| 【発明の名称】 |
電磁弁駆動方法及び装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河野 弘三
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| 【要約】 |
【課題】電磁弁の高速駆動のために必要な大電流を流した後の保持動作のための電流を電磁弁コイルに安定に流す。
【解決手段】電磁弁2のコイル2Aのハイサイドに第1及び第2FET5、6とフライホイールダイオード7とを設け、駆動開始後の所定期間TA〜TCだけ第1FET5を閉じてコイル2Aに大電流を流した後、逆起電圧によるフライホイール電流をコイル2Aに流し、次いで第2FET6のオン、オフ動作により動作保持電流をコイル2Aに流すようにした電磁弁駆動方法において、コイル2Aのローサイドに第3FET9を設け、フライホイール電流によるコイル2Aの駆動期間中においてフライホイール電流が所定レベルIF以下の場合にのみ第3FET9を閉じることによりフライホイール電流の過度の上昇を抑えるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記電磁弁コイルに大電流を流し、前記所定期間経過後、前記コイルに流れる前記大電流を遮断したことにより前記コイルに生じる逆起電圧を利用してフライホイール電流を前記コイルに動作保持電流として流した後、前記コイルに所要期間だけ前記大電流よりも小さい所定の動作保持電流を電源から供給するようにした電磁弁駆動方法において、前記コイルのローサイドに通電制御手段を設け、前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中、前記コイルに流れる電流のレベルの検出結果に応答し、検出されたレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記通電制御手段をオンとすることにより前記フライホイール電流の過度の上昇を抑えるようにしたことを特徴とする電磁弁駆動方法。 【請求項2】 電磁弁のコイルのハイサイドに第1及び第2スイッチング手段と前記コイルに接続されたフライホイールダイオードとを設け、前記電磁弁の駆動開始後の所定期間だけ前記第1スイッチング手段を閉じることにより前記コイルに電源部から大電流を流し、前記所定期間経過後、前記コイルに生じる逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流し、前記フライホイール電流が前記大電流よりも小さい所定の動作保持電流のレベル以下になった場合、所要期間だけ前記第2スイッチング手段のオン、オフ動作により所定の動作保持電流を電源部から前記コイルに流すようにした電磁弁駆動方法において、前記コイルのローサイドに第3スイッチング手段を設け、前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中において前記フライホイール電流が所定レベル以下の場合にのみ前記第3スイッチング手段を閉じることにより前記フライホイール電流の過度の上昇を抑えるようにしたことを特徴とする電磁弁駆動方法。 【請求項3】 電磁弁のコイルのハイサイドと電源部との間に設けられた第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段と、前記コイルに接続されたフライホイールダイオードと、電磁弁駆動信号に応答し前記電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記コイルに大電流を流すよう前記第1スイッチング手段のオン、オフ制御を行うための第1制御信号を発生する第1信号発生手段と、前記電磁弁駆動信号に応答し前記所定期間経過後に前記コイルに前記大電流よりは小さいレベルの動作保持電流を流すよう前記第2スイッチング手段のオン、オフ制御を行うための第2制御信号を発生する第2信号発生手段とを備え、前記所定期間経過直後に前記コイルに生じた逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流した後、前記第2制御信号により前記第2スイッチング手段をオン、オフ動作させて前記コイルに動作保持電流を供給するようにした電磁弁駆動装置において、前記コイルのローサイドに設けられた第3スイッチング手段と、前記コイルに流れる電流のレベルを検出するための検出手段と、前記電磁弁駆動信号と前記第1制御信号と該検出手段とに応答し前記フライホイール電流による前記電磁弁の駆動期間中において前記検出手段によって検出された電流のレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記第3スイッチング手段を閉じるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。 