| 【発明の名称】 |
形状記憶合金継手方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】榎本 邦夫
【氏名】天野 和雄
【氏名】藤森 治男
【氏名】増田 稔
【氏名】古川 秀康
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| 【要約】 |
【課題】接続終了後もSMA継手1のドライバー2はそのままの状態で実用に供されるとドライバー2が受ける静的および動的な流体力に対応してそれだけ過大な力が継手に作用することになる。
【解決手段】本発明によれば、原子炉のICMハウジング取り替えのように流体中で実用に供しても過大な流体力,振動荷重を受けず、かつルースパーツとならない強度信頼性と継手機能の高い管継手を供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】円または多角形の筒状金属をカプラーとして用い、該カプラーの両端または少なくとも一端の内側または外側にカプラーに嵌合する円または多角形の筒状の形状記憶合金ドライバーを設けた形状記憶合金継手を用いて、前記形状記憶合金ドライバーを原型形状へ回復させることによってカプラーを変形させて二つの部材を締結する形状記憶合金継手方法において、前記形状記憶合金ドライバーの形状が回復し、継手締結が終了した後に前記形状記憶合金ドライバーのみを前記カプラーから取り外し、該カプラーのみで二つの部材を締結することを特徴とする形状記憶合金継手方法。 【請求項2】請求項1において、カプラーに取り外し可能に備えた形状記憶合金ドライバーを用いたことを特徴とする形状記憶合金継手および継手方法。 【請求項3】請求項1および2において、形状記憶合金ドライバーが嵌め合される部分に対応するカプラーの嵌合相当部分の厚さを形状記憶合金ドライバーが嵌合されない部分よりも厚くしたカプラー、またはカプラー全長にわたって厚くしたカプラーの何れかを用いて、請求項1および2と同様に前記形状記憶合金ドライバーの形状が回復し、継手締結が終了した後に前記形状記憶合金ドライバーのみを前記カプラーから取り外し、該カプラーのみで二つの部材を締結することを特徴とする形状記憶合金継手および継手方法。 【請求項4】円または多角形の筒状金属のカプラーの外側に、大きさの異なる円または多角形の筒状金属のグリッパーを設け、該カプラーと該グリッパーの間の環状隙間に部分的に形状記憶合金ドライバーを介在させ、その後に該カプラーの内側二つの円または多角形の筒状部材を嵌めてしかる後に、形状記憶合金ドライバーを原型形状に回復させ、継手締結が終了した後に前記グリッパーと形状記憶合金ドライバーを取り外し、該カプラーのみで二つの部材を締結することを特徴とする形状記憶合金継手および継手方法。 【請求項5】円または多角形の筒状金属のカプラーの内側に、大きさの異なる円または多角形の筒状金属のグリッパーを設け、該カプラーと該グリッパーの間の環状隙間に部分的に形状記憶合金ドライバーを介在させ、その後に該カプラーの外側二つの円または多角形の筒状部材を嵌めてしかる後に、形状記憶合金ドライバーを原型形状に回復させ、継手締結が終了した後に前記グリッパーと形状記憶合金ドライバーを取り外し、該カプラーのみで二つの部材を締結することを特徴とする形状記憶合金継手および継手方法。 【請求項6】請求項4および5において、カプラーに取り外し可能に備えたグリッパーを用いたことを特徴とする形状記憶合金継手および継手方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は形状記憶合金継手に係り、特に原子力プラント用配管や炉内構造物の接続に使用するに好適な形状記憶合金継手に関するものである。 【0002】 【従来の技術】金属円筒製のカプラーの両端部の外側に形状記憶合金製の円環状のドライバーを備えた構造の形状記憶合金製継手が特開平4−92183号公報に開示されており、管,棒,線等の接続によく使われる。この例においてはカプラーの外径よりも内径を小さく作った原型ドライバーを拡管してドライバーと異なる金属製のカプラーの外径側に嵌合して取り付けられている。カプラーの内側に2本の管を挿入した後昇温し、形状記憶合金製のドライバーが熱弾性変態によって原型形状に回復して縮径するときにカプラーも縮径させて内挿された2本の管を接続するものである。挿入されるものが棒または線であっても同様である。