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【発明の名称】 流量制御弁
【発明者】 【氏名】茅原 敏広

【氏名】舘野 一博

【氏名】野村 耕造

【氏名】米田 剛

【氏名】安部 元

【氏名】藤原 浩昭

【要約】 【課題】汎用性のある流量制御弁を提供する。

【解決手段】弁室2と原水入口10とを備えた弁体3と、前記弁室2に対応した集水路8と原水出口15とを備えた集水部材4と、前記弁室2に対応した空間部27と前記原水入口10に連通する通水路22とを備えたカバー部材6とからなり、前記弁体3の一側に前記集水部材4を固定するとともに、他側にダイヤフラム5を介して前記カバー部材6を固定し、前記弁室2と前記集水路8との連通部に流量制御機構を設け、前記ダイヤフラム5を作動させ、前記弁室2への原水の供給または供給停止を行なう作動機構7を設け、さらに前記作動機構7を制御する電磁弁9を設けたことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁室2と原水入口10とを備えた弁体3と、前記弁室2に対応した集水路8と原水出口15とを備えた集水部材4と、前記弁室2に対応した空間部27と前記原水入口10に連通する通水路22とを備えたカバー部材6とからなり、前記弁体3の一側に前記集水部材4を固定するとともに、他側にダイヤフラム5を介して前記カバー部材6を固定し、前記弁室2と前記集水路8との連通部に流量制御機構を設け、前記ダイヤフラム5を作動させ、前記弁室2への原水の供給または供給停止を行なう作動機構7を設け、さらに前記作動機構7を制御する電磁弁9を設けたことを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】 前記流量制御機構が、前記弁室2に前記集水路8と連通する複数の流路12,12,…を形成し、この各流路12に流量制御用のオリフィス13をそれぞれ設けた構成であることを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
【請求項3】 前記各流路12に着脱自在な流量制御用プラグ17を装着することを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁。
【請求項4】 前記弁体3にリターン孔14を設け、かつ前記集水部材4に前記リターン孔14と連通するリターン流路16を設けるとともに、前記カバー部材6に前記リターン孔14と連通する還流路23を設け、さらに前記リターン流路16に逆流防止手段20を設け、かつ前記還流路23に前記電磁弁9の作用を受ける弁座24を形成するとともに、前記還流路23に取水口25を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流量制御弁。
【請求項5】 複数の弁室2,2,…と原水入口10とを備えた弁体3と、前記各弁室2に対応した集水路8,8,…と原水出口15とを備えた集水部材4と、前記各弁室2に対応した空間部27,27,…と前記原水入口10に連通する通水路22,22,…とを備えたカバー部材6とからなり、前記弁体3の一側に前記集水部材4を固定するとともに、他側にダイヤフラム5を介して前記カバー部材6を固定し、前記各弁室2と前記各集水路8との連通部に流量制御機構をそれぞれ設け、前記ダイヤフラム5を前記各弁室2ごとに作動させ、前記各弁室2への原水の供給または供給停止を行う作動機構7,7,…を設け、さらに前記各作動機構7を制御する電磁弁9,9,…を設けたことを特徴とする流量制御弁。
【請求項6】 前記各流量制御機構が、前記各弁室2に前記各集水路8と連通する複数の流路12,12,…をそれぞれ形成し、この各流路12に流量制御用のオリフィス13をそれぞれ設けた構成であることを特徴とする請求項5に記載の流量制御弁。
【請求項7】 前記各流路12に着脱自在な流量制御用プラグ17を装着することを特徴とする請求項6に記載の流量制御弁。
【請求項8】 前記弁体3に前記各弁室2に対応したリターン孔14,14,…を設け、かつ前記集水部材4に前記各リターン孔14とそれぞれ連通するリターン流路16,16,…を設けるとともに、前記カバー部材6に前記各リターン孔14とそれぞれ連通する還流路23,23,…を設け、この各還流路23に前記各電磁弁9の作用を受ける弁座24,24,…をそれぞれ設け、さらに前記各リターン流路16のうちのいずれか一つのリターン流路16に逆流防止手段20を設け、この逆流防止手段20を設けたリターン流路16と連通する前記還流路23に取水口25を設けたことを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液体の流量を制御する流量制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、負荷側の要求により供給する液体(たとえば、原水)の流量を制御する手段として市販のモーターバルブ等が用いられている。