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【発明の名称】 弁開閉用油圧駆動装置
【発明者】 【氏名】川田 常雄

【要約】 【課題】構造が簡単で既設構造をほとんど改造することなくシステムを二重化することができ、しかも、開度センサーの交換を容易に行うこと。

【解決手段】弁棒1aに対向する支持部材2の軸受孔2aに移動可能に挿通した駆動軸7の一端7aが前記弁棒1aに同心状に連結され、油圧シリンダ3のシリンダ本体3aの後端部を前記支持部材2に固定することにより該油圧シリンダ3が前記駆動軸7と平行に配置され、その油圧シリンダ3のピストンロッド3bが連結部材8を介して前記駆動軸7の他端7bに連結され、前記駆動軸7を介して弁開度を検出する開度センサー4が前記油圧シリンダ3の外周面に配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁棒に対向する支持部材の軸受孔に移動可能に挿通した駆動軸の一端が前記弁棒に同心状に連結され、油圧シリンダのシリンダ本体の後端部を前記支持部材に固定することにより該油圧シリンダが前記駆動軸と平行に配置され、その油圧シリンダのピストンロッドが連結部材を介して前記駆動軸の他端に連結されていることを特徴とする弁開閉用油圧駆動装置。
【請求項2】 前記駆動軸を介して弁開度を検出する開度センサーが前記油圧シリンダの外側に配設されていることを特徴とする請求項1記載の弁開閉用油圧駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば化学プラントの高温流体制御弁を開閉操作するための弁開閉用油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の弁開閉用油圧駆動装置の一例として図7に示すものがある。これは、1本の油圧シリンダ3を有し、そのシリンダ本体3aの前端部が高温流体制御弁1(図3参照)などの弁棒1aに対向する支持部材2に固定されると共に、そのピストンロッド3bが支持部材2を貫通して弁棒1aに同心状に連結され、弁開度を検出する磁気式開度センサー4がシリンダ本体3aの後端部に固定され、その検出部4aがシリンダ本体3a内に設けられている。
【0003】上記構成によれば、油圧シリンダ3を駆動して弁棒1aを往復移動させることにより、高温流体制御弁1の開度が調整され、その開度が開度センサー4により検出されるが、油圧シリンダ3が1本しかないため、その油圧シリンダ3や開度センサー4もしくは油圧ユニットが故障した場合には、高温流体制御弁1を閉鎖する必要があり、大きな経済的損失を伴うプラント停止にもなる。
【0004】そこで、図8に示すように、開度センサー4付き油圧シリンダ3を2本設け、その両ピストンロッド3bに連結部材5を介して弁棒1aを連結することにより、システムを二重化することが考えられる。
【0005】上記構成では、ピストンロッド3bが支持部材2より高温流体制御弁1側に突出されているため、その支持部材2と高温流体制御弁1との間の既設構造を大幅に改造する必要があり、製作費が高くつく。また、一方の油圧シリンダ3の故障により、他方の油圧シリンダ3だけを駆動した場合、弁棒1aがこじれて、その往復移動を円滑に行わせることが困難になる。
【0006】上記難点を解消するため、図9に示すように、開度センサー4付き油圧シリンダ3を3本設け、その3本のピストンロッド3bを連結杆5を介して弁棒1aに連結し、両側の油圧シリンダ3または中央の油圧シリンダ3を駆動するようにして、システムを二重化することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、システムを二重化するために3本の油圧シリンダ3が必要であるから、構造が複雑になり、また、図8に示す弁開閉用油圧駆動装置と同様に、支持部材2と高温流体制御弁1との間の既設構造を大幅に改造する必要があり、製作費が高くつく。
【0008】また、図7〜図9に示す各弁開閉用油圧駆動装置では、開度センサー4の検出部4aがシリンダ本体3a内に設けられているため、その開度センサー4を交換する場合には、シリンダ本体3a内の圧油を抜く必要があり、交換作業に手間がかかって面倒である。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑み、構造が簡単で既設構造をほとんど改造することなくシステムを二重化することができ、しかも、開度センサーの交換を容易に行うことができる弁開閉用油圧駆動装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、弁棒に対向する支持部材の軸受孔に移動可能に挿通した駆動軸の一端が前記弁棒に同心状に連結され、油圧シリンダのシリンダ本体の後端部を前記支持部材に固定することにより該油圧シリンダが前記駆動軸と平行に配置され、その油圧シリンダのピストンロッドが連結部材を介して前記駆動軸の他端に連結されていることを特徴としている。
