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【発明の名称】 配管接続用工具
【発明者】 【氏名】大熨 元徳

【氏名】中村 聡

【要約】 【課題】筒状継手の不規則な変形が生ぜず、筒状継手を金属管と共に常に一定した深さに凹入させることができるようにした配管接続用工具を提供する。

【解決手段】駆動手段7によって筒状継手2外面を継手中心側にスポット状に押圧するロッド6をベース5に設け、ロッド6の中心延長軸線Rに直交する面で当接する一対のホルダー12,13に半円形状の継手保持部14,15を形成し、一方のホルダー12をロッド6にスライド可能に保持させ、他方のホルダー13をベース5に固着し、ロッド6の継手押圧方向の移動に伴って、継手保持部14,15が筒状継手2を包囲して後に、付勢手段17に抗して継手外面をロッド先端で凹入させるように構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製の筒状継手を、これに内嵌合させた金属管と共にスポット状に凹入させて、金属管を筒状継手に接続するための配管接続用工具であって、半円形状の継手保持部を備えた一対のホルダーと、一方のホルダーの継手保持部から出没可能に構成された突起体とを備え、両ホルダーの継手保持部により接続対象の継手外面を拘束した状態で、突起体を突出動作させることにより、継手外面をスポット状に凹入させるように構成して成る配管接続用工具。
【請求項2】 金属製の筒状継手を、これに内嵌合させた金属管と共にスポット状に凹入させて、金属管を筒状継手に接続するための配管接続用工具であって、駆動手段によって筒状継手の外面を継手中心に向けてスポット状に押圧するロッドをベースに設け、このロッドの中心延長軸線に直交する面で互いに当接し合う一対のホルダーに、互いの当接状態で接続対象の継手外面にほゞ密着する半円形状の継手保持部を形成し、このホルダーの一方を前記ロッドにスライド可能に保持させ、他方を前記ベースに固着し、かつ、前記ロッドの継手押圧方向の移動に伴って、ロッド先端が継手外面を凹入する前に、前記一対のホルダーを当接させる付勢手段を設けて、一対のホルダーの継手保持部が筒状継手を包囲して後に、前記ロッドにより継手外面をスポット状に凹入させるように構成して成る配管接続用工具。
【請求項3】 接続対象の継手サイズに応じて、前記一対のホルダーを、異なる半径の継手保持部を形成した一対のホルダーと交換可能に構成してある請求項1に記載された配管接続用工具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の金属管(例えば、それぞれが薄肉のステンレス管や鋼管、その他、軟質のアルミ管や銅管など)を、金属製の筒状継手(ソケットやエルボ、チーズなど)に内嵌合させ、この筒状継手を金属管と共にスポット状に凹入させる配管接続用工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の所謂プレス式の配管接続用工具としては、図10に示すように、固定ホルダー31と、駆動手段によって固定ホルダー31側に押圧駆動される可動ホルダー32とを、この可動ホルダー32の押圧駆動方向に直交する面で互いに当接離間可能に設けると共に、各ホルダー31,32に、互いの当接状態で接続対象の継手外面にほゞ密着する半円形状の継手保持部33,34を形成し、かつ、可動ホルダー32の継手保持部34に、筒状継手35の外面を継手中心Pに向けてスポット状に押圧する突起36を設けたものが知られている。
【0003】上記構成の配管接続用工具によれば、筒状継手35に金属管37を内嵌合させ、この筒状継手35に固定ホルダー31側の継手保持部33を当て付け、かつ、この固定ホルダー31に向けて可動ホルダー32を押圧駆動させると、筒状継手35が、これに内嵌合させた金属管37と共に、上記の突起36によってスポット状に凹入され、その凹入部(図5に示したi,jに相当する)どうしの係止によって、金属管37が筒状継手35に抜け止め接続されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の上記配管接続用工具では、筒状継手35が、最終的には、固定ホルダー31の継手保持部33と可動ホルダー32の継手保持部34とで全周を包囲した状態に保持されるが、突起36が継手外面をスポット状に押圧し始めた時点では、両ホルダー31,32はまだ当接しておらず、継手保持部33,34による拘束作用を受けていない。つまり、上記工具による配管接続の工程では、筒状継手35の半分を固定ホルダー31の継手保持部33に当接させた状態で、突起36が継手外面に当接し、継手外面をスポット状に凹入変形させた後、可動ホルダー32の継手保持部34が筒状継手35の残り半分に当接し、両ホルダー31,32の継手保持部33,34が継手外面の全周を包み込むことになる。
【0005】従って、筒状継手35は、継手保持部33,34による完全な拘束なしに外面を突起36でスポット状に押圧されることになり、突起36による強い押圧力をスポット状に受けた際、その周辺が継手中心側へへしゃがるように撓み変形して、突起36による筒状継手35の凹入深さが浅くなってしまうだけでなく、撓み具合も一定しないことから、その凹入深さも不確定になり易いという欠点があった。
