| 【発明の名称】 |
貯湯容器用安全バルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】瀧澤 元
【氏名】岸 俊之
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| 【要約】 |
【課題】貯湯容器内の圧力又は温度が所定以上に上昇しても収納された仕切弁を自動的に開放して過圧、過熱湯を貯湯容器から排出して安全をはかると共に、仕切弁の駆動部の部品点数を減じ、構造の単純化とコストダウンをはかりうる貯湯容器用安全バルブを提供する。
【解決手段】排湯ポート7に設けた仕切弁31の上側と下側に弁軸26、29を仕切弁31と一体に取付け、一方の弁軸26には圧力バネ39を、また他方の弁軸29には温度バネ38を夫々装着し、これらを貯湯容器1に設けたバルブケース21内に収納した貯湯容器用安全バルブ。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯湯容器の排湯ポートに設けたバルブケース内に仕切弁を設け、該仕切弁は、貯湯が所定の圧力に達した場合又は所定の温度に達した場合に弁座から離れて貯湯を排湯ポートから外部に排出するようにした貯湯容器用安全バルブ。 【請求項2】 排湯ポートに設けた仕切弁の上側と下側に弁軸を仕切弁と一体に取付け、一方の弁軸には圧力バネを、また他方の弁軸には温度バネを夫々装着し、これらを貯湯容器に設けたバルブケース内に収納した貯湯容器用安全バルブ。 【請求項3】 手動により仕切弁を弁座から開放したり、弁座に圧接することができるようにした請求項1又は2に記載の貯湯容器用安全バルブ。 【請求項4】 温度バネとして、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金を用いた請求項2又は3に記載の貯湯容器用安全バルブ。 【請求項5】 常時は圧力バネの弾性力を、温度バネの弾性力より大きくして仕切弁を弁座に押しつけるようにした請求項2、3又は4に記載の貯湯容器用安全バルブ。 【請求項6】 仕切弁の上側の弁軸には圧力バネを、また下側の軸には温度バネを装着した請求項2、3、4又は5項に記載の貯湯容器用安全バルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として蓄熱式電気温水器等の貯湯容器内の圧力又は温度が所定値まで上昇すると、その貯湯容器に装着したバルブケースに収納した仕切弁を開放して温水を貯湯容器から排出し、貯湯容器の事故を回避する貯湯容器用安全バルブに関する。 【0002】 【従来の技術】夜間余剰電力の有効利用の一例として、従来より蓄熱式電気温水器が実用化されている。一般にこの種の蓄熱式電気温水器は、一日のうちの電力総使用量が低下する時間帯に通電して加熱貯湯するために、貯湯槽を断熱保温構造とすると共に、槽内に電熱ヒータを組み込み、その貯湯槽に給水ポートと給湯ポートを設けた構造になっている。 【0003】上記電気温水器は、通電時間中に温水が所定の湯温に達すると電力の供給を遮断する温度制御スイッチが設けられており、異常過熱を回避しているが、何らかの原因によって温度制御スイッチが故障し、連続して通電が続けられると槽内の湯が設定温度を越えて最終的には沸騰する。このため従来は、沸騰した水蒸気を上記給湯ポートの基部に構成した圧力感知式蒸気抜き安全弁から排出し、槽内の内圧が所定値を越えないように制御していたが、該圧力感知式蒸気抜き安全弁が作動した後に温度制御スイッチの故障が復帰すると貯湯槽に設定値を越えた高温の供給湯が貯められるようになり維持される。即ち、この状態から温水を使用すると、例えばシャワー等から普段より高温の湯が噴出することになり、非常に危険であることはいうまでもない。 そこで上記のごとき電気温水器内の温度又は圧力のいずれかが所定値まで上昇すると、温水器の圧力容器の弁が自動的に開放して、その安全をはかることを目的とした温水器の安全装置に関する特開平7−180911号の発明が知られている。 【0004】上記従来公知の温水器の安全装置では、図5のごとく圧力容器68に装着したバルブケース51に収納した弁54を圧力スプリング55により弁座56に圧接し、弁54の下方に温度センサー60の押上ピン62を対向させ、圧力容器68内の温度が所定値まで上昇すると、押上ピン62が弁54を押し上げて開放するようになっており、また、上記温度センサー60は、上端をふた67により閉鎖している円筒61に押上ピン取付部材53、バイアススプリング64、ピストン65、及びオイル66等の熱膨張性流体を収容することで構成されたものからなり、さらに上記従来公知の安全装置の実施形態の他の例としては、図6に示すごとく、円筒61内には、押上ピン62、押上ピン取付部材53、バイアススプリング64及び形状記憶合金スプリング70を収容して温度センサー60を構成することからなっている。 