| 【発明の名称】 |
電磁弁駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】河野 弘三
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| 【要約】 |
【課題】昇圧回路からの高電圧をN型半導体スイッチング素子を用いて電磁弁へ印加するのを制御する場合に、高効率で且つバッテリ電圧の低下の際にも電磁弁を確実に作動させるようにすること。
【解決手段】昇圧回路11からの高圧出力HVを電磁弁のコイル2のハイサイドに印加するのをオン、オフ制御するためのNチャンネルFET22Aを有し、電磁弁の駆動初期段階においてNチャンネルFET22Aを介して高圧出力HVをコイル2に印加し電磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆動装置1において、NチャンネルFET22Aを駆動するためのハイサイド駆動回路21を有し、ハイサイド駆動回路21にはNチャンネルFET22Aを駆動するために用いられる電圧を供給するためのコンデンサ211が設けられており、コンデンサ211がバッテリ電圧VBとコイル2のローサイド端に生じる逆起電圧VRとの少なくとも一方によって充電されるように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、NチャンネルFET又はNPNトランジスタがスイッチング素子として用いられており該昇圧回路からの高電圧を電磁弁のコイルのハイサイドに印加するのをオン、オフ制御するためのハイサイドスイッチ部とを有し、前記電磁弁の駆動初期段階において該ハイサイドスイッチ部を介して前記高電圧を前記電磁弁のコイルに印加し前記電磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆動装置において、前記ハイサイドスイッチ部を駆動するための駆動回路を有し、該駆動回路には前記スイッチング素子を駆動するために用いられる電圧を供給するためのコンデンサが設けられており、該コンデンサが前記バッテリ電圧と前記コイルのローサイド端に生じる逆起電圧との少なくとも一方によって充電されるようになっていることを特徴とする電磁弁駆動装置。 【請求項2】 前記スイッチング素子がNチャンネルFETである請求項1記載の電磁弁駆動装置。 【請求項3】 前記コンデンサが前記昇圧回路において生成される高電圧によっても充電される請求項1記載の電磁弁駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁の駆動初期段階において電磁弁コイルに昇圧回路からの高電圧をハイサイドスイッチを介して印加し、これにより電磁弁コイルに大電流を通電して電磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆動装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、車両用燃料噴射システムにおいて燃料噴射制御弁として用いられる電磁弁の動作を制御する場合、電磁弁を高速に作動させることができ、電磁弁のソレノイドコイルの焼付きを防止することができるようにした電磁弁駆動装置として、特開平6−26589号公報に開示されている構成が公知である。ここに開示されている電磁弁駆動装置は、昇圧チョッパ回路によりバッテリ電圧よりも高い電圧を発生させてコンデンサに蓄えておき、コンデンサに蓄積された高電圧を電磁弁の駆動初期に電磁弁のソレノイドコイルに印加し、電磁弁を高速で作動させる構成となっている。高速で作動させた後の電磁弁動作保持電流はバッテリより電流制限抵抗器を介してソレノイドコイルに流される。 【0003】ところで、この種の電磁弁を上述の如く駆動制御する場合、電磁弁への通電制御はハイサイドスイッチにより行うことが望ましい。これは、自動車等のボディーがバッテリの−端子に接続されているので、電磁弁を内燃機関車両の燃料噴射制御システムに用いた場合に、電磁弁駆動用の配線がボディーとショートした場合であっても、電磁弁をハイサイドスイッチで駆動制御する構成としておけば電磁弁はオンとはならず、安全であるとの理由による。 【0004】電磁弁をハイサイドスイッチで駆動制御する構成を採用する場合、制御回路の構成が簡素化される等の理由からそのハイサイドに設けられるスイッチ素子をPNPトランジスタやPチャンネル電界効果トランジスタ(FET)とすることが考えられる。しかし、これらはNPNトランジスタやNチャンネルFETに比べて耐圧が低く、若し高耐圧のものを使用しようとするとコストが高くなってしまうといった問題点を有しているため、特開平6−26589号公報に記載されている電磁弁駆動装置に見られるように、ハイサイドスイッチとしてNPNトランジスタを用いた回路が広く採用されている。