しかしながら、流量の制御が、たとえば1トン/時間,2トン/時間,3トン/時間,4トン/時間の原水を供給する制御の場合には、前記市販のモーターバルブでは供給量の変化が大きいため、一定の仕様のものでは対応することが難しく、したがって供給パイプのサイズも変更する必要があり、共用性について問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記問題点に鑑み、予め設定した所定時間に異なる流量の液体を供給することができる汎用性のある流量制御弁を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、弁室と原水入口とを備えた弁体と、前記弁室に対応した集水路と原水出口とを備えた集水部材と、前記弁室に対応した空間部と前記原水入口に連通する通水路とを備えたカバー部材とからなり、前記弁体の一側に前記集水部材を固定するとともに、他側にダイヤフラムを介して前記カバー部材を固定し、前記弁室と前記集水路との連通部に流量制御機構を設け、前記ダイヤフラムを作動させ、前記弁室への原水の供給または供給停止を行なう作動機構を設け、さらに前記作動機構を制御する電磁弁を設けたことを特徴としており、また請求項2に記載の発明は、前記流量制御機構が、前記弁室に前記集水路と連通する複数の流路を形成し、この各流路に流量制御用のオリフィスをそれぞれ設けた構成であることを特徴としており、また請求項3に記載の発明は、前記各流路に着脱自在な流量制御用プラグを装着することを特徴としており、また請求項4に記載の発明は、前記弁体にリターン孔を設け、かつ前記集水部材に前記リターン孔と連通するリターン流路を設けるとともに、前記カバー部材に前記リターン孔と連通する還流路を設け、さらに前記リターン流路に逆流防止手段を設け、かつ前記還流路に前記電磁弁の作用を受ける弁座を形成するとともに、前記還流路に取水口を設けたことを特徴としており、また請求項5に記載の発明は、複数の弁室と原水入口とを備えた弁体と、前記各弁室に対応した集水路と原水出口とを備えた集水部材と、前記各弁室に対応した空間部と前記原水入口に連通する通水路とを備えたカバー部材とからなり、前記弁体の一側に前記集水部材を固定するとともに、他側にダイヤフラムを介して前記カバー部材を固定し、前記各弁室と前記各集水路との連通部に流量制御機構をそれぞれ設け、前記ダイヤフラムを前記各弁室ごとに作動させ、前記各弁室への原水の供給または供給停止を行う作動機構を設け、さらに前記各作動機構を制御する電磁弁を設けたことを特徴としており、また請求項6に記載の発明は、前記各流量制御機構が、前記各弁室に前記各集水路と連通する複数の流路をそれぞれ形成し、この各流路に流量制御用のオリフィスをそれぞれ設けた構成であることを特徴としており、また請求項7に記載の発明は、前記各流路に着脱自在な流量制御用プラグを装着することを特徴としており、さらに請求項8に記載の発明は、前記弁体に前記各弁室に対応したリターン孔を設け、かつ前記集水部材に前記各リターン孔とそれぞれ連通するリターン流路を設けるとともに、前記カバー部材に前記各リターン孔とそれぞれ連通する還流路を設け、この各還流路に前記各電磁弁の作用を受ける弁座をそれぞれ設け、さらに前記各リターン流路のうちのいずれか一つのリターン流路に逆流防止手段を設け、この逆流防止手段を設けたリターン流路と連通する前記還流路に取水口を設けたことを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態について説明すると、この発明は、弁室と原水入口とを備えた弁体と、前記弁室に対応した集水路と原水出口とを備えた集水部材と、前記弁室に対応した空間部と前記原水入口に連通する通水路とを備えたカバー部材とからなり、前記弁体の一側に前記集水部材を固定するとともに、他側にダイヤフラムを介して前記カバー部材を固定し、前記弁室と前記集水路との連通部に流量制御機構を設け、前記ダイヤフラムを作動させ、前記弁室への原水の供給または供給停止を行う作動機構を設け、さらに前記作動機構を制御する電磁弁を設けた構成の流量制御弁において実現される。
【0006】前記弁体には、原水入口と前記カバー部材に連通する連通孔とリターン孔を開口し、前記流量制機構として前記弁室内に前記集水路に連通する複数(たとえば、4流路)の流路を形成し、この各流路の上部にそれぞれ流量制御用のオリフィスを設けている。また、前記集水部材には、原水出口と前記リターン孔に連通するリターン流路が形成してあり、このリターン流路に逆止防止手段としての逆止弁を設けている。そして、前記各流路に対応する部位に流量制御用プラグを挿入する挿入孔をそれぞれ開口し、この挿入孔の下面に蓋部材を設けている。前記流量制御用プラグは、負荷側の要求する原水供給量に応じて、前記各流路を閉鎖または開放して流量を制御する。また、前記カバー部材には、前記連通孔に連通する通水孔と通水路を開口するとともに、前記リターン孔に連通する還流路を設け、この還流路に前記電磁弁の作用を受ける弁座を形成するとともに、前記還流路に原水の一部を取り出す取水口を設けている。ここにおいて、前記逆止弁および取水口は、実施に応じ省略することもできる。
