| 【発明の名称】 |
圧力調整器 |
| 【発明者】 |
【氏名】三澤 一朗
【氏名】林 俊夫
【氏名】網谷 富治
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| 【要約】 |
【課題】圧力調整するガスが揮発性有機化合物により汚染されるのを防止できる圧力調整器を提供する。
【解決手段】有機溶剤により脱脂洗浄される部品を含む複数の部品から組み立てられ、ガス圧力の調整に用いられる。その有機溶剤により脱脂洗浄される部品は、その脱脂洗浄後であって組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機溶剤により脱脂洗浄される部品を含む複数の部品から組み立てられ、ガス圧力の調整に用いられる圧力調整器において、前記有機溶剤により脱脂洗浄される部品は、その脱脂洗浄後であって組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄されることを特徴とする圧力調整器。 【請求項2】 その圧力調整器は、圧力調整対象のガスに接する金属製部品、合成樹脂製部品、金属製部材と合成樹脂製部材の複合部品を有し、その金属製部品と複合部品は有機溶剤による脱脂洗浄後であって組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄され、その合成樹脂製部品は有機溶剤により洗浄されることなく純水により洗浄される請求項1に記載の圧力調整器。 【請求項3】 前記純水の比抵抗値は1×106 Ω・cm以上である請求項1または2に記載の圧力調整器。 【請求項4】 前記純水の比抵抗値は1.8×107 Ω・cm以上である請求項1〜3の中の何れかに記載の圧力調整器。 【請求項5】 前記有機溶剤により脱脂洗浄される部品は、前記純水による洗浄後であって組み立て前に、前記有機溶剤の沸点以上の温度に加熱された後に窒素が吹き付けられる請求項1〜4の中の何れかに記載の圧力調整器。 【請求項6】 前記有機溶剤としてアセトン、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンの中の少なくとも一つが用いられる請求項5に記載の圧力調整器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ガス容器に充填されるガス濃度測定用分析機器の校正に用いられる低濃度標準ガスや純ガス等の圧力調整に用いられる圧力調整器に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、大気中から検出される様々の有害物質による人体への影響が懸念されている。従って、このような有害物質の濃度が所定レベルを超えないように、その濃度を定期的に測定して監視する必要がある。 【0003】通常、有害な大気汚染物質の測定にはガスクロマトグラフなどのガス濃度測定用分析機器が用いられる。一般に、その測定値が低くなるほど測定精度が要求される。特に有害大気汚染物質の定量下限濃度はppb(10-9)〜ppt(10-12 )オーダーと極めて低濃度であるため、その信頼性を確保するために適当な標準物質による定期的かつ正確な分析機器の校正が必要になる。 【0004】有害物質が気体状の大気汚染物質の場合、その標準物質として有害物質を成分ガスとして含む標準ガスが用いられる。通常、その標準ガスは、高圧ガス容器に充填されて供給されるため、圧力調整器で大気圧近傍まで減圧した後に分析機器に導入される。従って、そのような高圧ガス容器と分析機器を接続するため、圧力調整器は必要不可欠の機器である。また、高圧ガス容器に充填された不純物を含まない純ガスを分析機器に送り込まれるキャリヤーガスとして用いるため、その純ガスの圧力調整にも圧力調整器が用いられている。通常、そのような圧力調整器は、弁本体、スプリング、バルブ等の金属製部品、パッキン、ガスケット等の合成樹脂製部品、ダイヤフラム等の金属製部材と合成樹脂製部材の複合部品から構成される。 【0005】その金属製部品や複合部品を構成する金属製部材は、SUS316等の金属を切削加工して製造される。その切削油を組み立て前に脱脂するため、その金属製部品や複合部品は塩化メチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の有機溶剤を脱脂洗浄剤として超音波洗浄がなされる。