この従来の回路は、公報の図3の(b)に示されているように、電磁弁への駆動電流を制御するNPNトランジスタをPNPトランジスタによって駆動するように構成したものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の回路構成によると、NPNトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧VCEは、PNPトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧VCEとNPNトランジスタのベース−エミッタ間電圧VBEとの和であるから約2.3Vとなる。ここで、電磁弁の電流を例えば2Aとすると、NPNトランジスタでの消費電力は4.6Wとなり、この値が無駄に消費されてしまうのでバッテリにとって好ましくないばかりか、無駄な発熱という点でも好ましいものではない。 【0006】また、電磁弁の最低作動電圧も2.3V上昇してしまうので、バッテリ電圧の有効利用という点からも好ましくない。つまり、電磁弁への印加電圧はバッテリ電圧よりも2.3V程度低くなってしまうので、バッテリ電圧が何らかの理由で低下したときに、昇圧回路の動作が不十分となり、電磁弁が作動しなくなるおそれがあるためである。 【0007】このように、ハイサイドスイッチとして働くNPNトランジスタ又はNチャンネルFETをPNPトランジスタによって駆動させるようにした従来の回路構成によると、消費電力の無駄を招いてしまうばかりか、発熱という点で好ましいものではなく、しかも電磁弁の最低作動電圧が上昇してしまうことにより、バッテリ電圧が低下したときに、電磁弁が作動しなくなる虞れがあるといった種々の問題点を生じる。 【0008】本発明の目的は、昇圧回路からの高電圧を電磁弁へ印加するのを制御する場合に、電磁弁のハイサイドに設けられたNPNトランジスタ又はNチャンネルFETを用いてハイサイドスイッチを構成した場合における上述の問題点を解決することができるようにした、電磁弁駆動装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の特徴は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、NチャンネルFET又はNPNトランジスタがスイッチング素子として用いられており該昇圧回路からの高電圧を電磁弁のコイルのハイサイドに印加するのをオン、オフ制御するためのハイサイドスイッチ部とを有し、前記電磁弁の駆動初期段階において該ハイサイドスイッチ部を介して前記高電圧を前記電磁弁のコイルに印加し前記電磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆動装置において、前記ハイサイドスイッチ部を駆動するための駆動回路を有し、該駆動回路には前記スイッチング素子を駆動するために用いられる電圧を供給するためのコンデンサが設けられており、該コンデンサが前記バッテリ電圧と前記コイルのローサイド端に生じる逆起電圧との少なくとも一方によって充電されるようになっている点にある。 【0010】この構成によると、コンデンサがバッテリ電圧によって充電された場合、この充電された電圧がスイッチング素子のオン、オフ駆動のために用いられる。コンデンサは、また、電磁弁への電流遮断時にそのコイルのローサイド端に生じるバッテリ電圧よりは充分に高い逆起電圧によっても充電されるようになっている。したがって、バッテリ電圧が何らかの理由で低下してコンデンサに充分なレベルの電圧を充電することができず、そのままではハイサイドスイッチ部を駆動できないような状況が生じても、コンデンサが別途、上記逆起電圧によって充電され、ハイサイドスイッチ部を確実にオン、オフ駆動することができる。 【0011】なお、コンデンサの充電は、バッテリ電圧及び逆起電圧のほか、昇圧回路に生じる高電圧を利用する構成とすることもできる。この場合、コンデンサの端子電圧が過度に上昇するのを防止するため、その充電路に適宜の値の抵抗器を挿入する構成としてもよいし、コンデンサと並列に定電圧ダイオードを接続する構成としてもよい。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の電磁弁駆動装置の一実施の形態を示すブロック図である。図1に示されている電磁弁駆動装置1は図示しない車両用燃料噴射システムの燃料噴射制御用の電磁弁を駆動するためのものであり、電源部10、ハイサイド通電制御部20、ローサイド通電制御部30、駆動電流検出部40、タイミング制御部50を備えている。 【0013】電源部10は、端子10Aに接続される例えば12Vのバッテリ12のバッテリ電圧VBを例えば160Vまで昇圧して高圧出力HVを出力する昇圧回路11を備えている。 