【請求項4】 電磁弁のコイルのハイサイドと電源部との間に設けられたハイサイドスイッチング手段と、前記コイルに接続されたフライホイールダイオードと、電磁弁駆動信号に応答し前記電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記コイルに大電流を流すと共に、前記所定期間経過後に前記コイルに前記大電流よりは小さいレベルの動作保持電流を流すように前記ハイサイドスイッチング手段のオン、オフ制御を行うハイサイド制御信号を発生する手段とを備え、前記所定期間経過直後においては前記コイルに生じた逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流すようにした電磁弁駆動装置において、前記コイルのローサイドに設けられたローサイドスイッチング手段と、前記コイルに流れる電流のレベルを検出するための検出手段と、前記電磁弁駆動信号と該検出手段とに応答し前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中において前記検出手段によって検出された前記コイルに流れる電流のレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記ローサイドスイッチング手段を閉じるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁コイルに、通電初期は大電流を所定期間に亘り通電して電磁弁を高速で作動させ、大電流通電終了後はより小さい電流を通電させて電磁弁の所要の動作を保持させるようにした電磁弁駆動方法及び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】たとえば、車両用燃料噴射システムに燃料噴射制御弁として用いられる電磁弁の動作を制御する従来技術として、特開昭63−55345号公報に記載されている車両用燃料噴射装置が知られている。これは、駆動ループの閉成により電磁弁コイルを流れる電流が第1の基準値を超えると比較制御手段からの指令によって電磁弁の駆動ループが遮断され、電磁弁コイルを流れる電流値が低下してその電流が第2の基準値以下になると、比較制御手段からの指令によってフライホイール回路が作動状態となり、電磁弁コイルに蓄積された電力の出力の伝送回路が形成されるように構成されたものである。この駆動方法によると、電磁弁を開弁するための開弁電流から電磁弁の開弁状態を保持しておくための保持電流への移行期間が短縮されると共に、電磁弁コイルへの電流遮断時の電流立ち下がりが早くなり、使用できる有効燃料噴射期間を拡大することができる。 【0003】ところが、この構成では、電磁弁駆動電流のレベルが一度第2の基準値を下回ると、その後電磁弁駆動中に駆動電流のレベルが第2の基準値を上回ったとしてもフライホイール回路が不作動となる構成となっている。このため、図3に示すように、最初にフライホイール駆動信号がオフからオンになったとき、電磁弁の渦電流によって引き起される電磁弁電流の上昇をフライホイール回路によって防止することができず、電磁弁の閉弁時間が予定のタイミングより遅れたり、バラついたりするという不具合を生じることになる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来の構成では、電磁弁の高速駆動のための初期大電流が一度基準値を下回って保持動作に入った後は、電磁弁の駆動電流がこの基準値を上回ったとしてもフライホイール回路が作動しない構成となっているため、最初のフライホイール駆動信号がオフからオンになったとき、電磁弁に生じる渦電流によって引き起される駆動電流の上昇を防止することができない。この結果、電磁弁の閉弁タイミングが遅れたり、閉弁タイミングにバラツキ等が生じるため、電磁弁を応答性よく駆動することができないという問題点を有している。 【0005】本発明の目的は、電磁弁の高速駆動のために必要な大電流を流した後の保持動作のための電流を電磁弁コイルに安定に流すことができるようにした、電磁弁駆動方法及び装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記電磁弁コイルに大電流を流し、前記所定期間経過後、前記コイルに流れる前記大電流を遮断したことにより前記コイルに生じる逆起電圧を利用してフライホイール電流を前記コイルに動作保持電流として流した後、前記コイルに所要期間だけ前記大電流よりも小さい所定の動作保持電流を電源から供給するようにした電磁弁駆動方法において、前記コイルのローサイドに通電制御手段を設け、前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中、前記コイルに流れる電流のレベルの検出結果に応答し、検出されたレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記通電制御手段をオンとすることにより前記フライホイール電流の過度の上昇を抑えるようにしたことを特徴とする。 