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【発明の名称】 緩閉式逆止弁
【発明者】 【氏名】西川 保

【要約】 【課題】子弁により流通孔を確実に閉鎖すること。

【解決手段】弁箱内の流路を流通する流体の圧力により押し上げられて該流路を開放すると共に、前記流体の流通を停止したときに自重により下動して前記流路を閉鎖する主弁4aと、前記主弁4aと一体に押し上げられると共に、該主弁4aの下動時に独自に下動してその親弁に貫設した流通孔15を閉鎖する子弁16と、該子弁16の下動を遅延させるためのダッシュポット20とを有する緩閉式逆止弁において、前記ダッシュポット20に流体圧を加えて前記子弁16を強制的に下動させるための加圧ポンプ33が接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱内の流路を流通する流体の圧力により押し上げられて該流路を開放すると共に、前記流体の流通を停止したときに自重により下動して前記流路を閉鎖する親弁と、前記親弁と一体に押し上げられると共に、該親弁の下動時に独自に下動してその親弁に貫設した流通孔を閉鎖する子弁と、該子弁の下動を遅延させるためのダッシュポットとを有する緩閉式逆止弁において、前記ダッシュポットに流体圧を加えて前記子弁を強制的に下動させるための加圧ポンプが接続されていることを特徴とする緩閉式逆止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば上下水道や海水ラインのポンプ出口などに設けられる緩閉式逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の緩閉式逆止弁の一例として図3及び図4に示すものがある。これは、弁箱1内の中央部に横断面略U字状の横桟2が一体形成されることにより、該弁箱1内の流路3が上側分岐流路3aと下側分岐流路3bとに分けられ、その上側分岐流路3aを閉鎖するための主弁4aと下側分岐流路3bを閉鎖するための副弁4bとにより親弁4が形成され、弁箱1内の上部空間5に配置した上側回転軸6の両端部が弁箱1の両側壁部に設けた軸受7に回転可能に軸支されると共に、横桟2内に配置した下側回転軸8の両端部が弁箱1の両側壁部に設けた軸受9に回転可能に軸支され、前記主弁4aに突設した左右一対のアーム11の先端の貫通孔12を上側回転軸6に回転可能に外嵌させることにより、該主弁4aが弁箱1に回転可能に枢支され、前記副弁4bに突設した突起部13の貫通孔14を下側回転軸8に嵌着させることにより、該副弁4bが弁箱1に回転可能に枢支され、主弁4aの中央部に流通孔15が貫設され、該流通孔15を閉鎖するための子弁16に突設したアーム17の先端の貫通孔18を上側回転軸6に外嵌させると共に、止着具19によりアーム17を上側回転軸6に止着することにより、該子弁16が上側回転軸6を介して弁箱1に回転可能の枢支され、上側回転軸6を介して子弁13の下動を遅延させるためのダッシュポット20が弁箱1の外周面に固定されている。なお、図4中、29はリンク機構であって、各回転軸6,8に固着されたリンク29a,29bと、該両リンク29a,29b間に配設された連結ロッド29cとからなり、該連結ロッド29cの下端がナット29dにより下側リンク29bの先端に連結されると共に、その連結ロッド29cの上端がナット29eを介して上側リンク29aの先端下面に当接されており、副弁4bの上動に連動して子弁16を押し上げると共に、副弁4bの下動に子弁16が連動されないようにして、ダッシュポット20の緩閉作用が副弁4bにかからないようにしている。
【0003】上記構成において、ポンプを駆動したときには、図3に仮想線で示すように、矢印a方向に流通する流体の圧力により主弁4a、副弁4b及び子弁16が押し上げられて流路3を開放しており、この状態からポンプによる流体の流通を停止させると、主弁4a及び副弁4bが自重により下動されて流路3を閉鎖すると共に、子弁16が自重とダッシュポット20の緩閉作用とにより緩やかに下動されて流通孔15を閉鎖するようになっている。
【0004】前記ダッシュポット20は、図5に示すように、シリンダ20a内に配置されたピストン20bがばね21により下向きに付勢され、該ピストン20bにより仕切られた上側室22aと下側室22bとをつなぐ第1連通路23aに流量調整弁24が介在されると共に、該第1連通路23aに接続した第2連通路23bに逆止弁25が介在され、ピストンロッド20cの先端に設けたコ字状係合枠26が前記上側回転軸6の一端に突設したアーム27の先端ピン28に係合されたものであって、流路3を流通する流体により主弁4a及び子弁16が押し上げられた状態〔図5(a)仮想線参照〕から流体の流通を停止させることにより、主弁4aが自重により下動されて流路3を閉鎖する〔図5(b)実線参照〕と共に、子弁16がばね21の付勢力と自重により約30°〔図5(b)の仮想線参照〕まで急速に下動された後、下側室22b内の圧油を流量調整弁24を通って上側室22a内に流入させることにより、該子弁16が緩やかに下動されて流通孔15の周縁に設けた弁座15aに密着して該流通孔15を閉