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【発明の名称】 配管の敷設方法
【発明者】 【氏名】服部 憲明

【氏名】斎藤 道弘

【氏名】末吉 和廣

【要約】 【課題】(1)配管全体の長さが極端に長くならず、敷設作業が簡単で、経済的に有利で、(2)敷設した後の配管の検査、点検、保守などが容易な配管の敷設方法を提供する。

【解決手段】主管に複数の分岐継手を連接させて複数の所定箇所に給水・給湯する配管を敷設するにあたり、主管に連接する複数の分岐継手の相互の間隔を可及的に小さくして配置し、各分岐継手の端部に樹脂管を接続することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主管に複数の分岐継手を連接させて複数の所定箇所に給水・給湯配管などを敷設するにあたり、主管に連接させる複数の分岐継手を相互に間隔を可及的に小さくして一群として配置し、各分岐継手の端部に可撓性樹脂製配管を接続することを特徴とする、給水・給湯用などの配管の敷設方法。
【請求項2】 主管に連接させる複数の分岐継手を、床面、壁の空間部、天井裏などに一群として配置し、かつ、このように配置した分岐継手群の室内側に開閉可能な点検口を設けることを特徴とする、請求項1記載の配管の敷設方法。
【請求項3】 点検口を丸形とすることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の配管の敷設方法。
【請求項4】 複数の分岐継手群を予め組立てておくことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の配管の敷設方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管の敷設方法に関する。さらに詳しくは、一般住宅、集合住宅、商業ビルまたはホテルなどの建築物に用いられる給水・給湯用の可撓性樹脂製管(以下、単に「樹脂管」と言うことがある。)を所定の場所に敷設する際、分岐継手への接続方向に制約されることがなく、樹脂管全体の長さを可及的短くし、敷設後の分岐継手部分の水漏れの検査、点検、保守更新などが容易な配管の敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般住宅、集合住宅、商業ビルまたはホテルなどの給水・給湯用の配管においては、耐蝕性、耐震性、衛生性、施工性などの観点から樹脂管が広く採用されるようになった。樹脂管を分岐継手と組合せて能率的に配管施工する方法として、特開平3−292487号公報、特開平7−197495号公報に記載されているように、この樹脂管をさや管に挿入して保護し、給水・給湯用のヘッダに複数本の配管を接続し、敷設する方法などが提案されている。
【0003】これら公報に記載の方法によるときは、主管に連接した給水・給湯用のヘッダに複数本の配管(枝管)を接続する方向を一定にする必要があった。図2に、従来のヘッダに複数本の配管を接続した状態の平面略図で示した。図2において、21は主管、22はヘッダ、23が配管(枝管)、24は給水・給湯のための末端栓である。
【0004】ヘッダは、これに複数本の配管(枝管)を接続し、台所、洗濯機、風呂場、洗面所、便所、シャワー室などの水または温水の使用場所に、各個別の専用配管で給水・給湯する場合に活用されるが、ヘッダを挟んで反対側に配管を導く場合は、図2に示した通り、配管を湾曲させて給水・給湯のための所定位置(末端栓)に導く必要があった。このため、配管全体の長さが極端に長くなり敷設作業が繁雑となるばかりでなく、経済的に不利になるという欠点があった。
【0005】ヘッダを使用して使用場所に各個別の専用配管で給水・給湯する場合、配管全体の長さを短くすることを目的として、特開平5−172287号公報に記載の方法が提案されている。この提案の方法によれば、複数の分岐管を分散させて主管に連接するものである。しかし、この方法によると主管に連接した分岐管の水圧検査、水密性の点検や、漏水がある場合の補修をするには、各分岐管ごとに個別に行なう必要があり、繁雑であるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとした課題】本発明者らは、かかる状況にあって、上記従来技術の諸欠点を一挙に解決した配管の敷設方法を提供すべく、鋭意検討の結果本発明を完成したものである。本発明の目的は、次の通りである。
1.ヘッダ方式により配管(枝管)を敷設する場合に比較して配管全体の長さが極端に長くならず、敷設作業が簡単な配管の敷設方法を提供すること。
2.配管全体の長さが極端に長くならず、経済的に有利な配管の敷設方法を提供すること。
3.敷設した後の配管の検査、点検、保守が容易な配管の敷設方法を提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明では、主管に複数の分岐継手を連接させて複数の所定箇所に給水・給湯の配管などを敷設するにあたり、主管に連接させる複数の分岐継手を相互に間隔を可及的に小さくして一群として配置し、各分岐継手の端部に可撓性樹脂管を接続することを特徴とする給水・給湯用などの配管の敷設方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方法において主管とは、水道の本管から各戸または各部屋に導くための配管を言い、通常は分岐継手に接続される樹脂管より大きい直径のものが採用される。この主管の給水・給湯側には、途中にメータボックスを設置したり、給湯用配管の場合には温水器を配置する。分岐継手とは、水または湯水を所定の箇所に導くために主管に連接される継手を言う。分岐継手の平面形状は、T字型、Y字型などが挙げられる。分岐継手は、金属材料、架橋ポリエチレン、ポリブテンなどの樹脂材料などにより構成される。水または湯水が導かれる複数の所定箇所とは、台所、洗濯機、風呂場、洗面所、便所、シャワー室などを意味する。
【0009】本発明方法では、主管の適所に複数の分岐継手を連接させて配置し、一つの分岐継手群を形成する。この分岐継手群では、群を構成する複数の分岐継手を相互に間隔を可及的小さくして配置する。相互に隣接し合う分岐継手は、主管とほぼ同じ直径の樹脂管によって連接するが、分岐継手の樹脂管を接続する端部間の間隔は、配管を敷設する建造物の種類、主管の直径などにより変るが、5〜20cmで範囲で選ぶことができる。分岐継手群は、一方向に制約されることがなく、交互に反対向き(180度回転した状態)に配置することができるし、配置場所に空間的余裕がある場合には、90度回転した状態のものも組合わせることができる。
