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【発明の名称】 バタフライ弁の制御プレート
【発明者】 【氏名】久木 英次

【要約】 【課題】配管に設置されたバタフライ弁を変更することなく、流体の負荷を減少させ、流れを整流し、キャビテーション等を減少させることが出来、配管ラインの問題を最低限の改造で解消出来るようにすることを課題とする。又、キャビテーションを減少若しくは無くし得るような状態で制御可能として、バタフライ弁に直接取付得る様にすることを課題とする。

【解決手段】配管フランジと弁本体との間に挿設される板状の制御プレートであって、中央部に弁体の回動を阻害しない略半円形の開口が穿設され、該開口に隣接して複数のスリットが形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】配管フランジと弁本体との間に挿設される板状の制御プレートであって、中央部に弁体の回動を阻害しない略半円形の開口が穿設され、該開口に隣接して複数のスリットが形成されていることを特徴とするバタフライ弁の制御プレート。
【請求項2】スリットが、平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載の制御プレート。
【請求項3】スリットが放射状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の制御プレート。
【請求項4】外周縁に、位置決めのためのボルト挿入孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御プレート。
【請求項5】スリットの角部にアールが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御プレート。
【請求項6】スリットの角部が角張っていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制御プレート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】この発明は、管路に設置するウェハータイプのバタフライ弁において、中間開度の制御性を向上させるための制御プレートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バタフライ弁はコンパクトに配管に設置することができるため、管路を流下する流体の流量制御に広く用いられている。しかしながら、通常バタフライ弁は、グローブ弁等と比較すると圧力回復係数(FL値)やキャビテーション初生係数(Kc値)が低いため、流体条件によりキャビテーションが発生し、配管に損傷を与えたり、異常に大きな騒音が発生する等の問題があった。又、バタフライ弁はグローブ弁と比較すると、容量係数(Cv値)が大きいため、同口径では弁閉から弁開時の移動量当たりのCv値変化量が大きく、制御性が悪いという問題もあった。
【0003】かかる問題を解決するために従来は、例えば特公平8−6823号公報に開示されているような高価なコントロール専用バルブと交換するか或はオリフィス板を配管に挿入している。しかしながら、特に全ての工事が完成した後、試運転或は本運転時に配管設計時と実運転時とで条件が変わったり、流れ方が異常な乱流となったりして、上記のような問題が発生すると、問題発生後にコントロールバルブを手配し設置することになるため、問題を解消する迄に時間がかかっていた。
【0004】又、図10,11に示すように配管内の一次側圧力をP1とし、二次側圧力をP2として、流体がバルブを流れるとき弁体により流路が狭められ縮流となり圧力が降下する。このときの圧力Pvcが流体の飽和蒸気圧力Pvより小さいとキャビテーションが発生する。従来のオリフィス板では、直接バタフライ弁に取り付けた場合、PvcがPvより小さくなるため、直接取り付けて用いることが出来ず、取付が困難となる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、配管に設置されたバタフライ弁を変更することなく、流体の負荷を減少させ、流れを整流し、キャビテーション等を減少させることが出来、配管ラインの問題を最低限の改造で解消出来るようにすることを課題とする。又、キャビテーションを減少若しくは無くし得るような状態で制御可能として、バタフライ弁に直接取付得る様にすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、配管フランジと弁本体との間に挿設される板状の制御プレートであって、中央部に弁体の回動を阻害しない略半円形の開口が穿設され、該開口に隣接して複数のスリットが形成されていることを特徴とする。
