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【発明の名称】 低温タンク用ノズルのシール方法及びシール装置
【発明者】 【氏名】辻 達夫

【要約】 【課題】低温タンクの弁を接続するノズルを確実に閉塞する。

【解決手段】貯槽7内の貯液を払い出して払出ノズル2の開口部下方まで液面を降下させると共に、元弁3を閉止し、且つこの元弁3の下流側に接続された払出管8を取り外し、上記元弁3の開放端にエアロックチャンバ12を装着した後、上記元弁3を開放して払出ノズル2内に一次シールとしての袋体14を挿入させて払出ノズル2を閉塞し、その後、上記元弁3を払出ノズル2から取り外すと共に、上記一次シールの下流側の払出ノズル2内に拡径して払出ノズル2を閉塞する二次シールを設け、且つ上記元弁3の取付フランジに閉止板41を取り付けて払出ノズル2をシールするようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの下部に設けられた払出ノズルに接続された元弁を点検する際の上記ノズルのシール方法において、上記タンク内の貯液を払い出して上記払出ノズルの開口部下方まで液面を降下させると共に、上記元弁を閉止し、且つ該元弁の下流側に接続された払出管を取り外し、上記元弁の開放端にエアロックチャンバを装着した後、上記元弁を開放して払出ノズル内に一次シールとしての袋体を挿入させて払出ノズルを閉塞し、その後、上記元弁を払出ノズルから取り外すと共に、上記一次シールの下流側の払出ノズル内に拡径して払出ノズルを閉塞する二次シールを設け、且つ上記元弁の取付フランジに閉止板を取り付けて払出ノズルをシールするようにしたことを特徴とする低温タンク用ノズルのシール方法。
【請求項2】 低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの下部に設けられた払出ノズルに接続された元弁を点検する際に上記払出ノズル内に袋体を取り付けるためのシール装置であって、上記元弁の開放端にその開口部が着脱自在に装着されるエアロックチャンバと、該エアロックチャンバの内部から上記元弁の開口部を通過して上記払出ノズル内に挿入されその払出ノズル内で膨張することによって払出ノズルの内周面を押圧して払出ノズルを閉塞する袋体と、上記エアロックチャンバから上記袋体を上記払出ノズル内に挿入すべく送り出すと共に上記袋体内にこれを膨張させるための不活性ガスを供給する導入パイプと、上記エアロックチャンバ内に不活性ガスを供給しその内圧をタンク内圧より昇圧するための不活性ガス供給ノズルと、上記エアロックチャンバ内部のガス抜きをするためのドレンノズルとを備えたことを特徴とする低温タンク用ノズルのシール装置。
【請求項3】 低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの上部又は屋根部に設けられた各種ノズルに接続された弁を点検する際の上記ノズルのシール方法において、上記弁を閉止し、且つ該弁の下流側に接続された接続管を取り外し、上記弁の開放端にエアロックチャンバを装着した後、上記弁を開放してノズル内に一次シールとしての袋体を挿入させてノズルを閉塞し、その後、上記弁をノズルから取り外すと共に、上記一次シールの下流側のノズル内に拡径してノズルを閉塞する二次シールを設け、且つ上記弁の取付フランジに閉止板を取り付けてノズルをシールするようにしたことを特徴とする低温タンク用ノズルのシール方法。
【請求項4】 低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの上部又は屋根部に設けられた各種ノズルに接続された弁を点検する際に上記ノズル内に袋体を取り付けるためのシール装置であって、上記弁の開放端にその開口部が着脱自在に装着されるエアロックチャンバと、該エアロックチャンバの内部から上記弁の開口部を通過して上記ノズル内に挿入されそのノズル内で膨張することによってノズルの内周面を押圧してノズルを閉塞する袋体と、上記エアロックチャンバから上記袋体を上記ノズル内に挿入すべく送り出すと共に上記袋体内にこれを膨張させるための不活性ガスを供給する導入パイプと、上記エアロックチャンバ内に不活性ガスを供給しその内圧をタンク内圧