【0005】図5の温水器において、例えば温度が所定値まで上昇すると、温度センサー60内のオイル66等の熱膨張性流体が膨張して押上ピン62を押上げ、圧力容器68の弁54を開放し、温度又は圧力が所定値以上に上昇せず、安全を図れるようになっている。また圧力を感知する場合は、ある圧力以上になるとその圧力が弁54を下方から押し上げ、圧力スプリング55に打ち勝って弁54を開放する。 【0006】このように、従来の装置は温度感知作動部と圧力感知作動部とは夫々別個に設け、しかも温度感知作動部はさらに押上ピン62、押上取付部材53、バイアススプリング64、ピンスト65、オイル66等により構成しなければならず、部品点数が多く、構造が複雑となり、それだけ故障も多く、かつ高価になるという欠点を有している。 【0007】 【発明の解決しようとする課題】本発明は、貯湯容器の内部圧力が所定以上に上昇したり、貯湯容器内温度が所定以上に過熱されると、バルブケースに収納した仕切弁を開放して過圧、過熱湯を貯湯容器から排出し、貯湯容器の事故を回避して安全をはかると共に、仕切弁の駆動部の部品点数を減じて構造の単純化をはかって製造コストの低減をはかりうる貯湯容器用安全バルブを提供する。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の貯湯容器用安全バルブは、貯湯容器の排湯ポートに設けたバルブケース内に仕切弁を設け、該仕切弁は、貯湯が所定の圧力に達した場合又は所定の温度に達した場合に弁座から離れて貯湯を排湯ポートから外部に排出するようにした貯湯容器用安全バルブからなり、具体的には排湯ポートに設けた仕切弁の上側と下側に弁軸を仕切弁と一体に取付け、一方の弁軸には圧力バネを、また他方の弁軸には温度バネを夫々装着し、これらを貯湯容器に設けたバルブケース内に収納した貯湯容器用安全バルブからなる。そしてまた、手動により仕切弁を弁座から開放したり、弁座に圧接することができるように、さらに温度バネとして、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金を用いたり、常時は圧力バネの弾性力を、温度バネの弾性力より大きくして仕切弁を弁座に押しつけるように、さらに仕切弁の上側の弁軸には圧力バネを、また下側の軸には温度バネを装着するようにした貯湯容器用安全バルブからなる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の貯湯容器用安全バルブの実施形態につき説明するが、図1はその一実施形態の断面図を示すが、この安全バルブは、一端に貯湯容器1に連結する湯水流入側ポート22と、他端に湯水排出側ポート35との間に設けられており、上記両方のポート22と35との間を連通する弁室に弁座32を形成したバルブケース21と、そのバルブケース21に上記弁座32を貫通して軸方向摺動自在に軸支してなる上下の弁軸26と29を一体に形成し、その軸中程に上方から弁座32を圧接または開放する仕切弁31が設けられている。 【0010】上記仕切弁31の上下中央にそれぞれ突出して仕切弁31と一体に設けた各弁軸26、29の上方の弁軸26には仕切弁31を弁座32に圧接可能とする圧力バネ39が設けられ、また下方の弁軸29には、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金をコイル状にして設けられ、設定した温度条件で変体して最大弾性定数を持つように温度付勢する温度バネ38を設けている。 【0011】なお、上記温度バネ38の弾性力は、低温度雰囲気下では前記圧力バネ39の弾性力より小さくなるように温度付勢されており、一方高温度雰囲気では温度バネ38の弾性力が圧力バネ39の弾性力より大きくなるように温度付勢している。また、上記バルブケース21の一端に固設した上蓋部材24に設けられた軸孔が突出した弁軸26の端部にピン42を介して起伏自在に梃子式開弁ハンドル40を弁手動開閉機構として設け、カム部41の引き上げ作用により弁軸26を介して仕切弁31を弁座32から手動で開放可能としており、その手動開弁状況を図2に示している。