【0006】本発明は、上記の従来欠点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、筒状継手の不規則な変形が生ぜず、筒状継手を金属管と共に常に一定した深さに凹入させることができるようにした配管接続用工具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、金属製の筒状継手を、これに内嵌合させた金属管と共にスポット状に凹入させて、金属管を筒状継手に接続するための配管接続用工具を構成するにあたり、半円形状の継手保持部を備えた一対のホルダーと、一方のホルダーの継手保持部から出没可能に構成された突起体とを設け、両ホルダーの継手保持部により接続対象の継手外面を拘束した状態で、突起体を突出動作させることにより、継手外面をスポット状に凹入させるように構成している。
【0008】この構成によれば、両ホルダーの継手保持部によって継手外面を拘束した状態で、突起体が継手外面をスポット状に押圧するので、筒状継手の不規則な変形が生ぜず、筒状継手を金属管と共に常に一定した深さに凹入させることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、金属製の筒状継手を、これに内嵌合させた金属管と共にスポット状に凹入させて、金属管を筒状継手に接続するための配管接続用工具であって、駆動手段によって筒状継手の外面を継手中心に向けてスポット状に押圧するロッドをベースに設け、このロッドの中心延長軸線に直交する面で互いに当接し合う一対のホルダーに、互いの当接状態で接続対象の継手外面にほゞ密着する半円形状の継手保持部を形成し、このホルダーの一方を前記ロッドにスライド可能に保持させ、他方を前記ベースに固着し、かつ、前記ロッドの継手押圧方向の移動に伴って、ロッド先端が継手外面を凹入する前に、前記一対のホルダーを当接させる付勢手段を設けて、一対のホルダーの継手保持部が筒状継手を包囲して後に、前記ロッドにより継手外面をスポット状に凹入させるように構成した点に特徴がある。
【0010】上記の特徴構成によれば、金属管を内嵌合させた筒状継手に、ベース側ホルダーの継手保持部を当て付けて、ロッドを継手押圧方向に押圧移動させると、先ずはロッドに保持されたホルダーがベース側のホルダーに当接し、一対のホルダーの継手保持部が筒状継手を完全に包囲するように保持することで、筒状継手は拡がり変形することが完全に拘束される。
【0011】この筒状継手の拡がり変形の拘束に続いて、前記ロッドが筒状継手の外面を金属管と共にスポット状に凹入させるのであって、この凹入部どうしの係止によって、金属管が筒状継手に抜け止め接続されるのであり、この際、一対のホルダーが筒状継手の拡がり変形を完全に拘束させているので、その凹入深さが常に一定することになる。
【0012】請求項3に記載の発明は、接続対象の継手サイズに応じて、前記一対のホルダーを、異なる半径の継手保持部を形成した一対のホルダーと交換可能に構成した点に特徴がある。この構成によれば、一対のホルダーを交換するだけで、サイズの異なる筒状継手に対応でき、ベースは勿論、ロッドや駆動手段まで共用されるので、非常に経済的である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態にかゝるハンディタイプの配管接続用工具を示し、この工具は、図4に示すように、薄肉のステンレス管や鋼管、その他、アルミ管や銅管などの各種の金属管1を対象にして、この金属管1を、図示するソケットや、その他、エルボやチーズなどの各種金属製の筒状継手2に内嵌合させた状態で、筒状継手2を金属管1と共にスポット状に凹入させる所謂プレス式の配管接続用工具であって、上記したソケットタイプの筒状継手2は、継手本体両側の金属管差し込み管部3,3間の内部に、金属管1の差し込み位置を規定する位置規定部材4を設けると共に、この位置規定部材4の両側に、差し込み金属管1に対するシール用のOリングaを嵌着させるための凹溝bを形成して成る。
【0014】配管接続用工具を示す図1において、図中の5はアルミ製などの軽量の金属製ベースで、筒状継手2の外面を継手中心Pに向けてスポット状に押圧するロッド6と、このロッド6をロッド中心軸線Q方向に往動移動させる駆動手段7とを備えている。尚、ロッド6の先端側が、請求項1に記載の発明にいう突起体に対応する。
【0015】この実施の形態では、油圧シリンダ8のピストンロッド9を延長させて、その延長ロッド部分を継手押圧用のロッド6にする一方、油圧シリンダ8に圧油の循環供給ポンプ10を接続し、かつ、その接続管の途中に流路切り換え弁11を設けて、前記ロッド6を軸線Q方向に往動移動させる駆動手段7を構成しているが、例えば、ベース5の定位置で正逆転駆動されるボールナットにボールねじを螺着し、このボールねじを継手押圧用のロッド6にする一方、上記のボールナットに、これを正逆転駆動させる電動モータを連結して、駆動手段7を構成する等の変更が可能である。
【0016】12,13は、ロッド6の中心延長軸線Rに直交する面で互いに当接し合う一対のホルダーで、それぞれ磁性体製の継手受け具12a,13aと、凹凸の嵌合手段c,dを介して、この受け具12a,13aを相対回転不能に磁気吸着する保持具12b,13bとから成り、かつ、継手受け具12a,13aには、互いの当接状態で、接続対象とする筒状継手2の外面にほゞ密着する半円形状の継手保持部14,15が形成されている。
