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【発明の名称】 管継手および管継手の製造方法
【発明者】 【氏名】大沼 浩身

【氏名】影山 英樹

【氏名】長井 卓夫

【氏名】マツル・マニッシュ

【要約】 【課題】継手本体内に挿入される各接続管内に挿入されるように、継手本体内に配置される防食コアを容易に取り付けることができる。

【解決手段】一対の接続管20がそれぞれ挿入される円筒状の一対の継手本体11が設けられており、各継手本体11の各接続管20が挿入される開口端面に近接した端部内周面に、抜け止め用溝部11bが全周にわたって設けられて、抜け止め用溝部11b内に抜け止めリング13がそれぞれ嵌合されている。各継手本体11の他方の端部内周面には凹部11aが全周にわたって設けられており、各継手本体11の凹部11a内に金属製の連結体17が嵌合されてネジ結合されている。この連結体17の内周面には、合成樹脂製の防食コア12が一体的に取り付けられており、コア本体部12aが、各継手本体11内に挿入される各接続管20内に、それぞれ止水状態で嵌合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接続管が挿入されるように、一方の端面が開口した円筒状をしており、接続管が挿入される端部内周面に、抜け止め用溝部が全周にわたって設けられた継手本体と、継手本体における接続管が挿入される端部とは反対側の端部に、他の継手本体を接続し得るように、継手本体に接続された金属製の円筒状をした連結体と、この連結体の内周面に一体的に取り付けられており、連結体に接続された継手本体内に挿入される接続管が止水状態で嵌入される円筒状をした合成樹脂製の防食コアと、周方向の一部が分断されたCリングによって、前記継手本体内に挿入される接続管の外周面に係止するように、接続管の外径よりも小さな内径に構成されており、前記抜け止め用溝部内に嵌合された抜け止めリングと、を具備することを特徴とする管継手。
【請求項2】 前記継手本体の内周面には、挿入される接続管の外周面に圧接されて止水する止水パッキンが設けられている請求項1に記載の管継手。
【請求項3】 前記連結体と防食コアとが、防食コアを射出成形によって成形する際に一体化されている請求項1に記載の管継手。
【請求項4】 円筒状をした連結体の内周面に、接続管が止水状態で嵌入されるようになった円筒状の合成樹脂製防食コアを一体的に取り付ける工程と、連結体が一方の端部に接続される円筒状をした継手本体の内周面に、止水パッキンまたは抜け止めリングを装着する工程と、内周面に止水パッキンまたは抜け止めリングが装着された継手本体の一方の端部に、防食コアが一体的に取り付けられた連結体を接続する工程と、を包含することを特徴とする管継手の製造方法。
【請求項5】 円筒状の継手本体と、継手本体における一方の端部に継手本体と同心状態で接続される円筒状の金属製の連結体と、この連結体の内周面に一体的に取り付けられて、端部外周面に溝部または突起部が設けられた円筒状の合成樹脂製の防食コアとを有する管継手の製造方法であって、型開きおよび型締め可能になっており、内部に連結体および防食コアの外形に対応した形状の空間が形成されたキャビティ型のその空間内に連結体を配置した後に、防食コアの内周面に対応した外周面を有するコア型をキャビティ型の空間内に挿入してキャビティを形成し、そのキャビティ内にて溶融樹脂を充填して冷却することにより、連結体が一体になった防食コアを製造する工程と、防食コアに一体化された連結体に継手本体を接続する工程と、を包含することを特徴とする管継手の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の接続管同士を相互に接続するために使用される管継手およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一対の接続管同士を接続するために使用される管継手の一例が、特開平4−203688号公報に開示されている。この管継手は、一対の接続管がそれぞれ挿入されるように各端面がそれぞれ開口された円筒状の継手本体を有しており、この継手本体内に、各端面から挿入される各接続管の外周面に水密状態で圧接される一対の止水パッキンと、継手本体内に挿入された各接続管の外周面に係止されるように、各接続管の外径よりも小さな内径を有する一対の抜け止めリングとが、継手本体の各端部内周面にそれぞれ設けられた一対の溝部内にそれぞれ配置されている。各抜け止めリングは、それぞれ、周方向の一部が分断されたCリングによって、拡径し得るように構成されている。各抜け止めリングの内周面は、継手本体の内奥側になるにつれて、内径が順次小さくなったテーパー面にそれぞれ構成されている。