【0011】上記構成によれば、例えば油圧シリンダを2本用いてシステムを二重化し、その一方の油圧シリンダの故障により、他方の油圧シリンダだけを駆動するときでも、弁棒に連結した駆動軸が支持部材の軸受孔に移動可能に挿通されているので、弁棒が従来のようにこじれることがなく、その往復移動を円滑に行わせることができる。また、支持部材から弁側に駆動軸を突出させているだけであり、前記支持部材と弁側との間の既設構造を改造する必要がないから、油圧シリンダの増設を容易に行うことができ、製作費が安くつく。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記駆動軸を介して弁開度を検出する開度センサーが前記油圧シリンダの外側に配設されていることを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、開度センサーが油圧シリンダの外側に所謂外付けされているので、その開度センサーの交換作業を従来のようにシリンダ本体内の圧油を抜くことなく簡単に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本発明の実施の一形態である弁開閉用油圧駆動装置を示すものであって、弁棒1aに対向する支持部材2の軸受孔2aに移動可能に挿通した駆動軸7の一端7aが弁棒1aに同心状に連結され、2本の油圧シリンダ3のシリンダ本体3aの後端部を支持部材2に固定することにより該両油圧シリンダ3が駆動軸7と平行に配置され、その油圧シリンダ3のピストンロッド3bが連結部材8を介して駆動軸7の他端7bに連結されている。図1中、9は両シリンダ本体3aの前端部間に支持部材2と平行に配置した軸受部材であって、その中央に貫設した軸受孔9aに駆動軸7が挿通されており、この軸受部材9と支持部材2とで駆動軸7を直線的に移動可能に軸支している。また、各油圧シリンダ3の外側に磁気式開度センサー4が配設され、その検出部4aにより連結部材8の移動を検出し、これにより、駆動軸7及び弁棒1aを介して高温流体制御弁1の開度を検出するようになっている。
【0015】上記構成によれば、油圧シリンダ3を2本用いてシステムを二重化しており、その一方の油圧シリンダ3の故障により、他方の油圧シリンダ3だけを駆動するときでも、弁棒1aに連結した駆動軸7が支持部材2及び軸受部材9により移動可能に軸支されているので、弁棒1aが従来のようにこじれることがなく、その往復移動を円滑に行わせることができる。
【0016】また、支持部材2から高温流体制御弁1側に駆動軸7を突出させているだけであり、支持部材2と高温流体制御弁1との間の既設構造を改造する必要がないから、図3に示すように、油圧シリンダ3を3本にしたり、図4に示すように油圧シリンダ3を4本にしたりして、必要に応じて油圧シリンダ3を容易に増設することができ、製作費が安くつく。
【0017】更に、開度センサー4が各油圧シリンダ3の外側に所謂外付けされているので、その開度センサー4の交換作業を従来のようにシリンダ本体3a内の圧油を抜くことなく簡単に行うことができる。
【0018】図5及び図6は、配管Pに設けた2つまたは1つの高温流体制御弁1を2つの油圧ユニット10で制御する油圧回路に本発明の実施の形態である弁開閉用油圧駆動装置を組み込んだ状態を示すものであって、例えば一方の油圧ユニット10が故障したときには、他方の油圧ユニット10を作動させて、油圧ユニット10の二重化にも対応できるようにしている。
【0019】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、例えば油圧シリンダを2本用いてシステムを二重化し、その一方の油圧シリンダの故障により、他方の油圧シリンダだけを駆動するときでも、弁棒に連結した駆動軸が支持部材の軸受孔に移動可能に挿通されているので、弁棒が従来のようにこじれることがなく、その往復移動を円滑に行わせることができる。また、支持部材から弁側に駆動軸を突出させているだけであり、前記支持部材と弁側との間の既設構造を改造する必要がないから、油圧シリンダの増設を容易に行うことができ、製作費が安くつく。
【0020】請求項2記載の発明によれば、開度センサーが油圧シリンダの外側に所謂外付けされているので、その開度センサーの交換作業を簡単に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)1月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−201316
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−1185