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【発明の名称】 バルブポジショナ及び電空変換器
【発明者】 【氏名】齋藤 洋二

【氏名】木村 惇

【要約】 【課題】電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単なバルブポジショナを提供すること。

【解決手段】設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ14に操作出力を行う電空変換モジュール11とを有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から第1の電源電圧V1を生成する手段D1と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧V2を生成する手段D2と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路15〜17とを備えることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ(14)に操作出力を行う電空変換モジュール(11)とを有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から第1の電源電圧(V1)を生成する手段(D1)と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧(V2)を生成する手段(D2)と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路(15〜17)とを備えることを特徴とするバルブポジショナ。
【請求項2】前記一定電流引込み回路は、前記電空変換モジュールと直列に接続される第1の電流引込み回路(15)と、この第1の電流引込み回路に並列に接続される第2の電流引込み回路(16)と、この第1の電流引込み回路の引込み電流(I1)と第2の電流引込み回路の引込み電流(I2)の和が一定電流(Itotal)となるように制御する引込み電流制御回路(17)とを有することを特徴とする請求項1記載のバルブポジショナ。
【請求項3】前記第1の電流引込み回路は前記電空変換モジュールの操作出力に必要な電流を引込み、前記引込み電流制御回路は前記一定電流から第1の電流引込み回路の引込み電流を控除して前記第2の電流引込み回路の引込み電流を定めることを特徴とする請求項2記載のバルブポジショナ。
【請求項4】前記引込み電流制御回路は、前記第1の電流引込み回路への引込み電流指令値を入力するインバータ回路であることを特徴とする請求項3記載のバルブポジショナ。
【請求項5】前記電空変換モジュールは、第1の駆動巻線(N1)と、この第1の駆動巻線と逆方向に巻かれた第2の駆動巻線(N2)を有し、前記一定電流引込み回路は、この第1の駆動巻線と直列に接続される第1の電流引込み回路(15)と、この第2の駆動巻線と直列に接続される第2の電流引込み回路(16)と、この第1の電流引込み回路の引込み電流(I1)と第2の電流引込み回路の引込み電流(I2)の和が一定電流(Itotal)となるように制御する引込み電流制御回路(17)とを有することを特徴とする請求項1記載のバルブポジショナ。
【請求項6】設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ(14)に操作出力を行う電空変換モジュール(11)とを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から第1の電源電圧(V1)を生成する手段(D1)と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧(V2)を生成する手段(D2)と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路(15〜17)と、前記電流信号を入力する回路に設けられた、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路(Z1)を備えることを特徴とするバルブポジショナ。
【請求項7】設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ(14)に操作出力を行う電空変換モジュール(11)とを有すると共に、前記電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、前記電流信号から第1の電源電圧(V1)を生成すると共に、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路(Z2)と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧(V2)を生成する手段(D2)と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路(15〜17)と、を備えることを特徴とするバルブポジショナ。