【0003】継手本体内の軸方向中央部内には、円筒状をした合成樹脂製の防食コアが設けられている。この防食コアは、継手本体の各端面開口からそれぞれ挿入される接続管内に、各端部がそれぞれ挿入された状態になり、防食コアの各端部と接続管内周面とが、止水状態にシールされるようになっている。これにより、接続管が金属によって構成されていても、接続管の端部の腐食が防止される。
【0004】防食コアは、継手本体に対して、ネジ結合によって、あるいは一体成形によって、継手本体の内部に取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような管継手では、継手本体内の軸方向中央部に防食コアを設けなければならず、製造することが容易でないという問題がある。例えば、継手本体内に防食コアをネジ結合させる場合には、防食コアが継手本体内の軸方向中央部に配置されるために、ねじ込み作業が容易にできない。また、防食コアの各端部外周面には、接続管内周面との間を止水するOリングが嵌合される溝部や、止水用の突起部を一体成形する必要があるが、継手本体と防食コアとを一体成形する場合には、防食コアが継手本体の内部に同心状態で配置されるために、溝部や突起部がアンダーカットになり、容易に成形することができない。
【0006】本発明は、このような問題を解決するものであり、その目的は、接続管の内部に嵌合される防食コアを、継手本体の内部に一体的に容易に配置することができる管継手およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の管継手は、接続管が挿入されるように、一方の端面が開口した円筒状をしており、接続管が挿入される端部内周面に、抜け止め用溝部が全周にわたって設けられた継手本体と、継手本体における接続管が挿入される端部とは反対側の端部に、他の継手本体を接続し得るように、継手本体に接続された金属製の円筒状をした連結体と、この連結体の内周面に一体的に取り付けられており、連結体に接続された継手本体内に挿入される接続管が止水状態で嵌入される円筒状をした合成樹脂製の防食コアと、周方向の一部が分断されたCリングによって、前記継手本体内に挿入される接続管の外周面に係止するように、接続管の外径よりも小さな内径に構成されており、前記抜け止め用溝部内に嵌合された抜け止めリングと、を具備することを特徴とする。
【0008】前記継手本体の内周面には、挿入される接続管の外周面に圧接されて止水する止水パッキンが設けられている。
【0009】前記連結体と防食コアとが、防食コアを射出成形によって成形する際に一体化されている。
【0010】本発明の管継手の製造方法は、円筒状をした連結体の内周面に、接続管が止水状態で嵌入されるようになった円筒状の合成樹脂製防食コアを一体的に取り付ける工程と、連結体が一方の端部に接続される円筒状をした継手本体の内周面に、止水パッキンまたは抜け止めリングを装着する工程と、内周面に止水パッキンまたは抜け止めリングが装着された継手本体の一方の端部に、防食コアが一体的に取り付けられた連結体を接続する工程と、を包含することを特徴とする。
