| 【発明の名称】 |
四方向切換弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】広田 久寿
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| 【要約】 |
【課題】冷媒の高低圧差が大きくてもスムーズに作動し、かつ切り換え動作が確実に行われる四方向切換弁を提供すること。
【解決手段】パイロット孔14がパイロット弁体175で塞がれた状態でモーター30により遊星歯車機構24を駆動すると、まずパイロット弁体175が回転してパイロット孔14が開放され、それから回転弁10が回転することにより二つの通孔11,12に対する低圧導出口7と高圧導入口8の連通状態が切り換わる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】シリンダー状の弁ケースと、低圧導出口と高圧導入口と二つの通孔とが穿設されて上記弁ケースの一方の面を塞ぐように配置された弁座と、上記低圧導出口といずれか一方の通孔とを連通させると同時に上記高圧導入口と他方の通孔とを連通させるための二つの連通溝が形成されて、上記弁座に対向して上記弁ケース内に軸線周りに回転可能に配置され、軸線周りに回転することにより上記二つの通孔に対する上記低圧導出口と上記高圧導入口の連通関係が切り換わる回転弁と、上記二つの連通溝のうち上記低圧導出口と連通する連通溝に通じる位置で上記回転弁を軸線方向に貫通するパイロット孔と、上記パイロット孔に上記弁ケースの内側から接離するように回転可能に配置されたパイロット弁体と、モーターによって駆動されて、上記回転弁と上記パイロット弁体のうち回転抵抗の小さな方を回転駆動するように作用する遊星歯車機構とが設けられ、上記パイロット孔が上記パイロット弁体で塞がれた状態で上記モーターにより上記遊星歯車機構を駆動すると、まず上記パイロット弁体が回転して上記パイロット孔が開放され、それから上記回転弁が回転することにより上記二つの通孔に対する上記低圧導出口と上記高圧導入口の連通状態が切り換わることを特徴とする四方向切換弁。 【請求項2】上記回転弁と上記パイロット弁体とに各々回転範囲を規制するためのストッパーが設けられている請求項1記載の四方向切換弁。 【請求項3】上記遊星歯車機構が、上記パイロット弁体に支持されている請求項1又は2記載の四方向切換弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のヒートポンプ方式冷暖房装置等における冷媒管路の切り換えに用いられる四方向切換弁に関する。 【0002】 【従来の技術】そのような用途に用いられる四方向切換弁は、蒸発器等に接続された冷媒配管の両端に対して、圧縮機入口に通じる低圧冷媒配管と圧縮機出口に通じる高圧冷媒配管の接続関係を切り換えるように動作するが、冷媒の圧力差が大きいとスムーズに動作することができない。 【0003】そこで従来は、弁座に形成された低圧導出口と高圧導入口と二つの通孔との連通関係を切り換えるための弁体にパイロット孔を形成して、ソレノイドで駆動されるパイロット弁体をパイロット孔に対して垂直に接離させ、弁体を永久磁石の有する磁力で回転駆動して、二つの通孔に対する低圧導出口と高圧導入口の連通関係を切り換えていた(特開平9−292050号)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような従来の四方向切換弁においては、永久磁石の有する磁力だけで弁体を回転駆動して切り換えを行っているので、弁体に対する回転抵抗が何らかの原因で大きくなったときに、弁体が回転せず、切り換えが行われなわれなくなってしまう場合がある。 【0005】そこで本発明は、冷媒の高低圧差が大きくてもスムーズに作動し、かつ切り換え動作が確実に行われる四方向切換弁を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の四方向切換弁は、シリンダー状の弁ケースと、低圧導出口と高圧導入口と二つの通孔とが穿設されて上記弁ケースの一方の面を塞ぐように配置された弁座と、上記低圧導出口といずれか一方の通孔とを連通させると同時に上記高圧導入口と他方の通孔とを連通させるための二つの連通溝が形成されて、上記弁座に対向して上記弁ケース内に軸線周りに回転可能に配置され、軸線周りに回転することにより上記二つの通孔に対する上記低圧導出口と上記高圧導入口の連通関係が切り換わる回転弁と、上記二つの連通溝のうち上記低圧導出口と連通する連通溝に通じる位置で上記回転弁を軸線方向に貫通するパイロット孔と、上記パイロット孔に上記弁ケースの内側から接離するように回転可能に配置されたパイロット弁体と、モーターによって駆動されて、上記回転弁と上記パイロット弁体のうち回転抵抗の小さな方を回転駆動するように作用する遊星歯車機構とが設けられ、上記パイロット孔が上記パイロット弁体で塞がれた状態で上記モーターにより上記遊星歯車機構を駆動すると、まず上記パイロット弁体が回転して上記パイロット孔が開放され、それから上記回転弁が回転することにより上記二つの通孔に対する上記低圧導出口と上記高圧導入口の連通状態が切り換わることを特徴とする。 