近接して配置されている。二つの火花放電電極(38a,38b) の間で生じた火花はバーナーヘッド(36)の表面に設けられている開口(36a) から放出された可燃ガスに引火される。二つの火花放電電極(38a,38b) はマントル(40)が取り付けられるバーナーヘッド(36)から離れて配置されているため、バーナーヘッド(36)にマントル(40)を装着する際の障害にならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可燃ガスが充填されているガスカートリッジと、前記可燃ガスを燃焼させるバーナーヘッドと、前記可燃ガスを前記ガスカートリッジから前記バーナーヘッドへ流す混合管と、前記可燃ガスを点火する火花放電電極とを備えるガスランタンにおいて、二つの火花放電電極が前記バーナーヘッドの下方において前記バーナーヘッドに近接して、かつ、相互に近接して配置されていることを特徴とするガスランタン。
【請求項2】 前記二つの火花放電電極の少なくとも一方は線材からなるものであることを特徴とする請求項1に記載のガスランタン。
【請求項3】 前記二つの火花放電電極の少なくとも一方は板材からなるものであることを特徴とする請求項1に記載のガスランタン。
【請求項4】 前記二つの火花放電電極の一方の先端はL字型をなしていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のガスランタン。
【請求項5】 前記二つの火花放電電極の一方は前記ガスランタンとは絶縁された上で圧電素子に接続され、他方は前記ガスランタンに接続されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のガスランタン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はいわゆるアウトドア用の携帯用ガスランタンに関し、より詳細には、携帯用ガスランタンの構成要素の一つである火花放電電極に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の携帯用ガスランタンの一例を示す。この携帯用ガスランタン10は、可燃ガスが圧縮して詰められているガスカートリッジ11と、このガスカートリッジ11に着脱自在に取り付けられるガス燃焼器12とからなる。ガスカートリッジ11とガス燃焼器12とはガスケット13を介してシールした状態の下に取り付けられている。
【0003】ガス燃焼器12は、ガスカートリッジ11に連結され、ガスカートリッジ11から供給される可燃ガスが通過する器具栓14と、器具栓14の内部に形成されているガス通過口の開口度を調節することにより器具栓14の内部を通る可燃ガスの流量を調整するガス流量調整スピンドルに連結されているツマミ15と、表面に複数の開口16aが形成されているバーナーヘッド16と、器具栓14とバーナーヘッド16とを連結する混合管17と、混合管17の内部を流れる空気と可燃ガスとの混合ガスに火花を散らして点火させる火花放電電極18と、火花放電電極18に点火を行わせるための、器具栓14に取り付けられた点火ボタン19とからなる。
【0004】さらに、混合管17の周囲には、グローブ21を取り付けるためのほぼ半球状のグローブ支持器20が混合管17に取り付けられており、このグローブ支持器20には円筒形に近い形状をなすグローブ21が着脱自在に嵌め込まれている。グローブ21は上下両面が開口しており、透明ガラス又はすりガラスなどの透光性の材質からつくられている。グローブ21の上方には、グローブ21の開口上面を覆うように円形のベンチレータ22がバネ材23を介してグローブ21に取り付けられている。
【0005】この携帯用ガスランタン10は次のように用いられる。まず、ガスランタン10の使用開始前に、マントルと呼ばれるほぼ球形の発光体24をバーナーヘッド16の周囲にバーナーヘッド16を覆うように取り付ける。
【0006】加圧状態にある可燃ガスはガスカートリッジ11から器具栓14に進入し、ガス流量調整スピンドルに連結したツマミ15によって、ガス流量が調整された状態で混合管17に進入する。混合管17に進入した可燃ガスはバーナーヘッド16の表面に形成されている複数の小孔16aから噴出する。
【0007】この後、点火ボタン19を押すと、火花放電電極18から火花が発生し、この火花が小孔16aから噴出している可燃ガスに引火する。このようにして点火された可燃ガスはバーナーヘッド16の周囲に取り付けられているマントル24を発光させる。以上のようにして可燃ガスを燃焼させることにより、マントル24を発光させ、ガスランタン10を、例えば、屋外での光源として用いることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来のガスランタン10においては、火花放電電極18はバーナーヘッド16に近接させてバーナーヘッド16と同じ高さに配置されている。従って、バーナーヘッド16の周囲にマントル24を取り付ける際には、火花放電電極18をマントル24の中に差し込んだ状態でマントル24を取り付けることが必要であった。このため、マントル24の装着は極めて困難な作業となっており、場合によっては、マントルが変形して非球形になったり、あるいは、マントルが火花放電電極の先端に引っ掛かって破損する原因となっていた。
