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【発明の名称】 弁ユニット及びこれを用いた循環温浴器
【発明者】 【氏名】楢木野 滋

【氏名】末松 真二

【要約】 【課題】浴水の殺菌及び加熱・濾過の循環に際して熱水の浴槽側への流入を防いで安全に使用できしかも切替え用の弁の駆動のための機構も簡略化した弁ユニット及びこれを用いた循環温浴器を提供する。

【解決手段】浴槽11内の浴水を殺菌及び加熱濾過するための閉ループの循環流路系統に循環ポンプ17を備え、浴水の吸引及び殺菌・濾過処理後の浴水の吐出のためのノズル部15とを備え、ノズル部15に備えた弁ユニット1に閉循環または浴槽11側への還流の切替え機能を持たせるとともに、流路内圧に応動して流路を外部に対して開閉操作可能な圧力応動弁を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】流入口と第1の流出口及び第2の流出口とを備え、前記流入口と第1及び第2の流出口との間の流路に流路切替え用の切替え弁を備える弁ユニットであって、いずれか一方の流出口側への流路に、流路内圧に応動して流路を外部に対して開閉操作可能な圧力応動弁を備えてなることを特徴とする弁ユニット。
【請求項2】前記切替え弁は、電気的駆動手段に連接されて流路の切替え動作を可能としてなることを特徴とする請求項1記載の弁ユニット。
【請求項3】前記切替え弁は、内部流体の高温雰囲気によって流路の切替え動作を付勢駆動する形状記憶素子を含むことを特徴とする請求項1記載の弁ユニット。
【請求項4】浴槽内の浴水を抗菌及び加熱濾過するための閉ループの循環流路系統と、この循環流路系統に備えた循環ポンプと、浴槽内に配置され浴槽内の浴水の吸引及び抗菌・濾過処理後の浴水の吐出のためのノズル部とを備えた循環温浴器であって、前記ノズル部に、請求項1から3のいずれかに記載の弁ユニットを備え、この弁ユニットの流入口を循環流路系統の終端流路に接続し、第1の流出口を浴槽側に接続し、第2の流出口を循環流路系統の始端流路に接続してなることを特徴とする循環温浴器。
【請求項5】前記弁ユニットの第2の流入口を循環流路系統の始端に接続して前記浴槽を含まない閉循環路を形成し、この閉循環路内に含まれた浴水を加熱して前記循環ポンプにより循環させた後、前記圧力応動弁を開弁させる系としてなることを特徴とする請求項4記載の循環温浴器。
【請求項6】前記圧力応動弁を、前記循環ポンプの吐出力の上昇に基づく内圧増加により開弁駆動可能としてなることを特徴とする請求項4または5記載の循環温浴器。
【請求項7】前記圧力応動弁を、前記弁ユニット内の弁の開度の絞りに基づく内圧増加により開弁駆動可能としてなることを特徴とする請求項4または5記載の循環温浴器。
【請求項8】前記閉循環路内に含まれた浴水の温度を検知する温度検知手段を備え、この温度検知手段による温度検知値が或る設定温度に達したとき、前記圧力応動弁を開弁駆動する系としてなることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の循環温浴器。
【請求項9】前記圧力応動弁をタイマー制御で動作させる系としてなることを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の循環温浴器。
【請求項10】前記圧力応動弁からの流路の終端を前記ノズル部が浴槽の中央側に臨まない面に位置させてなることを特徴とする請求項4から9のいずれかに記載の循環温浴器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の流体流路の開閉や流路の切替えのための弁ユニット及びこれを用いた循環温浴器に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば給湯や給水の配管設備では、給湯及び給水の供給源側から給湯器や浴槽等の多数の末端機器までの流路が複雑に分岐した配管となる場合、流路の開閉と末端側への流路の切替えのための弁ユニットが組み込まれる。このような弁ユニットは、手動式またはモータを用いた電動式としたり、ラッチングソレノイドを用いた電磁駆動方式のものが従来から広く知られている。
