| 【発明の名称】 |
切換弁およびスライド弁の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 満
【氏名】森田 紀幸
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| 【要約】 |
【課題】耐熱性に優れかつ冷凍機油に添加される各種の添加剤に対する耐久性を有し、高温度で長期間の連続運転が可能なヒートポンプシステムの切換弁を提供し、またそのスライド弁を効率よく製造する【解決手段】 スライド弁1をヒートポンプの流体圧で動作させる切換弁22において、スライド弁1の少なくとも弁座11に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、スライド弁1の摺接面を除く残部をフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成した切換弁とする。このスライド弁1は、成形用金型内の摺接面形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填して一体に成形して製造する。
【解決手段】スライド弁1をヒートポンプの流体圧で動作させる切換弁22において、スライド弁1の少なくとも弁座11に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、スライド弁1の摺接面を除く残部をフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成した切換弁とする。このスライド弁1は、成形用金型内の摺接面形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填して一体に成形して製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒートポンプシステムに使用される切換弁であって、この切換弁におけるスライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、前記スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成したことを特徴とする切換弁。 【請求項2】 自己潤滑性樹脂が、四フッ化エチレン樹脂を含有する樹脂組成物である請求項1記載の切換弁。 【請求項3】 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂である請求項1または2記載の切換弁。 【請求項4】 切換弁が、2方以上の多方向弁式の切換弁である請求項1〜3のいずれか1項に記載の切換弁。 【請求項5】 スライド弁の成形用金型内の摺接面形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填して一体に形成することからなるスライド弁の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートポンプシステムの切換弁に関し、更に詳しくは、冷凍機、空調機等のヒートポンプシステムに使用される流体の移動方向を切り換える多方向弁式の切換弁およびそれに用いるスライド弁の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般的なヒートポンプシステムにおける切換弁は、電磁的に駆動されるパイロットバルブによって、複数のポートにそれぞれ所要圧力の流体を導入し、その流体圧力によってスライド弁を有する切換弁を駆動し、複数の流体移送パイプの導通と遮断を行なうものであり、図1および図2を利用して以下にその構造を説明する。 【0003】図1は、ヒートポンプシステムの概略図であり、図2は切換弁22の一部断面図である。 【0004】冷房運転では、圧縮機21により圧縮された冷媒は、切換弁22を介し室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23にて放熱した冷媒は、絞り機構24を通過することにより体積膨張すると共にさらに冷却される。この冷媒は、室内熱交換器25で室内の冷房に使われた後、切換弁22を介して圧縮機21に送られる。 【0005】暖房運転では、圧縮機21より送り出された冷媒は、切替弁22を介して室内熱交換器25に送られ、室内の暖房に使われた後、室外熱交換器23に送られる。上記のように切換え弁22は、冷房と暖房での圧縮機21より送り出された冷媒の流れ方向を切り換えるためのものである。なお、図1中に示した切換弁22は冷房運転状態を示している。 【0006】図2に示す構造の切換弁におけるパイロットバルブBは、電磁コイル16と、その磁界により駆動されるプランジャ17および磁界が消失した場合にプランジャ17を元の位置に復帰させるためのスプリング18とから構成されている。 【0007】そして、初期の状態におけるパイロットバルブBは、プランジャ17が左側に寄っていて、弁部17aはポート5を開放し、高圧流体を流入させるポート2と導通している。この場合、弁本体Aの右側の弁室9aが高圧となり、スライド弁1(バルブスライドとも称される。)は、その取付け部材と一体の隔壁19、20と共に左側に移動し、パイプ6とパイプ7とを導通する。なお、弁本体Aには流体流入管10から高圧の熱媒体(流体)が流入する。 