| 【発明の名称】 |
流体用配管の支持装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹田 栄
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| 【要約】 |
【課題】油圧配管の振動モードに応じて、油圧配管のクランプ位置を振動の腹の位置から節の位置に容易に変更することを可能とする油圧配管の支持装置を提供する。
【解決手段】ブーム1の所定の位置にあらかじめ複数の取り付け座2を設けそのうちの1つを選択し、防振ゴム3、締め付け具5およびボルト6を用いて油圧配管4a,4bをクランプする。取り付け座2は、油圧配管単体のモーダル解析により振動の節の位置にあるものを選択する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 構造体に設置される流体用配管の支持装置において、流体圧脈動によって励振される流体用配管の振動モードの節の位置で、その流体用配管を前記構造体にクランプすることを特徴とする流体用配管の支持装置。 【請求項2】 構造体に3点クランプによって配置される流体用配管の支持装置において、両端のクランプ位置の間に複数の中間点クランプ位置を設定し、振動モードの節に最も近い中間点クランプ位置で流体用配管をクランプすることを特徴とする流体用配管の支持装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械のブームなどに固定される流体用配管の支持装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図7に油圧ショベルの外観図を示す。このような油圧ショベルにおいては、油圧シリンダC1,C2,C3の伸縮によってブームBM,アームAM,バケットBKを駆動するが、油圧シリンダC2,C3に油圧を供給する油圧配管は、図8に示すようにブームBMの背の数カ所の位置(a,b,c)でブームBMにクランプされている。この油圧配管は、ポンプの脈動が起振源となって次式で示される周波数fで振動する。 f = (N/60)×n (Hz) ただし、N:エンジン回転数n:油圧ポンプのピストン数したがって、油圧配管とブームとは、油圧配管の振動を減衰し、ブームへの励振源を低減する目的で防振ゴムを介してクランプされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クランプの締め付け力は一般に高いため、防振ゴムを介して配管をクランプしたとしても十分な減衰作用を得ることができず、防振対策は不十分のままである。また、油圧配管のクランプ位置に関しては、通常、振動低減のための特別の配慮はされておらず、まして油圧配管の振動モードは一切考慮されていない。 【0004】油圧配管のクランプ位置での振動特性は周波数fに応じて変化し、その振動が励振源となってブームは振動する。したがって、油圧配管がその固有振動数f1に等しい周波数で振動している場合、クランプ位置が油圧配管の振動モードの腹の位置すなわちクランプの振幅が大きくなる位置にあるとブームへの励振源は最大となり、さらにその周波数f1がブームの固有振動数に等しければブームは大きく共振し、その結果、共鳴音を発する等の問題が生じる。試験結果および解析結果に基づき以下にこの現象を説明する。 【0005】図9は、油圧配管を正規の支持方法でブームに取り付け、通常の油圧リリーフ条件で油圧ポンプに負荷をかけて、その際の油圧脈動によって生じる油圧配管のクランプb(図8)における振動データを実測した結果であり、横軸に周波数,縦軸に振幅を示している。図9において、周波数f1で振幅が極大となっており、この周波数f1は油圧配管の固有振動数に相当する。図10は、実験モーダル解析により得られた周波数f1に相当する油圧配管単体の振動モードであり、横軸に油圧配管の振動モード測定位置,縦軸に振幅を示している。図11は、図8のa,b,cで油圧配管をクランプした際の周波数f1における油圧配管の振動モードを示すFEM解析結果であり、横軸に油圧配管の振動モード計算位置,縦軸に振幅を示している。図11において、クランプbの振幅はクランプa,cの振幅に比べ格段に大きく、クランプbの位置はまさに油圧配管の振動の腹の位置である。 【0006】図12は、図9と同様の条件により油圧配管に振動が生じたときに図13に示すブームBMの腹のd部で実測した振動データであり、横軸に周波数,縦軸に振幅を示している。図12において、周波数f1で振幅が極大となっており、この周波数f1はブームの固有振動数に相当し、油圧配管の固有振動数と一致している。図14は、周波数f1における計測部d周辺の振幅分布を示している。図14に示すように、周波数f1においてブームBMの腹のd部は大きく振動している。 【0007】以上より、油圧配管が特定周波数fの腹の位置でクランプされていると、ブームは油圧配管から大きな励振源を受けることとなり、ブームの振動は大きくなる。とくに、油圧配管とブームとの固有振動数である周波数f1で振動している場合には、油圧配管とブームとは共振し、油圧配管の振動モードにおける腹の位置bで油圧配管がクランプされていると振動の共振エネルギは過大となり、その結果、ブームは共鳴し騒音の原因となってしまう。 【0008】本発明の目的は、流体用配管を有する構造物の固有振動数下における励振源を低減し、その構造物の共鳴による騒音を防止する流体用配管の支持装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 (1) 一実施の形態を示す図1,2を参照して説明すると、請求項1の発明は、構造体1に設置される流体用配管の支持装置に適用され、流体圧脈動によって励振される流体用配管4A,4Bの振動モードの節の位置で、その流体用配管4A,4Bを構造体1にクランプすることにより上記目的を達成する。 (2) 請求項2の発明は、構造体1に3点クランプによって配置される流体用配管4A,4Bの支持装置に適用され、両端のクランプ位置L1,L6の間に複数の中間点クランプ位置L2〜L5を設定し、振動モードの節に最も近い中間点クランプ位置L4で流体用配管4A,4Bをクランプすることにより上記目的を達成する。 