【請求項8】前記能動負荷インピーダンス回路は、前記デジタル通信回路の送信信号を制御入力することを特徴とする請求項7記載のバルブポジショナ。
【請求項9】設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュール(11)とを有する電空変換器において、前記電流信号から第1の電源電圧(V1)を生成する手段(D1)と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧(V2)を生成する手段(D2)と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路(15〜17)とを備えることを特徴とする電空変換器。
【請求項10】前記電空変換器は、前記電流信号を入力する回路に設けられた、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路(Z1)を備えることを特徴とする請求項9記載の電空変換器。
【請求項11】前記能動負荷インピーダンス回路は、前記電流信号から第1の電源電圧(V1)を生成する手段と兼用して用いられることを特徴とする請求項10記載の電空変換器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル通信を行う機能を有するマイクロプロセッサを搭載したバルブボジショナに掛り、特に限られた入力電流でありながら電空変換モジュールに割り当てる電流を増加できる改良に関する。また、本発明は電気信号を空気信号に変換する電空変換器にも適用される。
【0002】
【従来の技術】バルブポジショナは、バルブの弁開度を直接制御するもので、フィードバック信号はバルブ開度信号やステムの位置信号となっている。電空変換器は、例えば4−20mA等の電気信号を0.2−1.0[kg/cm2]等の空気圧信号に変換するものである。バルブポジショナは、例えば本出願人の提案に掛かる特開平9−144703号公報に開示されている。
【0003】図7は従来のバルブポジショナの全体構成図である。図において、入力端子T1,T2には、バルブポジショナに対する、例えば4−20mA等の操作信号が入力される。ツェナダイオードD1は、抵抗R1を介して入力端子T1,T2に接続されており、モデム4やCPU等の内部回路用の電源電圧V1を生成する。コンデンサC1は、送信回路1と受信回路2を入力端子T2との間に挿入されたもので、電源電圧V1とデジタル通信信号とを直流的に絶縁する。コンデンサC2は、電源電圧V1のデカップリング回路で、電源電圧V1とグランドGND間でのエネルギの移動や帰還を防止している。
【0004】送信回路(transmitter)1は、相手機器に対するレスポンス信号をデジタル通信により送信する。受信回路(receiver)2は、相手機器から送られたリクエスト信号を受信する。ここで、相手機器は、2線の通信路を介して入力端子T1,T2と接続されている。また、送受信回路1,2のデジタル通信には、抵抗R1によるインピーダンスが有効に利用されて、ある一定電圧レベル以上の通信振幅を確保できるようにしている。電流検出回路(current detector)3は、入力端子T1,T2に入力された電流信号を検知するもので、この検知した信号はA/D変換器7に送られる。モデム(modem)4は、送受信回路1,2のデジタル通信の変復調を行うもので、CPUとの間で送受信内容の授受をする。なお、デジタル通信の周波数は1〜2kHzとなっているが、此れ以外の周波数でも差し支えない。
【0005】CPU6は、デジタル通信とバルブ14の位置制御を行うもので、メモリ5にリクエスト信号やリスポンス信号等の通信処理プログラム、並びにPID制御やファジー制御等の制御プログラムが格納されている。D/A変換器8は、CPUの制御出力がデジタル信号であるのをアナログ信号に変換する。駆動回路(driver)9は、D/A変換器8から送られたアナログ信号を増幅やインピーダンス変換して電空変換モジュール(I/P Module)に送る。センサインターフェイス回路10は、位置センサ13の信号を処理して、A/D変換器7に送る。A/D変換器7は、電流検出回路3から送られる入力電流信号と、センサインターフェイス回路10から送られるバルブの位置信号をデジタル信号化してCPUに送る。
【0006】次に空気系について説明する。電空変換モジュール11は、入力された駆動電流を空気圧信号に変換するもので、トルクモータによりノズルの空気圧を制御している。コントロールリレー12は、空気圧信号を増幅するもので、例えば0.2〜1.0[kgf/cm2]の空気圧信号によってバルブ14を開閉駆動する。バルブ14の弁開度は、バルブ14のステムの位置変動と相関があるので、このステムの位置を位置センサ13で検出する。
