| 【発明の名称】 |
ロータリーディスク弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】江間 正紀
【氏名】山口 寛
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| 【要約】 |
【課題】流路切り替え時における弁回転時において、小さな負荷で弁を回転することができ、弁座を損傷することなく長期間安定して作動することができるロータリーディスク弁を提供する。
【解決手段】弁押圧カム6と弁上昇カム11とを備えたディスク弁5を、複数の弁孔を設けた弁箱3内に下端が当接するように回転自在に設け、弁押圧カム6と弁上昇カム11との間に、上側カム12と下側カム8とを形成したモータ21により駆動されるスライドカム7を設け、スライドカム7の上部にスプリング30を配設するとともにスライドカム7の所定位置への回転を検出する位置検出手段34を設けたロータリーディスク弁を構成したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁押圧カムと弁上昇カムとを備えたディスク弁を、複数の弁孔を設けた弁箱内に下端が当接するように回転自在に設け、弁押圧カムと弁上昇カムとの間に、上側カムと下側カムとを形成したモータにより駆動されるスライドカムを設け、スライドカムの上部にスプリングを配設するとともにスライドカムの所定位置への回転を検出する位置検出手段を設けたことを特徴とするロータリーディスク弁。 【請求項2】 上側カムは弁上昇カムと対向する位置に設け、下側カムは弁押圧カムと対向する位置に設け、弁押圧カムに設けた高部に下側カムが当接するときスプリングによりスライドカムを介してディスク弁を弁座側に押圧し、スライドカムが回転して下側カムが弁押圧カムの高部から外れるときスプリングによるディスク弁の押圧力をなくし、その後上側カムが弁上昇カムに当接して相互の傾斜面での当接により弁上昇力を発生し、且つ両者の係合によりディスク弁をスライド弁と共に所定位置まで回転し、次いで下側カムが弁押圧カムの高部に乗り上げることによりスプリングによるディスク弁の下方への押圧力を発生するように構成した請求項1記載のロータリーディスク弁。 【請求項3】 位置検出手段は、駆動軸に設けたマグネットとマグネットに対向して弁箱に設けたホールICからなる請求項1又は請求項2記載のロータリーディスク弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水回路や循環水回路の水路切り換え等に用いる電動式の五方弁あるいは四方弁等のロータリーディスク弁に関する。 【0002】 【従来の技術】温水や冷水を用いる冷暖房装置や、風呂、給湯装置の水回路において、この水の循環方向を切り換えるために用いる電動式多方弁は、複数個の流路に連通している複数個の開口を有する弁座に対して、任意の開口を選択的に連通するための流路を内部に形成し、複数個の開口を有する椀状の弁体を、接触状態で回動自在とし、電磁装置あるいはモータ等により弁体を回動することにより、弁体の内部流路の開口を弁座の開口に任意に連通させ、水回路の反転切り換え等を行っている。また、この弁体内の流路を任意に設定することにより四方弁等各種の弁の形成が可能であり、弁体に前記弁座に対向する開口の他に他の流路を連通して五方弁とすることもある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のような電動式多方弁においては、複数の開口を有する弁座に対向して、複数の開口を有する弁体を、水漏れの生じないように密着状態で保持しておかなければならない。一方、このように密着状態に保持されている弁体は、その流路切り換えに際しては、弁座上を摺動して回転しなければならず、水漏れを防止するための上記密着力が大きければ大きいほど、回転させる際には、弁座と弁体の接触表面間で大きな摩擦力及び粘着力が生じることとなる。 【0004】この摩擦力及び粘着力により弁体が回転する際には、両者は大きな摩耗を生じるほか、弁座と弁体に複数の開口を有しているため、弁体の回転の際に、両者の開口の縁部分で引っかかりを生じ、特にこの部分では大きな摩耗や損傷を生じる。このような摩耗や損傷により、弁座と弁体間では水漏れを生じ、弁の機能不良を生じる。