【0003】一方、高温の湯等の流体が供給される配管系統では、通過する流体温度に感応する形状記憶合金を含む弁ユニットが既に開発されている。これは、たとえば流路開閉用または切替用の弁体を形状記憶合金製のスプリングによって保持し、通過流体の温度に応じて弁体を駆動制御して流路を開閉したり流路を切替え可能としたものである。
【0004】図5は形状記憶合金バネを用いた従来の切替弁の概略全体図である。図において、配管中に組み込んだ弁ユニットのハウジング51は、その右側端を流入口52及び左側端を流出口53とし、内部にスピンドル54を収納してその左端に形成した弁体54aを、流出口53の基端に設けたテーパ面状の弁座53aに着座可能としている。そして、スピンドル54は形状記憶スプリング55とバイアススプリング56とによって軸線方向の動きを拘束されている。
【0005】形状記憶スプリング55は、温度に応じてバネ荷重が変化するもので、通常時はそのバネ荷重はバイアススプリング56よりも小さく設定する。これにより、スピンドル54は図において右側に押された位置に保持され、弁体54aは弁座53aから離れて開弁状態に維持され、流入口52から流出口53側へ向けて流体が順方向として供給される。
【0006】一方、順方向流れの流体が高温であって形状記憶スプリング55のバネ荷重が大きくなり、(バイアススプリング56のバネ荷重)<(形状記憶スプリング55のバネ荷重)の関係となる温度以上となると、形状記憶スプリング55がバイアススプリング56のバネ荷重より大きくなる。これにより、スピンドル54は図5において左側に押され、弁体54aが弁座53aに着座して流路が閉じられる。
【0007】このように、形状記憶スプリング55とバイアススプリング56とを組み合わせたものでは、通過する流体の温度が或る値より低いと順方向の流路を常時開いておくことができ、この臨界値の温度を越えると流路が自動的に遮断され、温度応動型の弁として利用することができる。
【0008】一方、生活の快適さや便利さを追及して循環温浴器が一般家庭においても普及しつつある。この循環温浴器は浴水を循環させてろ過槽で浴水をろ過して清浄化し、ヒータによって浴水を保温加熱しておくというもので、図6に従来の循環温浴器の概略全体図を示す。
【0009】図6において、浴槽11内には湯を吸引するための吸入口12を下端側に臨ませたノズル部15を浸漬し、このノズル部15には吸入された湯から髪の毛等を濾過するめのトップフィルタ14と循環して濾過された湯を再び浴槽11に戻すための吐出口24を設けている。
【0010】ノズル部15は吸入流路16と吐出流路23とによって循環濾過系統に接続されたものである。すなわち、吸入流路16からの流路の順に循環ポンプ17,湯の温度検知用の温度検知部18,吸引した湯を殺菌・滅菌処理するための紫外線照射装置20及び流路の二方切替えのための第1流路切替弁21を配置している。
【0011】第1流路切替弁21の一方の切替流路は排出口26に連通し、他方の流路は濾過槽19に連通している。この濾過槽19は、外郭をステンレス製の陰極19cとするとともに中央に円筒状のアルミ製の陽極19b及びとヒータ19aを配置したもので、ヒータ19aの下側には濾床19eによって支持された濾材19dを内蔵している。
【0012】更に、濾過槽19の下流には第2流路切替弁22及び第3流路切替弁101を配置している。第2流路切替弁22は循環ポンプ17と紫外線照射装置20との間の流路と第3流路切替弁101とを含む3方切替弁であり、第3流路切替弁101はノズル部15から循環ポンプ17までの間の流路と吐出流路23とを含む3方切替弁である。
【0013】このような循環温浴器では、循環ポンプ17が運転開始されると、浴槽11内の浴水が吸入口12より吸引されトップフィルター14で髪毛等の大きいゴミを除去し循環が開始される。循環ポンプ17から吸入された浴水は、濾過槽19のヒータ19aによって適当な温度に加熱されるとともに電気化学的な懸濁物質の凝集により濾過される。そして、濾過槽19で浄化された浴水は吐出口24から浴槽11に戻される。