【0007】このように構成された装置においては、4−20mA等の操作信号を授受する2線式伝送路に、所定の通信プロトコルに従ったデジタル信号を重畳させることで、相手機器とバルブポジショナとの間で通信が行える。通信の内容としては、バルブ14に対する制御演算の為の制御パラメータ、ゼロ/スパン点の調整量、変位センサの信号出力、自己診断結果の授受である。通信データの読み込みは受信回路2→モデム4→CPU6の経路でなされ、通信データの送信はCPU6→モデム4→送信回路1の経路でなされる。バルブポジショナに入力された電流信号は、電流検出回路3→A/D変換器7→CPU6の経路で認識が行われる。
【0008】バルブ位置制御は、位置センサ13の位置信号をセンサインタフェース回路とA/D変換器7を介してCPUに送り、CPUでは制御演算を行い、制御出力をD/A変換器8を介して駆動回路9に送る。そして、駆動回路9→電空変換モジュール11→コントロールリレー12→バルブ14の経路で、バルブを駆動して弁開度を目標値に制御している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のデジタル通信機能を備えたバルブポジショナの典型的な動作仕様は次のようになっている。
最小動作端子間電圧:12Vdc(入力端子T1,T2)最小動作電流:3.6mA【0010】即ち、デジタル通信機能とバルブ位置制御は、入力端子T1,T2に供給される4mAの範囲内で機能させる必要がある。他方、CPUにマイクロプロセッサを用いる場合、省エネ技術の進歩により電子デバイスの消費電力は年々減少しているものの、尚CPUを用いないアナログ回路に比較すると、電空変換モジュール11に対する電流は制限される。しかし、電空変換モジュール11は電流で動作するデバイスなので、電空変換モジュール11に対する電流配分を減らすとバルブの応答性が悪くなったり、温度等の外乱に対する安定性のマージンがなくなるという課題があった。
【0011】他方、デジタル通信の為には負荷インピーダンスR1がおよそ250Ω以上であることが必要で、入力電流20mAでは5V以上の電圧降下となる。最小動作電圧は12Vなので、ツェナダイオードD1の電圧は7V以下としなければならない。そこで、電空変換モジュール11に対する電流配分を増すと共に、デジタル通信の確保のため負荷インピーダンスには抵抗R1に代えて能動負荷Z1が用いられている。
【0012】図8は能動負荷Z1の回路図である。トランジスタQ1は、コレクタ端子がツェナダイオードD1と接続され、エミッタ端子が抵抗R2を介して接地されている。トランジスタQ2は、コレクタ端子がツェナダイオードD1と接続されると共に抵抗R4を介してベース端子と接続され、エミッタ端子がトランジスタQ1のベース端子に接続されると共に抵抗R3を介して接地されている。トランジスタQ2のベース端子は、抵抗R5とコンデンサC3,抵抗R6の並列回路を介して接地されている。
【0013】図9は能動負荷Z1のインピーダンス特性図である。トランジスタQ1のトランスコンダクタンスの逆数は抵抗R2より充分小さい値とし、トランジスタQ2によるエミッタフォロワ回路の電圧利得を1とすると、インピーダンスZは次のように表される。
|Z|=R2*(1+R4/R5) (1:低周波数領域)
|Z|=R2*{1+R4/(R5//R6)} (2:高周波数領域)
【0014】能動負荷R1のインピーダンスに周波数特性を持たせる事で、通信周波数帯域でのインピーダンスを確保すれば、ツェナダイオードD1の電圧は9V以上に高く設定できる。
【0015】このようにツェナダイオードD1の電圧を高く設定した場合、バルブポジショナに与えられた電力を有効に利用する為に、例えば9Vから5Vに電源電圧をステップダウンするスイッチングレギュレータを用いて、電空変換モジュール11を含む内部回路への供給電流を稼ぐ手法が考えられる。しかし、スイッチングレギュレータを用いると、インダクタやトランジスタ等の部品点数が増加するという課題があった。また9Vから5Vへのステップダウンでは効率80%とした場合、稼げる電流は1.6mAである。
【0016】次に、ツェナダイオードD1の電圧を高く設定した場合の第2の電源構成として、米国特許5431182号に開示されたものがある。これによると、2個の電源回路を上下に直列に接続し、一方の電源をデジタル回路への電力供給用とし、他方の電源をその他の回路への電力供給用とするものである。しかし、二つの電源回路に接続された回路間の信号のやりとりには、電源系の違いを吸収するレベルシフト回路等が必要となり、回路が複雑化するという課題があった。上述の各種の事情は、電空変換器についても同様である。
