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【発明の名称】 合成樹脂管用継手
【発明者】 【氏名】杉浦 鋭一

【氏名】鎌田 建次

【氏名】鵜沢 道雄

【氏名】佐竹 正明

【氏名】芝崎 智

【要約】 【課題】製造コストが安価で、しかも合成樹脂管同士を容易且つ短時間に接合することができる。

【解決手段】接合すべき合成樹脂管の管端1外面に跨がって装着される、管端1外面に当接するフランジ9Aが両端内周面に形成された円筒状継手本体9と、継手本体9と管端1外面との間の空間10内に溶融状態で充填され、固化する熱可塑性合成樹脂11とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接合すべき合成樹脂管の管端外面に跨がって装着される、前記管端外面に当接するフランジが両端内周面に形成された円筒状継手本体と、前記継手本体と前記管端外面との間の空間内に溶融状態で充填され、固化した熱可塑性合成樹脂とからなることを特徴とする合成樹脂管用継手。
【請求項2】 前記継手本体の一端側に溶融した前記熱可塑性合成樹脂の充填孔が形成され、前記継手本体の他端側に排気孔が形成されていることを特徴とする、請求項1記載の合成樹脂管用継手。
【請求項3】 前記フランジの前記管端外面との当接面には、ラビリンスが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の合成樹脂管用継手。
【請求項4】 前記継手本体の軸線方向中央部の内周面には、前記管端が当接する位置決め用ストッパーが突設され、前記ストッパーには、前記空間内に充填される溶融した前記熱可塑性合成樹脂が流入する連通孔が形成されていることを特徴とする、請求項1から3のうちの何れか1つに記載された合成樹脂管用継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成樹脂管の継手構造、特に、製造コストが安価で、しかも合成樹脂管同士を容易且つ短時間に接合することができる合成樹脂管用継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水道管等に使用されているポリエチレン樹脂管の接合継手として合成樹脂管用電気融着継手がある。この合成樹脂管用電気融着継手は、図3に示すように、両管端部1に跨がって装着されるポリエチレン樹脂製の厚肉の筒状継手本体2と、継手本体2内に埋設されたコイル状ニクロム線からなる通電発熱体3とを有するものである。通電発熱体3には、ターミナル4を介して電源5から電流が流される。電流は、コントローラ6によって制御される。
【0003】上述した従来継手によってポリエチレン樹脂管端部1同士を接合するには、次のようにする。即ち、管端部1の外表面を切削して酸化等により劣化した部分を除去する。次いで、両管端部1に跨がって継手本体2を装着する。そして、通電発熱体3に通電して、管端部1の外周面と継手本体2の内周面とを加熱、溶融させる。かくして、両管端部1が互いに融着し、接合される。
【0004】なお、図4に示すように、継手本体2には、管端部1の外周面と継手本体2の内周面との溶融状態を管理するためのインジケーター7が設けられている。インジケーター7は、継手本体2に形成された貫通孔8内に挿通された棒体からなっている。通電によって管端部1の外周面と継手本体2の内周面とが溶融すると、管端部1と継手本体2との接触部分の界面圧力が上昇するので、インジケーター7が隆起する。この隆起量を監視することによって、管端部1の外周面と継手本体2の内周面との溶融状態を管理することができる。インジケーター7が図5に示すように、継手本体2の表面よりも隆起したら、管端部1の外周面と継手本体2の内周面とが完全に溶融したと判断して通電を中止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の合成樹脂管用継手は、以下のような問題があった。
■ 通電発熱体が埋め込まれ、しかも、厚肉であるので、大口径になるほど継手本体2の製造原価が上昇する。
■ 溶融に際して管端部1と継手本体2とを密着させる必要があるが、このためにクランプ治具によって管端部1を強固にクランプする必要があり、この作業に時間がかかる。
■ 通電を開始してから管端部1の外周面と継手本体2の内周面とが加熱、溶融するのに時間がかかる。