また、その圧力調整器の合成樹脂製部品も、同様に有機溶剤を脱脂洗浄剤として用いる超音波洗浄がなされる。 【0006】上記各部品は、脱脂洗浄された後に水道水またはイオン交換水により洗浄され、しかる後に、表面に付着した水分が窒素ブロー及び加熱により除去される。このようにして洗浄された部品から高圧ガス用圧力調整器が組み立てられた。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、脱脂洗浄剤として使用される塩化メチレン(沸点39.95℃)、テトラクロロエチレン(沸点121.2℃)、トリクロロエチレン(沸点88〜90℃)等の有機溶剤は、水道水またはイオン交換水による洗浄では完全に除去されず、一部が圧力調整器内部に残存する。また、合成樹脂製部品や複合部品を有機溶剤で脱脂洗浄した場合、有機溶剤は部品表面に付着するのみならず合成樹脂材内部に浸透し、圧力調整器内部に残存する。さらに、部品表面に付着した有機溶剤を微量に含む水分は、窒素ブロー及び加熱によっても完全に除去されないため、超微量の有機溶剤が圧力調整器内部に残存する。 【0008】上記のような有機溶剤が内部に残存する圧力調整器により、分析機器の校正に用いられる低濃度標準やガス純ガスを減圧すると、その純ガスや標準ガスが揮発性有機化合物によって汚染されてしまう。特に分析機器の校正用ガスが汚染された場合、大気中に超低濃度で存在する揮発性有機化合物を正しく分析できなくなるという問題がある。 【0009】本発明は、上記問題を解決することのできる圧力調整器を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、有機溶剤により脱脂洗浄される部品を含む複数の部品から組み立てられ、ガス圧力の調整に用いられる圧力調整器において、その有機溶剤により脱脂洗浄される部品は、その脱脂洗浄後であって組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄されることを特徴とする。本件発明者は、鋭意検討した結果、圧力調整器の部品を有機溶剤で脱脂洗浄した後に、純水により洗浄することにより、純水により洗浄を行わない場合に比べて、その部品に残存する有機溶剤のレベルを低減できることを見出した。これにより、圧力調整器により圧力調整されるガスが揮発性有機化合物によって汚染されるのを抑制し、あるいは防止できる。すなわち、本発明の圧力調整器を用いると二次側において有機溶剤を実質的に含まない、圧力調整されたガスを得ることができる。なお、圧力調整器を構成する全ての部品を有機溶剤と純水により洗浄する必要はなく、圧力調整対象のガスに接する部品のみ、あるいは、圧力調整対象のガスに接する部品の一部のみを、洗浄するものであってもよい。 【0011】その圧力調整器は、圧力調整対象のガスに接する金属製部品、合成樹脂製部品、金属製部材と合成樹脂製部材の複合部品を有し、その金属製部品と複合部品は有機溶剤による脱脂洗浄後であって組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄され、その合成樹脂製部品は有機溶剤により洗浄されることなく純水により洗浄されるのが好ましい。これにより、切削油が付着する金属製部品と複合部品に脱脂洗浄後に付着した有機溶剤を純水により洗浄し、それら部品に残存する有機溶剤のレベルを低減できる。また、脱脂洗浄の必要性の低い合成樹脂製部品を、有機溶剤により洗浄することなく純水で洗浄することにより、合成樹脂製部品表面への有機溶剤の付着、および合成樹脂製部品内部への有機溶剤の浸透をなくすことができる。 【0012】その純水の比抵抗値は1×106 Ω・cm以上であるのが好ましい。比抵抗値が1×106 Ω・cm未満の純水による洗浄効果は、水道水と実質的に同一であるためである。 【0013】その純水の比抵抗値は1.8×107 Ω・cm以上であるのが好ましい。その比抵抗値が1.8×107 Ω・cm以上の超純水を用いることで、有機溶剤の洗浄効果を大きくできる。 【0014】有機溶剤により脱脂洗浄される部品は、前記純水による洗浄後であって組み立て前に、前記有機溶剤の沸点以上の温度に加熱された後に窒素が吹き付けられるのが好ましい。