より昇圧するための不活性ガス供給ノズルと、上記エアロックチャンバ内部のガス抜きをするためのドレンノズルとを備えたことを特徴とする低温タンク用ノズルのシール装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの各種弁を点検する際に弁を接続するノズルを閉塞するシール方法及びシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LNGやLPG等の低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクには、その屋根部や壁部に液化ガスを供給するための供給ノズルや払出ノズル等が設けられ、これら各種ノズルにはそれぞれ弁が設けられている。特に、壁部の下部に設けられた払出ノズルには元弁が取り付けられている。
【0003】ところで、これらの弁に何らかの不具合が生じた場合には、その弁部分の点検や修理が必要となる。また定期的に各弁を点検する必要もある。
【0004】特に、元弁の点検を行うには、液化ガスの漏洩を防止するため、従来、タンクの機能を休止させて、タンク内の液化ガスのパージを行った後、徐々にタンク内の温度を上昇させて常温に戻すホットアップを行ってから、元弁を取り外してその点検を行うようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のホットアップは、非常に長い期間を要するものであり、また元弁の点検にも多くの時間がかかるため、タンクの運用休止期間が長くなってしまい、タンクの運用効率が非常に悪化してしまうという問題があった。
【0006】そこで、各弁の点検や修理にかかる時間を短縮することが要求されていた。
【0007】さらに、LNGやLPG等の低温液化ガスの低温タンクでは、ホットアップを行った場合に、その槽内温度の温度差が200℃近くなり、元弁の点検終了後に再度タンク内の温度を低温に戻したときに、タンクの温度差による伸縮によって、ノズル部の接合部等に不具合が生じてしまうこともあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、本発明は、低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの下部に設けられた払出ノズルに接続された元弁を点検する際の上記ノズルのシール方法において、上記タンク内の貯液を払い出して上記払出ノズルの開口部下方まで液面を降下させると共に、上記元弁を閉止し、且つこの元弁の下流側に接続された払出管を取り外し、上記元弁の開放端にエアロックチャンバを装着した後、上記元弁を開放して払出ノズル内に一次シールとしての袋体を挿入させて払出ノズルを閉塞し、その後、上記元弁を払出ノズルから取り外すと共に、上記一次シールの下流側の払出ノズル内に拡径して払出ノズルを閉塞する二次シールを設け、且つ上記元弁の取付フランジに閉止板を取り付けて払出ノズルをシールするようにした方法である。
【0009】これによれば、元弁にエアロックチャンバを装着した後に元弁を開放して、その内部を通過可能な袋体によって一次シールを行った後、元弁を取り外し、一次シールの下流側の払出ノズル内に二次シールを設けたことによって、タンク内の液化ガスが外部にさらされることなく、確実なシールを行うことができるので、ホットアップを行わなくても、元弁の点検時の液化ガスの漏洩を防止することができ、タンクの運用休止期間を大幅に短縮することができる。
【0010】また、本発明は、低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの下部に設けられた払出ノズルに接続された元弁を点検する際に上記払出ノズル内に袋体を取り付けるためのシール装置であって、上記元弁の開放端にその開口部が着脱自在に装着されるエアロックチャンバと、このエアロックチャンバの内部から上記元弁の開口部を通過して上記払出ノズル内に挿入されその払出ノズル内で膨張することによって払出ノズルの内周面を押圧して払出ノズルを閉塞する袋体と、上記エアロックチャンバから上記袋体を上記払出ノズル内に挿入すべく送り出すと共に上記袋体内にこれを膨張させるための不活性ガスを供給する導入パイプと、上記エアロックチャンバ内に不活性ガスを供給しその内圧をタンク内圧より昇圧するための不活性ガス供給ノズルと、上記エアロックチャンバ内部のガス抜きをするためのドレンノズルとを備えたものである。