【0011】また、本発明の管継手の製造方法は、円筒状の継手本体と、継手本体における一方の端部に継手本体と同心状態で接続される円筒状の金属製の連結体と、この連結体の内周面に一体的に取り付けられて、端部外周面に溝部または突起部が設けられた円筒状の合成樹脂製の防食コアとを有する管継手の製造方法であって、型開きおよび型締め可能になっており、内部に連結体および防食コアの外形に対応した形状の空間が形成されたキャビティ型のその空間内に連結体を配置した後に、防食コアの内周面に対応した外周面を有するコア型をキャビティ型の空間内に挿入してキャビティを形成し、そのキャビティ内にて溶融樹脂を充填して冷却することにより、連結体が一体になった防食コアを製造する工程と、防食コアに一体化された連結体に継手本体を接続する工程と、を包含することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の管継手の実施の形態の一例を示す一部破断正面図である。この管継手10は、鋼管によって構成された管本体部21の内周面が硬質塩化ビニル製の被覆層22によってライニングされた一対の接続管20同士を接続するために使用されるようになっており、図1では、管継手10に対して1本の接続管20が接続された状態を示している。接続管20の端部外周面には、係合溝20aが全周にわたって設けられている。この係合溝20aは、底面が接続管20の外周面に平行になった断面四角形状に構成されている。
【0014】管継手10は、内径および外径が一定の円筒状をした一対の継手本体11と、各継手本体11同士を同軸状態で相互に連結する円筒状の連結体17とを有している。各継手本体11は、それぞれの一方の端部内周面に、凹部11aがそれぞれ全周にわたって設けられている。各凹部11aは、その端部に近接した端面に開口している。各凹部11aの内周面には、ネジ溝11dがそれぞれ設けられている。各継手本体11は、それぞれ同様の形状に構成されており、各凹部11a同士が相互に突き合わされた同軸状態で相互に連結されるようになっている。
【0015】各継手本体11における凹部11aが設けられた端部とは反対側の端部内周面には、抜け止めリング13が嵌入する抜け止め用溝部11bがそれぞれ全周にわたって設けられている。各抜け止め用溝部11bは、それぞれ、断面四角形状に構成されている。各抜け止め用溝部11b内には、継手本体11内に挿入される接続管20の端部に設けられた係合溝20a内に嵌入する抜け止めリング13がそれぞれ嵌合されている。
【0016】各継手本体11における抜け止め用溝部11b内にそれぞれ嵌入された抜け止めリング13は、周方向の一部が分断されたCリングによってそれぞれ構成されている。各抜け止めリング13の外周面は、軸方向に沿った一定の外径になっており、一方の端面13bは、外周面とは直交状態になった平坦面に構成されている。抜け止めリング13の内周面は、その平坦面になった端面13bの内周縁から、その端面13bから離れるにつれて内径が順次大きくなったテーパー面13aになっており、抜け止めリング13の外周面における端面13bが設けられた端縁とは反対側に位置する端縁に連続している。抜け止めリング13の端面13bとテーパー面13aとによって構成された角部の内径は、接続管20の外径よりも小さくなっている。また、抜け止めリング13の外径は、抜け止めリング13が嵌入される継手本体11の抜け止め用溝部11bの内径よりも小さくなっている。
【0017】このような構成の抜け止めリング13は、例えば、ステンレスによって構成されており、平坦な端面13bが、継手本体11の内奥側になるよう配置されて、縮径した状態で継手本体11内に挿入されて、各抜け止め用溝部11b内にそれぞれ嵌合されている。
【0018】各継手本体11の一方の端部に設けられた凹部11aと抜け止め用溝部11bとの間の内周面には、断面四角形状になったシール用溝部11cが、それぞれ全周にわたって設けられている。各シール用溝部11c内には、リング状の止水パッキン14がそれぞれ嵌入されている。各止水パッキン14は、シール用溝部11c内に嵌入した断面四角形のリング状をしたシール本体部14aと、このシール本体部14aの内周面における凹部11a側に位置する側部から、継手本体11の内奥部の中心側に向かって傾斜状態で延出するリング状のシール部14bとをそれぞれ有している。
【0019】各継手本体11を同心状態で連結する連結体17は、鋳鉄によって、各継手本体11の相互に突き合わされた各凹部11a内に嵌合される短い円筒状に構成されており、その外周面には、各凹部11a内周面に設けられたネジ溝11dにネジ結合されるネジ溝17aが全長にわたって設けられている。連結体17の軸方向中央部における内周面には、内側に突出する断面四角形状をした嵌合突条17bが全周にわたって設けられている。