【0014】従来の循環温浴器では、このような浴水の循環が継続され、浴水中の懸濁物質を取り除いて清浄化が常時行われる。そして、いつでも快適に入浴できるようにするため、浴水を循環しながら紫外線照射装置20によって一定時間紫外線による抗菌処理が施される。
【0015】抗菌処理の有効な手段として、高温抗菌方法が既に知られている。これは、第1流路切替弁21をa→c方向に、第2流路切替弁22をc→a方向に、第3流路切替弁101をc→a方向(通常循環時はc→b方向)に切り替えて操作するというものである。これにより、浴槽11を除いて循環系統の本体側のみの循環を行い、ヒータ19aで加熱することで循環している浴水の水温を高温(70℃程度)とし、循環流路及び濾過槽19の高温抗菌処理を行い、抗菌処理後の熱水は吐出口24から浴槽11へ排出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような高温抗菌処理では、処理直後の熱水がノズル部15の吐出口24から浴槽11内に送り込まれるとき、入浴者が熱い湯に触れてしまう恐れがある。このため、入浴の安全性を維持するため、従来では、高温抗菌処理した後には循環系統の中で高温水を自然冷却により安全な温度になるまで下げ、この後浴槽11に戻すようにしている。
【0017】ところが、このように高温水が適切な温度に下がるまで自然冷却する操作では、浴槽11に湯を戻すまでの時間が長くなる。したがって、この自然冷却の間、浴槽水の循環が停止するので、浴槽水温が低下してしまったり、ジェット運転すなわち浄化された浴水を吐出口24から浴槽へ戻す際に浴水の吐出と同時に気泡を吐出口24から吐出させる運転モードができない時間が長くなる等の問題があった。
【0018】本発明において解決すべき課題は、浴水の抗菌及び加熱・濾過の循環に際して熱水の浴槽側への流入を防いで安全に使用でき、しかも切替え用の弁の駆動のための機構も簡略化した設備として循環温浴器を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の弁ユニットは、流入口と第1の流出口及び第2の流出口とを備え、前記流入口と第1及び第2の流出口との間の流路に流路切替え用の切替え弁を備える弁ユニットであって、いずれか一方の流出口側への流路に、流路内圧に応動して流路を外部に対して開閉操作可能な圧力応動弁を備えてなることを特徴とする。
【0020】また、この弁ユニットを備える本発明の循環温浴器は、浴槽内の浴水を抗菌及び加熱濾過するための閉ループの循環流路系統と、この循環流路系統に備えた循環ポンプと、浴槽内に配置され浴槽内の浴水の吸引及び抗菌・濾過処理後の浴水の吐出のためのノズル部とを備えた循環温浴器であって、前記ノズル部に備える弁ユニットを、流入口と第1の流出口及び第2の流出口とを備え、前記流入口と第1及び第2の流出口との間の流路に流路切替え用の切替え弁を備える弁ユニットであって、いずれか一方の流出口側への流路に、流路内圧に応動して流路を外部に対して開閉操作可能な圧力応動弁を備えたものとし、弁ユニットの流入口を循環流路系統の終端流路に接続し、第1の流出口を浴槽側に接続し、第2の流出口を循環流路系統の始端流路に接続したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、流入口と第1の流出口及び第2の流出口とを備え、前記流入口と第1及び第2の流出口との間の流路に流路切替え用の切替え弁を備える弁ユニットであって、いずれか一方の流出口側への流路に、流路内圧に応動して流路を外部に対して開閉操作可能な圧力応動弁を備えてなるものであり、圧力応動弁を動作させるためには流路内圧力を変化させるだけでよいという作用を有する。
【0022】請求項2に記載の発明は、前記切替え弁は、電気的駆動手段に連接されて流路の切替え動作を可能としてなる請求項1記載の弁ユニットであり、電気的に切替弁を制御するために、確実に且つ他の条件に影響されずに切替弁の制御ができるという作用を有する。
【0023】請求項3に記載の発明は、前記切替え弁は、内部流体の高温雰囲気によって流路の切替え動作を付勢駆動する形状記憶素子を含む請求項1記載の弁ユニットであり、電気部品を使用しないため、防水構造を必要とせず、安価に且つ容易に弁を構成できるという作用を有する。