【0011】これによれば、払出ノズル内に袋体を取り付ける際に、元弁にエアロックチャンバを装着した後に、元弁を開放して、袋体を払出ノズル内に挿入して膨張させて払出ノズルを閉塞することができるので、タンク内の液化ガスが外部にさらされることがない。また、エアロックチャンバの内圧を昇圧させた後に、元弁を開放することができるので、液化ガスがエアロックチャンバ内に流れることを防止できる。払出ノズルの閉塞後に、エアロックチャンバを取り外す時には、エアロックチャンバ内の不活性ガスをドレンノズルからガス抜きすることができる。
【0012】さらに、本発明は、低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの上部又は屋根部に設けられた各種ノズルに接続された弁を点検する際の上記ノズルのシール方法において、上記弁を閉止し、且つこの弁の下流側に接続された接続管を取り外し、上記弁の開放端にエアロックチャンバを装着した後、上記弁を開放してノズル内に一次シールとしての袋体を挿入させてノズルを閉塞し、その後、上記弁をノズルから取り外すと共に、上記一次シールの下流側のノズル内に拡径してノズルを閉塞する二次シールを設け、且つ上記弁の取付フランジに閉止板を取り付けてノズルをシールするようにした方法である。
【0013】そして、本発明は、低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの上部又は屋根部に設けられた各種ノズルに接続された弁を点検する際に上記ノズル内に袋体を取り付けるためのシール装置であって、上記弁の開放端にその開口部が着脱自在に装着されるエアロックチャンバと、このエアロックチャンバの内部から上記弁の開口部を通過して上記ノズル内に挿入されそのノズル内で膨張することによってノズルの内周面を押圧してノズルを閉塞する袋体と、上記エアロックチャンバから上記袋体を上記ノズル内に挿入すべく送り出すと共に上記袋体内にこれを膨張させるための不活性ガスを供給する導入パイプと、上記エアロックチャンバ内に不活性ガスを供給しその内圧をタンク内圧より昇圧するための不活性ガス供給ノズルと、上記エアロックチャンバ内部のガス抜きをするためのドレンノズルとを備えたものである。
【0014】これによれば、払出ノズルだけでなく、低温タンクの上部又は屋根部に設けられた各種ノズルにも適用可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
【0016】図1乃至図8は本発明に係る低温タンク用ノズルのシール方法を説明するための工程図、図9は本発明に係る低温タンク用ノズルのシール装置の実施の形態を示した断面図、図10は同斜視図、図11は二次シールを示した断面図及び正面図である。
【0017】まず、図1に沿って、LNGやLPG等の低温液化ガス等の可燃性ガスを貯蔵する低温タンクの壁部1の下部に設けられた払出ノズル2に取り付けられた元弁3の周辺の構造について説明する。
【0018】図示するように、低温タンクの下部には、基礎4が形成され、その基礎4上に壁部1が、内槽側板と外槽側板とから二層状に構成されている。内槽側板と外槽側板とは所定の曲率に湾曲され、それぞれ溶接接合されて内槽5と外槽6とを形成して、貯槽7が形成されている。内槽5の下部には貯槽7内の液化ガスを払い出すための開口部が形成されており、その開口部に、外槽6を貫通して外方に延びる払出ノズル2が設けられている。なお、図示していないが、この払出ノズル2と外槽6とは伸縮継手を介して取り付けられている。払出ノズル2の下流側にはゲート弁からなる元弁3が接続されている。元弁3の下流側には払出管8が接続されている。この払出管8は、元弁3に直接取り付けられる払出短管8aと、その下流側に取り付けられる払出本管8bとで構成されている。
【0019】次に、本発明に係る低温タンク用ノズルのシール装置の構成について説明する。