【0007】前記作動機構は、前記原水入口から流入した原水を前記ダイヤフラムを開放して前記弁室内に流入させ、前記流路を介して前記集水路に流出した原水を前記原水出口から負荷へ所定流量供給するものである。したがって、前記作動機構の構成は、前記カバー部材の内側の前記弁室に対応する部位に空間部を形成し、この空間部の中央部に案内穴を有するボス部を形成し、この案内穴に遊動自在に挿入する案内部を有するダイヤフラム押圧部材を設けている。そして、このダイヤフラム押圧部材に前記ダイヤフラムを介して前記弁室を閉鎖するためのスプリングを装着している。一方、前記弁室内から前記ダイヤフラムを保持するボス部を有する保持部材を設け、この保持部材と前記ダイヤフラムと前記ダイヤフラム押圧部材とを適宜の手段で固定している。前記保持部材の下方に前記流量制御用のオリフィスを固定するT字状のオリフィス固定部材を設け、このオリフィス固定部材の突起部に形成した穴に前記保持部材のボス部が遊動自在に挿入されている。そして、このオリフィス固定部材を、前記流路に前記オリフィスを介して連通するように適宜の手段で前記弁体に固定している。
【0008】つぎに、前記作動機構を制御する電磁弁について説明する。この電磁弁は、前記弁座に対応する前記カバー部材の上面に設けられている。この電磁弁の鉄芯の先端部が前記弁座に当接し、前記還流路を遮断する。この還流路の遮断により前記作動機構は、前記ダイヤフラムを閉鎖側に作動させて原水の供給が停止する。また、前記電磁弁が作動し前記還流路が開放されると、前記ダイヤフラムは、開放側に作動し原水が供給される。
【0009】前記還流路に設けた取水口は、たとえば負荷側からの要求(補給水等)により原水供給中において、この取水口から少量の原水を供給できるようにしている。また、前記逆止弁は、前記集水路からの原水の逆流を防止するようにしている。そして、供給不用の場合は、前記取水口を適宜の手段で封止する。
【0010】以上のように、この発明の流量制御弁は、弁室内にそれぞれ複数の流路を開口し、この流路に流量制御用のオリフィスをそれぞれ設け、前記各流路に流量制御用プラグを設定流量に適合するように装着して流量を制御するものである。したがって、前記流路を開閉することにより、原水の供給量を変更することができるので、この流量制御弁に接続する給水用のパイプのサイズは一定のものでよく、したがって共用性があり便利である。また、この発明の流量制御弁は、弁室を複数設け、流量を多段階に制御する構成とすることもできる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施例は弁室を2つ設けた場合の説明であり、図1は、この発明に係る流量制御弁の平面説明図であり、図2は、図1のII−II線の断面説明図であり、図3は、図1のIII−III線の断面説明図である。また、図4は、この発明に係る流量制御弁を脱気システムの原水供給ラインに設けた構成を概略的に示す説明図である。
【0012】図1,図2および図3において、この発明に係る流量制御弁1は、2室に区画した弁室2,2を形成した弁体3と、この弁体3の一側である下面に固定する集水部材4と、前記弁体3の他側である上面にダイヤフラム5を介して固定するカバー部材6と、前記ダイヤフラム5を上下動させる作動機構7,7と、前記弁室2と前記集水部材4の各集水路8,8との連通部に流量制御機構をそれぞれ設け、前記各作動機構7をそれぞれ制御する電磁弁9,9を前記カバー部材6の上面に設けた構成からなっている。
【0013】前記弁体3は、図2および図3に示すように、中央部に原水入口10を形成するとともに、前記カバー部材6と連通する連通孔11を形成している。そして、中央部の左右に画成した各弁室2には、その底部に流量制御機構としての流路12が4つずつ形成されている。この各流路12における前記各弁室2からの出口部には、流量制御用のオリフィス13がそれぞれ設けられている。この実施例における各オリフィス13の流量は、1個当り500リットル/時間であり、したがって前記各弁室2の最大流量は、それぞれ200リットル/時間となる。すなわち、この実施例における前記弁体3の最大流量は、4000リットル/時間となる。
【0014】そして、前記弁体3の両端部(図2の左右の端部)には、前記各弁室2に対応したリターン孔14,14が穿設されている。
