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【発明の名称】 携帯型照明装置及びその使用方法
【発明者】 【氏名】後藤 恒男

【要約】 【課題】光の集光形態に工夫を凝らし、効率良く広範囲に照射して、目的物を発見しやすく、見落としがないようにすること、光量や光質等にも配慮することによって、高視認性を実現すること、及び照明対象の表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質に陰影を極めて効率良く形成させて鑑識等に有効活用できる技術を提供する。

【解決手段】光源に放電管Lを使用した携帯型照明装置であって、本体部1と、その本体部1に設けた発光部2とを備え、発光部2は、放電管Lからの光の一部を指向性を有するように反射して横長の放射状に集光させる反射鏡3を有し、本体部1には、放電管Lに対して必要な電圧及び電流を供給するための電源装置5が装備されている構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源に放電管を使用した携帯型照明装置であって、本体部と、その本体部に設けた発光部とを備え、発光部は、放電管からの光の一部を指向性を有するように反射して横長の放射状に集光させる反射鏡を有し、本体部には、前記放電管に対して必要な電圧及び電流を供給するための電源装置が装備されていることを特徴とする、携帯型照明装置。
【請求項2】 前記反射鏡による光の集光形態が、投光方向を水平とした状態で平面視においてほぼ扇形の放射状であることを特徴とする、請求項1記載の携帯型照明装置。
【請求項3】 前記扇形の放射状を形成する光の水平方向の放射角が90度以上であることを特徴とする、請求項2に記載の携帯型照明装置。
【請求項4】 前記放電管の発光物質が、キセノンガス、水銀、メタルハライドの三種混合型であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の携帯型照明装置。
【請求項5】 前記本体部は、設置面に対する本体部の水平度や傾斜状態を調整するための調整機構を備えていることを特徴とする請求項1〜4に記載の携帯型照明装置。
【請求項6】 請求項1記載の携帯型照明装置の使用方法であって、照明対象が道路や床などのほぼ平坦な面を有する表面部分であり、その表面部分に対して横長の集光を表面部分とほぼ平行に照射することで、表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質に陰影を形成させることを特徴とする、携帯型照明装置の使用方法。
【請求項7】 前記携帯型照明装置の本体部を照明対象の表面部分又はその近くに置き、本体部の水平度や傾斜を調整することによって、前記横長の集光を表面部分とほぼ平行に又は必要な入射角をもたせて照射することを特徴とする、請求項6に記載の携帯型照明装置の使用方法。
【請求項8】 前記表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質が、足跡、タイヤ跡、塗料片、微物などであり、それらに前記横長の集光を照射して鑑識及び交通事故処理等のために使用することを特徴とする、請求項6又は7に記載の携帯型照明装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源に放電管を用いた携帯型照明装置及びその使用方法に関し、特に、鑑識、交通事故処理などのために有効活用できるように工夫した高効率、高視認性、長寿命等の特性を備える携帯型照明装置及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鑑識、交通事故処理等では、微物、足跡、タイヤ跡、塗料片、等の発見のために、夜間においては懐中電灯などの携帯型照明器を用いることが多々ある。
【0003】この種の携帯型照明器は、その用途上から、市販の一般的な懐中電灯などに比べて大きな照度で投光できる高視認性のものが望まれる。
【0004】この点を考慮し、従来においては、中心照度がより大きくなるように光を集光させる反射鏡を装備し、さらに、ハロゲンライトなどのように太陽光に似せた光源を装備する方法などを採用していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした従来の携帯型照明器においては、以下に述べるような問題点があった。
【0006】第1に、中心照度を大きくする目的で、反射鏡によって光をただ単に集光させる構造としているだけであるため、照明対象への照射領域が極めて狭くなる問題があること。そのため、例えば鑑識、交通事故処理等での路面検査などにおいて広い路面をスポット的にしか照明できず、効率が悪いこと。
【0007】第2に、このようにスポット的に照明した場合、周囲との相対比較が必要なときに複数の照明器が必要となる上に、照射領域を変えるときに見落としやすくなる問題があること。
【0008】第3に、従来の携帯型照明装置では、光量の点で十分とは言えず、しかも見やすい太陽光に限りなく近似した光ではないために視認性の点も十分とは言えない問題があること。