【0017】本発明は上述の課題を解決したもので、電空変換モジュールに対する電流配分を大きくしつつ、部品点数が少なく回路構成の簡単なバルブポジショナ及び電空変換器を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1のバルブポジショナは、設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ14に操作出力を行う電空変換モジュール11とを有するバルブポジショナにおいて、電流信号から第1の電源電圧V1を生成する手段D1と、この第1の電源電圧より低い、デジタル演算回路の動作用電源電圧V2を生成する手段D2と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、電空変換モジュールと一定電流引込み回路15〜17とを備える構成としている【0019】このような構成によれば、第1の電源電圧生成手段は、入力電流から電空変換モジュールと動作用電源電圧生成手段に供給する電源電圧を生成している。電空変換モジュールは、一定電流引込み回路と組み合わせることで、電空変換モジュールに割り当てられる入力電流の割合を最適化している。一定電流引込み回路は、電空変換モジュールの負荷電流によらず、動作用電源電圧生成手段の電源電圧を安定化している。
【0020】ここで、請求項2のように、一定電流引込み回路は、電空変換モジュールと直列に接続される第1の電流引込み回路15と、この第1の電流引込み回路に並列に接続される第2の電流引込み回路16と、この第1の電流引込み回路の引込み電流I1と第2の電流引込み回路の引込み電流I2の和が一定電流Itotalとなるように制御する引込み電流制御回路17とを有する構成とするとよい。すると、第1の電流引込み回路と第2の電流引込み回路は、動作用電源電圧生成手段への一定電流供給回路として動作する。また、第1の電流引込み回路は、電空変換モジュールの電流駆動回路として動作する。
【0021】請求項3のように第1の電流引込み回路は電空変換モジュールの操作出力に必要な電流を引込み、引込み電流制御回路は一定電流から第1の電流引込み回路の引込み電流を控除して前記第2の電流引込み回路の引込み電流を定める構成とすると、引込み電流制御回路の回路構成が簡単になる。請求項4のように、引込み電流制御回路は、第1の電流引込み回路への引込み電流指令値を入力するインバータ回路とすると、引込み電流制御回路の回路構成が明確になる。
【0022】ここで、請求項5のように、電空変換モジュールは、第1の駆動巻線N1と、この第1の駆動巻線と逆方向に巻かれた第2の駆動巻線N2を有し、一定電流引込み回路は、この第1の駆動巻線と直列に接続される第1の電流引込み回路15と、この第2の駆動巻線と直列に接続される第2の電流引込み回路16と、この第1の電流引込み回路の引込み電流I1と第2の電流引込み回路の引込み電流I2の和が一定電流Itotalとなるように制御する引込み電流制御回路17とを有する構成とするとよい。すると、電空変換モジュールの総巻数は、第1の駆動巻線と第2の駆動巻線の巻数の和で与えられるが、電空変換モジュールの巻線の直流抵抗による電圧降下を請求項2の構成に比較して少なくできる。
【0023】上記目的を達成するために、本発明の請求項6のバルブポジショナは、設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ14に操作出力を行う電空変換モジュール11とを有すると共に、電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、電流信号から第1の電源電圧V1を生成する手段D1と、この第1の電源電圧より低い、デジタル演算回路の動作用電源電圧V2を生成する手段D2と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、電空変換モジュールと一定電流引込み回路15〜17と、電流信号を入力する回路に設けられた、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路Z1を備える構成としている。
【0024】このような構成によれば、能動負荷インピーダンス回路Z1は、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスを高くすることでデジタル通信を確保し、DC周波数帯域でのインピーダンスを低くすることで、限られた入力電流の内で第1の電源電圧生成手段で確保できる電源電圧を高くしている。
【0025】上記目的を達成するために、本発明の請求項7のバルブポジショナは、設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように弁開度を制御する制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換してバルブ14に操作出力を行う電空変換モジュール11とを有すると共に、電流信号の送られる伝送路を用いてデジタル通信を行うデジタル通信回路を有するバルブポジショナにおいて、電流信号から第1の電源電圧V1を生成すると共に、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路Z2と、この第1の電源電圧より低い、デジタル演算回路の動作用電源電圧V2を生成する手段D2と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、電空変換モジュールと一定電流引込み回路15〜17とを備える構成としている。
