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【発明の名称】 全開時の揺動防止装置付き制水扉
【発明者】 【氏名】伊藤 研一

【要約】 【課題】扉体を上昇させた呑口の全開状態における扉体の揺動およびこの揺動に伴う騒音を確実に防止する。

【解決手段】扉体3の上昇による呑口2Aの全開位置において、該扉体3の幅方向両端部の前面に取付けられている第1可動ウエッジ5近傍の第2可動ウエッジ5Aをそれぞれ案内板4の裏面に取付けられた4個の第2固定ウエッジ6Aに干渉させる楔作用によって、扉体3裏面の扉体シート7を戸当り2前面の戸当りシート8に密着させて扉体3を固定し、扉体3の揺動およびこの揺動に伴う騒音の発生を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水路の放流端に取付けた戸当りの前面に扉体の幅方向両端部の裏面が沿い、かつ前記扉体の幅方向両端部の前面が前記戸当に取付けられた案内板の裏面に沿って昇降するとともに、前記扉体の降下による呑口の全閉位置で該扉体の幅方向両端部の前面に取付けられた第1可動ウエッジが前記案内板の裏面に取付けられた第1固定ウエッジに干渉する楔作用によって、該扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて止水するように構成した制水扉において、前記扉体の上昇による呑口の全開位置で前記第1可動ウエッジの近傍に取付けられた第2可動ウエッジが前記案内板の裏面に取付けられた第2固定ウエッジに干渉する楔作用によって、該扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて、該扉体を固定するように構成したことを特徴とする全開時の揺動防止装置付き制水扉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全開時の揺動防止装置付き制水扉に関する。
【0002】
【従来の技術】放流設備に使用される制水扉は、図5ないし図7に示すように、水路1の放流端に取付けた戸当り2の前面に扉体3の幅方向両端部の裏面が沿い、かつ扉体3の幅方向両端部の前面が戸当り2に取付けられた案内板4の裏面に沿って昇降するとともに、扉体3の降下による呑口2Aの全閉位置で該扉体3の幅方向両端部の前面に取付けられた4個の可動ウエッジ5が案内板4の裏面に取付けられた4個の固定ウエッジ6に干渉する楔作用によって、扉体3裏面の扉体シート(扉体側止水板)7を戸当り2前面の戸当りシート(戸当り側止水板)8に密着させて止水するように構成されている。また、扉体3の過剰な降下は下限ストッパー9によって制限し、扉体3の過剰な上昇は上限ストッパー10によって制限できるようになっている。なお、図中11は弁棒を示し、その下端部が扉体3の上端部に連結されており、上端部は図示していない開閉手段に組み込まれ、該開閉手段の開閉作動によって扉体3が昇降するようになっている。
【0003】しかし、前記従来の制水扉では、扉体3を上昇させた呑口2Aの全開状態において、扉体3は揺動可能な状態で吊持されているので、たとえば、戸当り2に作用した水面の波打ちが扉体3に影響して、扉体3を激しく揺動させて、騒音を生じさせる場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の制水扉では、扉体を上昇させた呑口の全開状態において、扉体は揺動可能な状態で吊持されているので、たとえば、戸当りに作用した水面の波打ちが扉体に影響して、扉体を激しく揺動させて、騒音を生じさせる場合がある。そこで、本発明は、扉体を上昇させた呑口の全開状態における扉体の揺動およびこの揺動に伴う騒音を確実に防止することができる全開時の揺動防止装置付き制水扉を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明に係る揺動防止装置付き制水扉は、水路の放流端に取付けた戸当りの前面に扉体の幅方向両端部の裏面が沿い、かつ前記扉体の幅方向両端部の前面が前記戸当に取付けられた案内板の裏面に沿って昇降するとともに、前記扉体の降下による呑口の全閉位置で該扉体の幅方向両端部の前面に取付けられた第1可動ウエッジが前記案内板の裏面に取付けられた第1固定ウエッジに干渉する楔作用によって、該扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて止水するように構成した制水扉において、前記扉体の上昇による呑口の全開位置で前記第1可動ウエッジの近傍に取付けられた第2可動ウエッジが前記案内板の裏面に取付けられた第2固定ウエッジに干渉する楔作用によって、該扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて、該扉体を固定するように構成したことを特徴としている。