【0010】なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 −第1の実施の形態−図1は、ブーム上に配列されたクランプの配置図であり、クランプa,b′,cはそれぞれ図8のクランプa,b′,cに対応している。図2は、図1のクランプa,b′,cのクランプの断面図である。図2において、ブーム1の上面に取り付け座2が固定されている。取り付け座2は、図1に示すようにブーム上のL1〜L6の位置に複数設けられ、その両端L1,L6の位置にクランプa,cが設置されている。クランプb′の位置は、L2〜L5の中から後述する方法によって決定される。 【0012】取り付け座2にはそれぞれ凹部21およびネジ孔22が設けられ、凹部21の上に防振ゴム3が設置されている。防振ゴム3の上部には切り欠き部31が設けられ、切り欠き部31の上に2本の油圧配管4A,4Bが設置されている。油圧配管4A,4Bの上には切り欠き部51を有する締め付け具5が設置され、締め付け具5には貫通孔52が開口されている。ボルト6は、貫通孔52を貫通して取り付け座2のネジ孔22に螺合し、油圧配管4A,4Bをクランプしている。このように第1の実施の形態によると、L1〜L6の位置に取り付け座2を複数設け、その中のL2〜L5の位置からクランプb′の位置を選択することができる。クランプb′の位置は以下の手順で決定される。 【0013】初めに、特定周波数fにおける油圧配管単体の振動モードを把握する。特定周波数fとしては、振動がとくに問題となる油圧配管4a,4bの固有振動数f1に相当する周波数とする。図10は、前述したように実験モーダル解析によって求めた油圧配管単体の振動モードである。実験モーダル解析は、両端フリーの状態で支持された油圧配管に所定圧の作動油を充填し、ハンマリング法を用いて行うものとする。図10に示す実験結果に基づいて、L2〜L5の位置に対応する振幅の中から振幅が最も小さくなる位置を特定する。そして、その位置L4に油圧配管のクランプb′を設定する。 【0014】図3は、クランプb′を図1のL4位置に設定したときの油圧配管の振動モードを示すFEM解析結果であり、横軸にクランプ位置,縦軸に振幅を示している。図11に示したクランプbの振幅と比較すると、クランプb′の振幅は半分以下に低下している。図4は、クランプa,b′,cでクランプしたときのブームBMの腹のd部近傍の実測振動データであり、ブーム腹の面の振幅を示している。図4に示すように、ブームd部の振動は、図14に示したクランプa,b,cでクランプしたときのブームd部の振動データと比較すると大きく低下している。これはブームの励振源であるクランプb′の振幅がクランプbの振幅に比べて大きく低下していることに起因している。 【0015】このように第1の実施の形態によると、油圧配管の中間クランプb′の位置を、あらかじめ設けられた複数のブーム取り付け座2の中から選択するものとし、その際、油圧配管の振動モードの節の位置にクランプするので、ブームへの励振源を低減することができる。その結果、ブームの振動を低減することができ、油圧配管とブームの共鳴による騒音を防止することができる。 【0016】−第2の実施の形態−図5は、第2の実施の形態に係わるブーム上に配置されたクランプの配置図であり、クランプa,b″,cはそれぞれ図8のクランプa,b″,cに対応している。図6は、図5のb″位置におけるクランプの断面図である。なお、第1の実施の形態の図1,2と同一の箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。図5,6において、取り付け座200には長さLAのスロット孔201が開口されている。また、防振ゴム3および締め付け具50の中央には円孔32および円孔53が開口されている。ボルト7の頭部はスロット孔201の拡幅部201aに収容され、その首下部分がスロット孔201,円孔32,円孔53を貫通してナット8で締結され、油圧配管4A,4Bをクランプしている。ボルト7の頭部をスロット孔201内で摺動することにより、クランプb″の位置を長さLAの範囲で自在に変えることができる。 【0017】クランプb″の位置の設定は、第1の実施の形態で述べたのと同一の手順で行われ、その位置は油圧配管単体の振動モードの振幅が最小となる位置に決定される。 【0018】このように第2の実施の形態によると、取り付け座200にスロット孔201を設けたので、そのスロット孔の長さLAの範囲内であればクランプb″の位置を任意に設定することができる。これによってクランプb″の位置を任意に調整することが可能となり、油圧配管単体の振動モードの振幅がまさに最小となる位置にピンポイントにクランプすることができるので、ブームの振動レベルを最小にすることができる。 【0019】なお、以上の実施の形態における配管支持装置は、油圧ショベルのブームの油圧配管について適用したが、これに限らず流体用配管の支持装置をもつ別の構造体にも同様に適用することができ、また油圧配管以外の例えば空圧配管についても同様に適用することができる。また、クランプ数は3箇所、配管本数は2本としたがこれに限定されるものではない。 【0020】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれば、油圧配管の振動モードの節の位置でクランプするようにしたのでブームなどの構造体への励振源を低減することとなり、その結果、構造体それ自体の振動を低減することができ、油圧配管と構造体の共鳴による騒音を防止することができる。また、請求項2の発明によれば、3点クランプによって配置される油圧配管の支持装置において、複数の取り付け座またはスロット孔を設けたので、中間クランプの位置を油圧配管の振動モードの腹の位置に容易に変更することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005522 【氏名又は名称】日立建機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】永井 冬紀
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| 【公開番号】 |
特開平11−13940 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−174311 |
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