| 【発明の名称】 |
金属部分と樹脂部分との接続構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 浩一
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| 【要約】 |
【課題】長時間高温に曝されたり高温状態と低温状態とが繰り返されたりしても、漏れを生じない金属部分と樹脂部分との接続構造を得る。
【解決手段】一端5a及び6aが金属材料であり、他端5b及び6bが樹脂材料であり、その間の5c、5d、5e及び6c、6d、6eを金属と樹脂との成分比を階段的に変化させて構成した傾斜機能材料を用いて形成した接続部材5及び6の一端5a及び6aを金属部分である本体2に接続し、他端5bに樹脂部分である電気融着継手7を一体成形したり、同じ樹脂部分であるソケット部6fを形成したりした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端を金属材料とし、他端を樹脂材料としその間を金属材料と樹脂材料との成分比を連続的または階段状に変化させて構成した傾斜機能材料を用いて形成した接続部材の一端を金属部分に接続し、他端に樹脂部分を形成したり接続したりして構成したことを特徴とする金属部分と樹脂部分との接続構造。 【請求項2】 上記傾斜機能材料の金属材料端部は上記金属部分との胴着に必要な厚さを有し、樹脂材料端部は溶融結合に必要な厚さを有していることを特徴とする請求項1記載の金属部分と樹脂部分との接続構造。 【請求項3】 請求項1記載の金属部分と樹脂部分とが配管器材の金属部分と樹脂部分であることを特徴とする請求項2記載の金属部分と樹脂部分との接続構造。 【請求項4】 上記の金属部分がバルブ又は管継手の金属製の本体であり、上記の樹脂部分がこれらのバルブ又は管継手の樹脂製の管継手部であって、上記の接続部材の一端を本体にねじ込み、圧入またはろう付けして接続し、他端に管継手部を形成したり接着又は一体成形して接続したりして構成したことを特徴とする請求項3記載の金属部分と樹脂部分との接続構造。 【請求項5】 上記の管継手部が電気融着継手であって、これを他端に一体成形して接続したことを特徴とする請求項4記載の金属部分と樹脂部分との接続構造。 【請求項6】 上記電気融着継手は熱融着継手であることを特徴とする請求項5記載の金属部分と樹脂部分との接続構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、諸器材における金属部分と樹脂部分との接続構造に関するものであり、例えば、バルブにおける金属部分である本体と樹脂部分である管継手部との接続構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】諸器材における金属部分と樹脂部分との従来の接続構造は、例えば電気融着付きのバルブにおける金属部分である本体と樹脂部分である電気融着継手との接続構造には、ねじ込み、ボルト締め、接着、一体成形などの様々な方法が用いられているが、これらの何れの方法においても、金属部分と樹脂部分との異質の材料を直接に圧着又は接着させる構造になっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】この場合、金属部分である本体の材料は例えば黄銅であり、樹脂部分である電気融着継手の材料はポリエチレン、ポリブテン等であって、両者の熱膨張係数に大きな差違がある。このため、高温流体用途に用いられて長時間高温に曝される場合、特に、高温状態と低温状態とが繰り返される場合には、主として樹脂部分が永久変形を起こしたり破壊したりして、気密性が損われる事により、両者の接触面を通って流体が漏出するようになることがある。 【0004】このことは、ねじ込みやボルト締めによって金属部分と樹脂部分とを圧接させた構造では特に起きやすいが、接着剤を用いて接着した場合でも、また、金属部分に樹脂部分を射出などによって一体に成形した場合でも、両者の接触面に剥離が起きて漏れを生ずることがある。更に、射出による一体成形の場合には樹脂を射出によって接着させる金属部分が黄銅の薄肉構造であったりして、射出圧力によってこの金属部分が変形して、成形作業が困難であったりする。 【0005】本発明は、上記のように諸器材における金属部分と樹脂部分との従来の接続構造において、特に、電気融着継手付きバルブにおける金属部分である本体と樹脂部分である電気融着継手との接続構造において、漏れが発生しやすいという問題点を解決するためのものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解決するために、次のようにした。まず、一端を金属材料とし、他端を樹脂材料とし、その間を金属材料と樹脂材料との成分比を連続的または階段状に変化させて構成した傾斜機能材料を用いて形成した接続部材の一端を金属部分に接続し、他端に樹脂部分を形成したり接続したりして金属部分と樹脂部分との接続構造を構成した。