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【発明の名称】 耐震配管構造
【発明者】 【氏名】峰 直毅

【氏名】野崎 日出男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定長さの可撓管を継手部を介して略直角方向に接続したL字形可撓配管を設け、該L字形可撓配管の一端部は地中埋設配管に接続し他端部は建築物内の配管に接続して配管ピット内で自由に移動可能に前記両端部から下方に向けて吊下げ配管し、前記地中埋設配管と建築物内配管との間を連結したことを特徴とする耐震配管構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高層建築物等に実施されている免震構造建築物に対して有効な耐震配管構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年多く採用されている免震構造建築物は、地面基礎と建築物との間に積層ゴムを介して地震による振動よりも建築物の振動を低減するようにした構法である。地震時には地面と建築物との間が積層ゴムによって地震による振動が吸収されて地面の振動よりも建築物の振動が小さくなる。従って地面と建築物間で見れば従来の地面と建築物が一体の構造よりもはるかに大きな振動変位が生じ、地盤側と建物側間の連結配管部が損傷する問題がある。
【0003】このための配管として従来特許第2598772号公報で開示された配管構造物がある。このものは図3、図4に示すように、可撓管1と可撓管2とを継手3でL字形に接続し、この接続部分を可動支持架台4に固定し、地盤側に設けた水平支持台5上にテフロン等の摩擦低減手段6を介して可動支持架台4を摺動自在に設け、可撓管1の端部を建物側配管7と、可撓管2の端部を地盤側配管8と夫々接続し、地震の際の建物側配管7と地盤側配管8との相対変位を吸収するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建築物の配管には、ガス配管、給水配管、配水配管、冷却水配管、消火用配管等があるが、上記従来の耐震配管では、L字形に接続した可撓管1、2が建築物の下部で水平方向に配管されるため、大きな配管スペースを必要し、上記建築物配管の各々に対応して設けることが困難な場合がある。また建築物下部が複雑な配管状態になり、メンテナンス性にも問題があった。更に地盤側に水平支持台5を設置する必要があり、水平支持台5上に摩擦低減部材6や支持架台4を設けなければならず、配管施工性にも問題があった。また水平支持台5上を支持架台4が摺動するため、支持架台4を摺動するための力が必要で、地震の際の振動変位方向によってはL字形に接続した可撓管1と2のどちらか一方の可撓管に余分な変位応力が加わり、可撓管1と2で均等な力で変位を吸収できず、このためこれらを加味して可撓管の長さを長く設ける必要があった。
【0005】また配管施工した時点では支持架台4が摺動自在で地震に対する変位を吸収する能力を備えていたとしても、長期の間には水平支持台5上に塵や異物が堆積したり、或いは支持架台4が腐食して水平支持台5上を支持架台4が摺動できず、動かなくなったり、とっさの地震の際に本来の変位吸収能力が果たされなくなる問題がある。本発明は上記の課題を克服して、従来の水平支持台や摩擦低減部材、支持架台等を設けなくてもよく、小さな配管スペースで配管でき、メンテナンス性も大幅に優れ、各可撓管が均等な力で変位を吸収して、長期に亘って安定して変位吸収能力を維持する耐震配管構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、所定長さの可撓管を継手部を介して略直角方向に接続したL字形可撓配管を設け、該L字形可撓配管の一端部は地中埋設配管に接続し他端部は建築物内の配管に接続して配管ピット内で自由に移動可能に前記両端部から下方に向けて吊下げ配管し、前記地中埋設配管と建築物内配管との間を連結したことを特徴とする耐震配管構造である。
【0007】