【0014】昇圧回路11は、図2に示されるように、昇圧用スイッチングFET素子11Aのオン/オフ動作に伴い昇圧用コイル11Bにバッテリ12から蓄積される高電圧エネルギーを、ダイオード11Cを通して昇圧用コンデンサ11Dに蓄積する公知の構成とされている。 【0015】図1に戻ると、ハイサイド通電制御部20には、ハイサイド駆動回路21、ハイサイド駆動回路21に応答して高圧出力HVを電磁弁のコイル2に与えるのをオン、オフするためのハイサイドスイッチ部22、ホールドドライブ駆動回路23、ホールドドライブ駆動回路23に応答してバッテリ電圧VBをコイル2に与えるのをオン、オフするためのホールドドライブスイッチ部24が設けられている。 【0016】ハイサイド駆動回路21は、タイミング制御部50のハイサイドタイミング発生部51からのタイミング信号PEAKに応答して、NチャンネルFETで構成されるハイサイドスイッチ部22のオン、オフ動作を制御するものである。ここで、ハイサイドスイッチ部22は高耐圧特性に優れたNチャンネルFETで構成されており、ハイサイドスイッチ部22を構成するNチャンネルFETのオン、オフを駆動するために、ハイサイド駆動回路21が設けられている。ハイサイド駆動回路21は、後で図3を参照して詳細に説明されるように、NチャンネルFETをオン、オフ駆動するために用いられる電圧を供給するためのコンデンサを具備しており、このコンデンサが、バッテリ電圧VBとコイル2のローサイド端に生じる逆起電圧との少なくとも一方により充電され、これによりハイサイドスイッチ部22の駆動を確実に行うことができる構成となっている。 【0017】ホールドドライブ駆動回路23は、コイル2の高速駆動のためにハイサイドスイッチ部22により高圧出力HVをコイル2に印加してコイル2に大電流を所定期間流すのが終了した後、コイル2にこの大電流よりも小さい所要の電流を電磁弁の動作保持のために供給する目的で、ハイサイドスイッチ部22がオフとされた後、電磁弁の保持駆動が必要な所要の期間だけホールドドライブスイッチ部24をオン状態とし、バッテリ電圧VBをコイル2に印加させるための回路である。ホールドドライブ駆動回路23はタイミング制御部50のホールドドライブタイミング発生部52から後述の如くして出力されるタイミング信号HOLDに応答してホールドドライブスイッチ部24を構成するスイッチング素子であるPチャンネルFET24Aをオン、オフ制御する。 【0018】このPチャンネルFET24Aのドレインとアースとの間には、ダイオード3、4が図示の如く接続されている。ダイオード4はフライホイールダイオードであり、PチャンネルFET24Aが後述するようにしてオフとなった場合、そのときコイル2に生じた逆起電圧によりその直後にコイル2にフライホイール電流を供給することができる公知の回路構成である。 【0019】ここで、ホールドドライブスイッチ部24には、バッテリ電圧VBが低い場合でも確実に作動させるためにPチャンネル型のFETが用いられているが、Nチャンネル型のFET素子を用いることもできる。 【0020】ローサイド通電制御部30には、ローサイド駆動回路31、ローサイドスイッチ部32、及び逆起電圧検出部33が設けられている。ローサイド駆動回路31は、タイミング制御部50のローサイドタイミング発生部53からのタイミング信号LOWのレベルが高レベル状態になったことに応答して、ローサイドスイッチ部32を構成するスイッチング素子であるNチャンネルFET(図示せず)がオン状態となる。駆動電流検出部40はコイル2を流れる電磁弁駆動電流IVのレベルを検出するために設けられている。 【0021】コイル2に流れている電流が急激に遮断された場合にコイル2に生じる逆起電圧は逆起電圧検出部33において検出され、逆起電圧の値が所定値(例えば60V)以上となった場合にローサイドスイッチ部32をオン状態とし、これにより逆起電圧の値が所定値以上に上昇するのを防止している。 【0022】タイミング制御部50は、ハイサイドタイミング発生部51、ホールドドライブタイミング発生部52、ローサイドタイミング発生部53から成っている。各タイミング発生部51、52、53は、電磁弁の開弁期間を示すために外部から入力される電磁弁駆動信号DRVに基づき、ハイサイド駆動回路21、ホールドドライブ駆動回路23、ローサイド駆動回路31に対しタイミング信号PEAK、タイミング信号HOLD、及びタイミング信号LOWを出力する。 【0023】ここで、タイミング信号PEAKは、コイル2に高速駆動用の大きな電流を流すためのピーク期間(図4参照)を規定するための信号である。