これにより、脱脂洗浄用の有機溶剤を実質的に完全に除去し、いわゆる揮発性有機化合物フリーの圧力調整器が得られる。その窒素温度は、合成樹脂製部品と複合部品に吹きつける場合は高過ぎると部品の硬度、形状の変化等といった悪影響を与えるため40〜70℃が好ましく、金属製部品に吹きつける場合は40〜170℃が好ましい。この場合、有機溶剤としてアセトン、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンの中の少なくとも一つが用いられるのが好ましい。部品を加熱して窒素を吹き付けて有機溶剤を除去する上では、その有機溶剤は低沸点であるのが好ましいことによる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態の圧力調整器1を説明する。図1、図2に示す圧力調整器1は、有害大気汚染物質の測定用分析機器の校正に用いられるガスの圧力調整に用いられるもので、本体2と、一次側ガス導入部3と、一次側バルブ4と、一次側調整機構5と、二次側バルブ6と、二次側調整機構7と、二次側ガス送り出し部8と、ガス逃がし部9とを備える。 【0016】その本体2は円柱状金属製ブロックにより構成される。その一次側ガス導入部3は、その本体2の外周に一端がねじ込まれる金属管11と、この金属管11の一端内に配置される金属製フィルター12と、その金属管11の他端に取り付けられる金属製ナット13と、このナット13の内周に配置される合成樹脂製パッキン14とを有する。そのナット13に高圧ガス供給源(図示省略)から供給される高圧ガスの供給パイプ15がねじ合わされ、そのパイプ15と金属管11とでパッキン14が挟み込まれる。 【0017】一次側バルブ4は、図3にも示すように、本体2の一端側に形成された凹部21から本体2内にねじ込まれた金属製ガイド22と、このガイド22に本体2の軸方向(図において上下方向)に沿い移動可能に挿入された弁体23と、この弁体23がガイド22の内周に形成された弁座22aに向かうように、金属製プッシャー24を介して弾力を作用させる金属製スプリング25とを有する。そのガイド22と本体2との接合部間に合成樹脂製パッキン26が介在される。その弁体23は、金属製部材23aと合成樹脂製部材23bとの複合部品とされている。その金属製部材23aにガス通路23a′が形成されている。その合成樹脂製部材23bと弁座22aとの間が一次側絞り部とされる。その凹部21は、本体2に形成された第1通路27を介して一次側ガス導入部3に通じ、図2に示すように第2通路28を介して二次側バルブ6の凹部41に通じる。上記一次側絞り部は第1通路27と第2通路28の間に位置し、各通路27、28に通じる。 【0018】一次側調整機構5は、本体2の一端側に合成樹脂製ガスケット30を介してねじ合わされる金属製カバー31と、このカバー31と本体2との間に合成樹脂製シールリング32を介して配置されるダイヤフラム33と、このダイヤフラム33と金属製押し付け部材34を介して上記弁体23に弾力を作用させる金属製スプリング35と、このスプリング35の金属製バネ受け36を支持するようにカバー31にねじ合わされる金属製調節ネジ37とを有する。そのダイヤフラム33は、金属製フレーム33aと、このフレーム33aに取り付けられた合成樹脂製シート33bとから構成され、そのシート33bを介してスプリング35の弾力が押し付け部材34に付加される。 【0019】二次側バルブ6は、図4にも示すように、本体2の他端側に形成された凹部41から本体2内にねじ込まれた金属製ガイド42と、このガイド42に本体2の軸方向(図において上下方向)に沿い移動可能に挿入された弁体43と、この弁体43がガイド42の内周に形成された弁座42aに向かうように、金属製プッシャー44を介して弾力を作用させる金属製スプリング45とを有する。そのガイド42と本体2との接合部間には合成樹脂製パッキン46が介在される。その弁体43は、金属製部材43aと合成樹脂製部材43bとの複合部品とされている。その金属製部材43aにガス通路43a′が形成されている。その合成樹脂製部材43bと弁座42aとの間が二次側絞り部とされる。上記のように第2通路28を介して一次側バルブ4の凹部21に通じる凹部41は、第3通路47を介して二次側ガス送り出し部8に通じる。上記二次側絞り部は第2通路28と第3通路47の間に位置し、各通路28、47に通じる。