【0007】なお、上記回転弁と上記パイロット弁体とに各々回転範囲を規制するためのストッパーが設けられているとよく、上記遊星歯車機構が、上記パイロット弁体に支持されていてもよい。 【0008】 【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は四方向切換弁の縦断面図であり、図2はそのII−II断面図である。なお、図1は、図示の都合上、異なる部分の断面を複合して示してある。 【0009】1は、シリンダー状に形成された弁ケースであり、その両端は、底部の弁座板2と反対側の蓋体3によって気密に塞がれている。4,5は固定部シール用のOリングである。 【0010】弁座板2には、外側から冷媒配管が接続される四つの孔(低圧導出口7、高圧導入口8及び第1と第2の通孔11,12)が中心軸の周りに90°間隔で貫通して穿設されている。 【0011】図1には、圧縮機へ冷媒を戻すための低圧冷媒配管Aが接続された低圧導出口7と、圧縮機から冷媒が送られてくる高圧冷媒配管Bが接続された高圧導入口8とが図示されており、蒸発器や凝縮器に接続された配管(図示せず)の両端が、図2に示される第1の通孔11と第2の通孔12に接続されている。 【0012】弁ケース1内には、その軸線周りに回転自在な円盤状の回転弁10が弁座板2に面する位置に配置されており、その外周面には、弁ケース1の内周面との間をシールする運動用のOリング9が装着されていて、弁ケース1内の回転弁10と蓋体3との間の空間が調圧室50になっている。 【0013】回転弁10の裏面(弁座板2に対向する側の面)部分には、通孔11,12の一方と低圧導出口7とを連通させるための低圧側連通溝21と、もう一方の通孔12,11と高圧導入口8とを連通させるための高圧側連通溝22が形成されている。 【0014】低圧側連通溝21と高圧側連通溝22は、回転弁10を90°回転させることにより、低圧導出口7が第1の通孔11と連通して高圧導入口8が第2の通孔12と連通する第1の状態と、低圧導出口7が第2の通孔12と連通して高圧導入口8が第1の通孔11と連通する第2の状態とに切り換わる。 【0015】回転弁10には、調圧室50と低圧側連通溝21内とを連通させるパイロット孔14が軸線方向に貫通して穿設されている。また、調圧室50と高圧側連通溝22内とを連通させるリーク孔15が、やはり軸線方向に貫通して穿設されており、リーク孔15の孔径はパイロット孔14の孔径より遙かに細く形成されている。 【0016】弁ケース1の中心軸位置には、軸棒16がその一端を弁座板2に支持されて配置されており、図3に平面形状が示されるパイロット弁フレーム17が、軸棒16に回転自在に嵌着されて調圧室50内に配置されている。 【0017】図3に示されるように、パイロット弁フレーム17には、軸棒16が回転自在に嵌挿される軸孔171を中心にして、扇状に歯車受け部172が形成され、その両側に、先端部分175aでパイロット孔14を塞ぐためのパイロット弁部175が翼状に突出形成されている。 【0018】なお、パイロット弁フレーム17は、パイロット孔14の開口に当接するパイロット弁部175の先端部分175aだけが裏側に少し突出して形成されていて、パイロット弁フレーム17がリーク孔15の開口を塞がないようになっている。173,174は歯車の軸を受けるための軸孔である。 【0019】図1に戻って、パイロット弁フレーム17の歯車受け部172には、二つの軸孔173,174に立設された軸棒の周りに回転自在な複数の歯車からなる遊星歯車24が配置されていて、回転弁10にその軸線周りに半円弧状に突出形成された内歯歯車25と噛み合っている。26は、歯車の軸棒の他端側が嵌め込まれた受け部材であり、パイロット弁フレーム17の歯車受け部172と同形状に形成されている。 【0020】遊星歯車24は、一方では軸棒16に回転自在に軸支された駆動歯車27と噛み合っており、この駆動歯車27が回転すると、その回転が遊星歯車24に伝達されることにより、パイロット弁フレーム17と回転弁10のうちの回転抵抗の小さい方が回転をする。 【0021】調圧室50の外部には、正逆回転自在な直流電動モーター30が配置されており、軸棒16の軸線周りに回転自在に配置された筒状の永久磁石32が、伝達歯車31を介してモーター30により回転駆動される。 