トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】武内 景治

【氏名】原 正一郎

【氏名】佐武 英和

【氏名】秋田 裕之

【氏名】川村 浩司

【氏名】鶴原 健二

【要約】 【課題】電磁弁の閉弁時に大きな衝撃力を受けてもニードル弁が破損しないようにする。

【解決手段】通電時に、電磁石4の磁力によりアマチュア6が吸引され、アマチュア6に固定されたニードル弁7の先端に設けられた弁部7aがシート部8aに着座して閉弁し、非通電時には、ニードル弁7をシート部8aから離れる方向に付勢するスプリング5により開弁する電磁弁であって、アマチュア6にめねじ部6aを設けるとともに、ニードル弁7には上記めねじ部6aに螺合するおねじ部7cを備え、かつアマチュア6に、該アマチュア6に対するニードル弁7の回転を拘束する回り止め13を備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁石と、通電時この電磁石の磁力により吸引されるアマチュアと、このアマチュアに固定され、先端に弁部を設けたニードル弁と、上記弁部が着座するシート部を有するとともに、上記ニードル弁の移動をガイドする弁ガイドと、非通電時に上記ニードル弁を上記弁ガイドのシート部から離れる方向に付勢するスプリングとを備えた電磁弁であって、上記アマチュアにめねじ部を設けるとともに、上記ニードル弁に上記アマチュアのめねじ部に結合するおねじ部を備え、かつ、上記アマチュアに固着され、上記ニードル弁の軸端に嵌合して上記アマチュアに対する上記ニードル弁の回転を拘束する回り止めを備えたことを特徴とする電磁弁。
【請求項2】 ニードル弁のおねじ部に焼入れ処理を施したことを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】 ニードル弁の軸端に面取部を形成するとともに、回り止めにも上記面取部と対応する嵌合穴を設け、これらをすきま嵌めしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁弁。
【請求項4】 回り止めを、回り止め部と、ばねガイド部に分割して構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば吐出量を可変に制御する高圧ポンプなどに用いられる電磁弁に係るもので、特にそのニードル弁の耐久性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の電磁弁としては、例えば特開平5−149465号公報に記載のものがある。図4は従来の電磁弁の断面図を示し、図5は電磁弁のアマチュア及びニードル弁に働く力を示す作用説明図である。これらの図において、1は電磁弁全体を示し、2はその外箱のケースで、下部外周面に設けた取付ねじ2aによりポンプ本体3に取付けられている。4はケース2内に収納し固定された電磁石、5はこの電磁石4の中央凹欠(スプリング室)内に嵌装されたリターンスプリング、6は電磁石4の下方に対向して配置されたアマチュアである。7はこのアマチュア6に結合されたニードル弁で、弁ガイド8に案内されて上下に摺動可能に設置されており、その下部の弁部7aと、上記弁カイド8のシート部8aにより弁を形成している。また、図5に示すように、アマチュア6とニードル弁7の先端部とは、溶接部7bにおいて堅固に固定されている。なお、図中、9は弁ガイド8とポンプ本体3の間に取付けられたストッパ、10はニードル弁7の先端に取付けられたばねガイド、11はケース2の下端部に設けられたリング、12は増圧部を示している。
【0003】次にその動作について説明する。電磁石4に通電すると、アマチュア6は磁力により吸引され、該アマチュア6に固定されているニードル弁7と一体となって移動する。そして、ニードル弁7の弁部7aが弁ガイド8のシート部8aに着座したところで閉弁し、アマチュア6の移動も止まる。閉弁後は、増圧部12の圧力がニードル弁7の弁部7aに加わるため、通電を切っても確実に閉弁される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁弁は以上のように構成されているので、電磁石4に通電されることで、アマチュア6が吸引されて電磁石4に近づくと、吸引力は増大し、弁部7aがシート部8aに着座した時、最大となる。また、閉弁の直前には、弁の絞り効果により、弁部7aには大きな圧力がかかるため、弁の着座の直前にはアマチュア6、ニードル弁7の移動速度は非常に大きくなる。このため、着座時にはアマチュア6に大きな衝撃力が働く。ここで、上述のように、従来の電磁弁では、アマチュア6とニードル弁7の固定には溶接などの方法が採られているが、弁の着座時、図5に示すように、ニードル弁7の溶接部7bには、アマチュア6に働く慣性力による半径方向の引張り力と、シート部8aから受ける反力による軸方向の引張り力が加わる。ところが、ニードル弁7の上記溶接部7bの部分は、溶接性の問題から焼入れなどの強度を増す手段を採ることができず、このため、溶接部7bにおいて応力が集中し、ニードル弁7が折れるという問題があった。