【0008】次いで、電磁コイル16に通電し、プランジャ17が矢印の方向にスプリング18の弾性力に抗して吸引されると、弁部17aがポート3を開放して高圧流体のポート2と導通され、またポート5と低圧側のポート4とが導通する。 【0009】すると、弁本体Aの右側の弁室9aの高圧流体は、低圧側のポート4から流出して低圧となり、ポート3がポート2と導通するので、高圧流体が弁室9b内に流入して高圧部を形成し、スライド弁1は、隔壁19、20と共に右側に移動してパイプ7とパイプ8とを導通する。 【0010】ところで、弁室9cに対応する部分には、流体流入管10の流入口と複数本の流体移送パイプ6、7、8の流体流出入口が設けられている。そして、このような弁本体Aでは、スライド弁1の下端面と、弁室9c内に開口している流体の出入口6a、7a、8aを有する弁座11の表面と気密的に接触しながら図2に示す矢印の方向(図中左右方向)に摺動する。 【0011】このような切換弁22は、高価な熱媒体をスライド弁1を摺動させながら所定の入口から所定の出口に流動するように切り換えて、エネルギーを制御するものであるから、熱媒体(冷媒または熱媒のいずれでもよい)が当該システムから漏洩しないように構成される必要があり、そのためにスライド弁1の下端面と弁座11の表面とを気密に接触させている。 【0012】通常、スライド弁1は、ナイロン(ポリアミド)樹脂、セラミック、樹脂シートと金属製部品の複合部材が使用されてきた。 【0013】近年、このようなヒートポンプの機能は、インバータやマイクロプロセッサを用いたサイクル制御によってより向上し、しかもこのシステムの安全性と清浄性は、他の暖房機器よりも優れていることから、冷房機器や暖房機器としての地位が確率されつつある。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなヒートポンプを、より高機能化し高効率化するために、従来より広い温度範囲において高圧での連続運転性が求められた結果、圧縮機の動作の信頼性を向上させ、ヒートポンプシステムを構成する部品に耐熱性と耐久性を向上させる必要が生じた。 【0015】具体的には、切換弁の構成部品は、例えば150〜200℃といった高温でも機能する素材で構成する必要がある。 【0016】また、圧縮機では、冷凍機油に各種の添加剤を加えて回転部分の焼き付きを防止しており、切換弁の構成部品は添加剤(例えば、流動点調整、抗乳化性、熱安定性、電気絶縁性を高めるための周知の添加剤であり、特に極圧添加剤)に耐える素材で形成する必要性も生じた。 【0017】特に、熱媒体における添加剤は、ヒートポンプ内の水分によって高温状態の運転中に加水分解し、フェノールまたはクレゾールを生成する。これらはナイロン樹脂などの合成樹脂製のスライド弁を溶解可能な有機溶剤であって、これに接したナイロン樹脂は膨張し、スライド弁の摺動面に凹凸または泡状面(発泡)を形成して気密性の摺動を困難にする。 【0018】このような問題は、四フッ化エチレン樹脂シートを金属部品に接着した複合部材のスライド弁を採用することにより避けられるが、このような複合部材では、金属と樹脂シートの線膨張係数の差が大きいことから、接着面に剥離現象が起こるという問題が生じる。 【0019】また、特開平5−60254号公報に記載のポリフェニレンサルファイド樹脂に四フッ化エチレン樹脂および芳香族ポリエステル樹脂を添加した組成物からなるスライド弁は、高温・高圧の条件下で使用可能な構造とするためには、所要の機械的強度を確保する必要があるため、厚肉となり大型化が避けられない。 【0020】そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決してスライド弁が耐熱性に優れかつ冷凍機油に添加される各種の添加剤に対する耐久性を有すると共に、高機能化、高効率化されていくシステムに対応するべく、低コスト、小型、軽量で高温度で長期間の連続運転が可能なヒートポンプの切換弁を提供し、またそのスライド弁を効率よく製造することである。 【0021】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明においては、ヒートポンプシステムに使用される切換弁であって、この切換弁におけるスライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、前記スライド弁の前記摺接面を除く残部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成した切換弁としたのである。 【0022】また、スライド弁の成形用金型内の摺接面形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填して一体に形成することからなる切換弁用のスライド弁を製造したのである。 【0023】切換弁に係る発明では、スライド弁の摺接面を除く残部(主要部)が耐熱性、耐溶剤性に優れたフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成されており、かつ摺動面が自己潤滑性樹脂で形成されているから、150〜200℃といった高温でも熱変形がなく、冷凍機油の添加剤で腐食したり、熱媒体の添加剤から加水分解によって生じたフェノールまたはクレゾールなどに溶解しない。 