【0020】連結体17の内部には、各継手本体11内に、挿入される接続管20の鋼管によって構成された管本体部21の端部の腐食を防止する円筒状の防食コア12が同心状態で配置されている。この防食コア12は、円筒状をしたコア本体部12aの軸方向の中央部外周面に、断面四角形状に突出したフランジ部12bが全周にわたって設けられており、このフランジ部12bの軸方向中央部における外周面に、連結体17の内周面に設けられた嵌合突条17bが嵌入する断面四角形状の嵌合溝部12dが全周にわたって設けられている。
【0021】防食コア12は、コア本体部12aおよびフランジ部12bが、合成樹脂によって一体に構成されており、鋳鉄によって構成された円筒状の連結体17とは、射出成形によって一体化されている。連結体17に一体化されたコア本体部12aは、連結体17によって相互に同心状に連結される各継手本体11に対して、各継手本体11の内周面とは所定の間隔をあけた同心状態に配置されるようになっている。防食コア12におけるコア本体部12aの各端部外周面には、溝部が全周にわたってそれぞれ設けられており、各溝部内にOリング12cがそれぞれ嵌合されている。
【0022】このような構成の管継手10は、図2に示すように、射出成形によって鋳鉄製の連結体17と一体成形された合成樹脂製の防食コア12が、各継手本体11とそれぞれネジ結合されることによって組み立てられる。
【0023】図3は、防食コア12の成形する金型の断面図である。金型30は、連結体17が取り付けられた防食コア12の外形と同様の内周面形状を有する空間を有するキャビティ型31と、連結体17が一体化された防食コア12と同様の形状のキャビティ33が形成されるように、その空間内に同心状態で挿入された一対のスライドコア32とを有している。キャビティ型31は、各スライドコア32の半径方向に型開きおよび型締めされるようになっている。各スライドコア32は、キャビテイ型31に対して、それぞれの軸方向にスライドし得るように構成されており、それぞれの先端部外周面は、先端側になるにつれて順次縮径されたテーパー状に構成されている。各スライドコア32の先端面は、キャビティ33における軸方向中央部にて相互に突き当てられるようになっており、それぞれの先端面は、相互に密着するように、それぞれ平坦に構成されている。
【0024】キャビティ33の軸方向中央部には、防食コア12のフランジ部12bおよび連結体17に対応した凹部33aが形成されており、その凹部33a内に連結体17が配置されている。キャビティ型31には、防食コア12におけるコア本体部12aの各端部に取り付けられる各Oリング12cが嵌入する溝部を形成するために、キャビティ33における各端部内に突出する突出部31aがそれぞれ設けられている。キャビティ型31には、キャビティ33内に連通するスプル34が設けられており、このスプル34には、スプル34とは直交状態になった溶融樹脂供給路35が連通している。溶融樹脂供給路35からスプルに供給される溶融樹脂は、スプル34を通ってキャビティ33内に充填される。
【0025】このような金型30は、キャビティ33の凹部33a内に連結体17を配置した状態でキャビティ型31を型締めして、キャビティ33内に、各スライドコア32を先端面同士が相互に突き当てられるように、それぞれ挿入する。そして、各スライドコア32の先端面同士を相互に圧接させる。このような状態で、溶融樹脂供給路35に溶融樹脂が供給され、スプル34を通ってキャビティ33内に溶融樹脂が充填される。
【0026】キャビティ33内に充填された溶融樹脂が固化されると、各スライドコア32が、相互に離れる方向にそれぞれ引き抜かれて、キャビティ型31が円筒状をしたキャビティ33の半径方向に型開きされ、連結体17が一体となった防食コア12が取り出される。
【0027】各スライドコア32は、それぞれの先端部外周面がテーパー状になっているために、固化した樹脂から容易に引き抜かれる。しかも、キャビティ型31は、円筒状をしたキャビティ33の半径方向に型開きされるために、キャビティ型31に、キャビティ33内に突出する突出部31aによって、防食コア12に、アンダーカットの溝部を形成することができる。
