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【発明の名称】 電磁コイルの接続端子構造
【発明者】 【氏名】小本 操司

【要約】 【課題】フランジ部の外径を小さくして電磁コイルの小型化を図ると共に、端子部の製造作業能率の向上とコストの低廉化を図る。

【解決手段】コイル21が巻回されたボビン20の筒状本体22の上下端にフランジ部23,24を一体に設けると共に、上側フランジ部23の外周に突起部27を一体に設ける。この突起部27の基端部27a内に横方向から挿通孔33が形成されていると共に、縦方向から係止用孔34が形成されている。また、端子部32は、挿通孔33から挿通した後に、係止用孔34の前端縁34aに係止する弾性爪35が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コイルが巻回されたボビン本体の端部に有するフランジ部に、コイル巻線の一端部が電気溶着されるヒュージング部を設けると共に、前記フランジ部の外周に設けられた突起部に前記ヒュージング部の端部に接続された端子部を固定してなる電磁コイルの接続端子構造において、前記突起部に前記端子部が挿通される挿通孔を形成すると共に、該挿通孔の内周面に係止部を設ける一方、前記端子部に前記係止部に係止する弾性爪を設けたことを特徴とする電磁コイルの接続端子構造。
【請求項2】 前記ヒュージング部を、前記突起部に配置すると共に、前記端子部の側部に一体に設けたことを特徴とする請求項1記載の電磁コイルの接続端子構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハーネスが外付けされた電磁コイルの接続端子構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の自動変速装置などに用いられる油圧電磁弁の従来の電磁コイルとしては、例えば図5,図6に示すようなものがある。
【0003】概略を説明すれば、上端部が絶縁カバー2で閉塞された筒状のソレノイドボディ1の内部に、ボビン3及びボビン3に巻装されたコイル4からなるソレノイドが配置されている。ボビン3は、前記コイル4が巻装された筒状本体5と、該筒状本体5の上下端部に一体に設けられた上下フランジ部6,7とから構成され、上側フランジ部6には、径方向へ突出した突起部8が一体に設けられていると共に、突起部8から同方向へ十分に離れた位置に凹溝9が形成されている。
【0004】そして、前記突起部8の上部に有する凹部8a底面には、細長い板状の端子部10が配置されており、この端子部10は図6に示すように上側フランジ部6の上部に圧入された固定片11によって上側フランジ部6に固定されている。また、固定片11は、端子部10に接続される基端部11aがほぼコ字形状に折曲形成されていると共に、ほぼく字形状に折曲された先端部11bの先端縁が前記凹溝9に配置されている。つまり、この先端縁はU字状に折曲されてヒュージング部12として構成され、その内部に挾持された前記コイル4の巻線始端部4aが電気溶着されている。
【0005】また、前記端子部10には、先端部に形成された溝部10aに図外のハーネスの芯線の一端を挿入して半田付けにより接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の電磁コイルの接続端子構造にあっては、端子部10の固定を確実にするために、固定片11の長さを長く設定していると共に、複雑に折曲形成して、これを上側フランジ部6の上部に圧入固定するようになっているため、上側フランジ部6の外径を必然的に大きく設定しなければならなかった。
【0007】しかも、ヒュージング部12を、該ヒュージング部12と他部品との衝突を回避するために凹溝9内に配置したため、電気溶着作業を行うためのスペースを確保する必要上、凹溝9を比較的大きく形成してある。したがって、この点からも上側フランジ部6の外径を大きく設定しなければならなかった。
【0008】この結果、ボビン3全体の外径が大きくなり、電磁弁の大径化が余儀なくされていた。
【0009】また、固定片11を長くかつ複雑な形状に形成しているため、端子部10全体の構造も大きくなり、該端子部10の製造作業が煩雑になると共に、形状管理が困難になる。
【0010】本発明は前記従来の接続端子構造の実情に鑑みて案出されたもので、突起部への端子部の固定構造を簡素化して、フランジ部の外径を小さくできる端子構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、コイルが巻回されたボビン本体の端部に有するフランジ部に、コイル巻線の一端部が電気溶着されるヒュージング部を設けると共に、前記フランジ部の外周に設けられた突起部に前記ヒュージング部の端部に接続された端子部を固定してなる電磁コイルの接続端子構造において、前記突起部に前記端子部が挿通される挿通孔を形成すると共に、該挿通孔の内周面に係止部を設ける一方、前記端子部に前記係止部に係止する弾性爪を設けた。
【0012】すなわち、前記端子部は、フランジ部に形成された突起部の挿通孔に挿通されることにより、当該端子部に形成された弾性爪が、前記挿通孔の内周面に形成された係止部に係止され、固定される。
【0013】また、請求項2記載の発明は、前記ヒュージング部を、前記突起部に配置すると共に、前記端子部の側部に一体に設けた。
【0014】すなわち、ヒュージング部は、前記突起部にて前記端子部の側部に一体に設けられているので、従来のように、ヒュージング部が配置される凹溝を前記フランジ部に形成する必要もなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明に係る電磁コイルの端子構造の一実施形態を示し、基本構造は従来と同様であるから、同一個所には同一符番を付して具体的な説明を省略する。