【0024】また、熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂と、四フッ化エチレン樹脂などの自己潤滑性樹脂樹脂との線膨張係数の差が小さいことから、これらの接着面に剥離現象が起こり難い。 【0025】また、ヒートポンプの熱媒体が、従来よりも高温・高圧に設定された場合でもスライド弁は変形せず、気密的摺動性を維持できる。 【0026】 【発明の実施の形態】この発明に用いるスライド弁主要部材料の熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、例えば熱変形温度が150℃以上あるような耐熱性に優れた樹脂であり、その種類を限定することなく採用できる。熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、またはユリア樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、不飽和ポリスチレン、エポキシ樹脂、アリル樹脂(ジアリルフタレート樹脂)などが挙げられる。フェノール樹脂は、この発明の熱硬化性樹脂として好ましいものであるが、下記の化1で表わされる繰り返し構造単位からなるノボラック樹脂(A)または下記の化2で表わされる繰り返し構造単位からなるレゾール樹脂(B)のいずれであってもよい。 【0027】前記のエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、シンジオタクティック構造ポリスチレン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などを挙げることができる。これらのエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、耐熱性に優れており、結晶性であるために冷凍機油中の添加剤や有機溶媒にも耐性があり、この発明に好適である。 【0028】なお、エステル基もしくはアミノ基を有する結晶性熱可塑性樹脂では、吸水性のある冷凍機油使用下で長期間に亘って高温・高圧で使用された場合、エステル基またはアミノ基が加水分解を起こし、物性が低下するので好ましくない。 【0029】以上のような熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、例えばガラス繊維などの補強繊維のような一般的な添加剤、または無機物粉末であるミネラル、グラファイトもしくはウィスカのような無機質繊維を配合したものであってもよい。 【0030】 【化1】
【0031】 【化2】
【0032】この発明に適用できる市販のフェノール樹脂としては、日本合成化工社製:ニッカライトGP200、三井東圧化学社製:ミレックスSP2000などを例示できる。または、この発明に適用できるポリアリーレンサルファイド樹脂としては、東ソー社製:GS40、大日本インキ化学工業社製:DIC−PPS FZ1140などを例示できる。 【0033】この発明における摺接面部材の自己潤滑性樹脂は、フッ素含有樹脂のような自己潤滑性のある周知の樹脂を採用できる。特に四フッ化エチレン樹脂を含有する樹脂が好適である。 【0034】四フッ化エチレン樹脂を含有する樹脂からなる自己潤滑性樹脂層部材(摺接面部材)は、四フッ化エチレン樹脂粉末に耐摩耗性を向上させる添加剤等を加えた混合材料を、加圧成形したのち焼成し、円柱状の成形体に成形した後、シート状にスカイブ加工したものを採用して良い。 【0035】このような四フッ化エチレン樹脂シートの片面または両面に対して、一般にトス処理と呼ばれる水酸化ナトリウム水溶液による表面処理を施せば、熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂との接着強度が向上して剥離現象が起こり難くなって好ましい。 【0036】また、四フッ化エチレン樹脂を含有する樹脂からなる自己潤滑性樹脂層部材(摺接面部材)は、熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂に四フッ化エチレン樹脂粉末を添加した樹脂組成物からなる成形体であってもよい。 【0037】この場合、採用する熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂は、スライド弁の摺接面を除く残部を形成する材料と同一の樹脂を採用すれば、摺接面部材との界面の親和性が優れ好ましい。 【0038】このような摺接面部材に用いる樹脂組成物は、射出成形法、オートモールド成形法、加熱圧縮成形法等によって形成できる。 【0039】四フッ化エチレン樹脂からなる市販の成形用粉末としては、例えば三井・デュポン・フロロケミカル社製:テフロン7J、旭硝子社製:フルオンG163、L169、ダイキン工業社製:ポリフロンM12、ルブロンL15などを例示できる。四フッ化エチレン樹脂製シートの成形方法としては、オートモールド成形法やスカイブ加工によるシート成形なども採用できる。 【0040】スライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を四フッ化エチレン樹脂などの自己潤滑性樹脂で形成するには、スライド弁の成形用金型内の摺接面形成部を覆うように、予め成形した自己潤滑性樹脂層部材を配置し、次いで前記金型内に熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を充填して複合成形を行なって一体に成形する。