この場合、傾斜機能材料の金属材料端部は上記金属部分との胴着に必要な厚さを有し、樹脂材料端部は溶融結合に必要な厚さを有している。 【0007】上記の接続部構造は、上記の金属部分と樹脂部分とが配管器材の金属部分と樹脂部分である場合に適しており、特に、上記の金属部分がバルブまたは管継手の金属製の本体であり、上記の樹脂部分がこれらのバルブ又は管継手の樹脂製の管継手部である場合に好適で、上記の接続部材の一端を本体にねじ込み、圧入またはろう付けして接続し、他端に管継手部を形成したり接着又は一体成形して接続したりするとよい。 【0008】また、上記の管継手部が電気融着継手である場合、これを他端に一体成形して接続するとよい。また、電気融着継手は熱融着継手であることが好ましい。 【0009】本発明の金属部分と樹脂部分との接続構造を上記のように構成したので、次のように作用する。まず、金属部分は接続部材の一端すなわち金属材料に接続され、樹脂部分は接続部材の他端すなわち樹脂材料に形成したり接続したりされるので、同材料または同質の材料が接続されることになり、熱膨張係数に差違がなく、高温流体用途に用いられて長時間高温に曝されても、更に高温状態と低温状態とが繰り返されても永久変形や破壊が起きず、接続部の接触面を通って流体が漏れることがない。 【0010】また、接続部材の両端の金属材料と樹脂材料の間をこれらの材料の成分比を連続的又は階段状に変化させて傾斜機能材料に構成したので、この接続部材の中で熱膨張係数がスムーズに変化しており、温度変化に順応することができ、損壊を生ずることがない。 【0011】金属部分がバルブ又は管継手の本体である場合に、これに接続部材の金属材料部分をねじ込んでも、圧入しても、あるいはろう付けしても、両者に熱膨張係数に差違がないので、長時間高温に曝されたり、高温状態と低温状態とが繰り返されたりしても、これらの接続部から漏れを生ずることはない。 【0012】また、接続部材の樹脂部分である他端に管継手部を接着剤を用いて接着したり一体成形したりする場合、樹脂同士の接続であって確実かつ強固なものである。特に、管継手部が電気融着継手である場合、これを射出成形によって接続部材の他端に一体に形成させるのが、加工が容易であり、確実強固な方法である。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の1実施例であるバルブの縦断面図であって、1はバルブ、2はその本体であり、この本体2は黄銅製の金属部分である。2点鎖線で示した3及び4は樹脂管であって、5及び6は接続部材であり、接続部材5には樹脂部分である電気融着継手7が一体成形して接続されており、接続部材6では樹脂部分であるソケット部6fが形成されている。 【0014】接続部材5は、その一端5aが金属材料である黄銅、他端5bが樹脂材料であるポリブテンであって、その間を金属材料である黄銅と樹脂材料であるポリブテンとの成分比を階段上に変化させて部分5c、5d及び5eを形成させて構成した傾斜機能材料を用いて形成されており、黄銅とポリブテンとの成分比は、5cで75/25、5dで50/50、5eで25/75になっている。なお、5a、5c、5d、5e及び5bは一体不可分に形成されているので、図ではこれらの境を2点鎖線で示した。また、次に説明する電気融着継手7と他端5bとの境を1点鎖線で示した。ここで、5aの厚みは本体2への胴着に必要なネジ込み部分の長さを考慮しており、他端5bの厚みは7との所定の結合力を得ることを考慮している。 【0015】他端5bに電気発熱素子8を埋設した電気融着継手7を一体成形して樹脂管3を融着するように形成してある。この一体成形は、まず前述の傾斜機能材料を図2の断面図に示した5fの形状に加工しておき、これを図3の断面図に示した金型の中に装入し、更に電気発熱素子8やターミナル9を所定の位置に置いて、空間部10にポリブテンを射出して電気融着継手7を部分5fと一体成形する。図2においては一体成形する電気融着継手7を2点鎖線で示してあり、図3において11と12は母型の上型と下型であり、13は中子である。なお、図2に示した部分5fを本体にねじ込んでから一体成形を行ってもよい。 【0016】また、電気融着継手7を成形後、部分5fと電気融着継手7と熱融着(HF)若しくは接着剤を用いて接合することができる。さらに、バルブに対するターミナル9の向きを合わせる為に、バルブに部分5fを接合した後、熱融着若しくは接着剤を用いて電気融着継手7と部分5fを接合する。 【0017】接続部材6においても、一端6aは黄銅で、他端6bはポリブテンであり、そしてその間の6c、6d及び6eは黄銅/ポリブテンの成分比を75/25、50/50及び25/75と階段状に変化させてあり、このように構成した傾斜機能材料を用いてこの接続部材6が形成されており、そのポリブテン100%である他端6bに、樹脂管4を挿入して接着剤を用いて接着するようにソケット形の樹脂部分が形成してある。この接着剤を用いるかわりに熱融着(HF)で樹脂管4を接合しても良い。 