| 【発明の名称】 |
バルブ機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】荒木 憲昭
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| 【要約】 |
【課題】非接触の状態で弁体を弁座から離して、異物が発生するのを防止できるバルブ機構を提供することである。
【解決手段】弁体10と弁座5aとを有するバルブ機構において、弁体10に引力あるいは斥力を作用させる磁石11を備え、この磁石11の引力あるいは斥力によって、弁体10を弁座5aから離す構成にしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁座と弁体とを有するバルブ機構において、弁体に引力あるいは斥力を作用させる磁石を備え、この磁石の引力あるいは斥力によって、弁体を弁座から離す構成にしたことを特徴とするバルブ機構。 【請求項2】 弁体に磁性を持たせる一方、流体を噴出したり、吸入したりするガイド管に上記弁体と同極の磁石を設け、ガイド管を弁体に近づけて、その磁石の斥力によって弁体を弁座から離した状態で、ガイド管から流体を噴出したり、流体を吸入したりする構成にしたことを特徴とする請求項1記載のバルブ機構。 【請求項3】 磁性を有する弁体として球体を用い、ガイド管の軸線を、球体の中心からずらして位置させる構成にしたことを特徴とする請求項2記載のバルブ機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、バルブ機構に係り、特に、クリーンであることが要求される半導体関連の分野で用いるのに最適なバルブ機構に関する。 【0002】 【従来の技術】以下では、従来例のバルブ機構として、半導体用クリーンボックスに設けたバルブ機構について説明する。半導体用クリーンボックスとは、半導体デバイスの製造工程において、処理すべきウェハ基板を収納するものである。そして、これらウェハ基板を、半導体用クリーンボックスに収納した状態で、ある工程から次の工程に搬送するようにしている。 【0003】図2には、半導体用クリーンボックスの一例を示す。この図2に示すように、半導体用クリーンボックス1の側面には、複数の溝2を形成している。そして、これら溝2に、処理すべきウェハ基板3をスライドさせて挿入している。したがって、半導体用クリーンボックス1内には、複数枚のウェハ基板3が間隔をあけた状態で重ねられて収納されることになる。また、この半導体用クリーンボックス1の前面、つまり、図面の手前には、図示しないふたを設けるようにしている。そして、半導体用クリーンボックス1内に、清浄で乾燥したエア等の気体を充満させるとともに、ふたを固定して、密封状態を保つようにしている。 【0004】このようにした半導体用クリーンボックス1では、密封状態のまま、その内部の気体を入れ換えたい場合がある。例えば、レジストが残留したウェハ基板3を半導体用クリーンボックス1に収納し、長期間そのままにしておくと、化学反応を起こすことがある。そのため、その化学反応によって気体が汚染され、そのウェハ基板3だけでなく、他のウェハ基板3にまで悪影響を及ぼすことがある。そこで、その内部の気体を入れ換えるために、半導体用クリーンボックス1にバルブ機構を設けている。そして、半導体用クリーンボックス1内の気体を入れ換えてやれば、処理途中のウェハ基板3を収納したまま長時間保管することが可能となる。 【0005】図3には、上記半導体用クリーンボックス1に設けたバルブ機構の拡大図を示す。半導体用クリーンボックス1の底面1aには、一対のガイド管挿入孔4を形成している。半導体用クリーンボックス1の内側では、これらガイド管挿入孔4の周囲に、円筒状の弁座部材5を設けている。この弁座部材5は樹脂で成形され、その内周面に、ガイド管挿入孔4側へ向かって縮径する弁座5aを形成している。さらに、この弁座部材5の弁座側5aには、磁石6を埋め込んでいる。 【0006】また、上記弁座部材5内には、強磁性体からなる球体7を組み付けている。この球体7の表面には、四ふっ化エチレン樹脂等のように化学的に安定した物質をコーティング加工している。この球体7は、通常、上記磁石6の引力によって、弁座部材5の弁座5aに着座する。したがって、半導体用クリーンボックス1を密封状態に保つことができる。以上述べたようにして、半導体用クリーンボックス1の底面1aに、一対のバルブ機構を構成している。 【0007】次に、この従来例のバルブ機構の作用を説明する。図3に示すように、半導体用クリーンボックス1を置くためのストッカーと呼ばれる場所には、気体噴出用ガイド管8と気体吸入用ガイド管9とを、上方に向かって突出させている。