タイミング信号HOLDは、コイル2に上述のように大きな電流を流して電磁弁を迅速に開弁完了させた後、電磁弁のこの作動状態を保持するに足る比較的小さい電流をコイル2に供給するのを制御するための信号である。タイミング信号LOWは、コイル2に対する駆動電流の供給を停止させるための制御を行うための信号である。なお、電磁弁駆動信号DRVに応答して各タイミング信号PEAK、HOLD及びLOWを発生させるための回路構成それ自体は公知であるから、ここでは、タイミング制御部50の回路構成についてのこれ以上詳しい説明を行うことを省略する。 【0024】次に、ハイサイド駆動回路21及びハイサイドスイッチ部22のより具体的な構成について図3を参照して説明する。 【0025】ハイサイド駆動回路21は、既に説明したように、スイッチング素子として働くNチャンネルFET22Aから構成され、そのドレインには高圧出力HVが供給され、そのソースはコイル2のハイサイド端に接続されている。そして、NチャンネルFET22Aのゲートにハイサイド駆動回路21が設けられている。 【0026】ハイサイド駆動回路21は、タイミング信号PEAKに応答してNチャンネルFET22Aをオン、オフ制御するための回路であり、NチャンネルFET22Aの駆動のための電圧を蓄積しておくためのコンデンサ211を有している。コンデンサ211の一端は共通線212を介してコイル2のハイサイド端に接続され、コンデンサ211の他端は抵抗器213を介してダイオード214、215の各カソードに共通に接続されている。ダイオード214のアノードは端子21Aを介してバッテリ電圧VBが供給されている端子10Aに接続され、ダイオード215のアノードは端子21Bを介してコイル2のローサイド端子に接続されている(図1参照)。コンデンサ211と並列に接続されている定電圧ダイオード216は、コンデンサ211の両端に過大な充電電圧が印加されるのを防止するためのものであり、例えば180V程度のツェナー電圧のものが使用される。 【0027】217はPNP型トランジスタ、218〜220は抵抗器であり、これらは図3に示されているように接続されている。PNP型トランジスタ217のベースには抵抗器219を介してタイミング信号PEAKが印加される構成となっている。 【0028】ハイサイド駆動回路21は上述の如く構成されているので、端子21Aに印加されているバッテリ電圧VBによりダイオード214及び抵抗器213を介してコンデンサ211が充電される。これの経路により、コンデンサ211に充電される電圧のレベルはバッテリ電圧VBまでである。 【0029】さらに、端子21Bには、コイル2に生じる逆起電圧(約60V程度)がそのローサイドから取り込まれ、ダイオード215、抵抗器213を介してコンデンサ211がこの逆起電圧によっても充電される。このため、例えばバッテリ電圧VBが低下(最低6V程度まで低下することがある)し、コンデンサ211のそのときの充電電圧のレベルがNチャンネルFET22Aをオンさせるに足りない場合であっても、バッテリ電圧VBよりは充分に高い逆起電圧による充電によってコンデンサ211をNチャンネルFET22Aをオンさせるのに充分なレベルにまで充電することが可能となる。この結果、バッテリ電圧が低下してしまった場合であってもNチャンネルFET22Aを確実に動作させることができるようになっている。 【0030】定電圧ダイオード216は、ハイサイドスイッチ部22のNチャンネルFET22Aのゲート−ソース間電圧がその絶対最大定格を超えないようにコンデンサ211の充電電圧を制限する。 【0031】そして、タイミング制御部50のハイサイドタイミング発生部51から、タイミング信号PEAKが抵抗器219を介してトランジスタ217のベースに印加されると、トランジスタ217がオンされ、NチャンネルFET22Aのゲートにコンデンサ211の充電電圧が印加されることで、NチャンネルFET22Aがバッテリ電圧VBのいかんに拘らず、確実にオンするようになっている。 【0032】ハイサイド駆動回路21を上述の如く構成してNチャンネルFETをオン、オフ制御する回路構成によれば、NチャンネルFET22Aのゲート−ソース間の電圧Vgsを5V程度とすると、そのオン抵抗はNチャンネルFET22Aの動作特性上、0.1Ωとなり損失は低下する。このとき、5V程度の電位差をもってNチャンネルFET22Aを駆動したとき、オン抵抗が0.1Ω程度であることから、2Aの通電電流でも損失は0.4W程度である。また、NPN型のスイッチングトランジスタの場合、ベース−エミッタ間の電圧Vbeを2V程度とすることで、コレクタ−エミッタ間の電圧Vceが0.3V程度となり損失は低下する。 