【0006】本発明によれば、扉体の上昇による呑口の全開位置で該扉体の幅方向両端部の前面に取付けられている第1可動ウエッジ近傍の第2可動ウエッジが案内板の裏面に取付けられた第2固定ウエッジに干渉する楔作用によって、扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて、扉体を固定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、前記従来例と同一もしくは相当部分には、同一符号を付して説明する。図1ないし図3において、制水扉は、水路1の放流端に取付けた戸当り2の前面に扉体3の幅方向両端部の裏面が沿い、かつ扉体3の幅方向両端部の前面が戸当り2に取付けられた案内板4の裏面に沿って昇降するとともに、扉体3の降下による呑口2Aの全閉位置で該扉体3の幅方向両端部の前面に取付けられた4個の第1可動ウエッジ5が案内板4の裏面に取付けられた4個の第1固定ウエッジ6に干渉する楔作用によって、扉体3裏面の扉体シート(扉体側止水板)7を戸当り2前面の戸当りシート(戸当り側止水板)8に密着させて止水するように構成されている。また、扉体3の過剰な降下は下限ストッパー9によって制限し、扉体3の過剰な上昇は上限ストッパー10によって制限できるようになっている。なお、図中11は弁棒を示し、その下端部が扉体3の上端部に連結されており、上端部は図示していない開閉手段に組み込まれ、該開閉手段の開閉作動によって扉体3が昇降するようになっている。
【0008】一方、扉体3の前面における4個の第1可動ウエッジ5それぞれの近傍に第2可動ウエッジ5Aが取付けられ、案内板4の裏面における4個の第1固定ウエッジ6の上側に4個の第2固定ウエッジに6Aが取付けられている。これら4個の第2固定ウエッジ6A同士の上下方向の間隔Hおよび幅方向の間隔Wは、扉体3の上昇による呑口2Aの全開位置で該扉体3の前面に取付けられている4個の第2可動ウエッジ5Aが干渉して楔作用を発揮できる値に設定されている。
【0009】このような構成であれば、扉体3の降下による呑口2Aの全閉位置では、従来と同様に、該扉体3の幅方向両端部の前面に取付けられた4個の第1可動ウエッジ5が案内板4の裏面に取付けられた4個の第1固定ウエッジ6に干渉する楔作用によって、扉体3裏面の扉体シート(扉体側止水板)7を戸当り2前面の戸当りシート(戸当り側止水板)8に密着させて止水することができる。
【0010】他方、図4に示すように、扉体3の上昇による呑口2Aの全開位置では、該扉体3の幅方向両端部の前面に取付けられている第1可動ウエッジ5近傍の第2可動ウエッジ5Aがそれぞれ案内板4の裏面に取付けられた4個の第2固定ウエッジ6Aに干渉する楔作用によって、扉体3裏面の扉体シート7を戸当り2前面の戸当りシート8に密着させて、扉体3を固定することができる。このため、扉体3を上昇させた呑口2Aの全開状態において、扉体3は揺動不能な状態に保持されることになるので、たとえば、戸当り2に水面の波打ちが作用しても、この波打ちが扉体3に影響して、扉体3を揺動させたり、騒音を生じさせることはない。すなわち、本発明では、扉体3を上昇させた呑口2Aの全開状態における扉体3の揺動およびこの揺動に伴う騒音を確実に防止することができる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、扉体の上昇による呑口の全開位置で前記第1可動ウエッジの近傍に取付けられた第2可動ウエッジが前記案内板の裏面に取付けられた第2固定ウエッジに干渉する楔作用によって、該扉体裏面の扉体シートを戸当り前面の戸当りシートに密着させて、該扉体を固定するように構成しているので、扉体を上昇させた呑口の全開状態において、扉体は揺動不能な状態に保持される。したがって、扉体を上昇させた呑口の全開状態における扉体の揺動およびこの揺動に伴う騒音を確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年(1998)1月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開平11−201300
【公開日】 平成11年(1999)7月27日
【出願番号】 特願平10−3074