【0007】この発明では、電磁弁の駆動初期の段階において電磁弁のコイルに流されている電流を遮断することによりコイルに生じた逆起電圧を用いて電磁弁のコイルにフライホイール電流を動作保持電流として流すようにした方法において、フライホイール電流が所定レベルを超えた場合には通電制御手段がオフとなり、フライホイール電流のレベルを低下させ、フライホイール電流が所定レベル以下の場合には通電制御手段がオンとなってフライホイール電流の通電を妨げないようにしている。この結果、電磁弁の駆動初期段階直後に電磁弁に渦電流が生じても、コイルに流れるフライホイール電流のレベルが過度に上昇するのを有効に防止することができる。 【0008】請求項2の発明は、電磁弁のコイルのハイサイドに第1及び第2スイッチング手段とフライホイールダイオードとを設け、前記電磁弁の駆動開始後の所定期間だけ前記第1スイッチング手段を閉じることにより前記コイルに電源部から大電流を流し、前記所定期間経過後、前記コイルに生じる逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流し、前記フライホイール電流が前記大電流よりも小さい所定の動作保持電流のレベル以下になった場合、所要期間だけ前記第2スイッチング手段のオン、オフ動作により所定の動作保持電流を電源部から前記コイルに流すようにした電磁弁駆動方法において、前記コイルのローサイドに第3スイッチング手段を設け、前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中において前記フライホイール電流が所定レベル以下の場合にのみ前記第3スイッチング手段を閉じることにより前記フライホイール電流の過度の上昇を抑えるようにしたことを特徴とする。 【0009】この発明では、電磁弁の駆動初期段階において第1スイッチング手段をオンからオフに切り換えることにより電磁弁のコイルに生じた逆起電圧をフライホイールダイオードを介して電磁弁のコイルにフライホイール電流として流すようにした方法において、フライホイール電流が所定レベルを超えた場合には第3スイッチング手段がオフとなり、フライホイール電流のレベルを低下させ、フライホイール電流が所定レベル以下の場合には第3スイッチング手段がオンとなってフライホイール電流の通電を妨げないようにしている。この結果、コイルに流れるフライホイール電流のレベルが過度に上昇するのを有効に防止できるので、電磁弁の駆動初期段階直後に電磁弁に生じる渦電流の影響を抑えることができる。 【0010】請求項3の発明は、電磁弁のコイルのハイサイドと電源部との間に設けられた第1スイッチング手段及び第2スイッチング手段と、前記コイルに接続されたフライホイールダイオードと、電磁弁駆動信号に応答し前記電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記コイルに大電流を流すよう前記第1スイッチング手段のオン、オフ制御を行うための第1制御信号を発生する第1信号発生手段と、前記電磁弁駆動信号に応答し前記所定期間経過後に前記コイルに前記大電流よりは小さいレベルの動作保持電流を流すよう前記第2スイッチング手段のオン、オフ制御を行うための第2制御信号を発生する第2信号発生手段とを備え、前記所定期間経過直後に前記コイルに生じた逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流した後、前記第2制御信号により前記第2スイッチング手段をオン、オフ動作させて前記コイルに動作保持電流を供給するようにした電磁弁駆動装置において、前記コイルのローサイドに設けられた第3スイッチング手段と、前記コイルに流れる電流のレベルを検出するための検出手段と、前記電磁弁駆動信号と前記第1制御信号と該検出手段とに応答し前記フライホイール電流による前記電磁弁の駆動期間中において前記検出手段によって検出された電流のレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記第3スイッチング手段を閉じるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0011】この発明では、第1スイッチング手段を介してコイルへ大電流が供給されるのが停止されてから第2スイッチング手段によるコイルへの動作保持電流の供給が開始されるまでの間のフライホイール電流による駆動期間中、検出手段の検出結果に応答して第3スイッチング手段がオン、オフ制御され、コイルに過度の電流が流れるのを防止することができる。