【0015】前記集水部材4は、図2および図3に示すように、前記弁体3の下面に適宜な手段で固定されており、中央部の底部には、前記原水入口10を形成した前記弁体3の中央部が貫入された構成となっている。また、前記集水部材4には、前記各弁室2に対応した集水路8,8および原水出口15が形成されているとともに、前記各リターン孔14とそれぞれ連通するリターン流路16,16が形成されている。
【0016】そして、前記集水部材4において、前記各弁室2に対応する底部には、前記各流路12に着脱自在に装着する流量制御機構としての流量制御用プラグ17,17を挿入する挿入孔18,18をそれぞれ開口し、この各挿入孔18を封止する蓋部材19,19をそれぞれ設けている。また、前記両リターン流路16のいずれかのリターン流路16(この実施例では、図2の右側のリターン流路16)に逆流防止手段としての逆止弁20を設けている。この逆止弁20は、前記集水路8からの原水の逆流を防止するものである。
【0017】前記各流量制御用プラグ17は、負荷側の要求する原水供給量に応じて、前記各流路12(この実施例では8流路)を開放または閉鎖して原水の供給量を制御する(図2および図3に示す実施例においては、各弁室2内に各1個装着している。)。
【0018】前記カバー部材6は、図2および図3に示すように、前記弁体3の上面にダイヤフラム5を介して適宜な手段で固定してあって、前記連通孔11に連通する通水孔21と後述する空間部27,27への通水路22,22を開口し、前記各リターン流路16に連通する還流路23,23を形成し、この各還流路23の所定位置にそれぞれ弁座24,24が設けられている。そして、前記逆止弁20を設けた側の前記還流路23に原水の一部を取り出す取水口25を開口している。この取水口25には、着脱自在な止栓(図示省略)を設けている。なお、図2に示す実施例では、前記止栓をはずしホース継手26を装着している。
【0019】さて、前記各作動機構7は、図2および図3に示すように、前記カバー部材6の内側において、前記各弁室2に対応する部位にそれぞれ形成された空間部27,27内に位置するようにそれぞれ構成されている。したがって、前記両作動機構7の構成は同じであるので、以下の説明は、簡略化のため、一方の作動機構7について説明する。
【0020】まず、前記ダイヤフラム5の上面側を構成する作動機構7の構成について説明すると、前記ダイヤフラム5の上面側にあっては、前記空間部27の中央部に形成されたボス部29と、このボス部29の案内穴28に遊動自在に挿入する案内部30を有するダイヤフラム押圧部材31とにより構成されている。このダイヤフラム押圧部材31は、前記弁室2の外周壁と同寸法の円板状に形成されており、前記案内部30の反対側の面には凹部32が形成されている。そして、このダイヤフラム押圧部材31の上面と前記空間部27の天井部との間には、このダイヤフラム押圧部材31を下方へ,すなわち前記ダイヤフラム5が前記弁室2を閉鎖する方向へ付勢するスプリング33が装着されている。このスプリング33は、前記ボス部29および前記案内部30の外周を取り巻く状態で装着されている。
【0021】つぎに、前記ダイヤフラム5の下面側を構成する作動機構7の構成について説明すると、前記ダイヤフラム5の下面側にあっては、前記ダイヤフラム押圧部材材31と対向して前記ダイヤフラム5を挟持固定する保持部材34と、この保持部材34から下方へ延在したガイド部35を遊動自在に挿入するガイド穴(符号省略)を形成したT字状のオリフィス固定部材36とにより構成されている。前記保持部材34の上部には、前記凹部32と嵌合し、前記ダイヤフラム5の挟持固定の確実性を確保するための突起部(符号省略)が形成されている。そして、オリフィス固定部材36は、前記ダイヤフラム5の上下動の芯振れを前記ガイド部35を介して防止するとともに、前記オリフィス13の固定も兼用している。すなわち、このオリフィス固定部材36は、前記弁室2内に嵌合する円板状に形成されており、その円板部には前記各流路12とそれぞれ合致する孔37,37,…が穿設されている。したがって、前記オリフィス固定部材36は、各孔37,前記各オリフィス13および前記各流路12がそれぞれ連通するように前記弁室2内に固定されている。
【0022】つぎに、前記各作動機構7をそれぞれ制御する電磁弁9,9について説明する。この両電磁弁9も同じ構成であり、ここでは一方の電磁弁9について説明する。この電磁弁9は、前記各弁座24に対応した位置において、前記カバー部材6の上面に設けられている。この電磁弁9は、上下方向に作動する鉄芯(符号省略)の先端部が前記弁座24に当接し、前記還流路23を遮断する。この還流路23を遮断すると、前記スプリング33の付勢力と、前記通水路22を介して前記空間部27へ流入した原水の水圧とが作用し、前記ダイヤフラム5が閉鎖側へ移動し、前記ダイヤフラム5が前記弁室2の開口部(原水の流入部)を閉鎖して原水の前記弁室2への供給を停止する(図2の左側の状態)。また、前記電磁弁9が作動し、その鉄芯が上方へ移動すると、前記還流路23が開放し、前記空間部27内の原水は、前記還流路23から前記リターン流路16へ流出する。これにより、前記空間部27の原水圧は作用しなくなるとともに、前記通水路22が大きな圧損となるので、前記ダイヤフラム5の下面に働く原水圧が大きくなる。したがって、前記ダイヤフラム5の上面への原水圧が解放されるとともに、前記ダイヤフラム5の下面への原水圧が作用し、前記ダイヤフラム5は前記スプリング33の付勢力に抗して開放側へ移動し、前記弁室2の開口部を開放して原水を前記弁室2へ供給する(図2の右側の状態)。