そして、これらガイド管8、9を、上記一対のガイド管挿入孔4の間隔に合わせて配置している。 【0008】半導体用クリーンボックス1内の気体を入れ換えたいときは、半導体用クリーンボックス1を上記ストッカー上に位置させて、ガイド管8、9をガイド管挿入孔4にそれぞれ挿入する。そして、半導体用クリーンボックス1をストッカー上に降ろしていけば、ガイド管8、9がガイド管挿入孔4に挿入され、その先端がそれぞれ球体7に当接する。したがって、ガイド管8、9の先端に押し上げられて、球体7が弁座部材5の弁座5aから離れる。 【0009】このようにしてガイド管8、9を半導体用クリーンボックス1内に挿入したら、気体噴出用ガイド管8から、清浄で乾燥した気体を半導体用クリーンボックス1内に供給する。同時に、気体吸入用ガイド管9から、半導体用クリーンボックス1内の気体を排出する。したがって、半導体用クリーンボックス1内の気体を、清浄で乾燥したものに入れ換えることができる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記従来例のバルブ機構では、ガイド管8、9の先端で球体7を押し上げて、この球体7を弁座部材5の弁座5aから離すようにしている。しかし、ガイド管8、9を球体7に接触させると、これらガイド管8、9や球体7に傷がついて、その削片などの細かな異物が発生するおそれがある。特に、上記従来例のように半導体用クリーンボックス1に用いた場合、その異物が内部に侵入すると、収納されたウェハ基板3を汚染してしまうことがある。この発明の目的は、非接触の状態で弁体を弁座から離して、異物が発生するのを防止できるバルブ機構を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】この発明は、弁座と弁体とを有するバルブ機構を前提とする。そして、第1の発明は、弁体に引力あるいは斥力を作用させる磁石を備え、この磁石の引力あるいは斥力によって、弁体を弁座から離す構成にした点に特徴を有する。第2の発明は、第1の発明において、弁体に磁性を持たせる一方、流体を噴出したり、吸入したりするガイド管に上記弁体と同極の磁石を設け、ガイド管を弁体に近づけて、その磁石の斥力によって弁体を弁座から離した状態で、ガイド管から流体を噴出したり、流体を吸入したりする構成にした点に特徴を有する。第3の発明は、第2の発明において、磁性を有する弁体として球体を用い、ガイド管の軸線を、球体の中心からずらして位置させる構成にした点に特徴を有する。 【0012】 【発明の実施の形態】図1に、この発明のバルブ機構の一実施例を示す。ただし、以下では、上記従来例のバルブ機構との相違点を中心に説明し、上記従来例と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。上記従来例と同じく、半導体用クリーンボックス1の底面1aには、ガイド管挿入孔4を形成している。半導体用クリーンボックス1の内側では、これらガイド管挿入孔4の周囲に、円筒状の弁座部材5を設けている。この弁座部材5は樹脂で成形され、その内周面に、ガイド管挿入孔4側へ向かって縮径する弁座5aを形成している。さらに、この弁座部材の弁座側5aには、磁石6を埋め込んでいる。 【0013】また、上記弁座部材5内には、強磁性体からなる磁石球体10を組み付けている。この磁石球体10の表面には、四ふっ化エチレン樹脂等のように化学的に安定した物質をコーティング加工している。磁石球体10は、上記弁座部材5の磁石6とは異極のものである。したがって、この磁石球体10が、磁石6に引き付けられて弁座部材5の弁座5aに着座し、半導体用クリーンボックス1を密封状態に保つことになる。 【0014】なお、弁座部材5としては、強磁性体からなるものであってもかまわない。この場合、磁石球体10は弁座部材5自体に引き付けられるので、磁石6を埋め込まなくても、磁石球体10を弁座5aに着座させることができる。ただし、磁石球体10が弁座部材5の弁座5aに接触することを考えると、弁座部材5を樹脂製としておいた方が、これら弁座部材5や磁石球体10に傷がつくおそれがなく、望ましいといえる。 【0015】次に、この実施例のバルブ機構の作用を説明する。図1に示すように、ストッカーから突出させたガイド管8、9の先端には、上記磁石球体10と同極の磁石11を組み付けている。半導体用クリーンボックス1内の気体を入れ換えたいときは、半導体用クリーンボックス1を上記ストッカーに置いて、ガイド管8、9をガイド管挿入孔4にそれぞれ挿入すればよい。このとき、磁石球体10は、ガイド管8、9先端の磁石11の斥力によって、弁座部材5の弁座5aから離れる。