したがって、第1スイッチング手段がオンからオフに切り換えられた直後に電磁弁に生じる渦電流の影響を有効に抑えることができる。 【0012】請求項4の発明は、電磁弁のコイルのハイサイドと電源部との間に設けられたハイサイドスイッチング手段と、前記コイルに接続されたフライホイールダイオードと、電磁弁駆動信号に応答し前記電磁弁の駆動開始直後の所定期間だけ前記コイルに大電流を流すと共に、前記所定期間経過後に前記コイルに前記大電流よりは小さいレベルの動作保持電流を流すように前記ハイサイドスイッチング手段のオン、オフ制御を行うハイサイド制御信号を発生する手段とを備え、前記所定期間経過直後においては前記コイルに生じた逆起電圧によるフライホイール電流を前記フライホイールダイオードを介して前記コイルに流すようにした電磁弁駆動装置において、前記コイルのローサイドに設けられたローサイドスイッチング手段と、前記コイルに流れる電流のレベルを検出するための検出手段と、前記電磁弁駆動信号と該検出手段とに応答し前記フライホイール電流による前記コイルの駆動期間中において前記検出手段によって検出された前記コイルに流れる電流のレベルが所定レベル以下の場合にのみ前記ローサイドスイッチング手段を閉じるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。 【0013】この発明は、電磁弁を高速動作させるための初期駆動用の大電流とその後の動作保持電流が共にハイサイドスイッチング手段を介してコイルに供給される点で請求項3の発明と異なっている。 【0014】ハイサイドスイッチング手段によりコイルへの大電流の供給が停止された直後のフライホイール電流による駆動期間中、検出手段の検出結果に応答してローサイドスイッチング手段がオン、オフ制御され、コイルに所定レベルより過度に大きい電流が流れるのを防止することができる。したがって、コイルへの大電流の供給が停止された直後に電磁弁に生じる渦電流の影響を有効に抑えることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の電磁弁駆動装置の一実施の形態に係る電磁弁駆動装置を示すものである。図1に示されている電磁弁駆動装置1は、車両用燃料噴射装置の燃料噴射弁として用いられる電磁弁2を開閉駆動するためのものであり、たとえば12Vのバッテリ3と、このバッテリ3のバッテリ電圧VBをたとえば160Vまで昇圧して高圧出力HVを出力する昇圧回路4とを備えている。 【0016】昇圧回路4は、図2に示すように、昇圧用スイッチングFET素子4Aのオン/オフ動作に伴い昇圧用コイル4Bにバッテリ電圧VBを印加し、これにより生じた高電圧をダイオード4Cを通してコンデンサ4Dに蓄積する公知の構成とされている。 【0017】図1に戻ると、電磁弁2のコイル2Aのハイサイドには、高圧出力HVを電磁弁2のコイル2Aに与えるのをオン、オフするための第1電界効果トランジスタ(FET)5と、バッテリ電圧VBをコイル2Aに与えるのをオン、オフするための第2FET6と、フライホイールダイオード7とが設けられている。本実施の形態では、第2FET6とコイル2Aとの間にダイオード8が図示の如く直列に接続されており、高圧出力HVによる電流がバッテリ3に流れ込むのを防止している。 【0018】コイル2Aのローサイドには、第3FET9が設けられている。本実施の形態では、第3FET9のドレインがコイル2Aのローサイド端に接続され、第3FET9のソースが検出抵抗器10を介してアースされている。第3FET9のゲート回路には、定電圧ダイオード11、ダイオード12、及び抵抗器13が図示の如く接続され、これにより、コイル2Aに生じる逆起電力によって第3FET9が破壊するのが防止される回路構成となっている。第3FET9がオンとなった場合、コイル2Aに流れる電磁弁駆動電流IVは同時に検出抵抗器10にも流れ、したがって、検出抵抗器10の両端にはコイル2Aに流れる電磁弁駆動電流IVのレベルに応じた検出電圧VDが生じる。 【0019】電磁弁2の開弁期間を定める電磁弁駆動信号Sは信号入力部14で雑音除去処理されてから第1信号発生部15及び第2信号発生部16に入力される。 【0020】電磁弁駆動信号Sは図3の(A)に示されるように電磁弁2の開弁開始タイミングTAにおいて立ち上がり、電磁弁2の閉弁タイミングTBにおいて立ち下がるパルス信号であり、タイミングTA〜TBの電磁弁駆動信号Sが高レベルとなる期間において電磁弁2が開弁状態となる。 【0021】第1信号発生部15は電磁弁駆動信号Sに応答し開弁開始タイミングTAから駆動初期段階終了タイミングTCまでの所定期間だけ第1FET5をオンとし、これにより高圧出力HVをコイル2Aに印加してコイル2Aに大電流を流し、電磁弁2を可及的速やかに開弁状態とするための第1制御信号C1(図3の(B)参照)を出力する回路である。第1制御信号C1は第1駆動部17に入力され、第1駆動部17は第1制御信号C1が高レベルとなっている場合に第1FET5を導通状態にする。 