【0024】請求項4に記載の発明は、浴槽内の浴槽を抗菌及び加熱濾過するための閉ループの循環流路系統と、この循環流路系統に備えた循環ポンプと、浴槽内に配置され浴槽内の浴水の吸引及び抗菌・濾過処理後の浴水の吐出のためのノズル部とを備えた循環温浴器であって、前記ノズル部に、請求項1から3のいずれかに記載の弁ユニットを備え、この弁ユニットの流入口を循環流路系統の終端流路に接続し、第1の流出口を浴槽側に接続し、第2の流出口を循環流路系統の始端流路に接続してなる循環温浴器であり、閉循環流路内を循環中に、循環する浴水の圧力差のみで容易に排出することができるという作用を有する。
【0025】請求項5に記載の発明は、前記弁ユニットの第2の流入口を循環流路系統の始端に接続して前記浴槽を含まない閉循環路を形成し、この閉循環路内に含まれた浴水を加熱して前記循環ポンプにより循環させた後、前記圧力応動弁を開弁させる系としてなる請求項4記載の循環温浴器であり、圧力を変化させるだけで容易に浴水を浴槽側に排出することができるという作用を有する。
【0026】請求項6に記載の発明は、前記圧力応動弁を、前記循環ポンプの吐出力の上昇に基づく内圧増加により開弁駆動可能としてなる請求項4または5記載の循環温浴器であり、開弁駆動のための別部品を必要としないため、安価に且つ容易に加圧動作ができるという作用を有する。
【0027】請求項7に記載の発明は、前記圧力応動弁を、前記弁ユニット内の弁の開度の絞りに基づく内圧増加により開弁駆動可能としてなる請求項4または5記載の循環温浴器であり、循環ポンプの出力を変化させる必要がなく、低消費電力で且つ騒音を低くすることができるという作用を有する。
【0028】請求項8に記載の発明は、前記閉循環路内に含まれた浴水の温度を検知する温度検知手段を備え、この温度検知手段による温度検知値が或る設定温度に達したとき、前記圧力応動弁を開弁駆動する系としてなる請求項4から7のいずれかに記載の循環温浴器であり、入浴者に対し安全な温度まで降温した後に熱水を排出することができるという作用を有する。
【0029】請求項9に記載の発明は、前記圧力応動弁をタイマー制御で動作させる系としてなる請求項4から8のいずれかに記載の循環温浴器であり、時間のみで動作の制御を行うため規則性のある運転が可能となるという作用を有する。
【0030】請求項10に記載の発明は、前記圧力応動弁からの流路の終端を前記ノズル部が浴槽の中央側に臨まない面に位置させてなる請求項4から9のいずれかに記載の循環温浴器であり、入浴者が直接熱水に触れる危険性がなく、またノズル部に付着し増殖する細菌の抗菌ができるという作用を有する。
【0031】以下、本発明の実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。図1及び図2は本発明の一実施の形態による形状記憶合金のスプリングを用いた弁ユニットの概略断面図である。
【0032】図において、弁ユニット1のハウジング1aには、流入口1a−1,第1流出口1a−2及び第2流出口1a−3をそれぞれ設け、第1及び第2の流出口1a−2,1a−3への流路を切り替えるためのスピンドル1bを第1流出口1a−2と同軸上で移動可能に内蔵している。スピンドル1bには、ハウジング1aの流路内壁に着座して第1流出口1a−2側への流路を遮断する第1弁体1cと、第2流出口1a−3側への流路を遮断する第2弁体1dとを設ける。そして、スピンドル1bには、これを第1流出口1a−2側に付勢する形状記憶スプリング1e及びこれと反対側に付勢するバイアススプリング1fを連接する。形状記憶スプリング1eは従来例でも述べたように、形状記憶合金を素材としたもので、通過する流体の温度が高くなるとバネ荷重も大きくなる特性を持つものである。また、バイアススプリング1fは圧縮によりバネ荷重は増加するが温度変化には応動しないバネ荷重を維持できる通常のバネ鋼等を用いたものである。
