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【発明の名称】 絶縁ロックリング
【発明者】 【氏名】久保 俊裕

【氏名】井須 豊

【要約】 【課題】ロックリングで抜け出し防止を図るように構成されたダクタイル鋳鉄管のロックリング部での絶縁を確実に行うことを課題とする。

【解決手段】受口1内面の周方向溝2とこれに対向させた挿口3外周の周方向溝4とによって形成される環状空間5に介挿されるロックリング6であって、該ロックリング6外周面6Aが絶縁コーティング9の塗膜厚さだけ盗肉形成され、該盗肉された分の厚さtの絶縁コーティング9が前記ロックリング6外周面に形成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】受口内面の周方向溝とこれに対向させた挿口外周の周方向溝とによって形成される環状空間に介挿されるロックリングであって、該ロックリング外周面が絶縁コーティングの厚さだけ盗肉形成され、該盗肉された分の厚さの絶縁コーティング層が前記ロックリング外周面に形成されてなることを特徴とする絶縁ロックリング。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、受口内面の周方向溝とこれに対向させた挿口外周の周方向溝とによって形成される環状空間に介挿されるロックリングの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダクタイル鋳鉄管の管継手として、図5に示すように、受口1内面の周方向溝2とこれに対向させた挿口3外周の周方向溝4とによって形成される環状空間5にロックリング6を介挿し、セットボルト7を受口外面から締結することにより前記ロックリング6を挿口3外面に圧接させ抜け出し防止を図る構造とされた管継手が知られている。
【0003】ところで、ダクタイル鋳鉄管は導電性を有するから、地中迷走電流の影響による電食を防止する必要上、管継手部では互いの管が電気的に導通しない構造とされている。
【0004】即ち、受口1内面と挿口3とはゴム輪8でシールされるが、同時にゴム輪8を介して金属面が直接触れないよう絶縁され、またロックリング6に絶縁塗装を施すことにより、セットボルト7とロックリング6を介して受口1と挿口3が電気的に導通しないようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、管接続作業時ロックリング6圧接用セットボルト7を締め付けると、セットボルト7の先端部によってロックリング6外面に局部応力が加わり、これが原因となって絶縁塗膜が破壊され、挿口と受口を電気的に導通させてしまうおそれがある。
【0006】従って、埋設管路が鉄道と交叉する個所など電気的環境が厳しい個所では、上記導通部のために埋設管に電食を起こさせる懸念があった。もっとも、このような問題は、ロックリング6の内面側に絶縁塗膜を設け挿口3との絶縁を図れば解消できると考えられる。
【0007】しかし、挿口3外周の周方向溝4は薄い管の肉厚を削って形成されるから、溝深さも非常に浅くせざるを得ない。このため、ロックリング6内面に厚い塗膜を設けると、ロックリング6の本体部分が溝4内に収まらない場合も生じかねず、ロックリング3の抜け出し防止機能に大きな支障を生じるおそれがある問題があった。
【0008】この発明は、上記問題点を解消することを目的としてなされたものであり、ロックリングの絶縁を確実に行うことを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の絶縁ロックリングは、受口内面の周方向溝とこれに対向させた挿口外周の周方向溝とによって形成される環状空間に介挿されるロックリングであって、該ロックリング外周面が絶縁コーティングの厚さだけ盗肉形成され、該盗肉された分の厚さの絶縁コーティング層が前記ロックリング外周面に形成されてなることを特徴とするものである。
【0010】即ち、ロックリング内周面は挿口外周の周方向溝との係合を確実にするため絶縁塗膜は形成しない。そのため、絶縁塗膜はセットボルトと接する外周面に設けるが、ロックリングの正規の輪郭を確保すると同時に絶縁塗膜の強度を付与するため、絶縁コーティングの塗膜厚さだけロックリングの外周面を盗肉し、ここに盗肉しただけの厚さの絶縁塗膜を形成するのである。
【0011】従って、断面寸法の許容誤差の小さいロックリングであっても、絶縁コーティングが十分厚くかつ強くでき、セットボルトを締結しても容易に破壊されない強度とすることができる。
【0012】上記絶縁コーティングの種類としては、通常の塗料によるもののほか、ゴムシートの積層、ナイロン等の樹脂コーティング、粉体塗装によるコーティング、さらには樹脂一体モールド等とされる。
【0013】また、盗肉は、ロックリングの外周面とされていれば良く、従って、外周面さえ盗肉されていれば、これに加え側面の一部または全部を盗肉し、その部分にも外周面と同様に絶縁コーティングしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明の絶縁ロックリングの断面図、図2、図3は他の実施の形態の断面図である。
【0015】図1に示す絶縁ロックリング6は、ロックリング6の外周面6Aが絶縁コーティング9の厚さtだけ盗肉され、その盗肉部に厚さtの絶縁コーティング9が設けられて構成されている。
【0016】図2に示す絶縁ロックリング6は、ロックリング6の外周面6Aと両側側面の一部6B、6Bが絶縁コーティング9の厚さtだけ盗肉され、その盗肉部に厚さtの絶縁コーティング9が施されて構成されている。
【0017】図3に示す絶縁ロックリングは、ロックリング6の外周面6Aと両側側面6B全面が絶縁コーティング9の厚さtだけ盗肉され、その盗肉部に厚さtの絶縁コーティング9が施されて構成されている。
【0018】なお、上記いずれの実施の形態もロックリング内面6Cには絶縁コーティングは施されない。上記絶縁ロックリング6は、図4に拡大して示すように、受口1内面の周方向溝2にロックリング6を収納した後、挿口3を挿入し、受口内面と挿口外周の周方向溝2、4を対向させた位置で、セットボルト7をねじ込みロックリング6を挿口3外周の周方向溝4へ押し込み接合作業を終了する。
【0019】この時、セットボルト7のねじ込み時、ロックリング6外周面にはボルト7先端によって強い局部応力が発生するが、外周部分には絶縁コーテイング9が厚く設けられているため、完全に破壊されにくく、セットボルト7とロックリング6とが直接接触、導通してしまうことはない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によればロックリングの外面が厚い絶縁コーテイングで覆われているため、セットボルトの締め付けを強く行なっても容易に破壊されることがなく相互の絶縁が確実に維持できる。
【0021】また、絶縁コーティングはロックリングの外周面を盗肉してその厚さ分だけ設けるから、寸法的条件の厳しいロックリングであっても、従来では不可能であった厚い絶縁コーティングを設けることができる効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−94154
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−259128