トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 動力伝達部材
【発明者】 【氏名】矢部 康志

【氏名】矢島 通人

【氏名】井出 邦之

【要約】 【課題】ボス部に脆弱部を形成することなく、回転トルク荷重を略均等に負担させて、疲労寿命を延長することが出来、また、スナップリングの外れを防止することができる動力伝達部材を提供する。

【解決手段】ボス部14の略中央部に、アウトプットシャフト4を挿通する中心軸開口15を形成すると共に、中心軸開口内側には、ボス部14に対するアウトプットシャフト4の回動を阻止するように、アウトプットシャフトにスプライン嵌合するスプライン部8bを形成し、アウトプットシャフトから流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部20の底部21を、スプライン部8bの凸部8cに対応させて形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口内側には、該ボス部に対する該中心軸部材の回動を阻止するように、中心軸部材にスプライン嵌合するスプライン部を形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対応させて形成することを特徴とする動力伝達部材。
【請求項2】前記ボス部は、燒結金属で形成されていることを特徴とする請求項1記載の動力伝達部材。
【請求項3】前記スプライン部の凸部間に形成される凹部には、略平底状の底部と、該底部の両側に形成される一対の隅R部とが形成されていることを特徴とする各請求項1又は2記載の動力伝達部材。
【請求項4】ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口外側には、中心軸開口周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移動を阻止するスナップリングを設けて、しかも、該中心軸開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部が形成されていることを特徴とする動力伝達部材。
【請求項5】燒結金属で形成したボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を設けると共に、該中心軸開口内側には、該中心軸部材の該ボス部に対する回動を阻止するように該中心軸部材にスプライン勘合するスプライン部を形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対応させて形成し、しかも、前記中心軸開口周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移動を阻止するスナップリングを設けると共に、該中心軸開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部が形成されていることを特徴とする動力伝達部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、自動変速機の遊星歯車装置等に用いられるインターナルギヤ等に適用される動力伝達部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の動力伝達部材の一つであるインターナルギヤとしては、図8〜11に示すような自動変速機1の遊星歯車装置2に用いられているものが知られている(特開平5−58178号公報等参照)。
【0003】このようなものでは、自動変速機ハウジング内に回動自在に設けられた中心軸としてのアウトプットシャフト4の周囲に、前記遊星歯車装置2のインターナルギヤ3が設けられている。
【0004】このインターナルギヤ3は、略円盤状を呈するフランジ部5及び、環状に形成された内歯歯車としてのヘリカルギヤ部6が別体で成形された後、一体となるように嵌着されて設けられている。
【0005】このうち、フランジ部5の略中心に形成されたボス部7には、前記アウトプットシャフト4を挿通させる中心軸開口8が形成されている。
【0006】そして、この中心軸開口8内側8aには、ボス部に対する該中心軸部材の回動を阻止するように、前記アウトプットシャフト4の外周面4aに形成されるスプライン4bに対して、スプライン嵌合するスプライン部8bが形成されている。
【0007】このスプライン部8bには、図9に示すように、前記スプライン4bの凹部に対して各々係合する凸部8cと、前記スプライン4bの凸部に対して各々係合する凹部8dとが、交互に所定ピッチで形成されている。
【0008】このうち、前記各凹部8d略中央位置には、丸底形状を呈する底R部8eが各々一つづつ形成されている。
【0009】そして、このボス部端面7aには、前記スプライン4bに嵌着されて設けられる環状のスナップリング9が、当接されて、このインターナルギヤ3の軸方向への移動が規制されている。
【0010】このスナップリング9は、周上に一カ所の不連続部が設けられていて、この不連続部を拡開することにより、着脱を可能としている。
【0011】また、このアウトプットシャフト4には、略中央に、軸方向にそって潤滑油を導通する油路4cが形成されている。また、このアウトップットシャフト4の周囲には、この油路4cに連通する複数の油孔4d〜4fが形成されている。
【0012】そして、前記端面7aには、内外周面を連通するように潤滑用切り欠き部10,10が、180度置きに、2カ所設けられている。
【0013】このように構成された従来のものでは、前記アウトプットシャフト4の油路4cから油孔4d介して潤滑油は、各潤滑用切り欠き部10…から、ボス部7の外周面方向へ供給されて、他の変速要素等を潤滑する。
【0014】また、ボス部端面7aが、前記スプライン4bに嵌着されて設けられる環状のスナップリング9に当接されて、このインターナルギヤ3の軸方向への移動が規制されると共に、前記スプライン部8bの各凹凸部8c,8dは、アウトプットシャフト外周面4aのスプライン4bにスプライン結合されることにより、アウトプットシャフト4に対する回動が規制されて、略一体となって回動する。
