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【発明の名称】 鞘管立ち上がり保持具
【発明者】 【氏名】大矢 博

【氏名】辻村 寿彦

【氏名】岩吉 亮一

【要約】 【課題】建造物の給水、給湯配管に鞘管を用い鞘管内に可撓性の流体管を挿通して配管する2重配管において、部品点数が少なくて製造コストを廉価にすることができ、しかも配管作業が容易で使い勝手がよく、確実に施工できる鞘管立ち上がり保持具を提供する。

【解決手段】鞘管を水平位置から垂直状態に立ち上がらせる部分の鞘管の外周面の略半分を押さえる半円筒形状をしてかつ湾曲して形成された保持具本体と、該保持具本体の上端に連設する断面C字形状の把持部と、前記保持具本体から下方に連設する支持脚とを有することを特徴とする鞘管立ち上がり保持具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鞘管を水平位置から垂直状態に立ち上がらせる部分の鞘管の外周面の略半分を押さえる半円筒形状をしてかつ湾曲して形成された保持具本体と、該保持具本体の上端に連設する断面C字形状の把持部と、前記保持具本体から下方に連設する支持脚とを有することを特徴とする鞘管立ち上がり保持具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建造物の給水、給湯配管に鞘管を用い鞘管内に可撓性の流体管を挿通して配管する2重配管において、鞘管を水平位置から垂直状態に立ち上げるための保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物における給水用あるいは給湯用などの配管のために、打設するコンクリートの中に予め鞘管を配管しておき、コンクリートの養生を待って鞘管を利用して、流体管を鞘管内に挿通させて配管を行う鞘管工法がある。
【0003】上記した鞘管工法において、鞘管をコンクリートスラブ面の水平位置から壁の沿った垂直状態に立ち上がらせるとき、鞘管の立ち上がり部を保持するための保持具としては、例えば、実開平6−1965号公報などに記載のものがある。特に、当該公報の第9〜11図に示される保持具は従来広く実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の保持具は、配管作業を能率良く行うために作業性の向上のために使い勝手の良いことが要求され、また打設したコンクリート内部に埋設されてしまうこともある付属部材であるために安価であること、そのためには製造し易いことが要求される。
【0005】前記した実開平6−1965号公報には、従来の保持具が、保持具本体の下端と上端で、鞘管の全周面を固定するために、保持具本体と別個に形成した半円筒形状の管固定体(鞘管を保持具本体に取り付ける挟持片をいう)を溶接により固定する方法である。この方法では、保持具本体とは別に管固定体を用意しなければならず、この結果、部品点数が多くなり、部品管理が煩雑になり管固定体を作業者が紛失してしまう虞もある。また溶接作業は、溶接器具を用意し別工程となるため、配管作業の能率を低下させてしまうという点から良くない。
【0006】さらに当該特許公報には、上記問題を改良する発明として、保持具本体を螺旋状に形成するものが提案されているが、保持具本体および上端下端の環状部を形成するために螺旋構造とするので、簡易なプレス加工では製造することができず、製造コストを安く抑えられない点で問題がある。また、鞘管の取り付けに際しては、上端下端の環状部へ内側から差し込む操作が必要であるので使い勝手にも難点がある。
【0007】本発明は上記の問題点を解消して、部品点数が少なくて製造コストを廉価にすることができ、しかも配管作業が容易で使い勝手がよく、確実に施工できる鞘管立ち上がり保持具を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、鞘管を水平位置から垂直状態に立ち上がらせる部分の鞘管の外周面の略半分を押さえる半円筒形状をしてかつ湾曲して形成された保持具本体と、該保持具本体の上端に連設する断面C字形状の把持部と、前記保持具本体から下方に連設する支持脚とを有することを特徴とする鞘管立ち上がり保持具である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例の使用状態を示す側面図であり、図2は同じくその斜視図であり、図3は図1のA−A矢視図である。10は鞘管であり、次に説明する鞘管立ち上がり保持具(以下、単に保持具と略称する)20により水平位置から垂直状態に立ち上がる鞘管10が保持される。
【0010】本実施例の保持具20は、鞘管10の外周面の略半分を押さえるため半円筒形状をして、所定の曲率半径をもって上向きに湾曲して形成された保持具本体21と、保持具全体を支えるために保持具本体21の両側下方に連続して一対の支持脚22を設けると共に、鞘管10が前後左右に移動することを拘束し保持具本体21の裏面に押さえつけるために保持具本体21の上端部に連続して設けられる把持部23とで構成されている。把持部23の断面形状は、図3に示すように一部分を切り欠いたC字円環形状をしており、鞘管10を抱え込むことができる。
【0011】一対の支持脚22はL字形状となっており、保持具本体21を支える垂直部22aと、建築物のコンクリートスラブ等の床面に固定するための水平部22bを有している。一対の支持脚22の水平部22bの各々には、取り付け孔22cが形成されている。
【0012】本発明に係る保持具20は上記の構成で比較的簡易な形状であるため、複雑な製造工程を必要とせず、接着や溶接等を行わなくても、1枚の金属板をプレスにより剪断および曲げ加工を組み合わせて行うことによって形成できる。また、保持具20全体を高強度の合成樹脂、例えばABSなどで形成することも可能である。
【0013】つぎに本発明の実施例の施工手順を説明する。まずコンクリートスラブ等の床面上に鞘管10を引き回して敷設した後、保持具20の上端の断面C字形状の把持部23の中に鞘管10を挿入させて、鞘管10の立ち上げ予定位置まで保持具20を持って行き、鞘管を押し曲げて保持具20を予定位置に合致させ、取り付け孔22cを利用してビスあるいはリベットなどで保持具20を床面に固定する。その後、ヘッダーに接続するため或いは化粧プレートから金属製の立上げ管に接続するために(図示せず)、床面からの所定の高さに合わせて鞘管を切断し、つぎに流体管30を水平方向から鞘管10内に挿通させ垂直方向に取り出す。つぎに挿通させた流体管30の端部にヘッダー或いは床取付け用の例えばメカニカル継手40を接合する。以上により鞘管10および流体管30は、保持具20により水平位置から上側に向けて湾曲しながら立ち上がり垂直状態に保持される。
【0014】なお、このように保持された鞘管10の内部には図3に示すように流体管30が挿通された状態となる。鞘管10は波付け加工され、硬質塩化ビニル、高密度ポリエチレンなどの硬質樹脂で形成され、流体管30はポリブデン、ポリエチレン、架橋ポリエチレンなどの樹脂で形成されている。
【0015】ところで前記のように、流体管30を鞘管20内に挿通させた後に流体管30の端部に継手40を接合する施工手順の説明をした。しかし、その施工手順に限らず、図4に示す通り、予め鞘管10内に流体管40を挿通しておき、流体管40の端部に継手40を接合させ、保持具20の断面C字形状の把持部23の中に挿通させたものを前以って工場出荷時に準備しておいて、以下同様な配管施工作業を行えば、更なる工数低減が図れる。その場合、継手40を把持部23に挿通させるためには、把持部23の断面C字形状の内周径を継手40の最大外径寸法よりも大きくしておけばよい。
【0016】
【発明の効果】以上のごとく本発明は、部品点数が1点と少ないため部品管理が容易になり、取付用の細かい部品を紛失する心配がなく、1枚の金属板からプレスにより剪断および曲げ加工を行うだけで形成できるため、製造コストを廉価にすることが可能である。また、実際の施工の際には、予め保持具を鞘管に装着したものを準備すれば、作業能率も格段に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
【出願日】 平成10年(1998)1月8日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−201329
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−2076