【0018】接続部材5及び6は、何れも本体2にねじ込んであるが、圧入またはろう付けで接続してもよい。また、図1に示した実施例のバルブ1においては、一方の接続部材5には電気融着継手7が接続してあり、他方の接続部材6にはソケット部6fが形成してあるが、このような構成は説明の便宜状行ったもので、実際的なものではない。 【0019】次に、本発明の接続部材の材料である金属と樹脂とで構成する傾斜機能材料の成形方法を、上記の実施例における接続部材5及び6に用いた黄銅とポリブテンとで構成する傾斜機能材料について説明する。図4は成形型の一例を示す縦断面図であり、図5はそのA−A断面図である。金型14の円筒形の溝穴15に下方から15aにポリブテン、15bに黄銅とポリブテンの成分比25/75、15cに同じく50/50、15dに同じく75/25の混合、15eには黄銅を、何れも粉末で装入してある。 【0020】金型14に押さえ型16を乗せて、プレスによって押さえ型16を下方へ押し、溝穴15の中の粉末を圧縮する。次いで、この金型14を1100℃程度まで昇温した炉の中に入れて加熱し、適宜の時間保持した後取り出して冷却し、成形品を金型14から抜き出す。この間、15eの部分は黄銅の融点である1000℃に達し、15aの部分はポリブテンの融点である125℃に達している。このように温度差を生じさせるのは、図に見られるように、金型の肉厚によって熱勾配(内外の温度差)に差を生じさせることによる。これにより黄銅とポリブテンが各々異なった融点であるにも関わらずほぼ同時に溶融せず、対流の発生を防ぎ良質な製品を得ることが可能となる。 【0021】図6は、成形する傾斜機能材料の内径寸法が比較的大きい場合の金型の例を示したもので、中心部からの熱勾配にも差を生じさせたものである。 【0022】次いで、図1に示した実施例について、その作用を説明する。金属部分である黄銅製の本体2は、接続部材5及び6の同じく黄銅部分である一端5a及び6aに接続され、樹脂部分である電気融着継手7が接続部材5の他端5bに接続され、他方の樹脂部分であるソケット部6fが接続部材6の他端6bに形成されていて、接続部は全て同材料又は同質材料が接続されており、熱膨張係数に差違がなく、高温流体用途に用いられて長時間高温に曝されても、更に高温状態と低温状態とが繰り返されても、永久変形や破壊が起きず、接続部の接触面を通って流体が漏れることがない。 【0023】また、接続部材5及び6の両端の5aと5b及び6aと6bの間、すなわち黄銅とポリブテンの間を、黄銅とポリブテンの成分比を75/25、50/50、25/75と階段状に変化させて、傾斜機能材料に構成したので、この接続部材5及び6の中で熱膨張係数がスムーズに変化しており、温度変化順応することができ、損壊を生ずることがない。 【0024】なお、接続部材5の他端5bに電気融着継手7が一体成形して設けられているが、この一体成形はポリブテンとポリブテンとを融着させるのであるから、この接続は確実で強固なものである。 【0025】本実施例においてはポリブテンの融着について説明したが、ポリブテンに限定されるものではなく、硬質塩化ビニル(U−PVC)、耐熱塩化ビニル(C−PVC)、耐衝撃塩化ビニル(HIPVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ガス用中密度ポリエチレン(G−PE)、水道用低密度ポリエチレン(水道用PE)、配水用高密度ポリエチレン(配水用PE)、架橋ポリエチレン(X−PE)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ガラス繊維強化ポリエステル(FRP)、四弗化エチレン(PFA)、ポリ四弗化エチレン(PTFE)同志の融着にも適用できる。 【0026】 【発明の効果】本発明の金属部分と樹脂部分との接続構造は、一端を金属材料とし、他端を樹脂材料とした傾斜機能材料で形成した接続部材を介在させて、金属と金属及び樹脂と樹脂を接続させたので、高温流体用途に用いて長時間高温に曝しても、高温状態と低温状態が繰り返される苛酷な使用条件の下で使用しても、永久変形を起こしたり破壊したりして流体が漏れることがない。また、金属製バルブに電気融着継手を設ける場合に、加工が容易で確実強固な接続構造を作ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390002381 【氏名又は名称】株式会社キッツ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小林 哲男
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| 【公開番号】 |
特開平11−13950 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−187193 |
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