【0015】このため、インターナルギヤ3側から、伝達される回動トルクが、円滑にアウトプットシャフト4側から出力される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のものでは、前記スプライン部8bの各凹凸部8c,8dが形成されている位置に対する潤滑用切り欠き部10形成位置の位置関係が決められていないので、例えば、図9及び図10に示すように、前記潤滑用切り欠き部10のうち、最も低い略中央に位置する底部10aが、前記スプライン部8bの凹部8dに形成される底R部8eに一致してしまう虞があった。
【0017】このように、最も低い略中央に位置する底部10aが、前記スプライン部8bの凹部8dに形成される底R部8eに一致すると、径方向の肉厚の薄い部分が、軸方向の肉厚の薄い部分と重なり、脆弱部を形成して応力集中を招いてしまうといった問題があった。
【0018】また、前記各凹部8d略中央位置には、丸底形状を呈する底R部8eが各々一つづつ形成されている。このため、この底R部8eにコースト時及びリバース時の応力が集中して疲労寿命を短くしていた。
【0019】更に、前記スナップリング9は、周上に設けられた一カ所の不連続部を拡開することにより、着脱するようにしているので、回転中に拡開して外れてしまう虞があった。
【0020】そこで、この発明は、ボス部に脆弱部を形成することなく、回転トルク荷重を略均等に負担させて、疲労寿命を延長することが出来、また、スナップリングの外れを防止することができる動力伝達部材を提供することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本願発明の請求項1に記載されたものでは、ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口内側には、該ボス部に対する該中心軸部材の回動を阻止するように、中心軸部材にスプライン嵌合するスプライン部を形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対応させて形成する動力伝達部材を特徴としている。
【0022】このように構成された請求項1記載のものでは、動力伝達部材に形成されたスプライン部の凸部が、前記中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部に、対応されて形成されるので、スプライン部の最も径方向の肉厚が薄い凹部が、該底部と一致することがない。
【0023】このため、脆弱部は形成されないので応力集中が発生する虞がなく、円滑な回動トルクの伝達を長期間に渡って保持できる。
【0024】また、請求項2に記載されたものでは、前記ボス部は、燒結金属で形成されている請求項1記載の動力伝達部材を特徴としている。
【0025】このように構成された請求項2記載のものでは、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一致させることが出来る。
【0026】更に、請求項3記載のものでは、前記スプライン部の凸部間に形成される凹部には、略平底状の底部と、該底部の両側に形成される一対の隅R部とが形成されている各請求項1又は2記載の動力伝達部材を特徴としている。
【0027】このように構成された請求項3記載のものでは、前記スプライン部の凸部間に形成される凹部では、一対の隅R部が、略平底状の底部の両側に形成されているので、該底部によって所定距離離間されて形成されている。
【0028】このため、コースト時及びリバース時の応力が、各々の隅R部に分担されるので、応力集中を減少させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0029】そして、請求項4に記載されたものでは、ボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を形成すると共に、該中心軸開口外側には、中心軸開口周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移動を阻止するスナップリングを設けて、しかも、該中心軸開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部が形成されている動力伝達部材を特徴としている。
【0030】このように構成された請求項4記載のものでは、中心軸開口周端面に形成された脱落防止突起部が、前記スナップリングの拡開を阻止する。
【0031】このため、前記スナップリングは、着脱可能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がない。
【0032】また、請求項5に記載されたものでは、燒結金属で形成したボス部の略中央部に、中心軸部材を挿通する中心軸開口を設けると共に、該中心軸開口内側には、該中心軸部材の該ボス部に対する回動を阻止するように該中心軸部材にスプライン勘合するスプライン部を形成し、該中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部を、前記スプライン部の凸部に対応させて形成し、しかも、前記中心軸開口周端面に当設することにより該ボス部の軸方向への移動を阻止するスナップリングを設けると共に、該中心軸開口周端面には、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部が形成されている動力伝達部材を特徴としている。
【0033】このように構成された請求項5記載のものでは、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一致させることが出来ると共に、前記中心軸開口周端面に、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部を容易に形成できる。