【0033】したがって、図1に示した構成によれば、NチャンネルFET又はNPN型トランジスタをハイサイドスイッチ部22に用いるので、いずれにしても電力損失が少なくて通電電流による発熱の点で有利となるほか、バッテリ電圧VB及び又はコイル2に生じる逆起電圧によりコンデンサを充電してこの充電電圧を用いてハイサイドスイッチ部22を駆動するので、NチャンネルFET又はNPN型トランジスタをバッテリ電圧VBの低下に拘らず確実にオン、オフ制御することができる。 【0034】次に、以上のように構成された電磁弁駆動装置1の動作について説明する。まず、図4に示すように、t=t1のタイミングで電磁弁駆動信号DRVが立ち下がると同図(A)、図1のハイサイドタイミング発生部51及びローサイドタイミング発生部53から、ハイサイド駆動回路21、ローサイド駆動回路31に対して、与えられるタイミング信号PEAK及びタイミング信号LOWの各レベルが立ち上がる(同図(B)〜(D))。 【0035】すなわち、電磁弁駆動信号DRVのレベルの立ち下がり(電磁弁オン)に同期してタイミング信号PEAK及びタイミング信号LOWの各レベルが立ち上がる。この結果、t=t1において、タイミング信号PEAKに応答して、ハイサイド駆動回路21がハイサイドスイッチ部22をオン状態にすると共に、タイミング信号LOWに応答してローサイド駆動回路31がローサイドスイッチ部32をオン状態にする。昇圧回路11からの高圧出力HVによるコイル2の両端の印加電圧VAは、図4の(F)に示されるように、急激に大きくなった後、タイミング信号PEAKがオフされるまで徐々に下がる電圧波形となる。これは、t=t1において昇圧回路11からの電圧が(この例では、約160V程度)がコイル2に印加されることにより、コイル2に大きな電流が流れ、昇圧回路11から電気エネルギーが放出されるので、昇圧回路11からの高圧出力HVのレベルが時間の経過と共に低下するからである。コイル2を流れる電磁弁駆動電流IVは、同図の(E)に示されるように、一旦増大した後、t=t2のタイミング信号PEAKの立ち下がりに合わせてタイミング信号LOWも立ち下がることで、急激に低下し、第2しきい値Lbよりも小さくなる電流波形となる。 【0036】このとき、タイミング信号LOWの立ち下がりに伴い電磁弁に生じる渦電流のために、電磁弁駆動電流IVは、点線aで示されるように、第2しきい値Lbを下回った後に上昇しようとする。しかし、コイル2に生じる逆起電力の大きさは逆起電圧検出部33において検出されており、電磁弁コイル2に生じる逆起電力の大きさが所定の値を超えた場合にローサイドスイッチ部32がオフとなり、コイル2に流れる電磁弁駆動電流IVを遮断する構成となっている。t2直後にあっては第2しきい値Lbを境として図1のローサイドスイッチ部32がオン、オフ動作を繰返すことで、コイル2の逆起電力による電磁弁駆動電流IVの上昇が抑制され、コイル2の駆動電流が略一定の値に保たれる。この一定の値は、t1〜t2において電磁弁を迅速に作動させるために与えられるコイル2への高電流よりも小さな値である。図4の(D)にタイミング信号LOWの波形を示す。 【0037】またこのとき、コイル2に生じる逆起電圧VR(図4の(G))は、図1のハイサイド駆動回路21に与えられており、図3に示したコンデンサ211に充電される。これにより、何らかの理由によりバッテリ電圧VBが低下し、バッテリ電圧VBによるコンデンサ211の充電電圧が低く、トランジスタ217での電圧降下のためにハイサイドスイッチ部22のNチャンネルFET22Aをオンさせるに足りない場合であっても、コイル2に生じる逆起電力による充電により、コンデンサ211の充電電圧をハイサイド駆動回路21及びハイサイドスイッチ部22を駆動するのに十分な程度にまで高められることから、NチャンネルFET22Aを正常に動作させることができることは既述の通りである。 【0038】次に、図5を参照し、コンデンサ211への充電動作について詳細に説明する。タイミングT1においてコンデンサ211がバッテリ電圧VB(この例では12V)にまで充電されており、ここでタイミング信号PEAKの入力によりトランジスタ217がオンし、ハイサイドスイッチ部22をオン状態とすると、図4の(C)にしめされるように電磁弁駆動電流IVのレベルは急激に上昇する。 【0039】ハイサイドスイッチ部22のオン動作のためにコンデンサ211に蓄積された電荷が放電するため、図4の(A)に示されるように、コンデンサ211の充電電圧レベルは徐々に低下する。しかし、タイミングT2において電磁弁のコイル2の大電流駆動が終了すると、コイル2のローサイド端には逆起電圧VR1が生じ、これによりコンデンサ211が充電される。この結果、コンデンサ211の充電電圧レベルは12Vより大きな値にまで戻る。さらに、タイミングT3において電磁弁の駆動が終了することにより生じる別の逆起電圧VR2によってコンデンサ211が再び充電され、コンデンサ211の充電電圧は更に上昇する。 