【作用】本発明は上記の構成であって、可撓管はL字形に略直角方向に連結されその両端部が各配管に接続されて下方に略V字形ないしは略W字形に吊下げ配管される。従って上下左右前後のどんな方向の振動変位に対しても各可撓管に均等な力が加わって変位を吸収することができる。また従来のように水平支持台上を滑る架台を用いず、配管ピット空間内で自由に移動可能なように吊下げ配管されたものであるから、従来の塵や異物の堆積によって変位吸収能力が低下したり、或いは支持架台等の腐食によって可撓管が可動不能になるような問題が生じず、このためメンテナンス性が大幅に向上する。また略V字形ないしは略W字形に吊下げ配管されるものであるから、水平方向の配管スペースが少なくて済み、更に上下方向のピット空間高さも各可撓管の長さより低い空間で済み、全体として配管スペースが大幅に省略される。更に従来の水平支持台や支持架台設ける必要がないので、ガス配管や給水配管等複数の配管をまとめて配管施工することが可能で、配管施工が簡略化され、施工工期や施工費用が大幅に低減される。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例を示す耐震配管構造を示す模式図である。免震構法によって建られた建築物10は地盤基礎11との間に積層ゴム12を介在させて建られており、積層ゴム12によって地震の際の地盤基礎11の振動が建築物10に直接伝わるのを防止している。建築物10には建物内での居住等の用途に用いるガス配管、給水配管、排水配管、消火配管等が配管されており、これら建物側13内の配管が使用できるように建物下部の配管ピット15内で地盤側14の元配管と耐震配管20、30によって連結されている。
【0009】図2は耐震配管構造の一実施例を示す斜視図である。本実施例では給水配管20と排水配管30の2系統の耐震配管をまとめて配管した例を示しており、給水配管20側の可撓管21、22はステンレス製の蛇腹管に屈曲自在な金属製保護管を外装し伸びに対する強度を持たせた金属製可撓管で、両可撓管21、22を金属製エルボ継手23によってL字形に接続してある。また他方の排水配管30側の可撓管31、32は、合成ゴム製のチューブに合成樹脂製のチューブを外挿して伸びに対する強度を持たせたゴム製可撓管で、両可撓管31、32を金属製のエルボ継手33によってL字形に接続してある。上記各耐震配管20、30ほぼ同じ長さに設けてあり、各端部は地盤側14と建物側13の夫々の給水配管および排水配管に金属製ベント継手24と34を介して接続してあり、各耐震配管20、30は金属製エルボ継手23、33を下方にして略V字形に配管ピット15内の空間に吊下げ配管してある。
【0010】吊下げ配管された耐震配管の金属製エルボ継手23と33はアングル片24によって固定してあり、アングル片24は建物側13および地盤側14とチェーン16、17によって連結し、給水配管側可撓管21、22および排水配管側可撓管31、32が内部流体の圧力等によって異常に伸ばされるのを防止している。尚このチェーン16、17は、上記実施例の可撓管のごとく可撓管の各々に伸びを防止する金属製保護管や樹脂製チューブを外挿した可撓管21、22、31、32を用いる場合は、チェーン16、17を省略することができ、他方、チェーン16、17を用いた場合は、上記可撓管に伸びを防止するために外挿した金属製保護管や樹脂製チューブを省略した可撓管を用いることも可能である。
【0011】可撓管21、22、31、32の長さは、建築物や配管現場の状況および地盤の地震に対する安全性等を見込んで決められるが、各々の可撓管の長さを長く取れない配管場所等によっては、更にエルボ継手と可撓管を連結してW字形の耐震配管を設け、中央部のエルボ継手が上部の建物側からチェーン等によって吊下げられ、可撓管全体が配管ピット空間内で吊下げ配管される。この実施例では配管ピット空間の高さが少ない場合でも大きな変位吸収配管を行なうことができる。以上のように本実施例では、配管ピット空間内でV字形等に吊下げ配管してあるので、地震時の変位が上下、左右、前後のあらゆる方向に対しても、各可撓管が自由状態のため均等な力で変位を吸収する。また配管スペースが少なくても配管することができ、更に複数の建物内配管をまとめて耐震配管することも容易に行なえる。
【0012】
【発明の効果】以上説明のごとく本発明は、従来の水平支持台や摩擦低減部材、支持架台等を設けなくてもよく、小さな配管スペースで配管でき、メンテナンス性も大幅に優れ、各可撓管が均等な力で変位を吸収して、長期に亘って安定して変位吸収能力を維持する耐震配管構造である。
【出願人】 【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月22日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−94161
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−257208