【0028】このように、防食コア12は、射出成形によって、フランジ部12bの外周面に金属性の連結体17を一体的に取り付けられた状態で成形される。
【0029】なお、キャビティ型31の内部に設けられる空間は、一方の端面を閉塞して、その空間内に1本のスライドコア32を挿入することによりキャビティ33を形成するようにしてもよい。また、スプル34は、防食コア12におけるコア本体部12に対応したキャビティ33部分に連通していればよい。
【0030】連結体17と一体化された防食コア12は、コア本体部12aの外周面が、フランジ部12bを除いて、連結体17によって覆われていないために、防食コア12の端部外周面に、Oリング12cが嵌合される溝部等を容易に成形することができる。従って、連結体17の軸方向長さは、合成樹脂製の防食コア12のフランジ部12bにおける基端部の軸方向長さよりも短いことが好ましい。
【0031】このようにして、連結体17が一体化された防食コア12が得られると、連結体17に、各継手本体11がそれぞれネジ結合されることによって、管継手10とされる。このとき、継手本体11には、抜け止め用溝部11bおよびシール用溝部11c内に、予め、抜け止めリング13および止水用パッキン14が、それぞれ、装着されており、抜け止めリング13および止水用パッキン14が、抜け止め用溝部11bおよびシール用溝部11c内にそれぞれ装着された継手本体11の端部に、防食コア12に一体化された連結体17がネジ結合される。
【0032】防食コア12のコア本体部12aは、連結体17からそれぞれ突出した状態になっており、継手本体11が連結体17に接続されると、継手本体11に装着された止水パッキン14は、防食コア12のコア本体部12a外周面に対向した状態になる。このように、予め継手本体11に装着される止水パッキン14は、防食コア12におけるコア本体部12aに対向した位置に配置することができるために、止水パッキン14を後付けするために、止水パッキン14が装着されるシール用溝部11bが防食コア12のコア本体部12aにて覆われないように、継手本体11の軸方向長さを長くする必要がなく、継手本体11の軸方向長さを短くすることができる。
【0033】抜け止めリング13が継手本体11における連結体17側に配置される場合も、同様に、継手本体11の軸方向長さを短くすることができる。
【0034】連結体17は、一対の継手本体11の凹部11a同士を相互に突き合わせた際に、両継手本体11の間に配置されるために、両継手本体11の軸方向中央部に容易に配置することができる。防食コア12は、鋳鉄製の連結体17と一体に成形されているために、合成樹脂製の防食コア12をネジ結合等によって継手本体11と接合する必要がなく、従って、防食コア12にネジ溝等を形成する必要がなく、防食ゴア12を剛性の低い合成樹脂によって製造し得る。
【0035】このようにして組み立てられた管継手10には、一対の接続管20が、各継手本体11の各端面開口からそれぞれ挿入される。継手本体11内に挿入された接続管20の端部は、各継手本体11内に支持された抜け止めリング13内に、抜け止めリング13を拡径しつつ挿入されて、止水パッキン14のシール部14b内に挿入され、さらに、各継手本体11内に同心状態で保持された防食コア12のコア本体部12a外周面と継手本体11内周面との間に挿入されて、防食コア12のフランジ部12bに突き当てられる。
【0036】この場合、抜け止めリング13の内周面は、継手本体11の内奥部側になるにつれて順次縮径したテーパー面13aになっているために、抜け止めリング13内に接続管20の端部が円滑に挿入される。
【0037】接続管20の端面が、防食コア12のフランジ部12bに突き当てられた状態になると、止水パッキン14のシール部14bが接続管20の外周面に対して全周にわたって水密状態で圧接されるとともに、抜け止めリング13の内周部分が、接続管20の外周面に設けられた係合溝20a内に嵌入した状態になる。