【0026】このような構成によれば、能動負荷インピーダンス回路Z2は、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスを高くすることでデジタル通信を確保し、DC周波数帯域でのインピーダンスを低くすることで、限られた入力電流の内で第1の電源電圧生成手段で確保できる電源電圧を高くしていると共に、電流信号から第1の電源電圧V1を生成している。電空変換モジュールと一定電流引込み回路は実質的に定電流回路であり、電圧依存性が低いことから、第1の電源電圧V1がデジタル通信の周波数で変動しても、動作に支障を生じない。
【0027】ここで、請求項8のように、能動負荷インピーダンス回路は、前記デジタル通信回路の送信信号を制御入力する構成とすると、消費電力が少なくて済む。
【0028】上記目的を達成するために、本発明の請求項9の電空変換器は、設定値情報を含む電流信号を入力し、この設定値と一致するように空気圧信号の制御演算を行うデジタル演算回路と、このデジタル演算回路の制御出力を空気圧信号に変換する電空変換モジュール11とを有する電空変換器において、前記電流信号から第1の電源電圧V1を生成する手段D1と、この第1の電源電圧より低い、前記デジタル演算回路の動作用電源電圧V2を生成する手段D2と、この第1の電源電圧生成手段と動作用電源電圧生成手段との間に挿入された、前記電空変換モジュールと一定電流引込み回路15〜17とを備えることを特徴としている。
【0029】このような構成によれば、第1の電源電圧生成手段は、入力電流から電空変換モジュールと動作用電源電圧生成手段に供給する電源電圧を生成している。電空変換モジュールは、一定電流引込み回路と組み合わせることで、電空変換モジュールに割り当てられる入力電流の割合を最適化している。一定電流引込み回路は、電空変換モジュールの負荷電流によらず、動作用電源電圧生成手段の電源電圧を安定化している。
【0030】ここで、請求項10のように、前記電空変換器は、前記電流信号を入力する回路に設けられた、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高い能動負荷インピーダンス回路Z1を備える構成とすると、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスを高くすることでデジタル通信を確保し、DC周波数帯域でのインピーダンスを低くすることで、限られた入力電流の内で第1の電源電圧生成手段で確保できる電源電圧を高くしている。
【0031】また、請求項11のように、前記能動負荷インピーダンス回路Z2は、前記電流信号から第1の電源電圧V1を生成する手段と兼用して用いる構成とすると、構成が簡単になる。電空変換モジュールと一定電流引込み回路は実質的に定電流回路であり、電圧依存性が低いことから、第1の電源電圧V1がデジタル通信の周波数で変動しても、動作に支障を生じない。
【0032】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて、本発明を説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図である。尚、図1において前記図7と同一作用をするものには同一符号を付して説明を省略する。図において、電流検出抵抗R20は、入力電流を正確に検出するもので、発生した電圧信号は電流検出回路3に送られる。能動負荷インピーダンス回路Z1は、直流領域でのインピーダンスが低く、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスが高いもので、電流検出抵抗R20と入力端子T2との間に挿入されている。能動負荷インピーダンス回路Z1には、例えば図8に開示した回路を用いる。
【0033】シャントレギュレータD2は、CPUやD/A変換器8等のデジタル演算回路と、モデム4や送受信回路1,2等のデジタル通信回路に対して供給する動作用電源電圧V2を供給するもので、例えば5Vとなっている。コンデンサC3は、シャントレギュレータD2と並列に接続されて動作用電源電圧V2を安定化している。
【0034】第1の電流引込み回路(current reg.1)15は、電空変換モジュール11と直列に接続されるもので、電流引込み値指令信号はD/A変換器8より送られる。第2の電流引込み回路(current reg.2)16は、電空変換モジュール11と第1の電流引込み回路15の直列回路に並列に接続されるものである。引込み電流制御回路17は、第1の電流引込み回路15の引込み電流I1と第2の電流引込み回路16の引込み電流I2の和が一定電流Itotalとなるように制御するもので、ここではD/A変換器8より送られる電流引込み値指令信号をインバータ回路で反転して第2の電流引込み回路16に供給している。電空変換モジュール11と第1の電流引込み回路15の直列回路は、ツェナダイオードD1の電源電圧V1とシャントレギュレータD2の動作用電源電圧V2との間に挿入されていて、電空変換モジュール11の駆動に必要な電流I1が流れる。