その二次側ガス送り出し部8が分析機器に接続される。その二次側ガス送り出し部8は、本体2に金属製パッキン8aを介してねじ込まれる金属製ジョイント8bにより構成される。 【0020】二次側調整機構7は、本体2の他端側に合成樹脂製ガスケット50を介してねじ合わされる金属製カバー51と、このカバー51と本体2との間に合成樹脂製シールリング52を介して配置されるダイヤフラム53と、このダイヤフラム53と金属製押し付け部材54を介して上記弁体53に弾力を作用させる金属製スプリング55と、このスプリング55の金属製バネ受け56を支持するようにカバー51にねじ合わされる金属製調節ネジ57と、このネジ57に取り付けられる合成樹脂製ハンドル58とを有する。そのダイヤフラム53は、金属製フレーム53aと、このフレーム53aに取り付けられた合成樹脂製シート53bとから構成され、そのシート53bを介してスプリング55の弾力が押し付け部材54に付加される。 【0021】ガス逃がし部9は、図5にも示すように、本体2の外周にねじ込まれた金属製筒状ガイド62と、このガイド62に本体2の径方向(図において左右方向)に沿い移動可能に挿入された弁体63と、この弁体63がガイド62の内周に形成された弁座62aに向かうように、金属製プッシャー64を介して弁体63に弾力を作用させる金属製スプリング65と、このスプリング65を支持する金属製支持部材66と、この支持部材66を支持するようにガイド62にねじ合わされた金属製調節部材67と、そのガイド62と本体2との間に挟まれるパッキン68とを有する。その弁体63は、金属製部材63aと合成樹脂製部材63bとの複合部品とされている。その金属製部材63aにガス通路63a′が形成されている。その合成樹脂製部材63bと弁座62aとの間が常閉の逃がし通路とされる。その逃がし通路は、上記第2通路28とガイド62の外端の排出口62bとの間に位置し、その第2通路28と排出口62bとに通じる。 【0022】上記圧力調整器1によれば、高圧ガス容器から供給パイプ15を介して供給されるガスは、一次側ガス導入部3の金属管11、金属製フィルター12から、第1通路27を介して一次側バルブ4に至り、この一次側バルブ4の一次側絞り部、ガス通路23a′から、第2通路28を介して二次側バルブ6に至る。その一次側絞り部の開度に応じてガスは減圧されて二次側バルブ6に至る。その一次側絞り部の開度は、一次側調整機構5の調節ネジ37の回転により弁体23に作用するスプリング35の弾力を変更することで調節できる。その二次側バルブ6に至ったガスは、二次側バルブ6の二次側絞り部、ガス通路43a′から、第3通路47、二次側ガス送り出し部8を介して分析機器に送りこまれる。その二次側絞り部の開度に応じてガスは減圧されて分析機器に至る。その二次側絞り部の開度は、二次側調整機構7の調節ネジ57の回転により弁体43に作用するスプリング55の弾力を変更することで調節できる。その二次側バルブ6と二次側ガス送り出し部8との間の圧力、一次側バルブ4と二次側バルブ6の間の圧力が設定値よりも上昇した場合、ガス逃がし部9の弁体63が移動することで逃がし通路が開かれ、ガスが大気中に排出されることで、その圧力を設定値まで降下させることができる。その設定圧力は、スプリング65に弁体63に作用する弾力を金属製調節部材67の回転により変更することで調節できる。その一次側バルブ4と二次側バルブ6の間の圧力が設定値よりも降下した場合、一次側調整機構5のダイヤフラム33のシート33bが一次側バルブ4に向かい変位することで、その圧力を設定値まで上昇させることができる。その二次側バルブ6と二次側ガス送り出し部8との間の圧力が設定値よりも降下した場合、二次側調整機構7のダイヤフラム53のシート53bが二次側バルブ6に向かい変位することで、その圧力を設定値まで上昇させることができる。これにより、分析機器に送り込まれるガス圧力を設定値に調節できる。 