【0017】そして、一方のホルダー12には、当接面に直交して継手保持部14の半円中心を通る貫通孔16が形成されていて、この貫通孔16を通して、この一方のホルダー12が前記ロッド6にスライド可能に保持されている。他方のホルダー13は、継手保持部15を一方のホルダー12の継手保持部14に相対峙させて、それの保持具13bがベース5に連設の立ち上げ部材5aにビスe止めされている。
【0018】17は、一対のホルダー12,13を互いに離間させた状態で、一方のホルダー12の継手保持部14を、ロッド6の先端よりもやゝ突出させる付勢手段で、一方のホルダー12の保持具12bとロッド6とに、それぞれスプリング受け座18,19を連設すると共に、この受け座18,19間にコイルスプリング20を介在させ、かつ、このコイルスプリング20の両端部を、受け座18,19のそれぞれに連設させた膨出部f,hに無理嵌め連結して成り、前記ロッド6の継手押圧方向の移動に伴って、一対のホルダー12,13の離間状態では、一方のホルダー12がロッド6と一体に移動し、図2に示すように、一対のホルダー12,13が互いに当接してからは、図3に示すように、ロッド6のみが継手押圧方向に移動して、そのロッド先端を継手保持部14よりも突出させるように構成している。
【0019】尚、前記ロッド6に連設のスプリング受け座18は四角形であって、この受け座18をスライド可能に内装するケース21を、油圧シリンダ8のシリンダチューブに連設して、前記ロッド6を、それの中心軸線Qまわりで回転不能にしている。
【0020】かゝる構成の配管接続用工具による金属管1の筒状継手2に対する接続は、次のようにして行われる。即ち、図4に仮想線で示すように、金属管1の端部が位置規定部材4に当接するまで、金属管1を筒状継手2の差し込み管部3に差し込んで、図1に示すように、筒状継手2のOリングaよりも端部側の差し込み管部3に、他方のホルダー13を当て付ける。
【0021】次に、流路切り換え弁11を操作して、油圧シリンダ8のピストンロッド9ひいては継手押圧用のロッド6を継手押圧方向に移動させるのであり、この移動に伴って、先ずは、ロッド6にスライド可能に保持された一方のホルダー12が他方のホルダー13に当接(図2を参照)し、これによって、一対のホルダー12,13の継手保持部14,15が筒状継手2を完全に包囲するように保持することで、筒状継手2は拡がり変形することが完全に拘束される。
【0022】この筒状継手2の拡がり変形の拘束に続いて、前記ロッド6が筒状継手2の外面を打撃するように、この筒状継手2を金属管1と共にスポット状に凹入(図3及び図5を参照)させるのであって、この凹入部i,jどうしの係止によって、筒状継手2の膨らみ変形を一切伴わせないで、従って常に一定した凹入量で、金属管1を筒状継手2に抜け止め接続させることができる。
【0023】筒状継手2に対する接続対象が上記の金属管1とは異なる口径の場合は、図6に示すように、筒状継手2のサイズに応じた半径の継手保持部14,15を、別途形成した磁性体製の継手受け具12a,13aを用意しておいて、これを上記ホルダー12,13の保持具12b,13bに、磁気吸着によって付け替え、かつ、上記した接続手順で、筒状継手2を金属管1と共にスポット状に凹入させることで、図7に示すように、ロッド6の往動移動範囲を一定にして、常に一定深さの凹入部i,jをもって、金属管1を筒状継手2に抜け止め接続することができる。
【0024】上記の実施の形態では、一対のホルダー12,13の離間状態において、一方のホルダー12をロッド6と一体に移動させるために、コイルスプリング20の両端部を受け座18,19の膨出部f,hに無理嵌め連結させているが、これに代わる実施の形態として、図8に示すように、ロッド6とこれにスライド可能に保持させるホルダー12の一方(この実施の形態ではロッド6)に、ロッド中心軸線Q方向の長孔mを形成し、他方には、この長孔mに係入する連結ピンnを設けて、前記ホルダー12を、ロッド6に対して所定の範囲内(長孔mの範囲内)でスライド可能に保持させるように構成してもよいのである。
【0025】このように構成した配管接続用工具においても、上記した接続手順で、筒状継手2を金属管1と共にスポット状に凹入させることで、図9に示すように、ロッド6の往動移動範囲を一定にして、常に一定深さの凹入部i,jをもって、金属管1を筒状継手2に抜け止め接続することができる。
【0026】かゝる構成において、筒状継手2のサイズに応じた半径の継手保持部14,15を形成したホルダー(仮想線で示す)12,13を別途用意し、これらを連結ピンnによって及びビスeによって交換可能に構成することで、異なる口径の金属管1と筒状継手2との接続に対応することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、両ホルダーの継手保持部によって継手外面を拘束した状態で、突起体が継手外面をスポット状に押圧するので、筒状継手の不規則な変形が生ぜず、筒状継手を金属管と共に常に一定した深さに凹入させることができ、筒状継手に対する金属管の抜け止め接続が、所期通りに達成されることになる。
【出願人】 【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
【公開番号】 特開平11−13953
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−183031