【0034】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照しつつ説明する。なお、従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0036】図1乃至図4は、この発明の実施の形態1の動力伝達部材としての焼結インターナルギヤを示すものである。
【0037】まず、この実施の形態1の構成を説明すると、この自動変速機100のハウジング内に回動自在に設けられたアウトプットシャフト4の周囲には、遊星歯車装置2の燒結インターナルギヤ11が設けられている。
【0038】この燒結インターナルギヤ11は、主に、略円盤状を呈するフランジ部12と、外側枠体内側に内歯歯車13aを形成するヘリカルギヤ部13とによって一体に構成されている。
【0039】このうち、前記フランジ部12には、周面にサイジング位置決め用孔12aが形成されると共に、略中央部にボス部14が設けられている。
【0040】このボス部14の略中央に形成される中心軸開口15には、前記アウトプットシャフト4のスプライン4bが挿通されて、このスプライン4bにスプライン結合されるスプライン部8bが形成されている。
【0041】このスプライン部8bは、このボス部14に対するアウトプットシャフト4の回動を阻止するように、アウトプットシャフト4のスプライン4bのうち、凹部に対して各々係合する凸部8cと、前記スプライン4bの凸部に対して各々係合する凹部8dとが、交互に所定ピッチで形成されている。
【0042】更に、前記スプライン部8bの凸部8c,8c間には、凹部8dが形成されている。この凹部8dには、略平底状の底部8fと、この底部8fの両側に形成される一対の隅R部8g,8gとが形成されている。
【0043】そして、前記ボス部14の端面14aには、内外周面を連通するように潤滑用切り欠き部20…が、120度置きに、3カ所設けられている。
【0044】この潤滑用切り欠き部20は、前記アウトプットシャフト4から流出する潤滑油を挿通するように径方向断面凹字状に形成されている。この潤滑用切り欠き部20には、幅方向略中央位置に、切り欠き深さを最も大きくする底部21が、形成されている。
【0045】そして、この底部21形成位置が、図3及び図4に示すように、前記スプライン部8bの凸部8cの一つと重なり合うように対応させて形成されている。
【0046】次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0047】この実施の形態1のものでは、焼結インターナルギヤ11に形成されたスプライン部8bの凸部8cが、前記アウトプットシャフト4から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部20の底部21に、対応されて重なり合うように形成されているので、スプライン部8bのうち、最も径方向の肉厚が薄い凹部8dが、この底部21形成位置と一致することがない。
【0048】このため、径方向及び軸方向に肉厚を薄くする脆弱部が形成されないので、応力集中が発生する虞がない。従って、ボス部14周上の荷重負担は、どの位置でも略均等になり、変形が抑制されるので、円滑な回動トルクの伝達を長期間に渡って保持できる。
【0049】更に、この実施の形態1では、前記ボス部14が、前記フランジ部12,ヘリカルギヤ部13と共に、燒結金属で形成されている。
【0050】このため、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部8bの凸部8cを、潤滑用切り欠き部20の底部21に対応させて成形することにより、例えば、ボス部14粗材に対して個別に、スプライン部8bと、潤滑用切り欠き部20とを切削加工等を施して形成する場合に比して、容易に、該凸部8cを潤滑用切り欠き部20の底部21に一致させることが出来る。
【0051】更に、前記スプライン部8bの凸部8c,8c間に形成される凹部8dでは、一対の隅R部8g,8gが、略平底状の底部8fの両側に形成されているので、この底部8fの有する幅によって所定距離離間されて、前記両側に位置する凸部8c,8c基部に形成されている。
【0052】このため、コースト時及びリバース時の応力が、前記各凸部8c,8cから各々隅R部8g,8bに個別に伝達されて、分担されるので、応力集中を減少させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0053】
【実施の形態2】図5及び図6は、この発明の実施の形態2の動力伝達部材を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0054】この実施の形態2では、前記アウトプットシャフト4に、略中央に、軸方向にそって潤滑油を導通する油路4cが形成されている。また、このアウトプットシャフト4の周囲には、この油路4cに連通する複数の油孔4d〜4hが形成されている。
【0055】そして、このアウトプットシャフト4の外周面4aには、所定ピッチで凹凸を形成するスプライン4bが設けられている。
【0056】また、ボス部114の略中央部には、このアウトプットシャフト4を挿通する中心軸開口115が形成されている。
【0057】そして、この中心軸開口115外側位置には、中心軸開口周端面114aに当設することにより、このボス部114の軸方向への移動を阻止するスナップリング9が、前記スプライン4bに嵌着されて設けられている。
【0058】このスナップリング9には、環状に形成されるリング本体9aと、このリング本体9aの不連続部に設けられて、対向する両端部を前記端面114a内壁部に係止させる係止部9bとから主に構成されている。
【0059】しかも、このボス部114の中心軸開口周端面114aには、前記スナップリング9の拡開を阻止する脱落防止突起部120が形成されている。