【0007】又、スリットは、平行或は放射状に形成されていることを特徴とする。
【0008】更に、外周縁に、位置決めのためのボルト挿入孔が形成されていることを特徴とする。
【0009】更に、スリットの角部にアールが形成され、或は角部が角張っていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態を、以下に詳細に説明する。この発明の制御プレートは、バルブの上流、下流のいずれか或は両方に配設して、既設のバルブの負荷を減少させ、減少した負荷を制御プレートに負担させて、配管としての必要負荷を補うようにすると共に、整流作用をもたせ、更にプレートの一部に孔を設けて弁体の回動を阻害することがないようにして、配管の改造を最小限にとどめ得るようにし、且コントロール時のバルブ開度を大きくさせ、移動量当たりの制御性を向上可能としたことを特徴とする。
【0011】図1〜3を参照して、(1)はバタフライ弁であり、従来周知のように円筒形の流体通路を貫設した弁本体(2)と外弁本体内に回動自在に配置される円板状の弁体(3)並びに両者の間に介挿される弾性密封材であるシートリングからなり、配管(4)(4)の配管フランジ(5)(5)間にウェハー状に挟み込まれて取り付けられる。(6)は、この発明にかかる制御プレートであって、弁本体(2)と配管フランジ(5)との間に挟み込まれて固着される。図2,3に示すように、制御プレート(6)は、所定の厚みを有する金属板若しくは硬質の合成樹脂板で構成され、中央部に弁体に回動を許容する略半円形の開口(7)が穿設され、該開口(7)に隣接して複数のスリット(8)が穿孔される。スリット(8)は、前記開口(7)と相まって、弁本体の口径と一致する形状に形成される。又、制御プレート(6)の外周縁には、配管フランジのボルト孔と一致する孔径とピッチでボルト挿入孔(9)が穿孔されている。開口(7)は、制御プレート(6)に挟み込みにより、弁体の回動範囲が限定されることがないようにして、バタフライバルブの制御範囲が制限されるのを防止している。スリット(8)は、流体の乱流を整えると共に、圧力損失を与える。
【0012】スリット(8)は、図2に示すように平行に形成しても、図6,7に示すように放射状に形成しても良い。又、ボルト挿入孔(9)は、制御プレート(6)の位置決めを容易に行うために形成したものであり、配管への取付に際して位置決めを他の手段で行う場合には、図8,9に示すようにこのボルト挿入孔(9)は、形成しなくても良い。スリット(8)の形状は、図示のような長方形の形状に限られない。スリット(8)は、その角部にアールを形成しても角張らしてもいずれでも良い。アールをつけた場合には、キャビテーションを押さえる傾向が強くなり、角張らすと圧力損失を増加させる傾向が強くなる。
【0013】図4,5を参照して、この発明の制御プレート(6)を配管フランジ(5)と弁本体(2)との間に挟んで、バルブ(1)の上下流側に挿設し、弁体(3)を流体制御のために中間開度にした場合、制御プレート(6)のスリット(8)を通過した流体は、スリット(8)で整流されると共に、圧力損失が発生し、一次側の圧力P1がP2に圧力変化する。上流側のプレートを通過した流体は、弁体(3)により制御されオリフィス側とノズル側に分かれて流れ、圧力はP2からP3に圧力降下する。弁体を通過した流体は、下流側の制御プレートで再び整流されると共に、圧力損失が発生しP3からP4に圧力降下する。このようにして、流体が上流側プレート、バルブ、下流側プレートを通過するとき縮流が発生し、圧力降下して圧力はそれぞれPvc1,Pvc2,Pvc3になる。そして、このそれぞれの圧力が飽和蒸気圧Pvより高ければ、キャビテーションは発生しない。従って、各プレート(6)のスリット(8)並びに開口(7)の大きさを調節することにより、容易に圧力損失の程度を設定することが出来、キャビテーションの発生を押さえることが可能となる。又、圧力損失が少ししか必要ない場合には、上流側若しくは下流側のどちらか一方にのみプレートを挿入しても良い。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、配管フランジと弁本体との間に挟み込むだけの簡単な方法により、流体を整流し、且キャビテーションの発生を押さえることが出来、配管の改造を最小限にすることが出来る。又、キャビテーションの発生を押さえることにより、騒音や振動を軽減することもできる。
【出願人】 【識別番号】000153580
【氏名又は名称】株式会社巴技術研究所
【出願日】 平成10年(1998)2月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
【公開番号】 特開平11−230371
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−48651