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【発明の名称】 スリップ機構およびスリップ機構を備えた弁操作キャップ
【発明者】 【氏名】嶋田 浩

【氏名】北村 雅明

【要約】 【課題】入力軸への過大なトルクの伝達を防止するスリップ機構およびスリップ機構を備えた弁操作キャップを提供することを目的とする。

【解決手段】角柱状もしくは角錐状をなす入力軸に遊嵌する孔部14を有し、孔部14の内周面に径方向の外側に湾曲する凹部15を形成し、孔部内に入力軸2に嵌合する弾性変形可能なスリーブ16を挿入し、スリーブ16に、径方向の外側に湾曲して孔部の凹部15に係合する外側凸部17と、径方向の内側に湾曲して軸心廻りにおいて入力軸2の角部を係止する内側凸部18とを形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動側の一次軸と被駆動側の二次軸間においてトルクを伝達するものであって、二次軸を角柱状もしくは角錐状に形成し、一次軸に二次軸に遊嵌する孔部を形成するとともに、孔部の内周面に凹部を形成し、孔部内に二次軸に外嵌合する弾性変形可能なスリーブを挿入し、スリーブに、孔部の凹部に係合する外側凸部と二次軸の側面に当接する内側凸部とを形成し、一次軸の軸心廻りにおいて、スリーブの外側凸部を孔部の凹部で係止するとともに、二次軸の側面をスリーブの内側凸部で係止することを特徴とするスリップ機構。
【請求項2】 弁の入力軸に装着してトルクを伝達するものであって、角柱状もしくは角錐状をなす入力軸に遊嵌する孔部を有し、孔部の内周面に凹部を形成し、孔部内に入力軸に外嵌合する弾性変形可能なスリーブを挿入し、スリーブに、孔部の凹部に係合する外側凸部と、入力軸の側面に当接して軸心廻りにおいて入力軸の側面を係止する内側凸部とを形成したことを特徴とするスリップ機構を備えた弁操作キャップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁の操作機におけるキャップと入力軸との接続などに使用する技術に係り、スリップ機構およびスリップ機構を備えた弁操作キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば図6に示すように、弁の操作機1などにおいては、操作機1の入力軸2にキャップ3を設けており、キャップ3を操作棒(図示省略)等により回転駆動し、操作棒の駆動力をキャップ3を介して入力軸2に伝達している。キャップ3は、入力軸2を角錐状に形成し、キャップ3に入力軸2に嵌合する角錐状の孔部4を設けることにより、入力軸2の軸心廻りにおける廻り止めを行なっており、固定ボルト5により入力軸2に対してキャップ3を抜け止めしている。入力軸2とキャップ3の結合は、キャップ3に設けたシアーピンを入力軸2に貫入することによって行なう場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来の構成において、角錐もしくは角柱状をなす入力軸2とキャップ3の孔部4との嵌合によって駆動力の伝達を行なう場合には、弁の全開時もしくは全閉時に、弁の回転限度を越えて過大なトルクをキャップ3に加えると、キャップ3は加えられた全てのトルクを入力軸2に伝達するので、弁が破損する問題があった。
【0004】本発明は上記した課題を解決するものであり、入力軸への過大なトルクの伝達を防止するスリップ機構およびスリップ機構を備えた弁操作キャップを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明のスリップ機構は、駆動側の一次軸と被駆動側の二次軸間においてトルクを伝達するものであって、二次軸を角柱状もしくは角錐状に形成し、一次軸に二次軸に遊嵌する孔部を形成するとともに、孔部の内周面に凹部を形成し、孔部内に二次軸に外嵌合する弾性変形可能なスリーブを挿入し、スリーブに、孔部の凹部に係合する外側凸部と二次軸の側面に当接する内側凸部とを形成し、一次軸の軸心廻りにおいて、スリーブの外側凸部を孔部の凹部で係止するとともに、二次軸の側面をスリーブの内側凸部で係止するものである。