【0033】ハウジング1aは、流入口1a−1から第1流出口1a−2へ向かうc■a方向を循環方向として流体を通過させるように後述する循環温浴器に組み込むものとする。すなわち、通過流体が適正温度以下の場合では、バイアススプリング1fのバネ荷重のほうが形状記憶スプリング1eよりも大きい関係としておくことにより、スピンドル1bは図1に示すように右側に押されて弁体1cが開弁位置に保持され、流入口1a−1から第1流出口1a−2への方向(c■aの方向)への流路が形成される。そして、流体の温度が臨界値を越えて形状記憶スプリング1eのバネ荷重がバイアススプリング1fを上回るようになると、スピンドル1bは図2に示すように左側に押される。これにより、第1弁体1cが第1流出口1a−2側の流路を閉じるとともに、第2弁体1dがその着座面から離れて第2流出口1a−3側の流路が開く。したがって、流入口1a−1から第2流出口1a−3側へ向けて(c■bの方向)流体が供給される。
【0034】第2弁体1dの着座面より下流には、内部圧力に応動して内部流路を開放するための圧力応動弁を設ける。この圧力応動弁は、第2流出口1a−3までの内部流路を開閉可能な圧力弁体2aとこれを閉弁方向に付勢するスプリング2bとを備えるとともに、圧力弁体2aの上側に外部に開放させて排出口2cを設けたものである。
【0035】このような圧力応動弁を備えることによって、第2流出口1a−3までの内部流路の内圧がある一定以下であれば、スプリング2bによって圧力弁体2aは閉弁状態に保持される。そして、第2流出口1a−3側へ抜ける循環流量値が大きくなって内圧が臨界値を越えて圧力弁体2aがその開弁方向に受ける圧力がスプリング2bの付勢力よりも大きくなると、圧力弁体2aは開弁する。したがって、第2流出口1a−3側へ向かう通過流体の一部は排出口2cから外部に送り出される。
【0036】図3は電磁弁を用いた弁ユニットの概略を示す概略縦断面図である。図3において、弁ユニットのハウジング3aには、先の例と同様に、流入口3a−1,第1流出口3a−2及び第2流出口3a−3をそれぞれ設け、第1及び第2の流出口3a−2,3a−3への流路を切り替えるためのボールバルブ3bを内蔵している。このボールバルブ3bは、ほぼL字状断面の連通路3b−1を形成した球体状のもので、回転駆動用のモータ3cに回動軸3c−1を介して連接されている。
【0037】図3の状態では、連通路3b−1が流入口3a−1から第2流出口3a−3に向かう流路(c■bの方向)を形成する姿勢としてボールバルブ3bが設定されている。このとき、ボールバルブ3bの外周面は第1流出口3a−2側の流路を閉じるように流路内壁に着座している。そして、モータ3cによって回動軸3c−1をその軸線周りに180°回転させると、連通路3b−1は第1流出口3a−2側と連通して流路が切り替わる。
【0038】なお、ボールーバルブ3bから第2の流出口3a−2までの流路に連通して圧力応動弁を配置する構成は図1及び図2に示したものと同様であり、図示のように圧力弁体2a,スプリング2b及び排出口2cをそれぞれ設けている。
【0039】図4は図1〜図3に示した弁ユニットを浴水の循環系統に適用した本発明の循環温浴器の概略図である。
【0040】本発明の循環温浴器は、図6で示した従来例において、第2流路切替弁101を備えないこととノズル部15の構成が相違するものであり、その他の構成は同じである。同じ部材については、図6の例と共通の符号で指示し、その詳細な説明は省略する。
【0041】吸入流路16と吐出流路23とによって、濾過槽19を含む浴水の循環系統が浴槽11内に浸漬したノズル部15との間に流路を接続している。ノズル部15は、吸入口12とトップフィルター14との間に循環方向すなわち循環ポンプ17による吸引方向を順方向とする逆止弁13を備えるとともに、図1及び図2または図3に示した構成の弁ユニット1が組み込まれている。
【0042】弁ユニット1に付している符号a,b,cは、図1及び図2で説明した弁ユニットの第1流出口1a−2,第2流出口1a−3及び流入口1a−1に相当し、図3の例の弁ユニットとした場合では、第1流出口3a−2,第2流出口3a−3及び流入口3a−1にそれぞれ相当する。そして、符号bすなわち第2流出口1a−3,3a−3から排出口2cまでの流路に描いたバルブのシンボルは圧力弁体2a及びスプリング2bを含む圧力応動弁に相当する。
【0043】以上の構成の循環温浴器では、コントローラ(図示せず)からの指令によって循環ポンプ17が駆動されると、浴槽11内の浴水が吸入口12より吸い込まれる。この浴水は、逆止弁13を通過してトップフィルター14で髪毛等の大きなゴミが除去され、紫外線照射装置20に送られる。