【0010】複数の分岐継手を連接させた分岐継手群は、敷設現場で製作することもできるが、敷設場所は他の作業と重複したり、作業場所が狭かったりするので、給水・給湯管を敷設する場所の図面に基づいて、分岐継手の数、継手の枝管を接続する方向、全体の長さなどを確認し、予め工場で製作し、水圧検査、水密性の点検なども終了しておくのが好ましい。分岐継手の接続部に樹脂管を接続し、固定するには特に制約はなく、例えば、JIS B2354、JIS K6770、JIS K6779などに記載の継手装置などによって固定すればよい。
【0011】分岐継手の接続部に枝管として接続できる樹脂管としては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリ塩化ビニル管、ポリエチレン管、ポリプロピレン管などが挙げられる。供給場所によって樹脂管の種類を選び、分岐継手の接続部の口径の大きさに応じて、樹脂管の口径を選択すればよい。中でも、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管が好適である。
【0012】主管や樹脂管などは、さや管、緩衝材などで被覆保護してもよく、分岐継手はカバーによって被覆してもよい。さや管は波付き管、蛇腹管などのコイル巻きが可能な管が好ましい。波付き管、蛇腹管などの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド類などが挙げられる。緩衝材を構成するものとしては、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレンなどの発泡樹脂製のテープ、発泡樹脂とフィルムとの積層テープ、発泡樹脂と金属箔との積層テープ、発泡樹脂と金属を蒸着したフィルムの積層テープなどがよく、カバーは樹脂成形品、金属カバーなどが挙げられる。
【0013】本発明方法に従って給水・給湯用の配管を敷設する場合には、まず、敷設予定場所の設計図に従って、主管に連接させる複数の分岐継手を相互に間隔を最小にして配置した分岐継手群を工場で製作する。この分岐継手群を敷設場所に搬入し、主管に連接し、分岐継手の枝管を接続する端部に樹脂管を接続し、樹脂管を所定場所に導き敷設作業を完了する。
【0014】なお、分岐継手群を配置する場所は、床面、壁の空間部、天井裏などに一群として設置し、このように設置した複数の分岐継手群を一個の点検口内に収める。分岐継手群を配置する場所は、コンクリート製の建造物にあってはスラブと表面床板との間が好ましく、木造の建造物の床面にあっては根太の間であって床板の直下に配置し、壁面にあっては間柱の間であって木摺板、合板、ラスボードなどに接触させて配置し、天井裏にあっては天井床の上に配置するなど、建造物の種類によって適宜選ぶことができる。
【0015】床面、壁の空間部、天井裏などに配置した分岐継手群の室内側には、開閉可能な点検口を設けるものとする。点検口は、敷設した後の分岐継手群の水密性の点検や、漏水がある場合の補修の際に活用するので、これを開けば分岐継手群を構成する分岐継手の一群が観察できるような位置に配置する。点検口の大きさは分岐継手群が占める面積に応じて変えることができ、その構造は開閉可能な円形状平板、片ドアー式、観音開き式、スライド式など、設置する場所に応じて適宜選ぶことができる。中でも、円形状平板が好適である。
【0016】本発明方法は、一般住宅、集合住宅、商業ビルまたはホテルなどの建築物に用いられる給水・給湯用の配管、排水用の配管を敷設する際に有効である。本発明方法による時は、図2に示した従来の「ヘッダ方式」における様に、枝管を一定方向に揃えて接続する必要がなく、枝管を接続する方向を交互に反対向きにするなど自在である。従って、「ヘッダ方式」における様に、枝管を遠回りさせて敷設する必要がなく、樹脂管全体の長さが極端に長くならず、敷設作業も容易であり、経済的に有利な配管の敷設方法であると言える。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に基いて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0018】図1は本発明方法によって給水・給湯のための配管を敷設した状態の一例を示す平面略図である。給水・給湯の主管11には、複数の分岐継手12によって構成される分岐継手群を連接する。分岐継手群は、設計図に従って予め工場でれ製作されることは前記した通りである。複数の分岐継手の枝管を接続する端部に枝管13を接続する。各枝管13は、所定場所に配置する前に、予め所定の長さに切断し、一方の端部には給水・給湯のための末端栓14を取付けておくこともできる。複数の分岐継手12に構成される分岐継手群の室内側には、開閉可能な点検口16が設けられている。
【0019】
【発明の効果】本発明方法は、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明方法は、ヘッダ方式におけるように枝管を接続する方向が制約されないので、複数の使用場所に各個別に樹脂管を湾曲させて敷設する必要はなく、施工作業が簡単である。
2.本発明方法は、ヘッダ方式におけるように枝管を接続する方向が制約されないので、複数の使用場所に各個別に給湯・給水する樹脂管を湾曲させて敷設する必要はなく、給水・給湯用の配管の長さを最小限とすることができるので、経済的に極めて有利である。
3.本発明方法によるときは、複数の分岐継手を一群として配置し開閉可能なカバーで覆うので、敷設した後の配管の検査、点検、保守が極めて容易である。
【出願人】 【識別番号】000236159
【氏名又は名称】三菱化学産資株式会社
【識別番号】591226782
【氏名又は名称】末吉 和廣
【出願日】 平成9年(1997)9月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 重光
【公開番号】 特開平11−94171
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−256301