【0006】本発明のスリップ機構を備えた弁操作キャップは、弁の入力軸に装着してトルクを伝達するものであって、角柱状もしくは角錐状をなす入力軸に遊嵌する孔部を有し、孔部の内周面に凹部を形成し、孔部内に入力軸に外嵌合する弾性変形可能なスリーブを挿入し、スリーブに、孔部の凹部に係合する外側凸部と、入力軸の側面に当接して軸心廻りにおいて入力軸の側面を係止する内側凸部とを形成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。先に図6において説明したものと同様の作用を行なう部材は同一番号を付して説明を省略する。図1〜図4において、キャップ11は、弁の操作機1の入力軸2に装着してトルクを伝達するものであり、駆動側の一次軸をなすキャップ11を操作棒(図示省略)等により回転駆動することにより、被駆動側の二次軸である入力軸2を回転操作する。入力軸2は、角柱状もしくは角錐状をなしており、弁棒自体である場合もある。
【0008】キャップ11は、操作棒(図示省略)に嵌合する入力軸部12が角柱状もしくは角錐状をなしており、操作機1の入力軸2に装着するソケット部13に、入力軸2に遊嵌する孔部14を設けている。孔部14は内周面に径方向の外側に湾曲する凹部15を有しており、孔部14の内部にはスリーブ16を挿入している。
【0009】スリーブ16は、入力軸2に嵌合するものであり、弾性変形可能なばね材や金属材や樹脂材等により、角柱状もしくは角錐状の入力軸2に沿った形状に形成しており、入力軸2の角部に対応する位置に径方向の外側に湾曲して孔部14の凹部15に係合する外側凸部17を有し、外側凸部17に続く位置に径方向の内側に湾曲して軸心廻りにおいて入力軸2の側面を係止する内側凸部18を有している。本実施の形態においては、入力軸2は断面において四角形であるが、六角形などの多角形状でもよく、スリーブ16も入力軸2の形状に応じて種々の形態とすることができる。
【0010】以下、上記した構成における作用を説明する。キャップ11を入力軸2に装着する状態において、孔部14の凹部15がスリーブ16の外側凸部17をキャップ11の軸心廻りにおいて係止し、スリーブ16の内側凸部18が入力軸2の角部を軸心廻りにおいて係止する。
【0011】弁の開閉操作時に、入力軸部12に装着する操作棒等によりキャップ11を回転駆動すると、スリーブ16を介して入力軸2にトルクが伝わり、入力軸2が回転し、弁が開閉動作する。
【0012】弁の全開時もしくは全閉時に、弁の回転限度を越えて過大なトルクをキャップ11に加えると、入力軸2の側面に当接するスリーブ16の内側凸部18が弾性変形して入力軸2の角部を通過し、あるいは孔部14の凹部15とスリーブ16の外側凸部17とが離脱し、入力軸2に対してキャップ11がスリップしながら回転し、過大なトルクが入力軸2に伝わることを防止する。
【0013】入力するトルクに対するスリーブ16の内側凸部18の抗力は、内側凸部18の円弧形状を違えることにより、あるいはスリーブ16を構成する素材の材質、厚み等を選択することにより任意の値に設定することができ、予め設定する過大なトルクの値に応じて内側凸部18の抗力を設定する。
【0014】図5に示すように、スリーブ16の内側凸部18は、入力軸2の側面に当接する部位が平坦面を形成するものでも良い。また、孔部14の凹部15およびスリーブ16の外側凸部17は、円弧状に湾曲するもの以外に、角張った形状でも良い。
【0015】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、孔部の凹部でスリーブの外側凸部を係止し、スリーブの内側凸部で入力軸の角部を係止することにより、弁の開閉操作時に、キャップ(一次軸)に加えるトルクをスリーブを介して入力軸(二次軸)に伝えて弁を開閉操作することができ、弁の全開時もしくは全閉時に、過大なトルクをキャップに加えると、スリーブの内側凸部の弾性変形によりキャップをスリップさせて過大なトルクが入力軸に伝わることを防止できる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)4月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−304041
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−108375