【0009】特に、火花放電電極18をマントル24の中に差し込んだ状態でマントル24を装着すると、マントル24が火花放電電極18によって外側に引っ張られ、マントル24とバーナーヘッド16との間の隙間が大きくなってしまい、その隙間から可燃ガスが多量に漏れてしまう原因にもなっていた。
【0010】本発明は上述のような従来のガスランタンにおける問題点に鑑みてなされたものであり、マントルを損傷することなく取り付けることができ、かつ、確実に可燃ガスに点火することができる火花放電電極を備えたガスランタンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明に係るガスランタンは、可燃ガスが充填されているガスカートリッジと、前記可燃ガスを燃焼させるバーナーヘッドと、前記可燃ガスを前記ガスカートリッジから前記バーナーヘッドへ流す混合管と、前記可燃ガスを点火する火花放電電極とを備えるガスランタンにおいて、二つの火花放電電極が前記バーナーヘッドの下方において前記バーナーヘッドに近接して、かつ、相互に近接して配置されていることを特徴とするガスランタンを提供する。
【0012】本発明に係るガスランタンにおいては、二つの火花放電電極は相互に近接させた状態でバーナーヘッドの下方に、より詳細に言えば、バーナーヘッドにマントルを装着するときに、火花放電電極がマントルに干渉しない位置に配置される。すなわち、火花放電電極はバーナーヘッドから離れて配置されているため、バーナーヘッドに近接して火花放電電極が配置されている従来のガスランタンとは異なり、マントルをバーナーヘッドに取り付ける際に、火花放電電極がマントルの取り付けの邪魔にはならず、さらに、取り付けたマントルが火花放電電極により破損することもない。
【0013】二つの火花放電電極の形状は任意である。例えば、一方又は双方を線材又は板材からつくることができる。あるいは、二つの火花放電電極の何れか一方の先端をL字型に形成し、他方の火花放電電極と近接させてもよい。
【0014】また、二つの火花放電電極の一方はガスランタンとは絶縁された上で圧電素子に接続され、他方はガスランタンに接続されていることが好ましい。二つの火花放電電極の一方を圧電素子に接続することにより、この火花放電電極から火花放電用の高電圧を発生させることができる。また、他方をガスランタン、例えば、ガスランタンの構成要素の一つである混合管に取り付けることが好ましい。圧電素子に接続された火花放電電極が正極としての機能を果たすので、他方の火花放電電極は負極としての機能を果たす必要がある。このため、他方の火花放電電極をガスランタンそのものに接続すれば、アースされたのと同じ状態になり、他方の火花放電電極は負極として機能する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係るガスランタンの一実施形態を図1に示す。本実施形態に係る携帯用ガスランタン30は、可燃ガスが圧縮して詰められているガスカートリッジ31と、このガスカートリッジ31に着脱自在に取り付けられるガス燃焼器32とからなる。ガスカートリッジ31とガス燃焼器32とはガスケット33を介してシールした状態の下に取り付けられている。
【0016】ガス燃焼器32は、ガスカートリッジ31に連結され、ガスカートリッジ31から供給される可燃ガスが通過する器具栓34と、器具栓34の内部に形成されているガス通過口の開口度を調節することにより器具栓34の内部を通る可燃ガスの流量を調整するガス流量調整スピンドルに連結されているツマミ35と、表面に複数の開口36aが形成されているバーナーヘッド36と、器具栓34とバーナーヘッド36とを連結する混合管37と、混合管37の内部を流れる空気と可燃ガスとの混合ガスに火花を散らして点火させる第一及び第二の火花放電電極38a,38bと、第一及び第二の火花放電電極38a,38bに点火を行わせるための、器具栓34に取り付けられた点火ボタン39とからなる。
【0017】混合管37には、所定の高さの位置に円形のグローブ支持板41が取り付けられており、グローブ支持板41の上には円筒形の透明ガラスからなるグローブ42が載置されている。グローブ42は、グローブ42の上方に位置しているベンチレータ43からグローブ支持板41の底面まで延びているワイヤー44を介してグローブ支持板41に固定されている。
【0018】混合管37の表面にはグローブ支持板41の下方において開口37aが設けられている。混合管37の内部を可燃ガスが上方にながれるときに、混合管37の内部には負圧が発生する。この負圧によって外部の空気が開口37aを介して混合管37の内部に取り込まれ、可燃ガスと空気とが混合し、混合ガスとなる。
【0019】二つの火花放電電極38a,38bはそれらの先端が相互に近接した状態でバーナーヘッド36よりも下方に配置されている。すなわち、二つの火花放電電極38a,38bはバーナーヘッド36にマントル40を装着するときにマントル40に干渉しないような位置に配置されている。