【0023】その圧力調整対象のガスとしては、例えば、窒素等の純ガスや、ベンゼン、臭化メチル、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、塩化メチル、1,2‐ジプロモメタン、O‐ジクロロベンゼン、m‐ジクロロベンゼン、p‐ジクロロベンゼン、1,1‐ジクロロエタン、1,2‐ジクロロエタン、1,1‐ジクロロエチレン、cis‐1,2‐ジクロロエチレン、1,2‐ジクロロプロパン、cis‐1,3‐ジクロロプロペン、trans‐1,3‐ジクロロプロペン、塩化エチル、エチルベンゼン、フロン11、フロン12、フロン113、フロン114、六塩化ブタジエン、塩化メチレン、スチレン、1,1,2,2‐テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、トルエン、トリクロロベンゼン、1,1,1‐トリクロロエタン、1,1,2‐トリクロロエタン、トリクロロエチレン、プソイドキュメン、メシチレン、塩化ビニル、O‐キシレン、m‐キシレン、p‐キシレン、1,3‐ブタジエン、アクリロニトリル、塩化アリル、4‐エチルトルエン等の低濃度標準ガスを挙げることができる。 【0024】上記圧力調整器1を構成する部品の中で、少なくとも圧力調整対象のガスに接する金属製部品(本体2、パッキン8a、ジョイント8b、金属管11、フィルター12、ガイド22、42、62、プッシャー24、44、64、スプリング25、45、65、支持部材66、調節部材67)と複合部品(弁体23、43、63、ダイヤフラム33、53)は、有機溶剤により脱脂洗浄された後に、組み立て前に、その有機溶剤を除去できるように純水により洗浄される。また、少なくとも圧力調整対象のガスに接する合成樹脂製部品(パッキン14、26、46、68、ガスケット30、50、シールリング32、52)は、有機溶剤により洗浄されることなく純水により洗浄される。 【0025】その合成樹脂製部品あるいは複合部品を構成する合成樹脂部材の材料としては、例えば、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂を用いることができる。 【0026】その有機溶剤としては、例えばテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、塩化メチレン、アセトン、1,1,1‐トリクロロエタン、四塩化炭素(沸点74.74℃)、クロロホルム、1,2‐ジクロロエタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。 【0027】その純水の比抵抗値は好ましくは1×106 Ω・cm以上とされ、より好ましくは1.8×107 Ω・cm以上とされる。 【0028】上記構成によれば、圧力調整器1の部品を有機溶剤で脱脂洗浄した後に、純水により洗浄することにより、純水により洗浄を行わない場合に比べて、その部品に残存する有機溶剤のレベルを低減できる。これにより、圧力調整器1により圧力調整されるガスが揮発性有機化合物によって汚染されるのを抑制し、あるいは防止できる。すなわち、切削油が付着する金属製部品と複合部品に脱脂洗浄後に付着した有機溶剤を純水により洗浄し、それら部品に残存する有機溶剤のレベルを低減できる。また、脱脂洗浄の必要性の低い合成樹脂製部品を、有機溶剤により洗浄することなく純水で洗浄することにより、合成樹脂製部品表面への有機溶剤の付着、および合成樹脂製部品内部への有機溶剤の浸透をなくすことができる。これにより、本発明の圧力調整器1を用いると二次側において有機溶剤を実質的に含まない、圧力調整されたガスを得ることができる。 【0029】有機溶剤により脱脂洗浄される各部品は、前記純水による洗浄後であって組み立て前に、前記有機溶剤の沸点以上の温度に加熱された後に窒素が吹き付けられるのが好ましい。これにより、脱脂洗浄用の有機溶剤を実質的に完全に除去し、いわゆる揮発性有機化合物フリーの圧力調整器が得られる。その窒素温度は、合成樹脂製部品と複合部品に吹きつける場合は高過ぎると部品の硬度、形状の変化等といった悪影響を与えるため40〜70℃が好ましく、金属製部品に吹きつける場合は40〜170℃が好ましい。この場合、有機溶剤としてアセトン、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンの中の少なくとも一つが用いられるのが好ましい。部品を加熱して窒素を吹き付けて有機溶剤を除去する上では、その有機溶剤は低沸点であるのが好ましいことによる。 【0030】なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、圧力調整器を構成する部品の有機溶剤による脱脂洗浄と純水による洗浄との間に、水道水による洗浄を行ってもよい。