【0005】この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、たとえ閉弁時に大きな衝撃力を受けても、アマチュアに固定されたニードル弁が破損することのない電磁弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係る電磁弁は、アマチュアにめねじ部を設け、一方ニードル弁に上記めねじ部に結合するおねじ部を備え、かつ、アマチュアに固定されるとともにニードル弁の軸端に嵌合して、アマチュアに対するニードル弁の回転を拘束する回り止めを備えたものである。
【0007】この発明の請求項2に係る電磁弁は、ニードル弁のおねじ部に焼入れ処理を施したものである。
【0008】この発明の請求項3に係る電磁弁は、ニードル弁の軸端に面取部を形成するとともに、回り止めにもこれと対応する嵌合穴を設け、これらをすきま嵌めしたものである。
【0009】この発明の請求項4に係る電磁弁は、回り止めを、回り止め部とばねガイド部に分割して構成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による電磁弁を示す断面図、図2は図1の電磁弁の回り止め部の拡大横断面図である。これらの図において、1は電磁弁全体を示し、2はその外箱のケースで、下部外周面に設けた取付ねじ2aによりポンプ本体3に取付けられている。4はケース1内に固定された電磁石、5はこの電磁石4の中央凹欠(スプリング室)内に嵌装されたリターンスプリング、6は電磁石4の下方に対向して配置されたアマチュアである。7はこのアマチュア6に結合されたニードル弁で、弁ガイド8に案内されて上下に摺動可能に設置されており、その下部の弁部7aと、上記弁カイド8のシート部8aにより弁を形成している。次に、6aはアマチュア6の中央部に切られためねじ部、7cはニードル弁7の上部に形成され、焼入れなどの強度を増す処理が施されたおねじ部であり、これらおねじ部7cとめねじ部6aの螺合によりニードル弁7はアマチュア6に結合されている。また、上記ニードル弁7のおねじ部7cのさらに上端部(軸端)には面取部7dが形成されている。一方、アマチュア6の中央上面には、溶接などによりキャップ状の回り止め13が固着されており、この回り止め13には、上記ニードル弁7の上端面取部7dと相似形でやや大きい嵌合穴13aが設けられていて、この嵌合穴13aに上記ニードル弁の上端面取部7dをすきま嵌めすることでニードル弁の回り止めとしている。なお、図中、9は弁ガイド8とポンプ本体3の間に取付けられたストッパ、11はケース2の下端部に取付けられたリング、12は増圧部、14はアマチュア6の中央下端面に取付けられたカラーである。
【0011】次に動作について説明する。電磁石4に通電すると、アマチュア6は磁力により吸引され、該アマチュア6にねじ結合されているニードル弁7と一体となって移動する。そして、ニードル弁7の弁部7aが弁ガイド8のシート部8aに着座したところで閉弁し、アマチュア6の移動も止まる。閉弁後は、増圧部12の圧力がニードル弁7の弁部7aに加わるため、通電を切っても確実に閉弁される。ここで、上記閉弁時においては、アマチュア6には非常に大きな慣性力が働くが、アマチュア6とニードル弁7が溶接でなく、ねじ結合されているので、アマチュア6からの引張り力による応力が、ニードル弁7の局部に集中することがない。さらにまた、回り止め13が、アマチュア6に溶接により固着されており、ニードル弁7には溶接していないので、ニードル弁7に焼入れなどの強度を増す手段を採ることができ、ニードル弁7は破損することはない。また、アマチュア6に溶接固定された回り止め13は、ねじの緩みを拘束するが、ねじの緩みによる回転力以外にニードル弁7から力を受けない。
【0012】実施の形態2.上記実施の形態1では、回り止めをばねガイドと一体構造としたものを示したが、図3に示すように、回り止め部13とばねガイド部15を分離する構造としてもよい。これは、ばねガイド部15はスプリング5と接するため、焼入れをして強度を増大させ、一方、回り止め部13は溶接性を良くするため焼入れを施さないためである。
【0013】
【発明の効果】この発明の請求項1,2によれば、アマチュアとニードル弁の固定にねじ構造を用いたので、ニードル弁はアマチュアからの引張り力による応力がニードル弁の局部に集中することがない。また、ニードル弁のおねじ部は、焼入れなどの処理により強度を増す手段を採ることができるので、破損することはない。なお、アマチュアに固定された回り止めは、ねじの緩みを拘束するが、ねじの緩みによる回転力以外にニードル弁から力を受けないので、破損することはないものである。
【0014】この発明の請求項3によれば、ニードル弁の軸端に面取部を、回り止めの嵌合穴にすきま嵌めすることにより、余分な力をかけないで、回り止め機能を果たすものとなる。
【0015】この発明の請求項4によれば、回り止めを、回り止め部と、ばねガイド部に分割して構成することで、スプリングと接するばねガイド部に強度増大のための焼入れ処理を施すことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博 (外1名)
【公開番号】 特開平11−201312
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−3846