【0020】二つの火花放電電極38a,38bはともに小径の金属線材からつくられており、その金属線材の下方部分は絶縁碍子38cで覆われている。第一の火花放電電極38aはグローブ支持板41とは絶縁された状態で下方に延び、圧電素子(図示せず)に接続されている。第二の火花放電電極38bはグローブ支持板41に電気的に接続されている。このため、第二の火花放電電極は負極を構成する。点火ボタン39を押すと、第一の火花放電電極38aには圧電素子を介して正の高電圧が印加されるようになっている。
【0021】ガスランタン30の使用時には、ほぼ球形のマントル(発光体)40がバーナーヘッド36の周囲に取り付けられる。図1に示すように、二つの火花放電電極38a,38bはバーナーヘッド36に取り付けられたマントル40の下方に位置しているため、マントル40とは干渉しない。
【0022】ツマミ35は器具栓34の端部から突出している小軸34aに対して矢印Aの方向に回動自在に取り付けられている。さらに、小軸34aの内部にはバネ(図示せず)が組み込まれており、ツマミ35を矢印Aの方向に回動させても、ツマミ35は小軸34aの軸線の方向に復帰するようになっている。
【0023】本実施形態に係る携帯用ガスランタン30は以下のように作動する。ガスカートリッジ31から器具栓34に進入した可燃ガスは、ガス流量調整スピンドルに連結したツマミ35によって、ガス流量が調整された状態で混合管37に進入する。可燃ガスが混合管37の内部を流れると、混合管37の内部に負圧が発生する。この負圧によって、混合管37の開口37aから外部の空気が取り込まれ、可燃ガスと混合し、混合ガスになる。
【0024】可燃ガスがガスカートリッジ31から流れだすのとほぼ同時に点火ボタン19を押すと、第一の火花放電電極38aに圧電素子(図示せず)を介して高電圧が印加される。このため、負極として機能する第二の火花放電電極38bとの間に火花が発生する。第一及び第二の火花放電電極38a,38bはバーナーヘッド36の下方においてバーナーヘッド36に近接して配置されているため、第一及び第二の火花放電電極38a,38bの間に発生した火花はバーナーヘッド36の表面の開口36aから放出された混合ガスに引火する。
【0025】このようにして着火した混合ガスはバーナーヘッド36の周囲に取り付けられているマントル40を発光させる。このようにして、マントル40を発光させることにより、本ガスランタン30を、例えば、屋外での光源として用いることができる。
【0026】以上のように本実施形態に係るガスランタンにおいては、二つの火花放電電極38a,38bの間に発生した火花は混合管37を通ってバーナーヘッド36の開口36aから放出された混合ガスに引火される。このため、二つの火花放電電極38a,38bをバーナーヘッド36に近接させてバーナーヘッド36と同じ高さに設ける必要はなく、バーナーヘッド36から離れた下方の位置に設けることができる。従って、本実施形態に係るガスランタンによれば、バーナーヘッドに近接してバーナーヘッドと同じ高さに火花放電電極が配置されている従来のガスランタンとは異なり、マントル40をバーナーヘッド36に取り付ける際に、火花放電電極38a,38bがマントル40の装着の障害にはならず、さらに、取り付けたマントル40が火花放電電極38a,38bに引っ掛かって破損することもない。
【0027】上述の実施形態においては、二つの火花放電電極38a,38bは共に線材からつくられていたが、何れか一方又は双方をプレート状の板材からつくることも可能である。
【0028】あるいは、図2及び図3に示すように、何れか一方の火花放電電極、例えば、第二の火花放電電極38bの先端を逆向きのL字型に形成し、二つの火花放電電極38a,38bの先端を相互に近接させて配置させてもよい。
【0029】なお、上述の実施形態においては、第二の火花放電電極38bはグローブ支持板41とは別体のものとして形成された後、グローブ支持板41上に取り付けられたものであるが、第二の火花放電電極38bをグローブ支持板41と一体のものとして形成することも可能である。すなわち、グローブ支持板41から上方に延びる線材又は板材として第二の火花放電電極38bを形成することも可能である。あるいは、第二の火花放電電極38bを混合管37から延びる電極として形成することも可能である。すなわち、第二の火花放電電極38bは負極を構成するものであるので、ガスランタンを構成する構成要素(第一の火花放電電極38aを除く)の何れかに接続されていれば、負極として機能する。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るガスランタンによれば、火花放電電極はバーナーヘッドの下方に設けられ、バーナーヘッドと同じ高さに設ける必要がない。すなわち、火花放電電極はバーナーヘッドから離れて下方に配置されるため、マントルをバーナーヘッドに取り付ける際に、火花放電電極がマントルの装着の障害にはならず、さらに、取り付けたマントルが火花放電電極に引っ掛かって破損することもない。
【出願人】 【識別番号】000138336
【氏名又は名称】株式会社スノーピーク
【出願日】 平成9年(1997)9月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】天野 広
【公開番号】 特開平11−111003
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−266588