【0060】この脱落防止突起部120は、前記アウトプットシャフト4に、この焼結インターナルギヤ114が装着された状態で、図6に示すように、軸方向で、スナップリング9のリング本体9a略中央位置まで、オーバーラップするように突設されている。更に、この実施の形態2では、この脱落防止突起部120が、この端面114a略全周上に渡り、環状に形成されている。
【0061】次に、この実施の形態2の作用について説明する。
【0062】この実施の形態2のものでは、スナップリング9が、アウトプットシャフト4回転中に、係止部9bの係止が解除されて、遠心力により拡開しようとしても、前記脱落防止突起部120の内側面120aに、このスナップリング9のリング本体9a外側面及びこの係止部9bが当接する。
【0063】このように、中心軸開口周端面114に形成された脱落防止突起部120によって、前記スナップリング9の拡開が阻止されると、前記スナップリング9は、着脱可能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がない。
【0064】
【実施の形態3】図7は、この発明の実施の形態3の動力伝達部材を示すものである。なお、前記実施の形態1及び2と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0065】この実施の形態3では、前記実施の形態1において説明した内外周面を連通するように潤滑用切り欠き部20…を、120度置きに3カ所設けた燒結金属で構成される前記ボス部114の端面114aに、前記実施の形態2の前記スナップリング9の拡開を阻止する脱落防止突起部120が形成されている。
【0066】次に、この実施の形態3の作用について説明する。
【0067】この実施の形態3の前記ボス部114が、燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部8bの凸部8cを、潤滑用切り欠き部20の底部21に対応させて成形することにより、容易に、この凸部8cを潤滑用切り欠き部20の底部21に一致させることが出来ると共に、前記中心軸開口周端面114aに、前記スナップリング9の拡開を阻止する脱落防止突起部120を容易に形成できる。
【0068】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止できる。
【0069】以上、この発明の実施の形態1乃至3を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態1乃至3に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0070】例えば、前記実施の形態1乃至3では、前記ボス部14が、燒結金属で形成されているが、特にこれに限らず、他の金属を切削加工等して形成するものであっても、スプライン部8bの凸部8cが、前記アウトプットシャフト4から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部10の底部10aに対応されて形成されるものであるならばよい。
【0071】また、前記実施の形態2では、ボス部114の中心軸開口周端面114aに、前記スナップリング9の拡開を阻止する脱落防止突起部120が、この端面114a略全周上に渡り、環状に形成されているが、特にこれに限らず、例えば、周上に断片的に形成する等、どのような形状,数量であっても、スナップリング9の拡開を阻止するように、前記端面114aに形成されるものであるならばよい。
【0072】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請求項1記載のものによれば、動力伝達部材に形成されたスプライン部の凸部が、前記中心軸部材から流出する潤滑油を挿通する潤滑用切り欠き部の底部に、対応されて形成されるので、スプライン部の最も径方向の肉厚が薄い凹部が、該底部と一致することがない。
【0073】このため、脆弱部は形成されないので応力集中が発生する虞がなく、円滑な回動トルクの伝達を長期間に渡って保持できる。
【0074】また、請求項2に記載されたものでは、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一致させることが出来る。
【0075】更に、請求項3記載のものでは、前記スプライン部の凸部間に形成される凹部では、一対の隅R部が、略平底状の底部の両側に形成されているので、該底部によって所定距離離間されて形成されている。
【0076】このため、コースト時及びリバース時の応力が、各々の隅R部に分担されるので、応力集中を減少させて、更に、疲労寿命を延長することができる。
【0077】そして、請求項4に記載されたものでは、中心軸開口周端面に形成された脱落防止突起部が、前記スナップリングの拡開を阻止する。
【0078】このため、前記スナップリングは、着脱可能位置まで拡開出来ないので、外れる虞がない。
【0079】また、請求項5に記載されたものでは、前記ボス部が、燒結金属で形成されているので、粉末金属を焼結形成する前の成型時に、前記スプライン部の凸部を、潤滑用切り欠き部の底部に対応させて成形することにより、容易に、該凸部を潤滑用切り欠き部の底部に一致させることが出来ると共に、前記中心軸開口周端面に、前記スナップリングの拡開を阻止する脱落防止突起部を容易に形成できる。
【0080】従って、製造コストの上昇を抑制しつつ、応力集中による変形を阻止して、回動トルクを円滑に伝達出来ると共に、スナップリングの脱落をも防止できる、という実用上有益な効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】000231350
【氏名又は名称】ジャトコ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開平11−13990
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−165750