【0040】以上の説明から判るように、コンデンサ211はバッテリ電圧VBのみならず、コイル2の駆動によって生じる逆起電圧をも利用して充電されるので、バッテリ電圧VBの低下によってハイサイドスイッチ部22のオン、オフ制御が不可能となることがなく、ハイサイドスイッチ部22を確実に駆動することができるようになる。 【0041】また、逆起電圧による充電は、電磁弁に与えたエネルギーを回生することであるから、本来ならばフライホイール素子の熱として消費しなければならなかったエネルギーを有効に利用することとなり、熱負荷が軽減されるという利点も有している。 【0042】さらに、NチャンネルFETやNPNトランジスタをハイサイドスイッチ部22の素子として使用するから、P型の素子の使用に比べて電力損失が少なく、発熱も少ない。また、ハイサイドスイッチ部22における電圧降下が小さくでき、電磁弁の最低動作電圧を低くすることが可能である。 【0043】図4に戻ると、時間の経過により、コイル2に生じた逆起電力が減少し、図4の(E)に示すように電磁弁駆動電流IVが第1しきい値Laを下回ると、タイミング信号HOLDのオン/オフによって電磁弁駆動電流IVが略第1しきい値Laのレベルに維持される。これは、駆動電流検出部40において検出されたその時の電磁弁駆動電流IVの値がホールドドライブタイミング発生部52に入力されており、電磁弁駆動電流IVが第1しきい値Laよりも小さくなった場合にタイミング信号HOLDのレベルを「H」とすることにより実現される。 【0044】このようにして、電磁弁の駆動期間が終了するt=t5のタイミングになると、電磁弁駆動信号DRVのレベルが立ち上がり(電磁弁オフ)、タイミング信号LOWのレベルが立ち下がる。この結果、コイル2への電流供給が遮断され、電磁弁駆動電流IVは急速に減少し、零となる。なお、この場合、図4の(G)に示されるように、電磁弁駆動終了時であるt=t5において、コイル2に逆起電力が生じることになるが、ハイサイドスイッチ部22及びローサイドスイッチ部32は両方共オフとなっており、この逆起電力によりハイサイド駆動回路21のコンデンサ211が充電される。 【0045】この実施の形態では、N型のスイッチング素子として電界効果トランジスタ(FET)を用いた場合について説明したが、この例に限らずNPNトランジスタ等の他のN型の半導体スイッチング素子を用いることもできる。 【0046】さらに、この実施の形態では、コイル2の逆起電圧をハイサイド駆動回路21のコンデンサ211の充電用電圧として用いた場合について説明したが、昇圧回路11の高圧出力等をコンデンサ211の充電電圧として用いるようにしてもよい。この場合には抵抗器を介してコンデンサ211の充電を行うようにしてコンデンサ211の充電電圧が過度に上昇するのを抑えるようにすることが望ましい。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、スイッチング素子としてNチャンネルFET又はNPNトランジスタを用いて電磁弁のコイルのハイサイドでコイルに印加する高電圧のオン、オフを制御する構成において、ハイサイドスイッチング素子のオン、オフ駆動のための電圧として、バッテリ電圧又はコイルの逆起電圧を用いてコンデンサに蓄積された電圧を用いる構成としたので、例えばバッテリ電圧が低下した場合であっても、ハイサイドのスイッチング素子の動作が確実に行われ、電磁弁を確実に作動させることができる。 【0048】また、電磁弁に与えたエネルギーの一部をコンデンサに充電することによりエネルギーの回生が行われるので、従来全て熱エネルギーとして放出していたエネルギーの有効利用が図られ、熱負荷の軽減に役立つ。 【0049】このように、NチャンネルFET又はNPNトランジスタを用いてハイサイドスイッチング動作が良好に行われるため、ハイサイドスイッチング素子での損失が小さく、発熱の問題も解決することができる。 【0050】そして、NチャンネルFETを使用することにより、ハイサイドスイッチングでの電圧降下が小さくでき、電磁弁の最低作動電圧を低くすることができるという利点を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003333 【氏名又は名称】株式会社ゼクセル
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高野 昌俊
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| 【公開番号】 |
特開平11−141721 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−322009 |
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