| 【発明の名称】 |
発光体を備えた回転体 |
| 【発明者】 |
【氏名】小島 十一
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| 【要約】 |
【課題】各種の回転体の回転が簡単に確認できしかも色彩的な感覚に富み装飾性も豊かな回転体を提供する。
【解決手段】車両用のホイール4や扇風機等の送風羽根2等の回転体に対して、回転軸線周りの領域に回転軌跡を発光帯として表示可能な発光体を設け、たとえば扇風機の場合では暗がりでもその送風羽根2の回転を簡単に確認でき、自動車等の車両の場合ではホイール4からの発光による動的な模様やカラー模様によって色彩を併せた新たな態様の装飾性を持たせる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用のホイールや送風用の回転羽根等の回転体において、回転軸線周りの領域に、回転軌跡を発光帯として表示可能な発光体を配置してなる発光体を備えた回転体。 【請求項2】 発光体は、蛍光顔料や蓄光顔料または化学発光液及び化学発光体を含む自発光の光源を持つ請求項1記載の発光体を備えた回転体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動車のタイヤや扇風機等の羽根等の各種の回転体が回転しているのを人の目で簡単に確認できるとともに回転体の装飾性も向上させることができる発光体を備えた回転体に関する。 【0002】 【従来の技術】家庭生活や社会生活において人の身の回りには、扇風機や換気扇等の回転羽根及び自動車や自転車の車輪等の回転するものが溢れている。そして、工場の生産ライン等では、歯車やローラ等の多様な回転体が回転機械の主要な要素として組み込まれている。 【0003】このような各種の回転体の中で、たとえば扇風機の羽根は従来では有色の合成樹脂製のものが主流であったが、涼感を誘うために無色透明としたり淡い色を帯びた半透明色のものも近来では広く利用されるようになった。また、スポーツタイプの自動車や自動二輪車などでは、ホイールに特徴のあるデザインを持たせて車体とマッチさせてスポーティーな感じを与えるようにしたものが多い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、扇風機の場合にその羽根を無色透明としておくと、これが回転しているかどうかの確認がしにくい場合があり、子供が誤って指先を羽根に触れてしまって怪我をすることもある。また、無色透明に限らず、風が人の身体に当たらない方向に向けていると、暗がりでは羽根が回っているかの確認もしにくく、モータの音や羽根の風切り音に頼ることになる。このため、風量が最小となるようにして使う場合であれば、風切り音も小さいくなるので、扇風機が作動しているかどうかを暗がりで知ることは更に難しくなる。 【0005】一方、自動車や自動二輪等では、そのホイールのデザインによってスピード感を持たせたり車体のデザインにマッチングさせることが普通である。しかしながら、停車しているときはホイールがそのデザインのまま人の目に映ることになるが、高速回転していけばホイール全体が一枚の円板状に見えるだけである。たとえば、半径方向に孔を一様なパターンで分散させたような自動車用のホイールでは、停止しているときにはこれらの孔によって斑模様が見えても、回転していくとこの斑模様はホイール自身の色の中に含まれたように見えてしまい、斑模様は消滅してしまう。このことは、自動二輪車のホイールについても同様である。 【0006】このように、扇風機の羽根にしても自動車や自動二輪車のホイールにしても、色や形状についてのデザインが主体とされているものの、扇風機の羽根が無色透明等の類であれば回転しているときと停止しているときの判別がしにくく、色彩的にも無味乾燥のおもむきに陥りやすい。また、車両用のホイールにおいても、これが回転してしまうとホイール自身の色の円板状として表現されるのみであり、同様に色彩的な感覚に乏しい。 【0007】また、扇風機やホイールの他にも、回っていることを簡単に確認できて安全に使えることが優先される回転体や、それ自身による表示等が主目的であって単調な1色でなくカラーバリエーションを持たせることで表示パターンの多様化が望まれる回転体についても、同様の現状にある。 