【0020】図9及び図10に示すように、上記シール装置11は、元弁3の開放端に装着されるエアロックチャンバ12と、上記払出ノズル2内で膨張する袋体14と、この袋体14を払出ノズル2内に送り出すと共に袋体14内に窒素等の不活性ガスを供給する導入パイプ15と、エアロックチャンバ12内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給ノズル16と、エアロックチャンバ12内のガス抜きをするためのドレンノズル17とで主に構成されている。
【0021】エアロックチャンバ12は、円筒の一端を閉塞した形状に形成されており、開口部18の周囲には、元弁3のフランジにボルトを介して接合されるフランジ19が形成されている。閉塞部21の中央には、上記導入パイプ15が気密に挿入されると共に摺動可能となるように、内部に複層のゴムシール13等のシール手段が設けられたスリーブノズル22がエアロックチャンバ12を貫通して設けられている。また閉塞部21には、エアロックチャンバ12の内部を監視するための窓23が形成されている。
【0022】袋体14は、テフロン系樹脂等の耐低温特性を有する素材又はそれに準ずる素材によって形成され、エアロックチャンバ12内部に収納されており、払出ノズル2内に送り出された後に膨張して、払出ノズル2の内周面を押圧して、その内周面と袋体14との摩擦力によって閉塞するようになっている。その摩擦力を確保するために、袋体14は払出ノズル2の長さ方向に所定の長さを有して形成されている。その袋体14の上記長さ方向の前後には孔24がそれぞれ形成されており、これらの開口部24を結ぶように不活性ガス封入ノズル管25が袋体14内に挿入されている。この不活性ガス封入ノズル管25の両端部近傍には、不活性ガス封入ノズル管25と共にこれを囲繞した袋体14の前後端近傍を挟み込んで固定する固定バンドが設けられている。不活性ガス封入ノズル管25は、開口部18側の端部は閉塞しており、長さ方向の略中心には、袋体14内に不活性ガスを封入するためのガス孔26が形成されており、袋体14がその中心から左右均等に膨張して、バランスよく払出ノズル2の内周面に圧力を与えるようになっている。
【0023】導入パイプ15は、ステンレスによって直線状に形成され、エアロックチャンバ12の内部側は上記不活性ガス封入ノズル管25に逆止弁付のコネクタ27を介して接続されている。導入パイプ15のエアロックチャンバ12の外部側は、逆止弁付のコネクタ27を介して不活性ガス供給装置28(図4参照)に接続されるようになっている。導入パイプ15は、これをエアロックチャンバ12内に押し込んだ時に、上記袋体14が元弁3内を通過して払出ノズル2内の所定の位置に挿入される長さに形成されている。
【0024】不活性ガス供給ノズル16は、エアロックチャンバ12の円筒部分に設けられており、開閉弁29を介して不活性ガス供給装置28に接続されるようになっている。また、エアロックチャンバ12には、その内圧を測定する圧力計30が設けられており、不活性ガス供給ノズル16から不活性ガスを供給して、その内圧を計測しながら昇圧するようになっている。さらに、エアロックチャンバ12には、貯槽7内の液化ガスの濃度を検知するガス検知器(図示せず)が設けられている。
【0025】ドレンノズル17は、エアロックチャンバ12の円筒部分に設けられ、その先端には開閉弁29が設けられている。そしてエアロックチャンバ12の内部にリークした液化ガス或いは不活性ガスのガス抜きをするようになっている。
【0026】次に、一次シールとしての上記袋体14の下流側に形成される二次シールとしてのシール装置31の構成について説明する。
【0027】図11に示すように、上記シール装置31は、ボルト32を介して接近・離反自在の二枚の円盤体33,34と、これら円盤体33,34の間に挟まれたリング状シール体35とを備えている。
【0028】円盤体33,34はそれぞれ、払出ノズル2の内径よりも少し小さい径に形成されており、これら円盤体33,34の間の外周部には、径方向外側に向かって広がるテーパ部36が形成されている。払出ノズル2の上流側の円盤体33には、その周方向に沿って等ピッチでボルト孔51が形成されている。このボルト孔51にはメネジ部52が形成されている。下流側の円盤体34には、上記ボルト孔51に相応する位置にボルト32が貫通するボルト孔37が形成されている。円盤体34の下流側からワッシャ40を介してボルト32を挿入し、このボルト32を回転させることによって、円盤体33,34の接近・離反を行うようになっている。