なお、磁石11や磁石球体10の磁力については、適宜決めておけばよい。例えば、この実施例では、半導体用クリーンボックス1内外の圧力差はほとんどなく、磁石球体10に背圧が作用しないので、磁石11は、磁石球体10と磁石6との引力よりも大きな斥力を発揮するものであればよい。 【0016】このようにしてガイド管8、9を半導体用クリーンボックス1内に挿入したら、気体噴出用ガイド管8から、清浄で乾燥した気体を半導体用クリーンボックス1内に供給する。同時に、気体吸入用ガイド管9から、半導体用クリーンボックス1内の気体を排出する。したがって、半導体用クリーンボックス1内の気体を、清浄で乾燥したものに入れ換えることができる。そして、半導体用クリーンボックス1を持ち上げれば、ガイド管8、9がガイド管挿入孔4からそれぞれ抜かれるので、磁石球体10が磁石6に引き付けられて、弁座部材5の弁座5aに再び着座する。 【0017】なお、図1に示すように、弁座部材5の弁座5aの軸線S1と、上記ガイド管挿入孔4の軸線S2とをややずらして配置している。したがって、ガイド管8、9の軸線が磁石球体10の中心からずれて位置することになるが、以下ではそのようにした理由を説明する。もし、ガイド管8、9の軸線が磁石球体10の中心を通る位置にあると、磁石球体10には垂直方向への斥力が作用することになる。そのため、弁座5aから離れた磁石球体10がふらついてしまい、安定させることができない。それに対して、ガイド管8、9の軸線が磁石球体10の中心からずれていると、磁石球体10には斜め上方向ヘの斥力が作用する。したがって、弁座5aから離れる磁石球体10は、図1の実線に示すように、弁座5aの図面左側に沿って移動する。そして、磁石球体10を弁座部材5の内面に接触させておけば、この磁石球体10を安定させておくことができる。 【0018】以上述べた実施例のバルブ機構によれば、ガイド管8、9をガイド管挿入孔4に挿入するだけで、これらガイド管8、9に接触することなく、磁石球体10が弁座5aから離れる。したがって、これら磁石球体10やガイド管8、9に傷がつくことがなく、細かな異物が発生するおそれがない。 【0019】このようにしたバルブ機構は、クリーンであることを維持できることから、この実施例の半導体用クリーンボックス1のように、半導体関連の分野で用いるのが最適である。ただし、その用途を限定するものではなく、いずれの分野で用いてもかまわない。 【0020】なお、上記実施例では、磁石球体10がこの発明でいう弁体を構成するが、弁体としては、例えば、ポペット形状のものを使用してもかまわない。また、上記実施例では、ガイド管8、9を利用して磁石球体10を弁座5aから離すタイプのバルブ機構を説明したが、どのようなタイプであってもよい。例えば、弁座部材5に埋め込んだ磁石6として電磁石を設け、その極性を自由に変えられるようにすれば、それだけで磁石球体10を弁座5aに着座させたり、離したりすることができる。 【0021】さらに、上記実施例では、密封された半導体用クリーンボックス1に対して、磁石11を外部から近づけなければならず、磁石11の斥力によって磁石球体10を弁座5aから離すようにしている。ただし、用途によっては、磁石球体10の背面側に磁石を位置させ、その引力によって磁石球体10を引き上げて、弁座5aから離すようにしてもかまわない。 【0022】 【発明の効果】第1の発明によれば、磁石の引力あるいは斥力によって、非接触の状態で、弁体を弁座から離すことができる。したがって、その弁体などに傷がつくことがなく、細かな異物が発生するおそれがない。第2の発明によれば、第1の発明において、流体を噴出したり、吸入したりするガイド管を利用して、弁体を弁座から離すことができる。第3の発明によれば、第2の発明において、球体には斜め方向ヘの斥力が作用するので、球体を弁部材に沿って移動させることができ、弁座から離れた状態でも安定させておくことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398000336 【氏名又は名称】アシスト株式会社 【識別番号】593102345 【氏名又は名称】イノテック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】嶋 宣之
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| 【公開番号】 |
特開平11−201315 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−14988 |
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