【0022】一方、第2信号発生部16は、信号入力部14からの電磁弁駆動信号Sと検出電圧VDとに応答し、検出電圧VDが、後述する電磁弁2の開弁動作を保持するのに必要な電磁弁駆動電流IVのレベルであるホールドしきい値IH以下となった場合に、電磁弁駆動電流IVにおいてこのホールドしきい値IHが保持されるように第2FET6をオン、オフするための第2制御信号C2(図3の(C)参照)を出力する回路である。第2制御信号C2は第2駆動部18に入力され、第2駆動部18は第2制御信号C2が高レベルとなっている場合に第1FET6を導通状態にする。 【0023】第3信号発生部19は、電磁弁駆動信号S、第1制御信号C1及び検出電圧VDに応答し、以下に示す、(1)及び(2)の場合に第3FET9をオンとするための第3制御信号C3を出力する。 (1) 第1FET5がオンとなっている場合。 (2) 電磁弁駆動信号Sが高レベルであり、且つ電磁弁駆動電流IVがホールドしきい値IHよりも高レベルのフライホイールしきい値IFよりも小さい場合。 第3制御信号C3は第3駆動部20に入力され、第3駆動部20は第3制御信号C3が高レベルの場合に第3FET9をオンとする。 【0024】図4には、第2信号発生部16及び第3信号発生部19の具体的な回路構成が示されている。 【0025】第3信号発生部19において、30は、オペアンプ31及び抵抗器32〜34から成る増幅回路であり、検出電圧VDを増幅して成る増幅検出電圧VAを出力する。40は、コンパレータ41と抵抗器42〜46及びバッファ増幅器47から成るレベル弁別回路であり、増幅検出電圧VAのレベルが所定電圧Vrのレベル以上となっている場合にその出力が低レベル状態となる。この所定電圧Vrの値は、コイル2Aにフライホイールしきい値IFに相当するレベルの電磁弁駆動電流IVが流れたときの増幅検出電圧VAの値に等しく設定されている。このフライホイールしきい値IFのレベルは図3の(E)に示されている。レベル弁別回路40の出力は論理回路50に入力されている。 【0026】論理回路50は、アンド回路51とオア回路52とから成り、一方の入力端子に電磁弁駆動信号Sが入力されているアンド回路51の他方の入力端子にレベル弁別回路40の出力が入力されている。そして、論理回路50の出力は、第1制御信号C1が一方の入力端子に印加されているオア回路52の他方の入力端子に印加されており、オア回路52からの出力が第3制御信号C3として出力される。 【0027】したがって、第3制御信号C3は、図3の(D)に示されるように、電磁弁駆動信号Sが高レベルとなるTA〜TBまでの期間中において、第1制御信号C1が高レベルとなるTA〜TCの期間には高レベルとなり、TC〜TBの期間中であって、電磁弁駆動電流IVのレベルがフライホイールしきい値IFよりも小さくなる場合にのみ高レベルとなる。 【0028】第2信号発生部16は、コンパレータ61と抵抗器62〜66とから成り、増幅回路30からの増幅検出電圧VAをレベル弁別するレベル弁別回路60を備えている。レベル弁別回路60は、コンパレータ61と抵抗器62〜66とから成り、増幅検出電圧VAのレベルが所定電圧Vs以上となっている場合にはその出力が低レベル状態となる。この所定電圧Vsのレベルは、コイル2Aにホールドしきい値IHのレベルの電流が流れたときの増幅検出電圧VAの値に等しく設定されている。レベル弁別回路60からの出力は、一方の入力端子に電磁弁駆動信号Sが入力されているアンド回路70の他方の入力端子に入力されており、アンド回路70からの出力が第2制御信号C2として出力される。したがって、第2制御信号C2は、図3の(C)に示されるようにレベル変化することになる。 【0029】次に、図1に示した電磁弁駆動装置1の動作について図3を参照しながら説明する。タイミングTAにおいて電磁弁駆動信号Sのレベルが立ち上がると、第1信号発生部15から第1制御信号C1が出力され、第1FET5がオンとなる。これと同時に、第3信号発生部19から出力される第3制御信号C3により第3FETもオンとなるので、コイル2Aには昇圧回路4から出力される高圧出力HVが印加され、電磁弁駆動電流IVのレベルは急速に上昇する。このように、電磁弁2の駆動初期段階においてコイル2Aに大電流が供給され、電磁弁2の開弁動作が迅速に行われる。 【0030】なお、タイミングTA直後において電磁弁駆動電流IVのレベルがフライホイールしきい値IFを超えるまでは第2制御信号C2が短時間の間高レベルとなり第2FET6がオンとなるが、高圧出力HVの印加による電磁弁2の高速作動に何ら影響を与えるものではない。 【0031】タイミングTBにおいて第1制御信号C1が高レベルから低レベルに変化すると、第1FET5がオフとなり、コイル2Aに大きな逆起電圧が発生する。