【0029】また、円盤体33,34には、これらを貫通するガス供給パイプ38とガス抜きパイプ39とが設けられており、これらガス供給パイプ38の両端とガス抜きパイプ39の外側端には、コネクタ27がそれぞれ設けられている。これらガス供給パイプ38及びガス抜きパイプ39は共に上流側の円盤体33に貫通、固定されており、下流側の円盤体34に対しては所定のクリアランスを有して貫通するようになっている。
【0030】リング状シール体35は、テフロン系樹脂等の耐低温特性を有する素材によって形成されており、上記テーパ部36に挟まれるように支持されている。すなわち、円盤体33,34を接近させることによって、リング状シール体35がテーパ部36に挟まれて外周側に拡径され払出ノズル2の内周面に押圧され、払出ノズル2をシールするようになっている。逆に、円盤体33,34を離反させることによって、テーパ部36が離反し、リング状シール体35がその弾性力によって縮径され払出ノズル2の内周面から離れて、シール装置31を払出ノズル2から取り外すようになっている。
【0031】次に、図1乃至図8に沿って、本発明に係る低温タンク用払出ノズルのシール方法と、本発明の作用を説明する。
【0032】まず、配管保冷を撤去した後に、図1に示すように、貯槽7内の貯液である液化ガスを払出管8から払い出して、その液面を払出ノズル2の開口部下方まで降下させて、貯槽7の内圧を低下させる。
【0033】その後、図2に示すように、元弁3を閉止すると共に、払出管8内の残液及びガスのパージ処理を配管付ドレンノズル(図示せず)を利用して実施する。そして、貯槽7の内圧をできる限り低下させると共に、外槽圧も制御するために、タンク頂部の外槽屋根マンホールを開にする準備をしておく。
【0034】そして、図1に示す払出短管8aを取り外し撤去する。この作業中は常時ガスのリーク検査を行い、元弁3からのリークが予想されるので、不活性ガスで気抜きする。このとき、払出本管8bのフランジに仮閉止板(図示せず)を取り付ける。
【0035】次に、図3に示すように、元弁3の開放端に一次シールである袋体14を格納したエアロックチャンバ12を元弁フランジ部に装着した後、不活性ガス供給ノズル16から不活性ガスをエアロックチャンバ12内に供給封入し、エアパージを行い、エアロックチャンバ12内を常時、タンク内圧力(例えば0.1kg/cm2 )程度の圧力に保持して、不活性ガス雰囲気にすると共に、導入パイプ15は、コネクタ27及びチューブ20を介して閉止状態の不活性ガス供給装置28に接続しておく(以下、袋体14、導入パイプ15、チューブ20等の接続、切離しはコネクタ27を介して行うものとする)。
【0036】そして、エアロックチャンバ12内に不活性ガスをさらに供給して、その内圧が、貯槽7の内圧よりも高くなるように昇圧させる。次に、図4に示すように、元弁3を開放させると共に、速やかに導入パイプ15をエアロックチャンバ12内に押し込んで、袋体14を払出ノズル2内の所定位置まで挿入させる。このとき、エアロックチャンバ12の内圧が、貯槽7の内圧よりも高くなっているので、液化ガスがエアロックチャンバ12内に侵入することはない。また、導入パイプ15は、スリーブノズルによって気密に摺動するので、エアロックチャンバ12内の不活性ガスが外部にリークすることなくその内圧を保持できる。
【0037】次に、図5に示すように、不活性ガス供給装置28からチューブ20、導入パイプ15を通して、袋体14に不活性ガスを供給し膨張させ、その内圧を貯槽7の内圧の四倍程度まで昇圧させる。このことによって、袋体14の外周部は、払出ノズル2の内周面に押圧され、その摩擦力によって、払出ノズル2を閉塞する。袋体14は払出ノズル2の軸方向に所定の長さを有して形成されているので、摩擦力を十分に確保することができる。また、不活性ガス封入ノズル管25の長さ方向の略中心に、ガス孔26が形成されているので、袋体14がその中心から左右均等に膨張して、バランスよく払出ノズル2の内周面に圧力を与えることができる。さらに袋体14はテフロン系樹脂等で形成されているので、低温でも耐久性を有している。