【0044】なお、トップフィルター14はスポンジまたは糸巻フィルターや樹脂またはステンレス製のメッシュ等を備えたものであり、紫外線照射装置20は浴水に殺菌効果のある紫外線を照射して浴水中の細菌の殺菌処理の機能を持つ。紫外線の照射は24時間常時照射するのが望ましいが、1日のうち一定時間照射(約12時間)しても実用上問題はない。
【0045】紫外線照射装置20で殺菌された浴水は、第一流路切替弁21を図中のa→c方向に流路を切り替えておくことによって、濾過槽19に送られる。この濾過槽19では、浴水の温度が一定温度になるようにヒータ19aの発熱量が制御され、アルミニウム製の陽極19bとステンレス製の陰極19cに通電される。これらの陽極19bと陰極く19cとに電流が流れると、陽極19bからアルミニウムイオンが溶出して浴水中で水酸化アルミニウムとなり、浴水中の懸濁物質(汚れ成分)を凝集させる。すなわち、浴水中の懸濁物質は通常の場合では負の電荷を表面上に帯電(負のゼータ電位)している一方で、アルミニウム製の陽極19bから溶出したアルミニウムイオンは正電荷の水酸化アルミニウムとなる。したがって、この正電荷の水酸化アルミニウムは負電荷の懸濁物質との間で電荷中和また架橋作用をする媒体となり、これによって懸濁物質を凝集させることができる。また、細菌等の微生物も負の電荷を持つので、懸濁物質と同様に凝集される。そして、これらの凝集成分が濾材19dによって最終的に濾過される。
【0046】なお、濾材は一般的な砂濾過用のたとえばアルミナセラミックや砂及びガラスビーズ等を用いることができ、その粒径が0.1mmから数mmの範囲であれば十分に懸濁物質を凝集させたフロックを濾過することができる。
【0047】濾過槽19で懸濁物質を濾過して浄化された浴水は第2流路切替弁22を図中のc■a方向に流路を切り替えておくことで、弁ユニット1を通り吐出口24から浴槽11に吐出される。
【0048】このような浴水の循環を停止させることなく継続することで、浴水中の懸濁物質を常時取り除いて浄化するとともに紫外線で殺菌することで、いつでも快適に浴槽11に入浴することができる。
【0049】ここで、従来技術の項で述べた高温殺菌を実行するため、1日に数回設定された時間(通常の場合では1日当たり2回から12回程度)になると、第二流路切替弁22の流路をc■aの方向に切り替えて浴槽11との間の循環を停止させ、浴水を紫外線照射装置20と濾過槽19との間で循環させる。この循環の期間においても、濾過槽19内部の浴水はヒータ19aによって加熱処理する。このヒータ19aによる加熱温度は高いほど好ましいが、実用上では70℃程度で十分に殺菌の効果を発揮できる。また、循環ポンプ17を運転して加圧しながら濾過槽19の内部の浴水を加熱することによって、通常の場合では沸騰して加熱できない100℃以上の温度まで加熱でき、より強力な殺菌を行う場合は120℃に加熱して殺菌することもできる。
【0050】濾過槽19内部の浴水温度が設定温度(実用的には70℃)になると、第二流路切替弁22がコントローラによって制御され、通常の循環の順方向すなわち図4においてc→aの方向に流路が切り替えられる。これにより、濾過槽19内の加熱された浴水は吐出流路23を通って弁ユニット1に入る。そして、弁ユニット1は、入浴温度よりも高い温度の浴水が流入したときには、図1及び図2または図3の弁ユニットのそれぞれの第2流出口1a−3,3a−3とトップフィルター14側との間を直結した閉循環流路25への流路すなわちc→b方向に切り替えるように動作する。
【0051】弁ユニット1からトップフィルター14側に戻されて循環する熱水により、トップフィルター14,循環する配管,濾過槽19の内部が抗菌される。熱水の循環は70℃の温度で3分程度が最適である。このように、熱水を利用して循環流路やトップフィルター14及び濾過槽19内の抗菌が定期的に行われるため、細菌が増殖し浴水中に流出することはなく、浴水中の抗菌を確実に行うことができる。