この逆起電圧により、第1FET5及び第2FET6がオフとなった後も、コイル2Aにフライホイールダイオード7を介してフライホイール電流が電磁弁駆動電流IVとして流れる。ここで、コイル2Aのローサイドには、定電圧ダイオード11、ダイオード12及び抵抗器13から成る直列回路がアースとの間に設けられているので、逆起電力の値は定電圧ダイオード11によって制限される。定電圧ダイオード11の値は例えば58Vに選ぶことができ、これによりコイル2Aの両端に生じる逆起電圧の値を最大60V程度に抑えることができる。 【0032】第1FET5がタイミングTCにてオフとなることにより、上記逆起電圧のほか、電磁弁2には渦電流が生じ、これにより電磁弁駆動電流IVのレベルが図3の(E)に点線で示されるように上昇する。渦電流によるこのような電磁弁駆動電流IVのレベル上昇は、電磁弁2の駆動初期段階終了後に所定の一定レベルの動作保持電流をコイル2Aに流すという予定の動作を実現することができなくなり、この結果、電磁弁2の閉弁タイミングが予定したタイミングよりも遅れてしまい、電磁弁2の開弁時間のバラツキを生じさせることになる。この不具合は、電磁弁2を車両用燃料噴射弁に適用した場合、シリンダ内へ供給すべき燃料噴射量のバラツキを生じさせることになり、エンジンを良好に制御することができないという問題を生じる。 【0033】この不具合を生じさせないようにするため、検出抵抗器10に生じる検出電圧VDが第3信号発生部19に入力されており、ここで、電磁弁駆動電流IVのレベルがフライホイールしきい値IFを超えた場合に第3FET9をオフとし、電磁弁駆動電流IVがフライホイールしきい値IFより小さくなった場合に第3FET9を再びオンとするというオン、オフ制御を行わせるための第3制御信号C3が出力される。この結果、タイミングTC以後、電磁弁2に渦電流が生じても、電磁弁駆動電流IVのレベルが略フライホイールしきい値IFに抑えられる。 【0034】タイミングTC以後、逆起電圧及び渦電流の影響が小さくなると電磁弁駆動電流IVのレベルがフライホイールしきい値IFを超えることがなくなるので、第3FET9がオン状態に維持されつづける。そして、電磁弁駆動電流IVのレベルが漸次低下してホールドしきい値IHより小さくなると、第2制御信号C2が高レベル状態となって第2FET6をオンとし、バッテリ3からコイル2Aに電磁弁2の動作保持のために電磁弁駆動電流IVが供給される。これにより、電磁弁駆動電流IVのレベルが上昇してホールドしきい値IH以上となると、第2制御信号C2が低レベル状態となり、第2FET6がオフとされ、電磁弁駆動電流IVの上昇を抑える。このように、第2FET6をオン、オフ制御することにより、電磁弁駆動電流IVのレベルが略ホールドしきい値IHのレベルに保たれ、コイル2Aに動作保持電流が供給されることになる。 【0035】そして、タイミングTBにおいて電磁弁駆動信号Sのレベルが立ち下がることにより、以後、第2FET6及び第3FET9が共にオフとなり、電磁弁駆動電流IVは急速に零となる。 【0036】電磁弁駆動装置1は以上のように動作するので、電磁弁2の駆動初期段階においてコイル2Aへの高電圧の印加終了後、電磁弁2に生じる渦電流によりコイル2Aに予定されているフライホイール電流よりも大きな電流が流れるのを有効に防止することができる。この結果、電磁弁2を電磁弁駆動信号Sに従って安定に且つ精度よく開閉制御することができる。更に、電磁弁駆動装置1は、コイル2Aのハイサイドとローサイドとにそれぞれスイッチ素子を設けて電磁弁を駆動する構成であるから、電磁弁への配線がアースや電源にショートしても燃料の連続噴射等の不具合を防止することができ、極めて安全性に優れた信頼性の高い利点を有している。 【0037】以上、本発明を一実施の形態に基づいて説明したが、本発明はバッテリ電圧からの低電圧と、昇圧回路からの高電圧とを用いた2電源方式による場合に限定されるものではなく、バッテリ電圧からの低電圧のみを用いて電磁弁駆動を行うようにした方式の電磁弁駆動装置にも同様にして適用することができるものである。 【0038】図5は、本発明による電磁弁駆動装置の別の実施の形態を示すブロック図である。図5に示した電磁弁駆動装置100において、101はバッテリ、102は電磁弁2のコイル2Aのハイサイドに設けられたハイサイドFET、103はハイサイドFET102をオン、オフ制御するためのハイサイドFET駆動部、104はフライホイールダイオードである。コイル2Aのローサイドには、ローサイドFET105が設けられており、ローサイドFET105のソース回路に設けられた検出抵抗器106に生じる検出電圧VDによってコイル2Aに流れる電磁弁駆動電流IVのレベルを検出する構成である。ローサイドFET105に接続されている定電圧ダイオード107、ダイオード108及び抵抗器109は、図1の第3FET9に接続されている定電圧ダイオード11、ダイオード12及び抵抗器13と同様の目的で設けられている。