【0008】本発明において解決すべき課題は、各種の回転体の回転が簡単に確認できしかも色彩的な感覚に富み装飾性も豊かな回転体を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、車両用のホイールや送風用の回転羽根等の回転体において、回転軸線周りの領域に、回転軌跡を発光帯として表示可能な発光体を配置してなることを特徴とする。 【0010】このような構成において、発光体は、蛍光顔料や蓄光顔料または化学発光液及び化学発光体を含む自発光の光源を持つものとすることができる。 【0011】なお、これらの自発光の光源に代えて、電池を電源とする液晶表示ディスプレイ(LED)や蛍光ランプ及び光ファイバをドライブして発光させるようにしてもよく、この場合では電源からの配線が回転体の回転に干渉しないような構成とすればよい。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は本発明の発光体を備えた回転体を卓上型の扇風機に適用した例の概略図である。 【0013】図示の例の扇風機は従来から一般的に使用されているもので、操作盤1aを備えたベース1から伸縮自在なスタンド1bの上端に駆動ヘッド1cを設け、この駆動ヘッド1cに内蔵したモータによって回転する送風羽根2を備えている。送風羽根2はたとえば無色透明の3枚羽根であり、指先が触れないように網状のケージ1dによって覆われている。 【0014】送風羽根2には、その半径方向の先端側の表面に蓄光材を用いた発光層3を設ける。この蓄光材の発光層3は、蓄光性硫化物蛍光顔料を組成として含むものを送風羽根2の表面に一様な厚さで成膜して形成されたもので、図示の例では1枚の羽根について3個の直線のスポット模様となっている。発光層3に含まれる蓄光材の蓄光作用は、紫外から可視部の光エネルギの刺激を受けて一旦刺激が蓄えられた後に或る時間を経てからでも発光するというものであり、蓄光性硫化物蛍光顔料としてはZn及びCaS等のアルカリ土類金属の硫化物が利用できる。 【0015】このような蓄光性硫化物蛍光顔料を含む発光層3を送風羽根2に設けておけば、昼間の明るい期間に蓄光性硫化物蛍光顔料によって蓄光される。このため、この使用期間から或る程度時間が経過した後に扇風機を暗がりで使用するときでも、蓄光された成分を含む発光層3はこの蓄光成分によって自身が発光する。 【0016】したがって、扇風機を夜間に使用するときでも、昼間に蓄光した成分が発光することになるので、たとえば就寝するときに消灯して扇風機もタイマー等によって自動的に切れるようにして使用するとき、発光層3の動きを目で確認できるので、扇風機が作動しているかどうかを簡単に確認できる。したがって、モータの作動音や風切り音だけではその作動の判別ができないようなモードで使用するときでも、発光層3を指標として扇風機の作動の状態を知ることができる。 【0017】また、発光層3の色をたとえば淡いブルーの蛍光色等のようにホタルをイメージさせるようなものとすれば、送風羽根2が回転するときに発光層3が描く環状の軌跡がホタルの飛翔のように現れる。したがって、発光層3による発光が鮮やかになるような消灯後の暗がりで使用するとき、ホタル色に現れるリング状の模様が涼感を誘うことになり、より一層涼しい感じを与えることができる。 【0018】図2は自動車のタイヤのホイールに発光体を設ける例を示す要部の斜視図、図3はタイヤ及びホイールの正面図である。 【0019】自動車の車輪は、金属製のホイール4とその外周に嵌合したチューブレス式のタイヤ5との組合せが殆どであり、ホイール4にはタイヤ5の内部に空気を注入するためのプラグ4aが設けられる。このプラグ4aはその内部に逆止弁等を組み込んでホイール4の周縁から外に向けて突き出したもので、その先端にはキャップ4bを取り外し自在に設けている。そして、この例ではプラグ4aにホルダ6を介して発光ピン7を取り付けている。 【0020】発光ピン7は、図4の(a)に示すように、たとえば合成樹脂製の半透明のカプセル7aの中にガラスアンプル7bを組み込んでおき、このガラスアンプル7bの中には蛍光液を封入し、その周りであってカプセル7aに包まれた部分には酸化液を封入したものとする。