【0038】このような状態で、接続管20が管継手10から引き抜かれる方向に牽引されると、抜け止めリング13は、外周面と直角になった端面13bが、接続管20外周面に設けられた係合溝20aにおける接続管20の先端側の側面によって押圧され、抜け止めリング13の端面13bとテーパー面13aとによって構成された角部を中心として、内周面が外周側に向かって回動される。これにより、断面三角形状になった抜け止めリング13の端面13bとテーパー面13aとによって構成された角部が、接続管20の外周面に設けられた係合溝20aの底面に係止された状態になり、接続管20は管継手10から抜け止めされる。
【0039】なお、抜け止めリング13は、断面積が小さいほど、接続管20の端部が挿入されて拡径される際の力が小さくなるために、好ましい。
【0040】各継手本体11内にそれぞれ挿入された各接続管20の端部内周面は、防食コア12のコア本体部12aに設けられたOリング12cによってシールされており、また、各接続管12の先端は、防食コア12のフランジ部12bに突き当てられた状態になっているために、各接続管20における鋼管製の管本体部21の端部の腐食が防止される。
【0041】図4(a)は、本発明の管継手の実施の形態の他の例を分解して示す一部破断正面図、図4(b)は、その要部の拡大図である。この管継手10では、連結体17の外周面にネジ溝が設けられず、その外周面に、それぞれが断面円弧状をした一対の凹溝17dが、全周にわたって設けられている。そして、連結体17における各端面には、溝部17eがそれぞれ全周にわたって設けられており、その溝部17e内にOリング17fがそれぞれ嵌合されている。
【0042】連結体17によって連結される各継手本体11の一方の端部には、連結体17の軸方向の半体が嵌合される凹部11aがそれぞれ設けられている。この凹部11aを取り囲む外周部分は、薄肉に構成されており、その内周面にはネジ溝が設けられていない。連結体17の各半体部分に各継手本体11の凹部11aがそれぞれ嵌合された状態になると、各継手本体11の凹部11aを取り囲む周面部分が、それぞれ、連結体17の凹溝17d内に嵌入するようにかしめられる。これにより、各継手本体11同士が、連結体17によって一体的に連結される。そして、連結体17の各端面と各継手本体11の端面とが、各Oリング17fによってそれぞれ止水される。
【0043】なお、この管継手10では、連結体17の嵌合突条17bと防食コア12嵌合溝12dとの間に、予め、プライマーおよび接着剤が塗布されて、射出成形によって一体的に成形されている。また、各継手本体11内に挿入される接続管20は、鋼管によって構成された管本体部21の内周面が、ポリエチレンによって構成された被覆層22によってコーティングされており、防食コア12のコア本体部12aとは、コア本体部12aの各先端部外周面に全周にわたってそれぞれ設けられた突起部12eによって、被覆層22内周面との間が止水されている。
【0044】このように、コア本体部12aの各端部外周面に突起部12eがそれぞれ設けられた防食コア12も、図3に示す金型30を使用した射出成形によって、連結体17を一体化されるように製造することができる。
【0045】前記各実施の形態では、防食コア12を射出成形によって成形する際に連結体17を一体化する構成であったが、本発明はこのような構成に限らず、例えば、図5に示すように、防食コア12を、軸方向中央部にて二つ割りにした形状の各半体部分を予め成形して、各半体部分を連結体17の嵌合突条17bに嵌合させるようにしてもよい。この場合には、嵌合突条17bを、先端部が連結体17の軸方向に沿って突出した断面T字状に構成して、防食コア12の各半体部分も、この断面T字状の嵌合突条17bに嵌合する形状とされる。
【0046】また、連結体17と各継手本体11とを、相互にネジ結合する構成に替えて、図6に示すように、各継手本体11における凹部11aが設けられた一方の端部外周面にフランジ部11eを設けて、各継手本体11の凹部11a内に連結体17を嵌合させた状態で、各フランジ部11e同士を相互に突き合わせて、各フランジ部11e同士をボルトおよびナットによって締結することにより、継手本体11同士を相互に連結するようにしてもよい。この場合には、各継手本体11の凹部11aにおける内奥面にOリング11fをそれぞれ設けて、各Oリング11fを防食コア12のフランジ部12bの各端面に圧接させることにより、各継手本体11と連結体17との連結部が止水される。
