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【発明の名称】 案内路付縦管
【発明者】 【氏名】中川 裕英

【氏名】石田 敬一

【要約】 【課題】高低差を有するように接続された複数の流入管から流入する下水の落下衝撃によりマンホールの底部を破損するおそれがなく、且つ、下位の流入管から流入する下水の流れを阻害したりゴミがたまるおそれのない案内路付縦管を提供する。

【解決手段】直管状の縦管本体部10に複数の流入管20,30が高低差を有するように接続される案内路付縦管である。縦管本体部10の内部に、各流入管20,30に対応して、中心に空気芯筒13,13′を有する螺旋案内路12,12′がそれぞれ設けられ、各空気芯筒13,13′が分離しており、各螺旋案内路12,12′は、各流入管20,30の管低よりも下方の部分に配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直管状の縦管本体部に複数の流入管が高低差を有するように接続される案内路付縦管であって、縦管本体部の内部に、各流入管に対応して、中心に空気芯筒を有する螺旋案内路がそれぞれ設けられ、各空気芯筒が分離しており、各螺旋案内路は、各流入管の管低よりも下方の部分に配設されていることを特徴とする案内路付縦管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然流下式の垂直下水道管路に使用して好適な案内路付縦管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、実開平4─53842号公報に記載されているように、マンホールの側壁からマンホール内に突出された流入管の一端に曲り管を介して縦管の上端を接続し、縦管の下端をマンホール内の底部に設置して流入管によりマンホール内に流入された下水を縦管によりマンホール内の底部に導入することが知られている。
【0003】しかしながら、このようにマンホール内に設けられる縦管が長い場合には、縦管下端から流出される下水の落下衝撃が大きいためにマンホールの底部を損傷するおそれがある。
【0004】そこで、例えば、特開平8─41915号公報に記載され、図4に示すように、縦管本体a内面に沿って上端から下端まで螺旋状に形成された屈曲流下路が設けられた下水道用縦管が提案されている。この下水道用縦管の上端に十字型継手bが接続され、その十字型継手を介してマンホールc内に導入された流入管dの一端が接続されて、流入管d内の下水は継手bを経由して下水道用縦管内に導入されるようになっている。
【0005】しかしながら、実際には、マンホールc内には、複数の流入管が高低差を有するように導入される場合が多く、このような場合には、上記のように縦管本体内面に沿って上端から下端まで螺旋状に形成された屈曲流下路が設けられた下水道用縦管を用いて、その途中に下位の流入管を接続すると、その接続部付近にゴミが溜まり易く、又、流れを阻害するという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来の問題点を解決することを目的としてなされたものであって、高低差を有するように接続される複数の流入管から流入する下水の落下衝撃によりマンホールの底部を破損するおそれがなく、且つ、下位の流入管から流入する下水の流れを阻害したりゴミがたまるおそれのない案内路付縦管を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、直管状の縦管本体部に複数の流入管が高低差を有するように接続される案内路付縦管であって、縦管本体部の内部に、各流入管に対応して、中心に空気芯筒を有する螺旋案内路がそれぞれ設けられ、各空気芯筒が分離しており、各螺旋案内路は、各流入管の管低よりも下方の部分に配設されている案内路付縦管である。
【0008】本発明において、最上位の流入管の管底と最下位の流入管の管底との高低差は、7m以内が好ましい。本発明において、縦管本体部の材質としては、強度や剛性等の点からは、強化プラスチックモルタル(以下、FRPMという)等が好ましい。又、空気芯筒や螺旋案内路の材質としては、強度や加工性等の面からは、強化プラスチック(FRP)等が好ましい。流入管や流出管の材質としては、強度や加工性等の面からはFRPが好ましいが、汎用のプラスチックであってもよい。
【0009】
【作用】本発明の案内路付縦管は、縦管本体部の内部に、各流入管に対応して、中心に空気芯筒を有する螺旋案内路がそれぞれ設けられ、各空気芯筒が分離しており、各螺旋案内路は、各流入管の管低よりも下方の部分に配設されていることにより、各流入管より流入された下水は螺旋状に流下する間に減衰された状態となり、従って、流下する下水によってマンホールの底部に強い衝撃が加わるおそれがなく、又、下位の流入管から縦管本体部内に流入する下水の流れを阻害したりゴミがたまることがない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の案内路付縦管の一例を示す断面図である。この案内路付縦管10は、縦管本体部11と、空気芯筒13,13′と、螺旋案内路12,12′,12′′とからなる。