【0009】本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、光の集光形態に工夫を凝らすことによって、効率良く広範囲に照射して、発見しやすく、見落としがないようにすることができる技術を提供することを目的とする。また、本発明では、光量や光質等にも配慮することによって、高視認性を実現できるように工夫した技術を提供することを目的とする。さらに、本発明では、照明対象の表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質に陰影を極めて効率良く形成させて鑑識等に有効活用できる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明では、光源に放電管を使用した携帯型照明装置であって、本体部と、その本体部に設けた発光部とを備え、発光部は、放電管からの光の一部を指向性を有するように反射して横長の放射状に集光させる反射鏡を有し、本体部には、放電管に対して必要な電圧及び電流を供給するための電源装置が装備されている構成とした。ここで、反射鏡による光の集光形態については、投光方向を水平とした状態で平面視においてほぼ扇形の放射状とするのが大変好適である。その場合、扇形の放射状を形成する光の水平方向の放射角を90度以上とするのが望ましい。また、放電管の発光物質としては、太陽光に限りなく近づけるために、キセノンガス、水銀、メタルハライドの三種混合型とするのが好適である。また、本体部は、設置面に対する本体部の水平度や傾斜状態を調整するための調整機構を備えている構成とすることもできる。一方、本発明の方法は、本体部と、その本体部に設けた発光部とを備え、発光部は、放電管からの光の一部を指向性を有するように反射して横長の放射状に集光させる反射鏡を有し、本体部には、放電管に対して必要な電圧及び電流を供給するための電源装置が装備されている構成の携帯型照明装置の使用方法であって、照明対象が道路や床などのほぼ平坦な面を有する表面部分であり、その表面部分に対して横長の集光を表面部分とほぼ平行に照射することで、表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質に陰影を形成させる方法とした。その場合、携帯型照明装置の本体部を照明対象の表面部分又はその近くに置き、本体部の水平度や傾斜を調整することによって、横長の集光を表面部分とほぼ平行に又は必要な入射角をもたせて照射する方法とすることもできる。また、表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質が、足跡、タイヤ跡、塗料片、微物などであり、それらに横長の集光を照射して鑑識及び交通事故処理等のために使用することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図1ないし図6を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る携帯型照明装置の全体構成を示す斜視図であり、図2は発光部の反射鏡を示す断面図、図3は発光部の反射鏡を示す正面図、図4は光源となる放電管の発光原理図、図5はシステム構成を示す回路図、図6は底面部分を示す斜視図を示している。
【0012】これらの図から理解できるように、本実施の形態に係る携帯型照明装置は、光源に放電管Lを使用したものであって、本体部1と、その本体部1に設けた発光部2とを備える。発光部2は、放電管Lからの光の一部を指向性を有するように反射して横長の放射状に集光させる反射鏡3を有し、本体部1には、放電管Lに対して必要な電圧及び電流を供給するための電源装置5が装備されている。
【0013】次いで、これらの詳細について説明する。本体部1は、図1に示すように、長方体状のケース11の上面側に取手4を備え、後端側の下部に調整機構60を備えている。この調整機構60は、本体部1を置く設置面に対する本体部の水平度や傾斜状態を調整するためのもので、ケース11に固定したネジ穴付きの支持材61と、その支持材61のネジ穴にねじ込んだネジ棒62と、そのネジ棒62の上端に固定した操作用の頭部63とを有する構成としている。
【0014】本体部1に設けた発光部2は、図2に示すように、光源にフィラメント式電球を用いた一般的な携帯型懐中電灯とは異なり、照度および光量の大きな放電管Lと、集光形態LSが横長の放射状となるように特別に工夫した反射鏡3とを備えている。これら放電管L及び反射鏡3は、外側の保護ケース21及び反射鏡3の前方を覆う防護用透明板22内に収納している。
【0015】反射鏡3については、その正面図である図3にも示すように、集光形態LSを横長の放射状とするための複数の反射面31〜38を有する形状としている。これらの反射面は、集光形態LSをまず水平な横長とするために、上側の反射面31、33、34と、下側の反射面32、35、36、37、38とに分けている。即ち、反射面全体の上半部と下半部からの反射光がそれぞれ中央に向かうようにしている。そしてさらに、横長の放射状とするために、上側の反射面においては中央部の反射面31を中心とする左右の反射面33、34がそれぞれ左右に角度をもって広がる反射面としている。
【0016】また、下側の反射面においては、中央部の反射面32を中心とする左右の反射面35、36及び37、38がそれぞれ左右に角度をもって広がる反射面としている。これにより、反射鏡3全体による光の集光形態LSが、投光方向を水平とした状態で、図1に示すように平面視においてほぼ扇形の放射状となるように設計している。実施の形態では、扇形の放射状を形成する光の水平方向の放射角αを90度以上(120度前後)としている。39は、反射鏡3の開口付近の内周面に形成した乱反射防止用の凹凸反射面を、3aは放電管Lの引き出し口をそれぞれ示している。もちろん、90度以下とすることもできる。
【0017】図4は、放電管Lの発光原理を示す図であり、石英ガラス管S内に、発光物質となるキセノンガスK、水銀h、メタルハライドmを封入した三種混合型としている。