鎖し〔図5(a)実線参照〕、これによって、ウォーターハンマーを防止してポンプや配管などを保護するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記構成では、子弁16をばね21の付勢力と自重だけで下動させて流通孔15を閉鎖するようになっているため、長期の使用による軸受損失トルクの増大によって、子弁16が流通孔15の弁座15aに密着する位置まで下動せず、該流通孔15を確実に閉鎖することができないことがあった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、子弁により流通孔を確実に閉鎖することができる緩閉式逆止弁を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、弁箱内の流路を流通する流体の圧力により押し上げられて該流路を開放すると共に、前記流体の流通を停止したときに自重により下動して前記流路を閉鎖する親弁と、前記親弁と一体に押し上げられると共に、該親弁の下動時に独自に下動してその親弁に貫設した流通孔を閉鎖する子弁と、該子弁の下動を遅延させるためのダッシュポットとを有する緩閉式逆止弁において、前記ダッシュポットに流体圧を加えて前記子弁を強制的に下動させるための加圧ポンプが接続されていることを特徴としている。
【0008】上記構成において、流路を流通する流体により親弁及び子弁が押し上げられた状態から流体の流通を停止させることにより、親弁が自重により下動されて流路を閉鎖すると共に、子弁が自重とダッシュポットの緩閉作用とにより緩やかに下動され、これによって、ウォーターハンマーを防止してポンプや配管などを保護する。
【0009】この場合、ダッシュポットにより緩やかに下動される子弁が長期の使用による軸受損失トルクの増大によって流通孔の弁座に密着しないときには、加圧ポンプによりダッシュポットに流体圧を加えて前記子弁を強制的に下動させることにより、該子弁を前記弁座に密着させて流通孔を閉鎖し、流体漏れが生じないようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の一形態である緩閉式逆止弁に用いるダッシュポット20を示すものであって、上側室22aに連通する連通管30がシリンダ20aに設けられ、連通管30とタンク31とをつなぐ配管32に手動加圧ポンプ33と常時閉鎖状態の手動弁34とが介在されている。なお、35は上側室22aに連通する常時開放状態の手動弁を備えた油タンクである。また、ピストン20bの下面からピストンロッド20cの下部にかけて形成されたテーパ孔36と、ピストンロッド20cを貫通してテーパ孔36を上側室22aに連通させる貫通孔37とにより第1連通路23aが形成され、シリンダ20aの下側端板に固定されてシリンダ20a内に突出することにより前記テーパ孔36に嵌脱可能に嵌入するスプール38により流量調整弁24が形成されている。更に、ピストン20bを貫通して上側室22aを下側室22bに連通させる第2連通孔23b内に、ボール40と、該ボール40を第2連通孔23b内の弁座に押しつけるばね41とにより逆止弁25が形成されている。
【0011】上記構成の作動原理を図2に基づいて説明すると、流路3を流通する流体により主弁4a及び子弁16が押し上げられた状態〔図2(a)仮想線参照〕から流体の流通を停止させることにより、主弁4aが自重により下動されて流路3を閉鎖する〔図2(b)実線参照〕と共に、子弁16がばね21の付勢力と自重により約30°〔図2(b)の仮想線参照〕まで急速に下動された後、下側室22b内の圧油を流量調整弁24を通って上側室22a内に流入させることにより、該子弁16が緩やかに下動されて流通孔15の周縁に設けた弁座15aに密着して該流通孔15を閉鎖し〔図2(a)実線参照〕、これによって、ウォーターハンマーを防止してポンプや配管などを保護する。
【0012】ここで、子弁16が長期の使用による軸受損失トルクの増大によって流通孔15の弁座15aに密着する位置まで下動しないときには、手動弁34を開放し、加圧ポンプ33を手動操作してダッシュポット20の上側室22a内に圧油を加えてピストン20bを押し下げ、子弁16を強制的に下動させることにより、該子弁16を前記弁座15aに密着させて流通孔15を閉鎖し、流体漏れが生じないようにする。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、ダッシュポットにより緩やかに下動される子弁が長期の使用による軸受損失トルクの増大によって流通孔の弁座に密着しないときには、加圧ポンプによりダッシュポットに流体圧を加えて前記子弁を強制的に下動させることにより、該子弁を前記弁座に密着させて流通孔を閉鎖し、流体漏れが生じないようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)11月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−141709
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−302286