形状記憶合金としてはNi−Ti系やCu系の金属がよく用いられ、原子炉のICMハウジング(炉心モニタハウジング)取り替えに従来技術を用いた例に図1を示す。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来技術では、図1のように接続終了後もSMA継手1のドライバー2はそのままの状態で実用に供される。接続終了後も原子炉のICMハウジング4取り替え工事のように流動する流体5中で実用に供する場合、ドライバー2が受ける静的および動的な流体力に対応してそれだけ過大な力が継手に作用することになる。また、振動6が作用する場合、ドライバー2のために振動荷重が増大し、共振特性も変わる。 【0004】その結果、継手の強度信頼性と継手機能信頼性を損ねる可能性も考えられる。特に図1のように原子炉3の炉内で使用する場合、もし万一ドライバー5が破損した場合にはドライバー2がルースパーツとなり、2次,3次の損傷原因にもなりかねない。また、流体5が腐食作用を有する場合、ドライバー2とカプラーまたは被締結体であるICMハウジング4との間の電気化学的腐食作用にために腐食に起因する損傷が強められる可能性も考えられる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明では締結終了後にドライバー取り外すこととした。ドライバー取り外しに対応して、予めドライバーを分割型の着脱容易構造とし、また、ドライバーを着脱容易にするため、円環状のドライバーからセグメント状とし、これをグリッパーで包む方式の着脱容易構造とした。ドライバー取り外すに伴う継手強度信頼性と継手機能低下を補うためにカプラーの厚みを部分的にまたはカプラー全長わたり厚くした。 【0006】 【発明の実施の形態】カプラーの厚みを部分的にまたは全長にわたって厚くしてあるためにドライバー取り外されても継手強度および機能は低下しない。ドライバーおよびグリッパーは分割型であるために継手締結終了後の取り外しが簡単となる。そのために締結終了後にドライバーおよびグリッパーを簡単に取り外し可能となり、取り外した後の継手強度および機能の信頼性が補償され、原子炉内で使用してもルースパーツになるおそれが全くない。本発明の実施例を図面を用いて以下に説明する。 (実施例1)図2から図4は請求項1の一実施例を示す。図2は円筒状金属製のカプラー7の両端外側にカプラー7に嵌合する円環状のSMA製の縮管ドライバー8−1および8−2を設けたSMA継手3を示す。図3は、継手締結するためにカプラー7の内側に二つの管10−1,10−2を挿入した状態を示す。縮管ドライバー8の内径はカプラー7の外径よりも小さい形(原型)に製作したものを拡管(変形:加工誘起変態によって起こる)して径を大きくして図2のように組み立てたものである。 【0007】この状態で変態終了温度以上に昇温すると、縮管ドライバー8は拡管前の原型形状に形状を回復しようとして縮径する。縮管ドライバー8の縮径によってカプラー7も縮径して管10−1と10−2を固着して、管10−1と10−2は接続される。通常はこの状態で使用に供される。縮管ドライバー8の形状回復による縮径が終了した後において、本発明では図4に示すように縮管ドライバー8を取り外して使用に供する。原子炉3の炉心モニタハウジング4(以下ICMハウジング)取り替え工事に従来技術を用いた例は先の図1に示したとおりである。従来技術の代わりに本実施例を用いて原子炉3のICMハウジング4取り替え工事に用いた例を図5に示す。本例によれば、冷却材である流体5が流動する中で実用に供する場合でも、縮管ドライバー8が受ける静的流体力および動的流体力も受圧面積の減少に対応して低くなり、流体振動や地震による振動荷重も縮管ドライバー8の質量低下に対応して低減することができる。 【0008】そのため原子炉環境中における疲労破壊や腐食に起因する損傷のおそれも低減され、強度信頼性と継手機能信頼性の両方を向上できる。縮管ドライバー8の取り外しは、原子炉3中では縮管ドライバー8を放電加工で半割れ状に切断して外すのがよい。原子炉中でない場合は通常の機械的切断によって外すことができる。 【0009】図6から図8は請求項1の別の実施例を示す。図6は円筒状金属製のカプラー7両端の内側にカプラー7に嵌合する円筒状のSMA製の拡管ドライバー11−1および11−2を設けた拡管型SMA継手12を示す。