そして、発光させるときには、同図の(b)に示すようにカプセル7aを折り曲げてガラスアンプル7bを割ることによって、蛍光液と酸化液とを混合すると、この混合部分が発光を始める。次いで、カプセル7aを振ると混合が促進されてその全体が同図(c)に示すように発光することになる。このような化学発光は、シュウ酸エステルと蛍光物質等の蛍光液と、これに混合して発光させる過酸化水素とサリチル酸ナトリウム等の酸化液とからなる化学発光(化学ルミネッセンス)液を利用したものである。この発光は、化学反応に伴う反応物質の励起、励起分子または励起原子が他の分子あるいは原子に衝突してそれを励起することにより起こるとされているものであり、たとえば特開平2−152101号公報や特開平4−53894号公報に記載のものを利用することができる。 【0021】このような化学発光を利用した発光ピン7は、必要に応じてホルダ6を利用してホイール4に取り付けることができ、発光させたいときには先のように隔壁を破るように操作すれば封入した化学物質の混合によって発光ピン7が発光する。そして、自動車を発進させてホイール4を回転駆動すれば、発光ピン7からの発光及びその色がホイール4とタイヤ5との境目部分に環状帯となって現れる。したがって、ホイール4が回転するときには、従来技術の項で述べたようにホイール4自身のデザインによる模様は消滅してしまうのに対し、発光ピン7による環状の縁取り模様を持たせることができる。そして、発光ピン7の発光色を白色光だけでなく様々なカラーとすることで、彩色も要素として含めたイルミネーションを得ることができ、走行時の車体の装飾性を向上させることができる。 【0022】ここで、たとえばホイール4が外側を向く平坦なフランジ4cに棒状の発光ピンを取り付けることもでき、図5の(a)はその固定構造の一つの例を示す概略図である。 【0023】図示の例では、図2及び図3に示したものよりも少し長い円柱状の発光ピン8を、2個の固定具9によって図2のホイール4のフランジ4cに取り付ける。この固定具9は、フランジ4cの表面に突き当てる一対の固定座9aと、発光ピン8の周面を包囲するU字状の拘束帯9bとを備え、ホイール4に着脱自在とするため固定座9aの下面には両面接着テープやマグネット等の接合部材9cを設ける。 【0024】このような固定具9であれば、拘束帯9bに対して発光ピン8をその軸線方向に位置をずらして固定できるので、ホイール4のフランジ4cに対して発光ピン8の姿勢を自在に変えた取り付けが可能となる。また、複数の発光ピン8をフランジ4cに配列するときでも、それぞれの固定具9の位置を調整しさえすればこれらの発光ピン8を様々なパターンでレイアウトすることができる。 【0025】なお、図5の(b)に示すように、下端部にフランジ4cに固定する固定座10aを備えるとともに、この固定座10aの上面に一対の係合爪10bを設けた固定具10としてもよい。この固定具10は、固定座10aの下面に予め取り付けた接着テープ10cによって、フランジ4cに接着可能としたものであり、固定したときには係合爪10bはフランジ4cから外側に向く姿勢となる。したがって、このような形状の固定具10であれば、フランジ4cに取り付けたままとしておき、必要なときだけ発光ピン8をホイール4に装備することができる。 【0026】更に、発光体8は自動車用のホイール4だけでなく、自転車や自動二輪車の車輪にも取り付けることができる。たとえば、自転車用として用いる場合では、図6の(a)に示すように自転車用の車輪のハブとリムとの間に配列するスポーク21に、環状の固定具21aで縛り付けるようにすればよい。また、図6の(b)に示すように、角型の棒状材22を含む回転体に発光ピン8を取り付ける場合でも、U字状断面の固定具22aによって保持することができる。 【0027】図7は図2及び図3で示した自動車用の車輪のホイール4のフランジ4c部に対する発光ピンの配列による発光模様のパターンの概略である。 【0028】同図の(a)はフランジ4cの半径長さに相当して1本の発光ピン11を配置したもので、車輪が回転するときには同図の(b)に示すように、フランジ4cの全面が発光ピン11による発光面となる。 