【0006】従って、この発明の目的は、製造コストが安価で、しかも合成樹脂管同士を容易且つ短時間に接合することができる合成樹脂管用継手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、接合すべき合成樹脂管の管端外面に跨がって装着される、前記管端外面に当接するフランジが両端内周面に形成された円筒状継手本体と、前記継手本体と前記管端外面との間の空間内に溶融状態で充填され、固化した熱可塑性合成樹脂とからなることに特徴を有するものである。
【0008】請求項2記載の発明は、前記継手本体の一端側に溶融した前記熱可塑性合成樹脂の充填孔が形成され、前記継手本体の他端側に排気孔が形成されていることに特徴を有するものである。
【0009】請求項3記載の発明は、前記フランジの前記管端外面との当接面には、ラビリンスが形成されていることに特徴を有するものである。請求項4記載の発明は、前記継手本体の軸線方向中央部の内周面には、前記管端が当接する位置決め用ストッパーが突設され、前記ストッパーには、前記空間内に充填される溶融した前記熱可塑性合成樹脂が流入する連通孔が形成されていることに特徴を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、この発明の合成樹脂管用継手の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0011】図1は、管端に装着された、この発明の合成樹脂管用継手の一実施態様を示す断面図、図2は、図1の部分拡大図である。図1及び図2において、9は、接合すべき合成樹脂管の管端1の外面に跨がって装着される円筒状継手本体である。継手本体9は、金属製又は後述する熱可塑性合成樹脂の溶融温度(180℃)で軟化しない合成樹脂製とする。継手本体9は、一体化された円筒形状のものでも、互いに結合可能な半円筒形状のものであっても良い。9Aは、継手本体9の両端内周面に形成されたフランジであり、管端1の外面に当接する。フランジ9Aにおける管端1の外面との当接面には、図2に示すように、管端1の外面との水密性を高くするためにラビリンス9Bが形成されている。9Cは、継手本体9の一端側に設けられた、後述する溶融熱可塑性合成樹脂の充填孔であり、9Dは、継手本体9の他端側に形成された排気孔である。9Eは、継手本体9の軸線方向中央部の内周面に突設されたストッパーであり、その内径寸法は、管端1の内径寸法より若干大きい。ストッパー9Eは、継手本体9内に挿入される管端1の位置決めをする。ストッパー9Eには、前記溶融熱可塑性合成樹脂が流入する連通孔9Fが複数個、形成されている。
【0012】10は、管端1と継手本体9との間に形成された空間である。11は、充填孔9Cから空間10内に充填される溶融ポリエチレン等の溶融熱可塑性合成樹脂である。
【0013】以上のように構成されている、この発明の合成樹脂管用継手によれば、以下のようにして、合成樹脂管端1同士が互いに接続される。先ず、両管端1をこれらがストッパー9Eに当接するまで継手本体9内に挿入する。このようにして、継手本体9を管端1に装着したら、継手本体9の充填孔9Cから溶融ポリエチレン等の溶融熱可塑性合成樹脂11を空間10内に充填する。溶融熱可塑性合成樹脂11は、連通孔9Fを通って空間10内に隙間なく行き渡る。このときの空気抜きは、排気孔9Dから行われる。空間10内に充填された溶融熱可塑性合成樹脂11は、時間の経過と共に硬化するが、管端1の外面も一部溶融して、溶融熱可塑性合成樹脂11と一体化する。従って、管端1は、硬化した熱可塑性合成樹脂11及び継手本体9によって互いに接合される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、接合すべき合成樹脂管の管端外面に跨がって装着される、前記管端外面に当接するフランジが両端内周面に形成された円筒状継手本体と、前記継手本体と前記管端外面との間の空間内に溶融状態で充填され、固化した熱可塑性合成樹脂とから構成されているので、上述した従来の合成樹脂管用継手と比べて、以下のような有用な効果がもたらされる。
■ 通電発熱体が不要であり、しかも、薄肉であるので、大口径であっても、継手本体の製造コストは、安価で済む。
■ 継手本体の空間内に溶融熱可塑性合成樹脂を流し込むだけなので、管端を強固にクランプする必要がない。
■ 熱可塑性合成樹脂を予め溶融させておくことによって、管端接合時間を大幅に短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
【公開番号】 特開平11−13980
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−163769