図7は、継手締結するためにカプラー7の外側に二つの管10−1,10−2を挿入した状態を示す。拡管ドライバー11の外径はカプラー7の内径よりも大きい形(原型)に製作したものを縮管(加工誘起変態)して径を小さくして図6のように組み立てたものである。 【0010】この状態で変態終了温度以上に昇温すると、拡管ドライバー11は縮管前の原型形状に形状を回復しようとして拡管する。拡管ドライバー11の拡管によってカプラー7も拡管して管10−1と10−2を固着して、管10−1と10−2は接続される。その後において、本発明では図8に示すように拡管ドライバー11を取り外して使用に供する。本例の効果も上で述べた縮管型SMA継手の場合と同様である。 【0011】図9は請求項2の実施例に用いる着脱を自在にできる両端部に着脱部13−a,13−bを備えた分割型ドライバー13を示す。図10は2個の分割型ドライバー13−1,13−2を用い、着脱部13−a,13−bを係合して円筒状の分割型ドライバー13に組み立てた状態を示す。この分割型ドライバー13を用いて、図2の例と同様に内側にカプラー7を装着することにより請求項1と同様に継手を構成することができる。本例によれば管を締結した後に、着脱部13−a,13−bの結合を外すことによって分割型ドライバー13を簡単に継手から外すことができ、カプラー7のみで継手を構成することができる。 【0012】図11は請求項3の実施例におけるSMA継手1に示す。本例ではドライバー2が嵌め合される部分に対応するカプラー7の嵌合相当部分7−a,7−bの厚さをSMA製のドライバー2が嵌合されない部分7−cよりも厚くしてある。本例においても、請求項1および2と同様にしてドライバー2の形状が回復し、継手締結が終了した後にドライバー2のみをカプラー7から取り外し、該カプラー7のみで二つの部材を締結する。本例によれば嵌合相当部分7−a,7−b厚さが厚いために締結部の強度を強くできるので、締結部の信頼性を向上することができる。 【0013】図12は請求項4の実施例におけるSMA継手1を示す。本例ではカプラー7の外側に、大きさの異なる筒状金属のグリッパー14−1,14−2を設け、カプラー7とグリッパー14の間の環状隙間に部分的にSMA製の収縮型セグメントドライバー15−1,15−2を挿入してある。図13は、収縮型セグメントドライバー15を挿入してある横断面を示す。 【0014】本例においても、これまでの例と同様にして収縮型セグメントドライバー15の形状が回復し、継手締結が終了した後にはグリッパー14と収縮型セグメントドライバー15をカプラー7から取り外し、該カプラー7のみで二つの部材を締結する。本例によればグリッパー14を取り外すだけで、収縮型セグメントドライバー15を極めて簡単に取り外すことができる。グリッパー14を分割型ドライバー13と同じ構造にしておくことにより、グリッパー14の取り外しそのものを簡単に行うことができる。 【0015】図14は請求項5の実施例におけるSMA継手1を示す。本例ではカプラー7の内側に、大きさの異なる筒状金属のグリッパー14−1,14−2を設け、カプラー7とグリッパー14の間の環状隙間に部分的にSMA製の伸長型セグメントドライバー16−1,16−2を挿入してある。 【0016】本例においても、カプラー7の外側に嵌めた2本の管を伸長型セグメントドライバー16の形状回復によって締結させた後にグリッパー14と伸長型セグメントドライバー16をカプラー7から取り外し、該カプラー7のみで2本の管を締結する。本例によればグリッパー14を取り外すだけで、伸長型セグメントドライバー16を極めて簡単に取り外すことができる。以上の実施例は全て円筒を例に取って説明してきたが、角筒の場合も以上の実施例と同様にして行うことができる。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、原子炉のICMハウジング取り替えのように流体中で実用に供しても過大な流体力,振動荷重を受けず、かつルースパーツとならない強度信頼性と継手機能の高い管継手を供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−13951 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−165604 |
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