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【発明の名称】 エアバルブ
【発明者】 【氏名】白石 健司

【要約】 【課題】簡単な構成で、開弁時の空気流による弁体の振動を防止し、異音の発生や、弁体やシリンダ部の損傷の低減が可能なエアバルブを得る。

【解決手段】空気導入口2と弁座5とを有するフレーム1と、フレーム1に取り付けられ空気の排出口7を有するカバー6と、フレーム1とカバー6とで構成されるバルブ室9内に移動自在に設けられた弁体8と、カバー6の内面と弁体8との間に設けられ、弁体8を弁座5に押圧して弁体8に開弁圧を付与するコイルバネ12とを備え、コイルバネ12は両終端部にカバー6内面と弁体8に当接するフラット面12aと12bとを有すると共に、少なくとも一方のフラット面12bが一ターン未満とされ、フラット面12bに欠落部12cを設けるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気導入口とこの空気導入口の周囲に形成された弁座とを有するフレーム、このフレームに取り付けられ空気の排出口を有するカバー、上記フレームと上記カバーとで構成されるバルブ室内に移動自在に設けられた弁体、上記カバーの内面と上記弁体との間に設けられ、弁体を上記弁座に押圧して弁体に所定の開弁圧を付与するコイルバネを備え、上記コイルバネは両終端部にカバー内面と弁体とに当接するフラット面を有すると共に、少なくとも一方のフラット面が一ターン未満とされ、フラット面の一部に欠落部が設けられたことを特徴とするエアバルブ。
【請求項2】 コイルバネは、円錐台型に形成されると共に、第一の終端部がほぼ一ターン分のフラット面を有し、第二の終端部が一ターン未満のフラット面とされたことを特徴とする請求項1記載のエアバルブ。
【請求項3】 コイルバネは、円錐台型に形成されると共に、双方の終端部に一ターン未満のフラット面を有することを特徴とする請求項1記載のエアバルブ。
【請求項4】 コイルバネは、円筒状に形成されると共に、第一の終端部がほぼ一ターン分のフラット面を有し、第二の終端部が一ターン未満のフラット面とされたことを特徴とする請求項1記載のエアバルブ。
【請求項5】 コイルバネは、円筒状に形成されると共に、双方の終端部に一ターン未満のフラット面を有することを特徴とする請求項1記載のエアバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一定の空気圧を検知し、空気圧が所定値を越えたときリリースするエアバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7及び図8は、従来のエアバルブの構成と動作説明とを示す断面図である。図において、1は図示しない圧力装置などに取り付けられ、空気導入口2と導入路3とシリンダ部4と空気導入口2の周囲に形成された弁座5とを有するフレーム、6はフレーム1に取り付けられ、空気の排出口7を有するカバー、8はフレーム1とカバー6とにより形成されるバルブ室9内に設けられ、フレーム1のシリンダ部4に所定の隙間を有して移動自在に嵌挿された弁体、10はバルブ室9内において弁体8をフレーム1の弁座5に押圧して空気導入口2を閉じ、弁体8に所定の開弁圧を付与するバネ、11はバルブ室9の気密を保持するOリングである。
【0003】このように構成されたエアバルブにおいて、図示しない圧力装置から導入路3を経て連通する空気圧がエアバルブの所定の開弁圧に達すると、弁体8に加わる空気圧がバネ10の押圧力より大となって弁体8が押し上げられ、図8に示すように、空気導入口2が開いて加圧された空気はバルブ室9内のシリンダ部4と弁体8との隙間を通り排出口7から外部に放出され、空気圧が所定値以下に低下するとバネ10の押圧力により再び弁体8が空気導入口2を閉鎖する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のエアバルブにおいて、空気導入口3からシリンダ部4と弁体8との隙間を通り排出口7から排出される空気流は、その流路において流路面積の不一致などにより乱流を発生し、シリンダ部4と弁体8との間に発生する乱流は弁体8に振動を与え、弁体8が開いている間は弁体8が半径方向に振動したり、または、すりこぎ運動をして、弁体8、あるいは、シリンダ部4に損傷を与えたり、振動が空気の流路を変えることによる異音の発生が避けられないものであった。この振動は、空気流路の変化により生ずるもので、如何にエアバルブを構成する各部品が対称的にバランス良く作られたものであっても、図7の構成を持つ従来のエアバルブにおいては、一定値を越える圧力差の流体が通過するときには振動を防止することは困難であった。
【0005】この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、簡単な構成で、開弁時の空気流による弁体の振動を防止し、異音の発生や、弁体やシリンダ部の損傷の低減が可能なエアバルブを得ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるエアバルブは、空気導入口とこの空気導入口の周囲に形成された弁座とを有するフレームと、フレームに取り付けられ空気の排出口を有するカバーと、フレームとカバーとで構成されるバルブ室内に移動自在に設けられた弁体と、カバーの内面と弁体との間に設けられ、弁体を弁座に押圧して弁体に所定の開弁圧を付与するコイルバネとを備え、コイルバネは両終端部にカバー内面と弁体とに当接するフラット面を有すると共に、少なくとも一方のフラット面が一ターン未満とされ、フラット面の一部に欠落部が設けられるようにしたものである。