特に、内部に流路を形成する弁体をセラミック等で製作し、この弁体に当接する弁座側をシール性の良好なゴム等の弾性体で製作することが多いが、このような場合には、水漏れを防止するため弁体を弁座に大きな力で押圧すると、弁体が弁座のゴムに喰い込み、この喰い込み状態で弁体を回転すると、ゴムの弁座はセラミックの弁体により短期間で摩耗し、頻繁に弁座等を交換しなければならない。 【0005】また、弁座と弁体間に、配管の錆やごみ、あるいは砂等を噛み込んだ場合には、弁体の回転によりこれらが弁座等に喰い込み、上記摩耗が更に生じ易くなる。更に、弁体を弁座に対して強力に押圧しシール性を向上しようとすると、弁体の回動時に強い摩擦力及びゴムの粘着力を生じるので、電動装置には大きな負荷がかかり、電動弁の作動不良を生じ、その対策として強力な電動装置を用いると弁が高価なものとならざるをえない。 【0006】したがって、本発明は、流路切り替え時における弁回転時において、小さな負荷で弁を回転することができ、弁座を損傷することなく長期間安定して作動することができるロータリーディスク弁を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するため、弁押圧カムと弁上昇カムとを備えたディスク弁を、複数の弁孔を設けた弁箱内に下端が当接するように回転自在に設け、弁押圧カムと弁上昇カムとの間に、上側カムと下側カムとを形成したモータにより駆動されるスライドカムを設け、スライドカムの上部にスプリングを配設するとともにスライドカムの所定位置への回転を検出する位置検出手段を設けたロータリーディスク弁を構成したものである。 【0008】本発明は上記のように構成したので、弁の通常作動時には、弁押圧カムに設けた高部にスライドカムの下側カムが当接しており、スプリングによりスライドカムを介してディスク弁を弁座側に押圧し、弁孔部分の確実なシールを行う。流路の切り替えに際してモータに通電すると、スライドカムが回転して下側カムが弁押圧カムの高部から外れ、スプリングによるディスク弁の押圧力がなくなる。その後、上側カムが弁上昇カムに当接して相互の傾斜面での当接により弁上昇力を発生し、弁を持ち上げるので、ディスク弁と弁座との摩擦力はほとんどなくなり、且つ両者の係合によりディスク弁をスライドカムと共に回転移動する。ディスク弁が所定位置まで回転するとディスク弁の回転が停止され、その後スライドカムのみが回転するので下側カムが弁押圧カムの高部に乗り上げ、スプリングによるディスク弁の下方への押圧力を発生する。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に添って説明する。下弁箱1と、この下弁箱1の上部にOリングを介して液密にシールされた上弁箱2からなる固定された弁箱3内には、内部に連通流路4を形成した椀状のディスク弁5が往復回転可能に設けられ、下弁箱2の下面に設けた4個の弁孔に対する連通流路4の位置を切り替えることにより、種々の接続の切り替えを可能としている。 【0010】ディスク弁5の上面の中央には弁押圧カム6を備え、その上部にこれに対向してスライドカム7の下面の下側カム8が配置されている。ディスク弁5の上面には、互いに180度離れた位置に支持アーム10を立設し、その先端には下方に向けて弁上昇カム11を形成している。スライドカム7の上面には、スライドカムの回転時に各弁上昇カム11に当接する上側カム12を互いに180度離れた位置に形成している。弁押圧カム6は図に示すように、中央に凹部13を有すると共にその両側に第1高部14と第2高部15を備え、それらの部分の接続部分は傾斜面となっている。スライドカム7の下側カム8は両側が傾斜面とし、中央が平坦面となった突起状となっており、また、スライドカム7の上側カム12は断面三角形の突起状となっている。弁上昇カム11は前記上側カム12と対称的に逆三角形に下方の突出している。 【0011】ディスク弁5の側部には突出部16を備え、後述するようにディスク弁5が回転するとき、この突出部は下弁箱1の側方に固定されるモータ支持用の支柱17と当接し、ディスク弁5の回転が停止される。したがって、この支柱17は、ディスク弁5の回転を止めるストッパとしての機能をなす。スライドカム7の側方には相互の所定の間隔を有して2個の突起18,19を備え、この突起18,19はディスク弁5の上面に立接した支持アーム10の側部と当接し、スライドカム7の回転が停止される。