110はローサイドFETをオン、オフ駆動するためのローサイドFET駆動部である。 【0039】信号入力部14及び第1信号発生部15は図1に示したものと同じものである。ハイサイドFET制御部111は信号入力部14からの出力と、第1制御信号C1と、検出電圧VDとに応答し、ハイサイドFET制御信号CHを出力する。一方、ローサイドFET制御部112は、電磁弁駆動信号S、第1制御信号C1及び検出電圧VDに応答し、ローサイドFET105をオン、オフ制御するためのローサイドFET制御信号CLを出力する。 【0040】図6には、図5に示した各部の信号の波形図が示されている。 【0041】図6の(A)は、電磁弁駆動信号Sの波形であり、図1において説明したものと同じである。 【0042】図6の(B)はハイサイドFET制御信号CHの波形図であり、第1制御信号C1に従いタイミングTA〜TCの期間高レベルとなるほか、電磁弁駆動電流IVのレベルがホールドしきい値IHより小さくなった場合に高レベルとなってハイサイドFET102をオンとし、コイル2Aに所要の動作保持電流を流すことができるようにしている。以上の説明から判るように、ハイサイドFET制御部111は、図1の第1信号発生部15及び第2駆動部18との各機能を兼ね備えている。 【0043】図6の(C)は、ローサイドFET制御信号CLの波形図である。この波形図は図3の(D)に示したものと同様であり、ローサイドFET駆動部110は、図1の第3信号発生部19と同様の機能を果たすものである。 【0044】電磁弁駆動装置100は以上のように構成されているため、図6の(D)に示した電磁弁駆動電流IVの波形から判るように、タイミングTA〜TCの間においてはハイサイド及びローサイドFET102、105が共にオンとなってコイル2Aに大電流が供給され、これにより電磁弁2を短時間で開弁させることができる。タイミングTCではハイサイド及びローサイドFET102、105が共にオフとなって、コイル2Aに生じる逆起電圧によってコイル2Aにフライホイール電流が流れる。この駆動状態においては、図1の電磁弁駆動装置1の場合と同様に、電磁弁駆動電流IVがフライホイールしきい値IFを超えることがないように、ローサイドFET105がローサイドFET制御信号CLに従ってオン、オフされる。この結果、電磁弁2に生じる渦電流の存在に拘らず、電磁弁駆動電流IVのレベルの過度の上昇を図1の装置の場合と同様にして抑えることができる。 【0045】そして、電磁弁駆動電流IVのレベルが低下し、フライホイールしきい値IFより小さくなると、ハイサイドFET制御信号CHによってハイサイドFET102がオン、オフ動作し、バッテリ101からコイル2Aに所要の動作保持電流を供給する。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、電磁弁の駆動初期段階でコイルに大電流を流すことにより電磁弁を高速で開弁、又は閉弁動作させた後、電磁弁への電流供給を遮断し、これにより電磁弁コイルに生じる逆起電圧によって電磁弁コイルにフライホイール電流を流し、フライホイール電流のレベルが所要の動作保持電流レベルよりも小さくなった場合に電磁弁コイルに電源から保持電流を供給するようにして電磁弁を駆動する場合において、電磁弁コイルに流れる電流のレベルを検出し、駆動初期段階における電磁弁コイルへの電流遮断後に電流が予定されたフライホイール電流のレベルを超えることがないように電磁弁コイルのローサイドに設けられたスイッチング手段をオン、オフする構成としたので、駆動初期段階における電磁弁コイルへの電流遮断後に生じる渦電流の影響による電磁弁駆動電流の過度の増加を有効に抑え、電磁弁を安定に且つ精度よく駆動することができる。更に、本発明によれば、電磁弁のコイルのハイサイドとローサイドとにそれぞれ電磁弁駆動電流のオン、オフを制御するスイッチ素子を設けて電磁弁を駆動する構成であるから、電磁弁への配線がアースや電源にショートしても電磁弁の開閉状態が意図しない状態に陥る等の危険がなく、極めて安全性に優れた信頼性の高い利点を有している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003333 【氏名又は名称】株式会社ゼクセル
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高野 昌俊
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| 【公開番号】 |
特開平11−141722 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−322010 |
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