トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 ポンプバレル配管の据付け方法
【発明者】 【氏名】烏野 信美

【氏名】仲地 唯渉

【要約】 【課題】大型の重機及び複数の重機並にスリーブ管を不要とし且つ作業が天候に左右されないようにする。

【解決手段】貯槽3の内槽底板9上で複数のポンプバレル短管10を略水平状態に直列接続してポンプバレル配管2を作成し、該ポンプバレル配管2を、外槽屋根4上に搭載した電動ホイスト14から繰出したワイヤロープ16に吊下げると共に該ワイヤロープ16を巻取ることによりポンプバレル配管2を水平状態から垂直状態に直立させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯槽内の底板上で複数のポンプバレル短管を略水平状態に直列接続してポンプバレル配管を作成し、貯槽の屋根に搭載した昇降装置の紐状物を前記ポンプバレル配管の昇降装置下方側端部に接続し、前記ポンプバレル配管の紐状物を接続してない側の端部を前記底板側に支持させた状態で、前記紐状物を上昇させることにより前記ポンプバレル配管の紐状物接続側を上昇させ、前記ポンプバレル配管を略水平状態から垂直状態に直立させることを特徴とするポンプバレル配管の据付け方法。
【請求項2】 ポンプバレル配管の紐状物を接続してない側の端部を前記底板上を移動し得るようにした台車に支持させた請求項1に記載のポンプバレル配管の据付け方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプバレル配管の据付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の貯槽には、貯槽内の液体を払出すために貯槽内に液中ポンプを設置するものがあり、斯かる貯槽の場合には液中ポンプはポンプバレル配管内に設置される。
【0003】而して、ポンプバレル配管を貯槽内に設置する場合、従来は貯槽外の地表面で短尺のポンプバレル短管を水平且つ直列状に組立てて長尺の所定長さのポンプバレル配管とし、図9に示すごとく、クレーン等の重機1によりポンプバレル配管2を垂直に吊下げ、貯槽3の外槽屋根4に設けた孔5及び内槽屋根6に設けたスリーブ管7を通してポンプバレル配管2を貯槽3内に挿入している。
【0004】なお、図9中、8は内槽側板、9は内槽底板である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ポンプバレル配管2は直径600mm、長さ40m、重さ10TON程度もあるため、これを地表面で水平に組立てた状態から垂直に立てて孔5やスリーブ管7から貯槽3内へ挿入するためには、地下式の貯槽では45m程度、地上式貯槽では80m程度の吊り代が必要となり、従って大型の重機が必要となる。
【0006】又、ポンプバレル配管2を地表面で垂直に立てる際には、ポンプバレル配管2を安定した状態で吊るために2台の重機が必要となる。
【0007】更に完成したポンプバレル配管2を貯槽3内に挿入する際に、重量の大きいポンプバレル配管2が振れて内槽屋根6に干渉するのを防止するためスリーブ管7が必要となる(外槽屋根4には不必要)。
【0008】更に又、ポンプバレル配管2の組立ては屋外で行う必要があるため、作業は天候の影響を受ける。
【0009】本発明は上述の実情に鑑み、大型の重機を必要とせず、しかも重機は1台ですみ、又スリーブ管が不要となり、更には作業が天候の影響を受けることのないようにしたポンプバレル配管の据付け方法を提供することを目的としてなしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、貯槽内の底板上で複数のポンプバレル短管を略水平状態に直列接続してポンプバレル配管を作成し、貯槽の屋根に搭載した昇降装置の紐状物を前記ポンプバレル配管の昇降装置下方側端部に接続し、前記ポンプバレル配管の紐状物を接続してない側の端部を前記底板側に支持させた状態で、前記紐状物を上昇させることにより前記ポンプバレル配管の紐状物接続側を上昇させ、前記ポンプバレル配管を略水平状態から垂直状態に直立させるものである。
【0011】従って、本発明ではポンプバレル配管を昇降装置により略水平状態から垂直状態に立上げるだけで良いため、大きな吊り代が不要となって大型の重機を必要とせず、又複数の重機やスリーブ管も不要となり、更に作業が天候に左右されないため工期の短縮を図ることができる。
【0012】又、本発明で、ポンプバレル配管の紐状物を接続してない側の端部を前記底板上を移動し得るようにした台車に支持させた場合には、ポンプバレル配管の水平状態から垂直状態への立上りをスムーズに行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0014】図1〜図8は本発明の実施の形態の一例である。
【0015】図1中、10は例えば外槽屋根4、内槽屋根6に設けた工事用の孔5,11から貯槽3内に取込まれた、接続部材10a付きの複数のポンプバレル短管であり、12は、内槽底板9上でポンプバレル短管10を接続する際に使用する枕木等の支持体である。なお、貯槽3の構造によってはポンプバレル配管10は側板に設けた工事用の孔から取込むこともできる。
【0016】図2中、13は外槽屋根4上に設置したポンプバレル配管吊り架台であり、14はポンプバレル配管吊り架台13に設置した電動ホイストであり、15はポンプバレル配管吊り架台13に取付けられ、孔5,11(図1参照)を通って貯槽3上部へ僅かに挿入されたダミー配管である。
【0017】図3中、16は電動ホイスト14から繰出され且つ貯槽3内においてポンプバレル配管2を吊上げたときに上方となる部分に接続されたワイヤロープであり、17はポンプバレル配管2を吊上げたときに下方となる部分を支持するよう、内槽底板9上に移動可能に設置した台車であり、18は傾斜状態のポンプバレル配管2の自重による水平力により台車17が必要以上に動かないよう図示してないウインチにより台車17をワイヤロープ16接続側とは反対の側すなわち後方へ引張るようにしたワイヤロープである。