したがって、この支持アーム10はスライドカム7のストッパとしての機能をなす。 【0012】上弁箱2の中央部には軸受部20が形成され、この軸受部20には、上端においてモータ21の駆動軸22と連結するスピンドル23が回転自在に軸止されている。スピンドル23の中央部にはスライドカム7の中央に形成した四角形の嵌合穴24と嵌合する四角形の係合部25を備え、スピンドル23の下端には下弁箱1の上面中央に設けた孔51に回転自在に嵌合する端部27を備えている。上弁箱2の軸受け部20の周囲にはスプリング受け28を備え、このスプリング受け28内にはスプリング30を収納しており、スプリング30は一方の端部がスライドカム7の上面に当接し、それにより、スライドカム7を図中下方に押圧し、後述するようにスライドカム7の下側カム8が弁押圧カム6上に位置するとき、スプリング30はスライドカム7を介してディスク弁5を図中下方に押圧して弁をシール状態に保つ作用をなしている。なお、ディスク弁5の上面とスライドカム7の下面との間にはディスク弁5の浮上を防止する弱いバネ40が設けられている。また、下弁箱1の底面においてディスク弁5の下端と接触する部分においては、ゴム等の弾性シート29を固定しており、スプリング30により下弁箱が下方に押圧されるとき、下弁箱1の下面は弾性シート29に密着し、強いシール作用を行っており、弾性シート29に形成した流路との連通孔が弁座となっている。 【0013】下弁箱1の側部に立設した支持用の支柱17に支持されたモータ21は往復動可能な双方向回転シンクロナスモータを使用しており、外部からの切り替え信号によって往復動の制御がなされる。モータ21の駆動軸22の下端には先端の下方にマグネット31を内蔵したアーム32が固定され、一方、モータの駆動軸22の所定の回転位置でのアーム32の位置に対向するように、上弁箱2の上端周囲にホールIC33を備えた検出部34を設けている。それにより、駆動軸22が回転してアーム32が検出部34に対向する位置まで回転すると、検出部34のホールICがアーム32先端のマグネット31の磁力を検出して駆動軸21が所定の位置まで回転したことを検出し、モータ21の回転を停止させる。また、モータ21が逆転してアーム32が第2の検出部35に対向する位置まで回転すると、第2検出部35のホールIC33がアーム先端のマグネット31の磁力を検出して駆動軸22が第2の所定位置まで回転したことを検出し、モータ21の回転を停止させる。 【0014】上記構成からなるロータリーディスク弁において、その作動について、ディスク弁5とそのディスク弁5に設けた弁押圧カム6と弁上昇カム11、及びスライドカム7に設けた上側カム12と下側カム8との関係を模式的に描いた図5と共に説明する。最初、図1に示す状態は図5(イ)の状態にあり、モータに通電されていない状態であり、ディスク弁5の上面に設けた弁押圧カム6の第1高部14上にスライドカム7の下側カム8が載っており、この状態では、スライドカム7が弁押圧カム6により持ち上げられている状態であるので、スライドカム7はスプリング30を圧縮し、その結果、スプリング30はスライドカム7を介してディスク弁5を押圧し、ディスク弁5の下端は下弁箱に固定した弾性シート29に強く当接し、強いシール状態で第1の流路を形成し保持している。 【0015】図5(イ)の状態からモータ21に、例えば反時計方向の回転を与えるように通電すると、駆動軸22を介してスピンドル23が回転され、このスピンドル23と一体的にスライドカム7が回転し、このときディスク弁5は弾性シート29との強い摩擦接触により回転しないので、図5(ロ)に示すように、スライドカム7の下側カム8は弁押圧カム6の第1高部14から凹部13部分に落ち込み、スライドカム7の位置が降下し、下弁箱1の軸受50に接触してディスク弁5への押圧力はなくなる。このときバネ40はディスク弁5の浮上を防止する。したがって、ディスク弁5の下端と弾性シートとの接触圧がなくなる。この状態からスライドカム7がもう少し回転すると、スライドカム7の上側カム12が弁上昇カム11に当接し、この部分をその回転方向に強く押圧する。その結果、ディスク弁5が弾性シート29に当接する強さに応じて、上側カム12の傾斜面と弁上昇カム11の傾斜面との押圧力の分力として弁上昇カム11を持ち上げる力、即ちディスク弁5を持ち上げる力を生じ、ディスク弁5は確実に持ち上げられ、ディスク弁5と弾性シート29の摩擦力はほとんどなくなる。