【0047】図7は、本発明の管継手の実施の形態のさらに他の例を示す一部破断正面図である。この管継手10は、一対の継手本体11が、エルボ状に湾曲された連結体17の各端部にそれぞれ連結されている。連結体17は、鋳鉄によって構成されており、連結体17の各端部は、内径および外径が小さくなった連結部17gになっており、各連結部17gに各継手本体11がそれぞれ接続されるようになっている。各連結部17gの外周面には、断面四角形状の係止溝部17hがそれぞれ設けられている。
【0048】連結体17の内周面には、合成樹脂製の防食コア12が設けられている。防食コア12は、連結体17の内周面全体を被覆しており、防食コア12の各端部には、連結体17の各連結部17gから外方に突出したコア本体部12aがそれぞれ設けられている。コア本体部12aは、薄肉の円筒状をしており、接続管の内径よりも若干小さな外径を有している。コア本体部12aの先端部外周面には、Oリング12cが嵌合されている。
【0049】連結体17の各連結部17gにそれぞれ接続される各継手本体11は、一方の端部内周面に凹部11aがそれぞれ設けられており、各継手本体11における凹部11aを取り囲む周面部分には、それぞれが軸方向に沿って延びる複数のスリット11hが、周方向に等しい間隔をあけて設けられている。従って、凹部11aが設けられた各継手本体11の端部は、各スリット11hによって、拡径し得るようになっている。各凹部11aの開口端縁部には、内方に突出した係止爪部11gが全周にわたって設けられている。
【0050】各継手本体11の凹部11aが設けられた端部とは反対側の端部には、抜け止め用溝部11bがそれぞれ全周にわたって設けられており、各抜け止め用溝部11b内に、Cリングによって構成された抜け止めリング13がそれぞれ嵌合されている。各継手本体11の軸方向中央部の内周面には、シール用溝部11cがそれぞれ設けられており、各シール用溝部11c内に止水用パッキン14がそれぞれ嵌合されている。
【0051】このような構成の管継手10では、防食コア12と一体化された連結体17の各端部に設けられた連結部17gに、各継手本体11の凹部11aがそれぞれ嵌合される。このとき、各継手本体11の凹部11aにおける開口端縁部に設けられた係止爪部11gは、、各スリット11hによって拡径された状態で連結部17gに嵌合されて、係止溝部17h内に係止される。これにより、各継手本体11は、連結体17の各連結部17gに一体的に接続された状態になり、連結体17とは一体化された防食コア12のコア本体部12aが、各継手本体11内に同心状態で挿入される。
【0052】このような状態で、各継手本体11内に各接続管20がそれぞれ挿入されると、各接続管20の端部が、継手本体11内に同心状態で嵌合された防食コア12のコア本体部12aと継手本体12との間に挿入され、各接続管20の端部内周面が、防食コア本体部12aの先端部に設けられたOリング12cによって止水される。これにより、接続管20の端部が防食される。各継手本体11内にそれぞれ挿入された各接続管20は、前記各実施の形態と同様に、各抜け止めリング13によってそれぞれ抜け止めされるとともに、止水パッキン14によってシールされる。
【0053】図8は、このような管継手10の防食コア12を射出成形によって製造するために使用される金型30を示す断面図である。この金型30は、型締めおよび型開き可能になったキャビティ型31と、一対のスライドコア32とを有している。型締めされたキャビティ型31には、連結体17が一体化された防食コア12の外形状に対応した内形状を有する円弧状の空間が設けられており、この空間内に、円弧状に湾曲した連結体17が配置されている。空間内には、相互に直交するように、一対のスライドコア32がそれぞれ挿入されて、防食コア12に対応した形状のキャビティ33が形成されている。各スライドコア32の各先端面は、各スライドコア32が直交状態によなるように、それぞれの軸心に対して45度に傾斜している。そして、キャビティ33の一方の端部に連通するように、キャビティ型31内にスプル34が設けられており、このスプル34に溶融樹脂供給路35から溶融樹脂が供給されるようになっている。