【0018】図6中、19は垂直に立てられたポンプバレル配管2を支持する枕木等の支持体である。図7中、20は内槽側板8と接続部材10aを接続してポンプバレル配管2を支持する支持部材である。図8中、21は外槽屋根4と内槽屋根6を貫通してポンプバレル配管2の上端に接続された上部ポンプバレル配管である。
【0019】なお、図1〜図8中、同一部分には同一の符号が付してある。
【0020】次に、本発明による作業手順について説明する。
【0021】地表上で接続部材10a付きの或る程度の長さのポンプバレル短管10を作成し、該ポンプバレル短管10を小型の重機により吊下げ、工事用の孔5,11を通して貯槽3内に搬入し、内槽底板9上に配置してある支持体12上に水平状態に載置し、隣り合うポンプバレル短管10の当接面同士を順次溶接して行き、所定長さのポンプバレル配管2を作成する(図1参照)。
【0022】次に、外槽屋根4の孔5直上部にポンプバレル配管吊り架台13を搭載すると共にポンプバレル配管吊り架台13に、外槽屋根4の孔5及び内槽屋根6の孔11を通って下端が内槽屋根6よりも若干下方に位置するようにしたダミー配管15を接続し、ポンプバレル配管吊り架台13上部に電動ホイスト14を設置する(図2参照)。
【0023】ポンプバレル配管吊り架台13等の設置が終了したら、電動ホイスト14からワイヤロープ16を繰出し、該ワイヤロープ16をダミー配管15内を挿通させて貯槽3内に垂下し、その下端を内槽底板9上で予め作成してあるポンプバレル配管2のダミー配管15略直下先端に接続する(図3参照)。
【0024】ワイヤロープ16はダミー配管15内を通っているためワイヤロープ16が外槽屋根4や内槽屋根6に干渉することはない。
【0025】又、ポンプバレル配管2のワイヤロープ16接続側とは反対側の端部を走行可能な台車17に支持させると共にポンプバレル配管2の台車17上の端部に、図示してないウインチにより所定の張力でポンプバレル配管2を引張り得るようにしたワイヤロープ18を接続し、又水平状態のポンプバレル配管2の下部から支持体12を撤去する。
【0026】所定の準備が終了したら、電動ホイスト14によりワイヤロープ16を巻取る。このため、図4に示すごとくポンプバレル配管2は徐々に立上って行く。この際、台車17はポンプバレル配管2の下端により引張られて徐々にダミー配管15側へ移動するが、台車17はワイヤロープ18を介してウインチにより後方(台車17の移動方向とは反対方向)へ引張られているためポンプバレル配管2が徐々に立上って行く際に、台車17に作用するダミー配管15側へ向いた水平力により台車17が急速にダミー配管15側へ移動するようなことはない。
【0027】図5に示すように、ポンプバレル配管2が台車17に搭載された状態でダミー配管15の下方に垂直状態に立上ったら、電動ホイスト14により更にワイヤロープ16を巻取ってポンプバレル配管2を上昇させ、その下端を台車17から若干上昇させ、台車17を撤去して台車17のあった部分に枕木等の支持体19を設置し、電動ホイスト14によりワイヤロープ16を繰出してポンプバレル配管2を若干下降させ、図6に示すごとく、その下端を支持体19に支持させる。
【0028】ポンプバレル配管2が直立状態で支持体19に支持されたら、電動ホイスト14のワイヤロープ16によりポンプバレル配管2を直立状態に支持したまま、ダミー配管15又は屋根部とポンプバレル配管2とを、ポンプバレル配管2が転倒しないよう拘束する。而して所定の足場を設置した後図7に示すごとく、内槽側板8とポンプバレル配管2に取付けられている接続部材10aとを水平な支持部材20により接続し、ポンプバレル配管2を支持部材20を介して内槽側板8に支持させる。
【0029】ポンプバレル配管2が支持部材20を介して内槽側板8に支持されたら、ポンプバレル配管吊り架台13、電動ホイスト14、ダミー配管15を外槽屋根4部及び内槽屋根6部から撤去し、この撤去部分に地表側から小型の重機により吊下げた短い上部ポンプバレル配管21を挿入し、該配管21の下端をポンプバレル配管2の上端に溶接する。
【0030】これで、ポンプバレル配管2の据付けは終了するが、そのときの姿は図8に示すようになる。
【0031】本発明の実施の形態においては、ポンプバレル短管10を貯槽3に搬入して貯槽3内でポンプバレル配管2を作成するようにしているため、吊り代を大きく取る必要がなく、従って大型の重機が不必要となる。
【0032】又、ポンプバレル配管2を垂直に直立させるためには、電動ホイスト14を使用すれば良いため複数の重機を使用することが不要となる。
【0033】更にスリーブ管が不要となるうえ、作業が天候に左右されることがなくなるため、工期の短縮を図ることができる。
【0034】なお、本発明は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0035】
【発明の効果】本発明のポンプバレル配管の据付け方法によれば、請求項1、2の何れにおいても、大型の重機や複数の重機が不要となるため貯槽の建設コストを削減することができ、又、スリーブ管が不要となり、更には作業が天候に左右されなくなるため工期の短縮化を図ることができる、等の効果を奏し得られ、請求項2の場合はポンプバレル配管の水平状態から、垂直状態への立上りをスムーズに行うことができる、等種々の優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開平11−201321
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−3138