それにより、図5(ハ)に示す状態でスライドカム7の回転はディスク弁5に伝達され、したがって、モータ21の駆動軸22の回転によってディスク弁5は反時計方向に回転する。 【0016】ディスク弁5が所定の流路切り替え位置まで回転すると、その位置に支柱17のストッパが設けられているので、ディスク弁5はそれ以上回転することがなく、スライドカム7のみが回転する。そのためスライドカム7の上側カム12は弁上昇カム11の突起を越えて回転する。更に回転すると、図5(ニ)に示すようにスライドカム7の下側カム8がディスク弁5の弁押圧カム6の第2高部15に乗り上げる。この時、図4に示すようにスライドカム7の側方に設けた第2突起19は弁上昇カム11を支持する支持アーム10の側方に当接してその回動は停止する。この状態は、図5においては(ニ)に鎖線で示すように、突起18が弁上昇カム11に当接するように図示している。この時、モータ21の駆動軸22に設けたアーム32がホールIC33の位置まで回転するので、ホールIC33はアーム32先端のマグネット31の磁力を検出し、その信号によりモータ21の駆動を停止する。したがって、ディスク弁5は新たな流路の切り替え位置であるこの位置で停止する。この時は、スプリング30によりスライドカム7を介してディスク弁5が下方に強く押圧されているので、ディスク弁5の下端と弾性シート29とは強く接触し、シールを確実に行う。 【0017】この切り替え位置から、元の切り替え位置に戻す際には、モータ21に対して先とは逆方向の例えば時計方向に回転するように通電する。それによりスライドカム7は図5(ホ)に示すように左方に移動し、スライドカム7の下側カム8はディスク弁5の弁押圧カム6における第2高部15から凹部13に落ち込み、スプリング30によるディスク弁5の下方への押圧力を解除する。その後、更にスライドカム7が回転すると、図5(ホ)に示すように、スライドカム7の上側カム12と弁上昇カム11の傾斜面が当接する。その結果、先の作動と同様に、相互の斜面の接触による分力によってスライドカム7の回転力は弁上昇カム11に対して上昇する力を生じ、ディスク弁5の下端と弾性シート29との摩擦力は解除され、スライドカム7の回転力は弁上昇カム11を介してディスク弁5に伝達され、ディスク弁5はモータ21の回転と共に回転する。ディスク弁5が所定の流路切り替え位置まで回転すると、ディスク弁5はストッパ17に当接し、その回転を阻止されるので、スライドカム7のみ回転し、スライドカム7の下側カム8がディスク弁5の弁押圧カム6の第1高部14に乗り上げる。その後、スライドカム7のストッパ17が支持アーム10に当接して回転が阻止され、この時、モータ21の駆動軸22に設けたアーム32の先端のマグネット31が他のホールICと近接するので、そのホールICによって前記と同様にこれを検出し、モータ21への通電を停止する。この時はスプリング30によりスライドカム7を介してディスク弁5が下方に強く押圧されているので、ディスク弁5の下端と弾性シート29とは強く接触し、シールを確実に行う。 【0018】 【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、流路切り替え時における弁回転時において、小さな負荷で弁を回転することができ、弁座を損傷することなく長期間安定して作動することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000143949 【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月10日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】草野 浩一
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| 【公開番号】 |
特開平11−141706 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−321993 |
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