【0016】すなわち、1はソレノイドボディ、2はコア、20は内周側に筒状プランジャー13が固定されたボビンであって、このボビン20は、コイル21が巻装された筒状本体22と、該筒状本体22の上下端に一体に設けられたフランジ部23,24とから構成されている。
【0017】前記上側フランジ部23は、外径が約24mmに設定され、上面にはほぼ円環板状の金属製リテーナ25が外周縁の180°位置に設けられた爪25a,25bを下方へ折曲することによって固定されており、このリテーナ25の爪25a,25bから90°位置の外周縁に突設されたヒュージング部26にコイル21巻線の終端部21aが電気溶着によって接続されている。
【0018】そして、上側フランジ部23の前記ヒュージング部26と反対側の位置には、突起部27が径方向に沿って一体に突設されている。この突起部27は、図1及び図2に示すように平面ほぼ長方形状を呈し、上側フランジ部23に一体に固定された基端部27aが上側フランジ部23と同じく比較的肉厚に形成されていると共に、先端部27bが基端部27aの肉厚よりも約半分程度の段差薄肉状に形成されている。また、突起部27は、基端部27aの先端側両側に絶縁カバー28が係着する一対の係止爪29a,29bが突設されていると共に、基端部27aの上側フランジ部23との付根部付近にコイル21の始端部21bが添装される円弧溝30が形成されている。また、基端部27aの側部に形成されて、先端部27bと同じ肉厚の細溝31の外側縁には、コイル21始端部21bを内側へ案内しつつ他部品との接触を回避する立上り壁27cが突設されている。
【0019】そして、前記基端部27aの前端部には、図3及び図4に示すように先端部27bの上面から端子部32が挿通する矩形状の挿通孔33が横方向から穿設されていると共に、基端部27aの上部に前記挿通孔33まで上方向から貫通する係止用孔34が形成されており、この係止用孔34の前端縁34aが係止部になっている。
【0020】一方、前記端子部32は、図3及び図4に示すように金属板で細長く短尺に形成され、基部32aのほぼ中央位置に弾性爪35が切り起こされていると共に、先端部32bにハーネス36の芯線36aが挿入されるU字状溝37が形成されている。
【0021】前記弾性爪35は、先端部32b側の先端縁35bが傾斜状に立上げられて、基端35aを支点として上下方向へ弾性変形自在に形成され、前後方向の長さは前記係止用孔34に完全に嵌入した位置で先端縁35bが係止用孔34の前端縁34aに当接する長さに設定されている。さらに、端子部32の一側部には、上方へ折曲されたヒュージング部38が一体に設けられており、このヒュージング部38は、ほほU字状に折曲された内部に前記コイル21の始端部21bを挾持して電気溶着によって、該始端部21bと接続されている。
【0022】以上の構成からなる本実施の形態において、端子部32をボビン20に取り付けるには、まず図3に示すように端子部32の基端32a側を突起部27の先端部27b上面に載置して、そのまま挿通孔33内に押し込んでいくと、弾性爪35が挿通孔33の孔縁33aで下方へ徐々に押し下げられて切り起し溝39内に一旦収容された形になって挿通孔33内を通過する。さらに押し込んでいくと、図4に示すように弾性爪35が係止用孔34内に嵌入した時点で先端縁35bが基端35aを支点として自身の弾性反力によって立上り、同時に該先端縁35bが係止孔34の前端縁34aに係止する。したがって、端子部32は、ワンタッチで突起部27に強固かつ確実に取り付けられることになる。
【0023】その後、予め引き出されているコイル21の始端部21bを円弧溝30や細溝31に沿って配設しつつ先端縁をヒュージング部38に挾持させつつ電気溶着によって結合させる。
【0024】次に、図1に示すようにハーネス36の芯線36aを端子部32のU字状溝37に挿入しながら半田付けを行い係合した後、絶縁カバー28を、係止爪29a,29bを利用して突起部27全体を覆いながら係止固定すれば、取り付け作業が完了する。
【0025】このように、本実施の形態によれば、端子部32を、係止用孔34と弾性爪35などによって、突起部27にワンタッチで簡単かつ強固に取り付けることができるため、従来のような長尺かつ複雑な固定片が全く不要になる。したがって、上側フランジ部23の外径を大きく形成する必要がなくなり、十分に小さく設定することができる。
【0026】しかも、ヒュージング部38を端子部32に直接設けたため、従来の凹溝を形成する必要も全くなくなるので、この点でも上側フランジ部23の外径をさらに小さくすることが可能になる。
【0027】この結果、ボビン20全体の外径を小さくすることができ、電磁弁全体の小型化が図れる。
【0028】さらに、端子部32は、前述したように単に短尺な細板状に形成できるため、該端子部32もコンパクト化できると共に、簡単な構造であるため、製造作業が容易になると共に、コストの低廉化が図れる。
【0029】なお、本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば係止部を、係止用孔ではなく、単に挿通孔の内周面に溝を設けて係止部とすることも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係る電磁コイルの接続端子構造によれば、ボビンのフランジ部の外径を十分に小さくすることが可能になり、電磁コイル全体の小型化が図れる。
【0031】また、端子部をきわめて簡単に取り付けることができると共に短尺な構造にできるため、該端子部の製造作業能率の向上とコストの低廉化が図れると共に、取付作業能率の向上も図れる。
【0032】
【出願人】 【識別番号】000220505
【氏名又は名称】トーソク株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 千明
【公開番号】 特開平11−141716
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−322225