【0022】永久磁石32と駆動歯車27との間はシール材33とスリーブ34によって気密に仕切られているが、永久磁石32は、磁性体によって形成された駆動歯車27の軸部27aを外側から囲むように配置されている。 【0023】したがって、永久磁石32と駆動歯車27の軸部27aとは磁気カップリングを形成しており、永久磁石32が回転することにより駆動歯車27が回転駆動され、その回転力が遊星歯車24に伝えられる。 【0024】なお、遊星歯車27と内歯歯車25とによって後段において大きな減速が行われるので、この部分の磁気カップリングは、回転弁10に加わる回転抵抗の大小にかかわらず確実な回転力伝達機能を有する。 【0025】パイロット弁フレーム17と回転弁10には、各々回転範囲を規制するストッパが設けられており、パイロット弁フレーム17の回転範囲は、蓋体3から弁ケース1内に向かって間隔をあけて突設された一対の突起36,37に受け部材26が当接することによって、例えば30°に規制されている。 【0026】また、蓋体3の外側に配置された基板40に間隔をあけて一対のホール素子41,42が配置されており、回転弁10から突設された柱部に取り付けられた永久磁石43がホール素子41,42に対向する位置にくると、モーター30の電源がオフにされて、回転弁10の回転範囲が90°になるように規制されている。 【0027】このように構成された四方向切換弁は、図2に示された状態においては、低圧側連通溝21によって低圧導出口7と第1の通孔11とが連通し、高圧側連通溝22によって高圧導入口8と第2の通孔12とが連通した状態で安定している。このとき、パイロット孔14はパイロット弁部175により塞がれていて、調圧室50内はリーク孔15から漏入する高圧冷媒によって高圧になっている。 【0028】そこで、モーター30によって遊星歯車24を駆動すると、回転弁10は調圧室50と低圧側連通溝21内との圧力差によって弁座板2に押しつけられていて回転抵抗が大きいので、パイロット弁フレーム17が回転し、図4に示されるように、受け部材26が第2の突起37に当接すると停止する。 【0029】その間に、パイロット弁部175がパイロット孔14の正面から退避するので、パイロット孔14と低圧側連通溝21を介して低圧導出口7と調圧室50とが連通し、調圧室50内は低圧になる。 【0030】その結果、回転弁10は弁座板2に押しつけられない状態になるので、図5に示されるように、回転弁10がパイロット弁フレーム17の回転方向と逆方向に回転し、永久磁石43が第1のホール素子41に対向する位置まで90°回転する。 【0031】永久磁石43が第1のホール素子41に対向すると、モーター30がオフにされることにより全ての動作が停止する。すると、この状態においては、低圧側連通溝21によって低圧導出口7と第2の通孔12とが連通し、高圧側連通溝22によって高圧導入口8と第1の通孔11とが連通する状態に切り換わっている。 【0032】すると、パイロット孔14がパイロット弁部175によって塞がれ、リーク孔15から漏入する高圧冷媒によって調圧室50内が高圧になるので、回転弁10が弁座板2に押しつけられて安定して静止すると共に、回転弁10と弁座板2との間の隙間に冷媒漏れが発生しない。 【0033】そして、その状態からモーター30を逆回転させれば、上述の動作と同様にして図6に示される状態を経て再び図2に示される状態に切り換わる。 【0034】 【発明の効果】本発明によれば、パイロット弁体がパイロット孔を塞いだ状態でモーターで遊星歯車機構を駆動することにより、まずパイロット弁体が回転してパイロット孔が開放され、それから回転弁が回転することにより二つの通孔に対する低圧導出口と高圧導入口の連通状態が切り換わるので、冷媒の高低圧差が大きくても管路をスムーズに切り換えることができ、しかも回転弁がモーターで回転駆動されて切り換えが行われるので、回転弁に作用する回転抵抗に係わらず切り換え動作が確実に行われる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000133652 【氏名又は名称】株式会社テージーケー
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】三井 和彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−230386 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)8月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−29391 |
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