つまりこの状態では弁軸26、29と仕切弁31が一体となって上方に移動する。 【0012】次に、図1に示すこの発明の貯湯容器用安全バルブ20を図3に示す著熱式電気温水器の貯湯容器1に取り付けて安全装置として適用した例につき説明する。蓄熱式電気温水器は、ポリブチレン製の外槽2の内側に断熱材3を介してプラスチック製の内槽4を構成した中空筒状を呈する保温式の貯湯容器1を構成している。 【0013】上記貯湯容器1は、内腔と連通する給水ポート5と給湯ポート6、及び排湯ポート7が設けられており、給水ポート5は逆止弁8を介して水道配管9と、給湯ポート6は逆止弁10を介して給湯側配管11と接続連通している。また給湯ポート7には本発明の貯湯容器用安全バルブ20を介して排湯配管12と接続連通している。 【0014】上記貯湯容器1の内腔には、電熱ヒータ14を絶縁内蔵した熱交換器13を配置すると共に、その内腔に温度センサ15を突設しており、電熱ヒータ14の通電時刻制御電源回路16に設けた温度制御スイッチ回路17をON/OFF駆動する。即ち、この温度制御スイッチ回路17は、貯湯容器1内の湯温が予め設定した温度(例えば約90℃)を越えると、通電時刻制御電源回路16が通電時間内であっても電熱ヒータ14への通電を遮断する構造になっている。 【0015】前記貯湯容器用安全バルブ20は図1に示すような弁構造を構成し、バルブケース21は略円筒構造を成し、その基端部外周に雄螺子を螺設して前記貯湯容器1の排湯ポート7と螺合接続する湯水流入側ポート22のマウント螺子23を構成している。このバルブケース21の上端には上蓋部材24を螺合固設すると共に、上蓋部材24と上記湯水流入側ポート22の軸支壁25の両軸心にそれぞれ穿設した上下の軸孔には中央部に円盤状の弁盤28を固設した弁軸26と29の上下端部を軸方向摺動自在に内挿軸設した構造になる。 【0016】上記弁盤28の外周部下面にはゴムリング30を嵌着して仕切弁31を構成するもので、バルブケース21の中央部にはゴムリング30と対向する円環状の弁座32を構成し、仕切弁31によって内側弁室33と外側弁室34に区画し、外側弁室34と連通する湯水排出側ポート35をバルブケース231の側方に突設し、その端部にパイプ接続螺子36を螺設している。 【0017】上記軸支壁25には、湯水流入側ポート22と内側弁室33を連通する多数の小孔37,37…が穿設してあり、軸支壁25と弁盤28間には弁軸29に外挿した温度バネ38を弾装すると共に、弁盤28と上蓋部材24間には弁軸26に外挿した圧力バネ39を弾装している。また上記上蓋部材24の軸孔から突出した弁軸26の端部には、上蓋部材24の面とカム部41を摺接した梃子形開弁ハンドル40をビン42を介して起伏自在に枢着し、カム部41の引き上げ作用によっで弁軸26を介して仕切弁31を弁座32から後退開放させるようになっている。 【0018】尚、図中、符号43は発条受け、44は該発条受け43と上蓋部材24間に介挿したゴムシールである。上記温度バネ38は、ニッケルチタン合金等の形状記憶合金をコイル状に螺回し、設定した温度条件(例えばT2=約95℃)により変体を生じて最大弾性定数を持ち大きな弾性力を発揮するように温度付勢したもので、設定した温度条件T2では、温度バネ38の弾性力が圧力バネ39の弾性力より大きくなり、仕切弁31を矢印A方向に押圧して弁座32から後退開放する。 【0019】また、設定値T2より低い温度条件では、温度バネ38の弾性力が圧力バネ39の弾性力より小さくなるため、圧力バネ39が図1の矢印A方向と反対方向に仕切弁31を押圧して弁座32に密接し、仕切弁31を止栓状態に維持する。図3に示すように、上記構成になる貯湯容器用安全バルブ20は、電気温水器の貯湯容器1に設けた排湯ポート7に取り付け配管するもので、該排湯ポート7は、貯湯容器1の上面または側面など槽内部の温度分布特性に応じて湯温を適切に反映することができる箇所に設ける。 【0020】図4に示すように、一日のうちの電力総使用量が低下する時間帯(例えば、午後11から午前6時まで)に通電時刻制御電源回路16が[ON]するようにセットされているため、午後11時になると自動的に該通電時刻制御電源回路16が「ON」する。このとき温度センサ15から温度スイッチ制御回路17に入力される貯湯容器1内の湯温が設定した温度T1より低下しているため、該温度スイッチ制御回路17は[ON]状態にあり、熱交換器13の電熱ヒータ14を通電加熱する。 