【0054】このような構成の金型30によって、連結体17が一体となったエルボ型の防食コア12を射出成形によって成形することができる。
【0055】なお、キャビティ33に溶融樹脂を供給するスプル33は、キャビティ型31の内部に設ける構成に限らず、図9に示すように、一方のスライドコア32の軸心部に設けるようにしてもよい。
【0056】さらに、本発明の管継手10としては、T字状のチーズ型であってもよい。この場合には、図8に二点鎖線で示すキャビティ型31が使用される。
【0057】なお、前記各実施の形態では、連結体17の外周面に各継手本体11をそれぞれ嵌合して、連結体17によって各継手本体11を連結する構成であったが、例えば、図10に示すように、円筒状の連結体17の各端部内周面に、ネジ溝17mをそれぞれ設けて、継手本体11の端部外周面に設けられたネジ溝11mとネジ結合させるようにしてもよい。この場合、連結体17の軸方向中央部に内方に突出する突出部17nが設けられており、この突出部17nに継手本体11の端面がそれぞれ突き合わせられている。また、その突出部17nの内面にはネジ溝17pが設けられるとともに、防食コア12のフランジ部12b外周面にもネジ溝が設けられており、各ネジ溝同士がネジ結合されている。継手本体11には、前記各実施の形態と同様に、止水パッキン14および抜け止めリング13がそれぞれ設けられており、また、防食コア12におけるコア本体部12aの各端部には、Oリング12cがそれぞれ設けられている。
【0058】さらに、図11に示すように、円筒状の連結体17における端面に、継手本体11の端面を突き合わせて、連結体17と継手本体11とを溶接によって接続するようにしてもよい。この場合には、連結体17の内周面は、全長にわたって一定の内径になっており、防食コア12における一定の外径になったフランジ部12bの外周面に連結体17の内周面が接着されている。なお、継手本体11には、Oリングによって構成された止水パッキン14および抜け止めリング13が設けられており、また、防食コア12におけるコア本体部12aの各端部には、突起部12dがそれぞれ設けられている。
【0059】また、連結体17が円弧状に湾曲している場合には、防食コア12を射出成形によって成形する際に連結体17を一体化させる方法のみならず、連結体17内に円弧状に湾曲した防食コア12を挿入して接合する方法でも製造し得る。この場合には、円弧状に湾曲した防食コア12を連結体17内に挿入することができないために、防食コア12を長手方向の中央部にて、軸心に対して45度の傾斜面にて切断し、切断された防食コア12の各半体部分を、連結体17の各端面からそれぞれ挿入して突き合わせ、突き合わされた各端面同士を接合すればよい。連結体17がT字状をしたチーズ型の場合にも、連結体17の各端面から、3つに分割された防食コア12をそれぞれ挿入して接合することによって製造することができる。また、チーズ型の場合には、防食コア12を直管状の本体部分と枝管部分とに2分割して、継手本体内にて両者を接合するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明の管継手は、このように、一対の継手本体を連結する連結体に、合成樹脂製の防食コアが一体的に取り付けられているために、合成樹脂製の防食コアを各継手本体の内部に内部に容易に取り付けることができる。しかも、防食コアにおけるコア本体部外周面に、溝等を、射出成形によって容易に成形することができる。
【0061】本発明の管継手の製造方法では、継手本体に抜け止めリングまたは止水パッキンを装着した後に管継手に連結体を接続するようになっているために、抜け止めリングまたは止水パッキンを管継手に容易に装着することができ、しかも、継手本体の軸方向長さを短くすることができる。
【0062】さらに、本発明の管継手の製造方法は、防食コアにアンダーカットが設けられていても射出成形によって容易に製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開平11−94143
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−253421