【0029】同図の(c)は、フランジ4cの直径方向に相当する長さの1本の発光ピン12を設けたもので、これも同図の(d)に示すようにフランジ4cの全面が発光ピン12による発光面となるが、同図(a)の場合よりも光の発光度は大きくて明るくなる。 【0030】同図の(e)はフランジ4cの半径方向にそれぞれ間隔をおいて短い3個の発光ピン13a,13b,13cを配列するとともに、これらの発光ピン13a〜13cのそれぞれの発光色を異なるものとした例である。このような配列において、中心側の発光ピン13aは黄色の発光,中間に位置している発光ピン13bは緑の発光及び外周側に位置している発光ピン13cを赤の発光とすることができ、これらの発光ピン13a〜13cのそれぞれの発光色が同図(f)に示すように三重の同心円として現れる。 【0031】同図の(g)は半径方向に2本配列した発光ピン14a,14bのそれぞれを赤及び黄色の発光としたものであり、車輪が回転するときには赤と黄色の色が合成されれ同図の(f)に示すように単色または合成色模様としてフランジ4cの全面に現れる。この場合、車輪の回転速度が小さいと赤と黄色の2色に見えたり、回転速度が上がると赤と黄色が合成されたオレンジ色に見える。 【0032】同図の(i)は3本の発光ピン15a,15b,15cを同じ角ピッチで放射状に配列するとともに、それぞれの色を青,黄色及び赤とした例である。この例で車輪の回転速度が遅いと青,黄,赤の3色が見えるほか、回転速度が速くなっていくとオレンジから紫色にかけての色域を表示することになる。 【0033】このように、フランジ4cに対する発光ピンの様々な配置や色の組合せによって、単色だけでなく彩色のバリエーションが豊かな表現を持たせることができ、車輪が回転するときに受ける車両の外観の装飾性が格段に高まることになる。 【0034】図8はLEDまたは光ファイバー等の発光素子を利用する例の概略である。図において、1本の回転軸31に2枚の非導電性のディスク32,33を同軸上で連結し、一方のディスク32には環状の電極32a,32bを取り付け、これらの電極32a,32bを電源34に対してブラシ34a,34bによって導通させている。また、他方のディスク33にはLEDまたは光ファイバー等の発光素子35を固定し、電極32a,32bに導通させたインバータ36によってこの発光素子35に通電可能とする。 【0035】このような構成においても、回転軸31が回転駆動されるときディスク32,33は同時に一体に回転するので、ディスク33は自身に設けた発光素子35からの発光によって装飾性を得ることができる。なお、この場合のディスク33として、車両用の車輪やその他の回転体を適用できることは無論である。 【0036】 【発明の効果】請求項1の発明では、たとえば扇風機の送風羽根や自動車用のホイールに発光体を備えることによって、扇風機の場合では暗がりでも送風羽根の回転を目で簡単に確認できるほか、送風羽根が無色透明であっても発光によってその回転を知ることができるので、誤って指先を触れて怪我をすることもない。また、自動車用の車輪の場合では、発光によってホイールに発光やカラーの場合では色彩を与えることができるので、走行中でもホイールの装飾性が高く保たれる。 【0037】請求項2の発明では、蛍光顔料や蓄光顔料または化学発光液及び化学発光体を含む自発光の光源とすることによって、電源やこれに接続するための配線等が不要となり、高速で回転するものや配線が困難な回転体に対しても対応でき、広い用途への展開が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】395010163 【氏名又は名称】小島 十一
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 久
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| 【公開番号】 |
特開平11−25701 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−181590 |
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