【0021】貯湯容器1内の水は、この通電により加熱されるが、貯湯容器1が断熱材1を挟んだ外槽2と内槽4の断熱保温作用によって湯の温度Tは次第に上昇する。一般に貯湯容器1の容量に対応して電熱ヒータ14の熱容量が設定してあるため、槽内の湯温Tは通電時刻制御電源回路16が「OFF」する前に所定の温度T1に達し、温度センサ15がこの湯温を検出して温度制御スイッチ回路17を「OFF」する。 【0022】しかし、何らかの原因で該温度制御スイッチ回路16が「ON」のままになる事故が生ずる(例えば図4のB部分)と、電熱ヒータ14は発熱を持続して槽内の湯温は上昇を続ける。ここで湯温が貯湯容器用安全バルブ20の作動設定温度(温度バネ38の変体付勢温度)T2に達すると、この貯湯容器用安全バルブ20が開弁作動する。 【0023】即ち、貯湯容器用安全バルブ20は、温度バネ38が内側弁室33にあって貯湯容器1内の温湯に浸漬した構造になっているため、湯温が高くなると雰囲気温度が上昇し、変体温度T2を越えると温度バネ38の弾性力が圧力バネ39の弾性力より大きくなり、仕切弁31を図1の矢印A方向に押圧して弁座32から後退させ、弁を開放する。 【0024】このため、貯湯容器1内の過加熱湯は水道配管9からの水圧によって貯湯容器用安全バルブ20の外側弁室34を経て排湯配管12に流出すると共に、貯湯容器1内に供給された水道配管9からの常温水によって貯湯容器1内の過加熱水が薄められる。このため、貯湯容器1の破裂事故や過加熱温湯の使用による火傷事故等の二次事故を回避することができる。 【0025】上記貯湯容器1内給水作用によって湯温が低下し、温度バネ38の雰囲気温度が設定値T2より低くなると、該温度バネ38の弾性力が圧力バネ39の弾性力より小さくなり、圧力バネ39が図1の矢印A方向と反対方向に蓋仕切弁31を押圧して弁座32に密接し、バルブを止栓状態に維持する。また、この貯湯容器用安全バルブ20の閉弁によって水道配管9からの常温水の供給は停止する。 【0026】また手動により排湯配管12から過加熱湯を排出する場合は、図2に示すように梃子形開弁ハンドル40をピン42を中心として矢印C方向に引き起こすことにより行う。梃子形開弁ハンドル40を引き起こすとカム部41が上蓋部材24の面を滑り、圧力バネ39の弾性に抗して弁軸26を引き上げるように作動する。このため、仕切弁31が弁座32から後退して開放し、内圧によって過加熱湯は湯水排出側ポート35から吐出される。 【0027】 【発明の効果】以上に説明した本発明の貯湯容器用安全バルブによれば、貯湯容器の内部圧力が所定以上に上昇するか、貯湯容器内温度が所定以上に過熱されると、バルブケースに収納した仕切弁を自動的に開放して過圧、過熱湯を貯湯容器から排出し、貯湯容器の破裂事故や過熱湯による火傷事故を回避することができる。 【0028】また、本発明の貯湯容器用安全バルブでは内蔵した仕切弁をニッケルチタン合金等の形状記憶合金の温度バネと通常の圧力バネとによって、予め設定した温度条件で仕切弁を弁座に向かって進退する構造になっているため貯湯容器内の温湯が何らかの事故により過温状態になった時、形状記憶合金の温度バネの弾性力によって開弁して、過熱水を排出することができ、安全性への信頼性が高い。 【0029】さらに、本発明の貯湯容器用安全バルブは、全て機械部品で構成され、形状記憶合金からなる温度バネを温度制御部に使用し、しかも一体に移動する弁軸にこれら温度バネと圧力バネとが設けられているので、従来のこの種の安全装置に較べて部品点数を減じることができて、構造を単純化することができ、その製造コストの低減をはかることができる。 【0030】また、弁軸26、29および仕切弁31は一体構造で上下するので部品点数が少ないだけでなく、それで故障が少なく、製造コストが安価となる効果を有する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390008497 【氏名又は名称】日本電熱株式会社 【識別番号】391037537 【氏名又は名称】相互発條株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月5日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−141710 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−302945 |
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