この際の成形方法は、射出成形、加熱圧縮成形のいずれであってもよい。 【0041】 【実施例】図2に示した弁本体Aのスライド弁1として、図3および図4に示すものを使用した。 【0042】すなわち、弁本体Aは、その構造の詳細を既述したように、電磁的に駆動されるパイロットバルブBによって、ポート2、3、4、5にそれぞれ所要圧力の流体を導入し、その流体圧力によって駆動されるスライド弁1により、流体移送パイプ6、7、8の導通と遮断を行なうものである。 【0043】切換弁には、弁室9cに通じるように高圧の流体流入管10の流入口が形成され、複数本の流体移送パイプ6、7、8の流体の出入口6a、7a、8aが配置形成されている。このような弁本体Aでは、スライド弁1の下端面が、流体の出入口6a、7a、8aが開口する弁座11と気密に接触しながら図2に示す矢印の方向(図中左右)に摺動(スライド)する。 【0044】〔実施例1〕スライド弁成形用金型内の摺接面形成部に、予め成形した厚さ1.5mmの四フッ化エチレン樹脂シートを配置し、次いで前記金型内にガラス繊維60重量%を含むフェノール樹脂を射出成形して複合的に一体となったスライド弁(家庭用エアコン7kw相当品)を作製した。なお、四フッ化エチレン樹脂シート12は、スライド弁主要部13が他部品に接触するときに起こりやすい剥離を防止し、また弁座との接触面積の可及的縮小を図り摩擦抵抗を低減させるため、スライド弁主要部13の底面より若干小さいものを使用した。なお、図中符号14は、流体通路を示し、符号15は溝である。 【0045】〔実施例2〕成形用金型内の摺接面形成部に、ポリフェニレンサルファイド樹脂60重量%と四フッ化エチレン樹脂40重量%からなる組成物による厚さ2mmの板状素材を、スライド弁の摺接面形状に加工した摺接部を配置し、次いで前記金型内にガラス繊維40重量%を含むポリフェニレンサルファイド樹脂を射出成形して複合的に一体となったスライド弁(家庭用エアコン7kw相当品)を作製した。その他は実施例1と同じである。 【0046】〔比較例1〕成形用金型内の摺接面形成部に、予め成形した厚さ1.5mmの四フッ化エチレン樹脂シートを配置し、次いで前記金型内にガラス繊維30重量%を含むポリアミド66樹脂(アミノ基を含む)を射出成形して複合的に一体となったスライド弁(家庭用エアコン7kw相当品)を作製した。その他は実施例1と同じである。 【0047】〔比較例2〕成形用金型内に、芳香族ポリエステル樹脂(エステル基含む)15重量%と、四フッ化エチレン樹脂15重量%と、残部ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる樹脂組成物を射出成形してスライド弁(家庭用エアコン7kw相当品)を作製した。上記した通り作成した実施例および比較例のスライド弁に対して、以下の実機耐久試験を行ない結果を表1に示した。 【0048】〔実機耐久試験〕図1および図2に示したヒートポンプを使用し、高温・高圧の条件の下で切換弁にスライド弁を取り付け、初期および耐久運転(1000回往復動)後のスライド弁のシール性、変形の有無、剥がれの有無、発泡およびクラックの有無を調査した。 【0049】 【表1】
【0050】表1に示した結果からも明らかなように、実施例1、2はいずれも外観に異常が認められず、シール性にも問題がなかった。 【0051】これに対してスライド弁主要部にアミノ基を含む結晶性熱可塑性樹脂を用いた比較例1は、変形はなかったがスライド弁主要部に発泡が認められた。また、シート部材がスライド弁主要部から部分的に剥がれていた。 【0052】また、スライド弁主要部にエステル基を含む樹脂を使用した比較例2は、変形および発泡は認められなかったが、シール性については実施例より劣るものであった。 【0053】 【発明の効果】この発明は、以上説明したように、ヒートポンプシステムの切換弁におけるスライド弁の少なくとも弁座に対する摺接面を自己潤滑性樹脂で形成し、残部を熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂で形成したので、スライド弁が耐熱性に優れており、しかも冷凍機油に添加された各種の添加剤に対する耐久性を有し、高温度で長期間の連続運転が可能な切換弁となる利点がある。 【0054】また、自己潤滑性樹脂層部材と熱硬化性樹脂またはエステル基もしくはアミノ基を有さない結晶性熱可塑性樹脂を複合成形する製造法により、前記の切換弁に適用できるスライド弁を、低コストで効率よく製造できる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102692 【氏名又は名称】エヌティエヌ株式会社 【識別番号】000230412 【氏名又は名称】日本ランコ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−201297 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−2568 |
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