【0023】さて、ここで、図1〜図3に示した実施例について、その流量制御弁1の作動について説明する。この実施例のように、2つの弁室2を設けた構成にあっては、一方の電磁弁9を作動して一方の還流路23を開放したときは、一方の弁室2のみが原水を供給することになり、また両方の電磁弁9を作動して両方の還流路23を開放したときは、両方の弁室2とも原水を供給することになる。すなわち、前記両電磁弁9を両方同時に作動したときと、片方のみ作動したときでは、原水の流量は倍半分違うことになる。
【0024】つぎに、前記のような流量制御にかわる流量制御を説明する。前記実施例においては、前記各オリフィス13の1個当りの通水量を、たとえば1時間当り500リットルとし、このオリフィス13を8個備えているので、最低流量500リットル/時間から最大流量4000リットル/時間までを500リットル/時間単位で流量を制御することができる。すなわち、前記流量制御用プラグ17を所定流量に見合うように前記各流路12に装着するとともに、前記両電磁弁9,9を単独または同時に作動することにより実現できる。さらに、前記各オリフィス13の仕様(流量)を変更することにより、原水供給量を変更することができる。
【0025】さらに、この発明に係る流量制御弁1を脱気システムの原水供給ラインに用いた実施例を図4に基づいて説明する。図4は、1個または複数個の脱気モジュール38が配設できるようにした脱気システム39であって、たとえば前記脱気モジュール38の処理水量が1時間当り1000リットルとすれば、この流量制御弁1を用いることにより、前記脱気モジュール38を1個から4個まで配設する脱気システム39に適用することができる。また、この流量制御弁1に接続する原水供給ライン40のパイプは同一のものでよく共用性がある。そして、前記脱気モジュール38内を真空脱気する水封式真空ポンプ41に備えた封水タンク42に、前記ホース継手26に所定のオリフィス(図示省略)を装着したホース43を接続している。このホース43から補給する原水は、前記封水タンク42内の循環した封水が濃縮するのを防ぐためのものであり、また濃縮した封水はオーバーフローライン44から排出される。
【0026】したがって、図4に示す実施例にあっては、前記ホース43から補給する原水は、前記脱気モジュール38への原水供給が停止されると同時に停止するので、きわめて効果的である。
【0027】なお、図4において、前記水封式真空ポンプ41は、前記封水タンク42と封水循環ライン45を介して接続されている。また、前記脱気モジュール38によって処理された処理水は、処理水タンク46に貯留された後、各種の負荷(図示省略)へ供給される構成となっている。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、弁室と原水入口とを備えた弁体と、前記弁室に対応した集水路と原水出口とを備えた集水部材と、前記弁室に対応した空間部と前記原水入口に連通する通水路とを備えたカバー部材とからなり、前記弁体の一側に前記集水部材を固定するとともに、他側にダイヤフラムを介して前記カバー部材を固定し、前記弁室と前記集水路との連通部に流量制御機構を設け、前記ダイヤフラムを作動させ、前記弁室への原水の供給または供給停止を行なう作動機構を設け、さらに前記作動機構を制御する電磁弁を設けたので、前記流量制御機構のオリフィスの仕様を変更することにより所定流量に制御することができる。また、前記流量制御機構の複数の流路に流量制御用プラグを装着することにより多段階に流量を制御することができる。さらに、前記弁室を複数設けた構成とすることにより、流量の制御を比例制御的に制御することが可能となる。さらにまた、前記カバー部材に取水口を設けたので、原水供給中に原水の一部を取り出すことができるので頗る効果的である。
【0029】以上のように、この発明の流量制御弁は、大流量から小流量まで所定流量の原水を多段階に負荷側へ供給するとともに、この流量制御弁に接続する供給用のパイプの仕様を一定とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月31日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−141727
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−316155