また、有機溶剤による脱脂洗浄を行わない合成樹脂製部品を、純水による洗浄前に水道水による洗浄してもよい。また、合成樹脂製部品を有機溶剤により脱脂洗浄してもよい。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、圧力調整するガスが揮発性有機化合物により汚染されるのを防止できる圧力調整器を提供できる。 【0032】 【実施例1】上記実施形態に示した圧力調機器を、金属製部品、合成樹脂製部品、金属製部材と合成樹脂製部材の複合部品から組み立てる前に、各部品の洗浄を以下のように行い、その洗浄後に圧力調整器を組み立て、評価試験を行った。 (1)金属製部品および複合部品の洗浄第1洗浄工程として、脱脂洗浄用有機溶剤としてテトラクロロエチレンを用い、洗浄温度約86℃で約5分間、超音波洗浄を行い、その後、常温にして約5分間、浸漬洗浄を行いった。次に、窒素エアーガンで窒素を吹きつけることで、部品の凹部および表面に付着したテトラクロロエチレンを除去した。窒素は活性炭塔を通して水分、有機溶剤等を除去した清浄な乾燥したものを用いた。第2洗浄工程として、水道水により、洗浄温度約95℃で約30分洗浄した。次に、窒素エアーガンで窒素を吹きつけることで、部品の凹部および表面に付着した水道水を除去した。第3洗浄工程として、比抵抗値1×106 Ω・cmの純水25リットルを洗浄槽に満たし、且つ、その洗浄槽に5分おきに新液1リットルを注ぐことでオーバーフローさせながら、約40℃で約30分間、超音波洗浄を行なった。第4洗浄工程として、窒素エアーガンで窒素を吹きつけることで、部品の凹部および表面に付着した純水を除去した。次に、テトラクロロエチレンの沸点以上の温度に加熱した後に約30分窒素を吹き付けて乾燥させた。その加熱温度は金属製部品については約150℃、複合部品については約60℃とした。 (2)合成樹脂製部品の洗浄合成樹脂製部品については、上記金属製部品および複合部品の第1洗浄工程を除いた以外は同様の洗浄工程により洗浄を行った。 (3)圧力調整器の評価試験上記洗浄された各部品から組み立てられた圧力調整器1の一次側ガス導入部3を、純窒素ガスが充填された高圧容器に接続し、二次側ガス送り出し部8を液体窒素で冷却したコールドトラップに導いた。なお、圧力調整器の組み立てはクリーンルーム内で行なった。約10分間純窒素ガスを流した後、コールドトラップを約40〜50℃に加熱し、キャリヤーガスとしての純窒素を流し、キャリヤーガス中の有機不純物をキャピラリーガスクロマトフィーにより分離後、質量分析計(MS)で検出、定量を行なった。 【0033】 【実施例2】脱脂洗浄用有機溶剤剤として塩化メチレンを用い、その塩化メチレンによる脱脂洗浄温度を35℃にした以外は実施例1と同様にして、圧力調整器の金属製部品、複合部品、合成樹脂製部品を洗浄し、その洗浄後に圧力調整器を組み立て、実施例1と同様に圧力調整器の評価試験を行った。 【0034】 【比較例1】実施例1における第3工程、第4工程を行わない以外は実施例1と同様にして、圧力調整器の金属製部品、複合部品、合成樹脂製部品を洗浄し、その洗浄後に圧力調整器を組み立て、実施例1と同様に圧力調整器の評価試験を行った。 【0035】上記実施例1の圧力調整器の評価試験では、ガスクロマトグラムにテトラクロロエチレンあるいは塩化メチレンのピークは検出されなかった。これに対して、比較例1の圧力調整器の評価試験では、ガスクロマトグラムにテトラクロロエチレンのピークが検出され、その濃度は60ppbであった。すなわち、本発明の実施例によれば所期の効果を奏することを確認できた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000195661 【氏名又は名称】住友精化株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】根本 進
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| 【公開番号】 |
特開平11−304038 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−129614 |
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