【0007】また、コイルバネが円錐台型に形成され、第一の終端部がほぼ一ターン分のフラット面を有し、第二の終端部が一ターン未満のフラット面となるように構成したものである。さらに、コイルバネが円錐台型に形成され、双方の終端部に一ターン未満のフラット面を有するように構成したものである。
【0008】さらにまた、コイルバネが円筒状に形成され、第一の終端部がほぼ一ターン分のフラット面を有し、第二の終端部が一ターン未満のフラット面となるように構成したものである。また、コイルバネが円筒状に形成され、双方の終端部に一ターン未満のフラット面を有するように構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1によるエアバルブの構成をその動作状態にて示した断面図、図2は、この発明のエアバルブに使用するバネの形状を示すもので、上記従来例と同一部分には同一符号を付している。図1において、1は図示しない圧力装置などに取り付けられ、空気導入口2と導入路3とシリンダ部4と空気導入口2の周囲に形成された弁座5とを有するフレーム、6はフレーム1に取り付けられ、空気の排出口7を有するカバー、8はフレーム1とカバー6とにより形成されるバルブ室9内に設けられ、フレーム1のシリンダ部4に所定の隙間を有して移動自在に嵌挿される弁体、12はバルブ室9内においてカバー6の内面と弁体8との間に設けられ、弁体8をフレーム1の弁座5に押圧して空気導入口2を閉じ、弁体8に所定の開弁圧を付与するバネ、11はバルブ室9の気密を保持するOリングである。
【0010】バネ12は、例えば、図2に示すように円錐台状のコイルバネが使用され、カバー6の内面に接する大径側終端部にはほぼ一ターン分のフラット面12aが形成され、弁体8に接する小径側終端部は一ターン分より少ない、例えば、1/2ターン分のフラット面12bが形成され、フラット面12bには欠落部12cが形成されて弁体8を押圧する押圧力が弁体8の中心に対して不均等に加わるように構成されている。
【0011】このように構成されたこの発明の実施の形態1のエアバルブにおいて、導入路3と連通する図示しない圧力装置の空気圧がエアバルブの開弁圧以上になった場合、空気導入口2から導入される空気圧により弁体8がバネ12の押圧力に抗して開弁するが、バネ12の押圧力が弁体8の中心に対して不均等に加わっているため、弁体8は図1に示すように斜めに開き、片開きの状態で空気導入口2から排出口7に加圧空気を放出する。このように、弁体8が片開きとなることにより放出空気の流路は弁体8の片側に偏り、流路を通過する空気圧により弁体8は一方に押し付けられるので、弁体8は振動することがなく、振動による構成部品の破損や、空気流の振動による異音の発生の抑制が可能となるものである。
【0012】実施の形態2図3は、この発明の実施の形態2のエアバルブに使用される円錐型コイルバネ13の形状を示すもので、この実施の形態のバネ13は、カバー6の内面と接する大径側終端部に一ターン分より少ないフラット面13aが形成され、弁体8と接する小径側終端部にはほぼ一ターン分のフラット面13bが形成されるようにして、大径側終端部に欠落部13cを設けたものである。このようにバネ形状を選定することにより、弁体8に加わるバネ13の力量が弁体8の中心に対して不均等となり、弁体8に開弁圧力が加わったときには弁体8は片開きとなり、実施の形態1と同様の動作と効果を得ることができるものである。
【0013】実施の形態3.図4は、この発明の実施の形態3のエアバルブに使用される円錐型コイルバネ14の形状を示すもので、この実施の形態のバネ14は、大径側終端部と小径側終端部との何れにも一ターン分未満のフラット面14aと14bが形成され、何れの側にも欠落部14cと14dとが設けられるようにしたものである。このようなバネ14においても、弁体8には中心に対する不均等な押圧力が加わり、弁体8に開弁圧力が加わったときには弁体8は片開きとなり、弁体8の振動を抑制することができるものである。なお、大径側の欠落部14cと、小径側の欠落部14dとの方向を一致させるのがより効果的である。
【0014】実施の形態4.図5及び図6は、この発明の実施の形態4のエアバルブに使用される円筒状のコイルバネの形状を示すもので、図5の円筒状コイルバネ15は、一方の終端部にほぼ一ターン分のフラット面15aが形成され、他の終端部に一ターン分未満のフラット面15bと欠落部15cとが形成されたものである。また、図6の円筒状コイルバネ16は、両終端部に共に一ターン分未満のフラット面16a及び16bと欠落部16c及び16dとが形成されるようにしたものである。この実施の形態においては、上記実施の形態1、ないし、実施の形態3に対し、円錐型コイルバネと円筒状コイルバネとの違いがあるが、バネの終端部形状は同一であり、同一効果を有するものである。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のエアバルブにおいては、弁体を押圧して開弁圧を決めるバネの弁体に加える押圧力が、弁体中心に対して不均等となるように構成したので、開弁時に弁体が片開きとなり、加圧空気の放出時に流路が弁体の片側に偏って流れるために弁体に振動が発生することがなく、簡単な構成で振動による異音の発生や構成部品の損傷が回避できるなど、優れたエアバルブを得ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
【公開番号】 特開平11−304026
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−114573