【0038】その後、エアロックチャンバ12内への不活性ガスの供給を停止し、袋体14と導入パイプ12とを切り離し、導入パイプ15を抜き取り、窓23から袋体14の取付状態を確認した上で、貯槽7を通常運転の状態にまで昇圧する。
【0039】そして、スリーブノズル22にキャップを取り付け、圧力計30でエアロックチャンバ12内の圧力を計測すると共に、ガス検知器でエアロックチャンバ内12の液化ガス濃度を計測し、一次シールである袋体14のシール性を確認する。
【0040】袋体14のシール性が確認されたなら、液化ガスのガス検知を行いながら、エアロックチャンバ12を取り外すと共に、袋体14に不活性ガス供給装置28に接続されたチューブ20を接続し不活性ガスを供給して、袋体14の圧力降下を防止する。
【0041】次に、一旦、袋体14とチューブ20を切り離し、元弁3を取り外し、図6に示すように、速やかにチューブ20を袋体14に再度接続する。
【0042】なお、元弁3の交換を行う場合は、予め新しい元弁を準備しておいて、一次シールのみの状態で、速やかに取り替えることが考えられる。
【0043】その後、チューブ20を袋体14から切り離すと共に、二次シールであるシール装置31のガス供給パイプ38と袋体14とを短いチューブ20にて接続する。そして、図7に示すように、シール装置31を払出ノズル2内の袋体14の下流側に挿入し、ボルト32を締め付け、円盤体33,34を接近させて、リング状シール体35を外周側に拡径させ払出ノズル2の内周面に押圧させて、払出ノズル2をシールする。その後、速やかに、不活性ガス供給装置28に接続されたチューブ20をガス供給パイプ38に接続し袋体14の内圧を保持する。このとき、シール装置31のガス抜きパイプ39の外側に、短いチューブ20を接続しておく。なお、ガス供給パイプ38と袋体14とを接続する短いチューブ20の代わりに、螺旋状に形成され、バネ効果を有するチューブで接続するようにしてもよい。
【0044】このように、不活性ガスの圧力で袋体14を膨張させる一次シールの他に、ボルト32の締付けによってリング状シール体35を拡径させる二次シールを設けたことによって、シールの確実性を向上させることができる。
【0045】次に、払出ノズル2のフランジ部に円盤状の閉止板41を取り付ける。閉止板41を取り付ける前に、フランジ面の洗浄を行う。これは、フランジ面とそこに設けられるパッキンとの接着性を向上させるために塗布されていたなじみ材を取り除くために行うものである。この洗浄を行う際には、一次及び二次シールによって払出ノズル2がシールされているので、タンク内のガス等がリークすることはない。
【0046】この閉止板41には、これを貫通するガス供給パイプ43とガス抜きパイプ44とが設けられており、これらガス供給パイプ43とガス抜きパイプ44の両端には、コネクタ27がそれぞれ設けられている。
【0047】不活性ガス供給装置28に接続されたチューブ20をガス供給パイプ38から切り離すと共に、短いチューブ20にてガス供給パイプ38と閉止板41のガス供給パイプ43とを、ガス抜きパイプ39と閉止板41のガス抜きパイプ44とをそれぞれ接続する。そして、図8に示すように、閉止板41を払出ノズル2の取付フランジに取り付け、不活性ガス供給装置28に接続されたチューブ20をガス供給パイプ43に接続し袋体14の内圧を保持する。
【0048】そして、ガス抜きパイプ44から圧抜きを行い、袋体14とシール装置31との間のガス抜きを行う。
【0049】元弁3の点検或いは修理中は、払出ノズル2部分を保冷材で覆って、仮保冷しておく。
【0050】なお、払出ノズル2の取付フランジ面等の修理を行う場合は、閉止板41を取り付けずに、一次及び二次シールのみでシールを行う。
【0051】元弁3の点検或いは修理が終了したならば、以下の作業を行い、元弁3を復旧する。
【0052】まず、袋体14の内圧によってシール性を確認して、袋体14とシール装置31との間のガス圧を開放するため、ガス抜きパイプ44を開放する。その後、閉止板41のボルトを徐々に緩めて、閉止板41を取り外す。
【0053】そして、シール装置31のボルト32を徐々に緩めて、シール装置31を取り外すと共に、袋体14とチューブ20とを切り離す。