【0052】ここで、弁ユニット1として図1及び図2に示した形状記憶スプリング1eを備えたものでは、熱水が流入口1a−1から流入すると、図2で説明したように形状記憶スプリング1eのバネ荷重が大きくなり、第1流出口1a−2側を閉じて第2流出口1a−3側を開く。これにより、第1流出口1a−2に連通している吐出口24からの熱水の浴槽11側への吐出はなく、閉循環流路25側へ排出される。したがって、浴槽11に熱水が入り込む前の段階でこの熱水を利用したトップフィルター14や循環ポンプ17についても抗菌を行うことができ、入力者がいても熱水を浴びることはない。
【0053】ここで、熱水の循環時間は、循環ポンプ17の吐出圧による流路系の内圧変化を利用することによって行う。すなわち、循環ポンプ17の通常運転の際の吐出圧をほぼ一定値に設定できるようにしておき、この設定値のときには圧力応動弁の圧力弁体2aを付勢しているスプリング2bの付勢力のほうが大きくて閉弁状態を維持できるようにする。そして、熱水による抗菌循環の操作の時間を或る一定時間に設定しておき、この時間が経過したときにコントローラによって循環ポンプ17の吐出圧を上げるように操作する。これにより、弁ユニット1内の内部流路の内圧がスプリング2bの付勢力よりも大きくなって圧力弁体2aを開弁方向に移動させることができ、排出口2cから熱水が浴槽11側に放出される。
【0054】ここで、熱水を浴槽11に放出させるタイミングであるが、ヒータ19aによって浴水を加熱し、温度検知部18で検知された浴水温度がある設定温度以上に達した後、設定された時間熱水を循環させ、ポンプ17の吐出圧を上げて熱水を放出させる。あるいは、ヒータ19aによる加熱時間及び熱水の循環時間をあらかじめ設定しておき、タイマー制御いよりこれらの時間が経過した後に熱水を放出させる。
【0055】なお、排出口2cは図1及び図2に示すように弁ユニット1のハウジング1aの側面に開口させるようにし、この排出口2cを浴槽11に入浴している人に臨む向きと反対側の姿勢とすれば、熱水を放出しても入浴者が熱水を浴びることはない。また、図4の概略図に示すように、排出口2cをノズル部15の底面に開口させるようにした場合でも、熱水による影響は防止される。
【0056】排出口2cが開くと、循環路の中に含まれた熱水が外に抜かれていくので、循環ポンプ17の作動継続により吸入口12から浴槽11内の湯が吸引される。したがって、弁ユニット1内には熱水に代わって低温の湯が流れ込み、形状記憶スプリング1eのバネ荷重は減衰していき、最終的に図1に示す第1流出口1a−2側の流路が開く。これにより、第1流出口1a−2に連通している吐出口24から抗菌処理後の湯が供給され、通常の循環態勢に復帰する。
【0057】一方、図3に示した電磁弁式のものを弁ユニット1として組み込む場合でも、モータ3cの駆動の制御によって第1流出口3a−2と第2流出口3a−3との流路の切り替えによって、浴槽11を含む通常の循環態勢と浴槽11側とは無縁として熱水を循環させて循環ポンプ17等の抗菌操作を行うことができる。そして、熱水の循環操作が完了する時刻に対応させて循環ポンプ17の吐出圧を上げるように制御することで、先の例と同様に圧力応動弁の圧力弁体2aの動作によって、排出口2cからの熱水の排出及び浴槽11の湯の循環復帰に自動的に設定することができる。
【0058】このように弁ユニット1の中に圧力応動弁を設けることによって、抗菌後の熱水を短時間で通常の循環に移行することができ、熱水を浴びることなく安全な浴槽11での入浴が可能となる。
【0059】
【発明の効果】本発明の弁ユニットによれば、流路内の圧力変動によって開閉駆動される圧力応動弁を備えているので、電気的に切り替える手段(電磁弁、電動弁等)が不要になり、構造が簡単、小型化、コストが安くなる等の効果が得られる。
【0060】また、この弁ユニットを適用した循環温浴器においては、ノズル部から高温抗菌後の熱水を短時間で安全に排出することができ、使い勝手のよい循環温浴器を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月18日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−230381
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−35577