【0018】その発光過程について概説すると、スイッチオンと同時にバルブ内の電極間にバラストから供給された高電圧がかかる。これにより、電極間が絶縁破壊し、キセノンガスKが発光する。管温度の上昇により、水銀hが蒸発し、水銀hがアーク放電を開始する。これにより水銀のスペクトル(発光)が発生する。さらに、バルブ内の温度が上昇すると、メタルハラロイドmも蒸発を始め、水銀アーク中で解離する。これにより金属特有のスペクトルが発生する。この金属特有の発光と水銀の発光が合わさり、限りなく太陽光に近い白い光を放つ。
【0019】図5は、本体部1のケース11内に内蔵している電源装置5の回路構成を示すもので、充電式の蓄電池51の起電力に基づく直流電流を、インバータ55を介してDCーAC(直流ー交流)変換し、変圧器(イグナイター)56によって瞬間的に昇圧して放電管Lに供給する構成としている。同図において、52はヒューズ、53はランプスイッチ、54はランプリレー、57は配線コードをそれぞれ示している。
【0020】なお、ランプスイッチ53については、本実施の形態では、図1に示すように本体部1の後端面に設けている。さらに、蓄電池51をケース11内に装備している関係で、外部充電器に接続するためのソケット59を、同じく本体部1の後端面に設けている。
【0021】図6は、本実施の形態に係る携帯型照明装置の底面部分を示す斜視図である。同図から理解できるように、その底面部分の前方寄りの位置に、本体部1を設置面に置くときにその本体部1をほぼ水平に支持するための支持突起65、66を設けてあり、調整機構60のネジ棒62とで3点支持する構成としている。したがって、調整機構60を操作することで、図1に示すように本体部1の前後方向の傾斜を任意に調整し、これにより、集光形態LS全体の投光方向を上下に起伏させることができるように配慮している。
【0022】このような構成の携帯型照明装置は、特に、路面や床面などの表面部分を照明するのに大変有効である。なぜなら、発光部2からの光の集光形態LSを、図1に示すように横長の放射状としているため、その照明対象である表面部分を広範囲に(放射角αで)照射することができるからである。したがって、表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質が、足跡、タイヤ跡、塗料片、微物などであり、それらに横長の集光を照射して鑑識及び交通事故処理等のために使用することができる。
【0023】その場合、集光形態LSをこのように横長の放射状としているので、照明対象の表面部分に対して光りを平行に且つ集中的に投光することで、特に、表面部分についた凹凸にくっきりと陰影が付き、足跡、タイヤ跡、塗料片、微物などの発見が極めて容易になる。しかも、投光方向をその都度変化させる回数も少なくて済むので、周囲との比較も容易で見落としを極力少なくすることができる。
【0024】また、調整機構60を備えているので、照明対象の表面部分に対する光の入射角を適宜にかつ任意に調整することができるだけでなく、そのままの状態を保持させることができるので、本体部1を表面部分に設置した状態で、単独でも検査を行うことが可能になり、使い勝手も大変良好なものとなる。
【0025】なお、以上の実施の形態では、鑑識、交通事故処理等に使用する場合について述べたが、操作現場、災害現場等にも同様に使用することができる。また、大きな光量をもつので、例えば、海面や水面の照明あるいは目眩ましなどにも利用することもできる。
【0026】また、電源装置5としては、充電式に限らず、カーバッテリー、商用電源などから直接電力供給する構成とすることも、勿論可能である。
【0027】ちなみに、本実施の形態に係る携帯型照明装置の仕様については、下記の通りである。
1 発光源…キセノンガス、水銀、メタルハラロイド、の3種混合。
2 光束量…3000ルーメンス。
3 色温度…4000K。
4 投光色…純白色。
5 投光パターン…横長(距離10mで100LX以上、左右4m、上下0.6m)。
6 中心照度…距離10mの位置で450LX。
7 ランプ寿命…約2000時間。
8 電源…DC12V、5AW、ニッカド電池(外部電源使用可)。
9 消費電力…35w。
10 点灯時間…約1時間30分。
11 本体重量…3.95kg。
12 本体寸法…300(L)×95(w)×140(h)mm。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、光の集光形態に工夫を凝らすことによって、効率良く広範囲に照射して、発見しやすく、見落としがないようにすることができ、また、光量や光質等にも配慮することによって、高視認性を実現できるように工夫した技術を提供することができる。
【0029】また、本体部の傾斜や水平度を調整する調整機構を備えているので、使い勝手も大変良好にすることができる。
【0030】さらに、本発明では、照明対象の表面部分に付いた凹凸や表面部分に存在する物質に陰影を極めて効率良く形成させて鑑識、交通事故処理等に有効活用できる方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】591124684
【氏名又は名称】株式会社ポータ工業
【出願日】 平成9年(1997)8月12日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−66901
【公開日】 平成11年(1999)3月9日
【出願番号】 特願平9−230364