【0035】図2は本発明の第1の実施例を示す要部回路図である。起動抵抗R19は、シャントレギュレータD2へスタートアップ用の電流を供給するもので、電源電圧V1の電源ラインと動作用電源電圧V2の電源ラインとの間を接続している。D/A変換器8より送られる電流引込み値指令信号は、出力電圧範囲として0〜V2とする。
【0036】第1の電流引込み回路15は、トランジスタQ3と制御電圧発生用差動増幅器U1とを有している。トランジスタQ3はコレクタ端子が電空変換モジュール11と接続され、エミッタ端子が抵抗R17を介して動作用電源電圧V2に接続されている。分圧抵抗R7,R8は、動作用電源電圧V2と電流引込み値指令信号の差電圧を分圧して、差動増幅器U1のプラス端子に入力している。分圧抵抗R9,R10は、トランジスタQ3のエミッタ端子電圧とグランド電位の差電圧を分圧して、差動増幅器U1のマイナス端子に入力している。差動増幅器U1は、トランジスタQ3のベース端子に制御信号を送って、トランジスタQ3を可変抵抗として動作させて、引込み電流I1を定めている。引込み電流I1は、電流引込み値指令信号Vdacに比例する。
【0037】第2の電流引込み回路16は、トランジスタQ4と制御電圧発生用差動増幅器U2とを有している。トランジスタQ4はコレクタ端子が電源電圧V1と接続され、エミッタ端子が抵抗R18を介して動作用電源電圧V2に接続されている。分圧抵抗R11,R12は、動作用電源電圧V2と電流引込み値反転信号の差電圧を分圧して、差動増幅器U2のプラス端子に入力している。分圧抵抗R13,R14は、トランジスタQ4のエミッタ端子電圧とグランド電位の差電圧を分圧して、差動増幅器U2のマイナス端子に入力している。差動増幅器U2は、トランジスタQ4のベース端子に制御信号を送って、トランジスタQ4を可変抵抗として動作させて、引込み電流I2を定めている。引込み電流I2は、電流引込み値反転信号(V2−Vdac)に比例する。
【0038】引込み電流制御回路17は、電流引込み値指令信号を抵抗R15を介してマイナス端子に入力し、プラス端子に接続される基準電圧V2/2との差電圧を反転して、電流引込み値反転信号を出力する反転増幅器U3を有している。
【0039】このように構成された装置において、抵抗値に次の関係を持たせる。
R7=R9=R11=R13 (1) R8=R10=R12=R14 (2) R17=R18 (3)【0040】すると、引込み電流I1,I2には次のようになる。
I1=(R7/R8)*(1/R17)*Vdac (4) I2=(R11/R12)*(1/R18)*(V2−Vdac) =(R7/R8)*(1/R17)*(V2−Vdac) (5)起動抵抗R19に流れる電流が、I1とI2の総和より充分小さいとすると、和電流Itotalは常に一定となる。
Itotal =I1+I2 =(R7/R8)*(1/R17)*V2 (6)【0041】図3は、本発明の第2の実施例を示す要部回路図である。図2と相違する点を説明すると、電流引込み回路15,16は電空変換モジュール11の駆動巻線N1,N2と接続されている。駆動巻線N1と駆動巻線N2は、極性を示す●の位置から判別できるように、コアに巻かれている方向が逆になっている。この場合、単一の駆動巻線にセンタータップを設け、センタータップと電源電圧V1とを接続し、両端は夫々電流引込み回路15,16と接続するようにしてもよい。
【0042】このように構成された装置において、図2の実施例との比較で、電空変換モジュール11の総インダクタンス(総巻数)が同じであれば、電空変換モジュール11の動作スパンは変わらない。しかし、電空変換モジュール11の巻線の直流抵抗による電圧降下を半減することができる。例えば、巻線の直流抵抗を1kΩとし、引込み電流I1を0〜3mAとすると、電圧降下は最大3Vとなる。電源電圧V1が9Vで、動作用電源電圧V2が5Vであれば、エミッタ抵抗R17,R18の存在を考慮すると、電空変換モジュール11で許容される電圧降下は3V程度である。従って、巻線の直流抵抗の低下による効果は大きい。
【0043】或いは、回路電圧の設計制約により、電空変換モジュール11に許される電圧降下が制限されている場合には、駆動巻線により多くの巻数を確保できるので有効である。
【0044】図4は、本発明の第3の実施例を示す全体構成図である。図1と相違する点を説明すると、ツェナダイオードD1に代えて、能動負荷インピーダンスZ2が端子T1とグランドGNDとの間に挿入されると共に、コンデンサC1に代えて、コンデンサC5が端子T1と送信回路1、受信回路2との間に挿入されている。能動負荷インピーダンスZ2には、例えばシャントレギュレータや図8に示すトランジスタを組み合わせた回路が用いられる。