【0011】縦管本体部11は、FRPM製の複合管によって形成され、上部には、略水平方向からFRP製の上位流入管20とFRP製の下位流入管30とが高低差を有するように接続され、下端部にはFRP製の流出管40が接続されている。縦管本体部11の内部には、略中心部に、上位流入管20の管底の下方であって、下位流入管30の管頂に上方に達しその管頂より上まで延出されるように、内部が中空とされたFRP製の第1の空気芯筒13が立設されている。
【0012】縦管本体部11の内周面と、下位流入管30の管底よりも下方の第1の空気芯筒13の外周面との間(図中L1 区間)に、FRP製の第1の螺旋案内路12が配設されている。螺旋案内路12の内周面は、第1の空気芯筒13の外周面に一体的に取り付けられている。
【0013】螺旋案内路12の外周縁には、図2に示すように、その全長にわたって、ゴム製の帯状の弾性体14が接着剤により一体的に接着されている。この弾性体14は縦管本体部11の内周面に圧接されることによって、螺旋案内路12を縦管本体部11内に支持している。
【0014】又、 縦管本体部11の内部には、略中心部に、下位流入管30の管底の下方達しその管頂付近に延出されるように、内部が中空とされたFRP製の第2の空気芯筒13′が立設されている。
【0015】縦管本体部11の内周面と、下位流入管30の管底よりも下方の第2の空気芯筒13′の外周面との間(図中L3 区間)に、FRP製の第2の螺旋案内路12′が配設されている。螺旋案内路12′の内周面は、第2の空気芯筒13′の外周面に一体的に取り付けられている。
【0016】螺旋案内路12′の外周縁には、上記と同様の弾性体が接着剤により一体的に接着されている。この弾性体は縦管本体部の内周面に圧接されることによって、螺旋案内路12′を縦管本体部11内に支持している。
【0017】流出管40の管頂のやや上方の縦管本体部11の内部(図中LT5 区間)には、FRP製の第3の螺旋案内路12′′が配設されている。第3の螺旋案内路12′′の外周縁には、上記と同様の弾性体が接着剤により一体的に接着されている。第2の螺旋案内路12′′は、空気芯筒には取り付けられていない。
【0018】縦管本体部11の内部の第1の螺旋案内路12と第2の螺旋案内路12′との間(図中L2 区間)、及び、第2の螺旋案内路12′と第3の螺旋案内路12′′間(図中L4 区間)には、螺旋案内路は配設されていない。従って、下位流入管30の流入口の部分には螺旋案内路が配設されていない。
【0019】又、第2の螺旋案内路12′と第3の螺旋案内路12′′を適宜間隔をおいて設けるようにすると、第2の螺旋案内路12′と第3の螺旋案内路12′′の螺旋のピッチを適宜選択することにより、縦管本体部11の長さや複数の流入管の高低差に応じて、縦管本体部11内を螺旋状に流下させる下水の速度を適宜調節することができるので好ましいが、第2の螺旋案内路12′′の代わりに、第2の螺旋案内路12′が縦管本体部11の下端まで配設されていても何ら構わない。
【0020】以下、図1に示す案内路付縦管の使用態様を図3を参照して説明する。このような案内路付縦管10は、例えば、下水道用の縦管として、マンホール50内に垂直に配設され、上位流入管20と下位流入管30とが、縦管本体部11から略水平方向にマンホール50の壁部を貫通すにように配管されて使用される。
【0021】マンホール50内に進入する下水は、上位流入管20と下位流入管30より縦管本体部11内に流入し、L1 区間内を第1の螺旋案内路12に沿って螺旋状に流下した後、L2 区間内を慣性力により螺旋状を維持しつつ流下し、再びL3 区間を第2の螺旋案内路12′に沿って螺旋状に流下した後、L4 区間内を慣性力により螺旋状を維持しつつ流下し、再度L5 区間を第3の螺旋案内路12′′に沿って螺旋状に流下する。
【0022】下水は螺旋状に流下する間に減衰された状態となり、従って、流下する下水によってマンホール50の底部に強い衝撃が加わるおそれがない。縦管本体部11の下端に達した下水は、流出管40からマンホール50の流出口51を経て暗渠配管に排出される。
【0023】この際、下位流入管30の流入口の周りには螺旋案内路が配設されていないので、下位流入管30から縦管本体部11内に流入した下水の流れを阻害したりゴミがたまることがない。
【0024】又、上位流入管20の管底の下方であって、下位流入管30の管頂に上方に達しその管頂よりも上に延出されるように第1の空気芯筒13が立設され、且つ、下位流入管30の管底の下方に達しその管頂付近に延出されるように第2の空気芯筒13′が立設されていると、上位流入管20と下位流入管30の口径や高低差等の影響を勘案して、第1の螺旋案内路12と第2の螺旋案内路12′のピッチを異なるものとても、それぞれの排気が独立しているので、それぞれの部分での下水の流れを螺旋状に流れるようにスムーズに形成することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の案内路付縦管は、上記のとおりにされているので、高低差を有するように接続された複数の流入管から流入する下水の落下衝撃によりマンホールの底部を破損するおそれがなく、下位の流入管から流入する下水の流れを阻害したりゴミがたまるおそれがなく、且つ、それぞれの部分での下水の流れを螺旋状に流れるようにスムーズに形成することができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月24日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−13946
【公開日】 平成11年(1999)1月22日
【出願番号】 特願平9−167114