【0054】エアロックチャンバ12を予め取り付けた開放状態の元弁3の内部にチューブ20を貫通させて、このチューブ20を袋体14に接続する。そして、元弁3を払出ノズル2に取り付け、エアロックチャンバ12の気密性を確認する。
【0055】その後、袋体14の圧を抜くと共に、真空ポンプで不活性ガスを抜き取り、袋体14の体積を極力小さくして、袋体14をエアロックチャンバ12内に回収し、元弁3を閉じる。
【0056】そして、エアロックチャンバ12を取り外して、取り外した払出管8を取り付けて復旧する。
【0057】払出管8内のエアを抜くために、ドレンノズル(図示せず)から不活性ガスを封入し、フランジの隙間からパージし、酸素濃度計で内部の酸素量の確認或いは露点計で露点測定を行う。そして、配管内に運転圧又は設計圧以上の圧がかかるように不活性ガスを封入してフランジ部の気密を確認する。
【0058】その後、徐々に元弁3を開放させ、元弁3及び払出管8を徐々にクールダウンして作業が終了する。
【0059】上述のように、一次シールの下流側に、確実にシールできる二次シールを設けたことによって、シールが確実に行われるので、ホットアップを行う必要がなくなる。従って、元弁3の点検や修理にかかる時間を大幅に短縮できる。
【0060】さらに、ホットアップがなくなったことによって、貯槽内の温度差によるタンクの各部材の伸縮が防止できるので、ノズル部の接合部等に発生する不具合を防止することができる。
【0061】本実施の形態においては、払出ノズル2に接続された元弁3に対して適用した例を示したが、これに限られるものではない。
【0062】すなわち、低温タンクの壁部1の上部又は屋根部に設けられた各種ノズルに接続された弁に対しても適用することができる。
【0063】この場合はまず、配管保冷を撤去した後に、貯槽7内の貯液である液化ガスを払出管8から払い出して、その液面を壁部1の上部のノズルの開口部下方まで降下させる。なお、屋根部のノズルの場合は、液化ガスを払い出す作業は行わなくてもよい。
【0064】その後、弁を閉止すると共に、ノズルに接続された接続管内の残液及びガスのパージ処理を配管付ドレンノズルを利用して実施する。そして、貯槽7の内圧をできる限り低下させると共に、外槽圧も制御するために、タンク頂部の外槽屋根マンホールを開にする準備をしておく。
【0065】以下、上記実施の形態と同様に、一次及び二次シールを行い、閉止板を取り付け、弁の点検作業を行う。
【0066】屋根部のノズルに適用する際は、ノズルが垂直に配置されているので、二次シールの取付時にその落下を防止するため、ノズル内面の二次シールの挿入される位置の下方(上流側)に、突起部を形成するのが好ましい。なお、弁が上記ノズルの水平に屈曲した部分に設けられている場合は、これに限らない。
【0067】以上の手順によって、元弁3の点検を行う際のノズルのシールと同等の作用効果を得ることができる。
【0068】なお、上記実施の形態では、元弁3として、ゲート弁が使用されているが、ゲート弁の代わりに、開放状態で弁の回動軸が流路の中心を横切るバタフライ弁が使用される場合には、エアロックチャンバ12のスリーブノズル22は、中心から偏心して設けられ、これに挿入される導入パイプ15は直線状ではなく、途中に緩やかな曲管部分を有し、その前後部分が平行にずれるように形成される。このときスリーブノズルは上述のスリーブノズル22よりも大きな径で形成され、導入パイプの曲管部分が引き抜けるように構成する。
【0069】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、元弁及び他の各種弁の点検や修理にかかる時間を短縮することができるので、タンクの運用休止期間を大幅に短縮することができ、タンクの運用効率を向上できるという優れた効果を発揮する。
【0070】さらに、ホットアップがなくなったことによって、貯槽内の温度差によるタンクの各部材の伸縮が防止できるので、ノズル部の接合部等に発生する不具合を防止することができ、これを原因とする点検や修理にかかる大幅な費用及び時間を削除することができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開平11−304045
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−110502