【0045】能動負荷インピーダンスZ2は、通信周波数帯域より低い周波数帯域では十分に低インピーダンスであり、電源電圧V1を生成する。通信周波数帯域では、デジタル通信に必要なインピーダンスを確保する。電空変換モジュール11、コントロールリレー12、電流引込み回路15,16は、実質的に定電流回路であり、電源電圧V1が直流的に安定であれば、動作に支障を生じない。即ち、電源電圧V1がデジタル通信周波数帯域で交流的に変化しても、電空変換モジュール11等の動作に支障を生じない。
【0046】図5は、本発明の第4の実施例を示す全体構成図である。図4と相違する点を説明すると、能動負荷インピーダンスZ2に代えて、送信回路1の出力信号によってインピーダンスを変化させる能動負荷インピーダンスZ3を有している。4−20mA等の直流入力電流が端子T1,T2間に印加されるが、能動負荷インピーダンスZ3のインピーダンスが変化することで、能動負荷インピーダンスZ3の両端電圧が変化して、送信電圧信号を発生させることができる。
【0047】図4の実施例では、送信回路1によって能動負荷インピーダンスZ2を駆動しているので、送信回路1の消費電力が大きい。これに対して、図5の実施例では、送信回路1は能動負荷インピーダンスZ3を制御しているだけであり、デジタル通信は4−20mA等の直流入力電流によって行われるので、送信回路1は省電力である。
【0048】図6は、本発明を電空変換器に適用する実施例の全体構成図である。図1と相違する点を説明すると、位置センサ13に代えて圧力センサ19を装着している。圧力センサ19は、コントロールリレー12の空気圧信号を入力する。このように構成すると、制御対象がバルブの入力空気圧なので、電空変換器にそのまま適用できる。この場合、電空変換器においても、バルブポジショナで得られたと同様の効果が得られる。
【0049】なお、上記実施例においては、差動増幅器等のアナログ演算回路をもちいて電流引込み回路15,16を構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、デジタル演算回路と抵抗群を用いた回路で構成しても差し支えない。さらに、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で種種変更して実施できることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のバルブポジショナによれば、第1の電源電圧生成手段は、入力電流から電空変換モジュールと動作用電源電圧生成手段に供給する電源電圧を生成している。電空変換モジュールは、一定電流引込み回路と組み合わせることで、電空変換モジュールに割り当てられる入力電流の割合を最適化している。一定電流引込み回路は、電空変換モジュールの負荷電流によらず、動作用電源電圧生成手段の電源電圧を安定化している。
【0051】請求項6記載のバルブポジショナによれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、更に能動負荷インピーダンス回路Z1が、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスを高くすることでデジタル通信を確保し、DC周波数帯域でのインピーダンスを低くすることで、限られた入力電流の内で第1の電源電圧生成手段で確保できる電源電圧を高くしている。
【0052】請求項7記載のバルブポジショナによれば、このような構成によれば、能動負荷インピーダンス回路Z2は、デジタル通信の周波数帯域でのインピーダンスを高くすることでデジタル通信を確保し、DC周波数帯域でのインピーダンスを低くすることで、限られた入力電流の内で第1の電源電圧生成手段で確保できる電源電圧を高くしていると共に、電流信号から第1の電源電圧V1を生成している。電空変換モジュールと一定電流引込み回路は実質的に定電流回路であり、電圧依存性が低いことから、第1の電源電圧V1がデジタル通信の周波数で変動しても、動作に支障を生じない。
【0053】請求項9記載の電空変換器によれば、第1の電源電圧生成手段は、入力電流から電空変換モジュールと動作用電源電圧生成手段に供給する電源電圧を生成している。電空変換モジュールは、一定電流引込み回路と組み合わせることで、電空変換モジュールに割り当てられる入力電流の割合を最適化している。一定電流引込み回路は、電空変換モジュールの負荷電流によらず、動作用電源電圧生成手段の電源電圧を安定化している。
【出願人】 【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)7月17日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−304033
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−203079