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【発明の名称】 送風切換装置
【発明者】 【氏名】衣山 元雄

【要約】 【課題】送風機から薬液及び粒剤散布装置への送風切換え時に、送風の漏洩をなくして送風ロスの減少を図り、送風効率、特に送風圧力の向上を図るとともに、構造簡単で安価な送風切換装置を提供すること。

【解決手段】左右の送風路14、15に交差させて送風入口16を設けて形成した弁室19内の前記左右の送風路14、15の略中心位置に、前記左右の送風路14、15間において左右にスライドする弁杆20が設けられ、該弁杆20の左右両端には前記左右の送風路14、15を交互に閉塞する遮断弁26a、26bがそれぞれ設けられ、前記弁杆20が前記弁室19外部から操作自在に構成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の送風路(14、15)に交差させて送風入口(16)を設けて形成した弁室(19)内の前記左右の送風路(14、15)の略中心位置に、該左右の送風路(14、15)間において左右にスライドする弁杆(20)が設けられ、該弁杆(20)の左右両端には前記左右の送風路(14、15)を交互に閉塞する遮断弁(26a、26b)がそれぞれ設けられ、前記弁杆(20)が前記弁室(19)外部から操作自在に構成されてなることを特徴とする送風切換装置。
【請求項2】 前記左右の送風路(14、15)の入口部にそれぞれ前記遮断弁(26a、26b)が密着する弁座部材(33a、33b)が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の送風切換装置。
【請求項3】 前記弁杆(20)のスライド機構が、該弁杆(20)と交差する方向に設けられた長孔(28a)を有する係合片(28)と、揺動端部に該係合片(28)の前記長孔(28a)に係合する係合ピン(31)を有し、基端部に前記弁室(19)外に延長された回動軸(25)を有する揺動腕(29a、29b)と、前記弁室(19)外から前記回動軸(25)を回動させる切換レバー(32)とからなることを特徴とする請求項1に記載の送風切換装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、水田や畑の作物に薬剤、肥料等の散布を行う乗用管理機用として好適な送風切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水田や畑の作物に薬剤、肥料等の散布を行う一方法として乗用管理機が使用されている。該乗用管理機は、一般に、機体を構成する架台上面に、薬液タンク、粒剤タンク、エンジン、薬液ポンプ、遠心送風機等を搭載した、三輪あるいは四輪式の走行自在車に構成されている。
【0003】そして、例えば、前記乗用管理機を薬液及び粒剤散布の両用とする場合には、運転席を前記架台上面の略中央に設け、上下動自在に構成される噴射ノズル等からなるブーム形薬液散布装置が前方に設けられ、粒剤散布装置を後方に設ける等、走行及び散布作業中における機体のバランス及び動力伝達機構等を考慮した状態に構成されている。
【0004】さらに、前記遠心送風機からの送風を機体の前後に設けた前記薬液及び粒剤散布装置にそれぞれ送風できるように設け、該送風を前記ブーム形薬液散布装置においては、噴射ノズルから散布される薬液が必要以上に拡散しないようにエアーカーテンを形成せしめるためのエアアシスト用とし、前記粒剤散布装置においては、粒剤等の送風搬送用として使用できるように構成され、一般には送風路に設けた切換片などによって送風方向の切換えを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の送風切換装置では、切換片と送風路の側壁との間から送風の漏洩が生じて送風ロスが発生し、送風効率が低下させられる等の問題があった。
【0006】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、送風機から薬液及び粒剤散布装置への送風ロスの減少を図り、送風効率、特に送風圧力の向上を図った構造簡単な送風切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は、左右の送風路に交差させて送風入口を設けて形成した弁室内の前記左右の送風路の略中心位置に、該左右の送風路間において左右にスライドする弁杆が設けられ、該弁杆の左右両端には前記左右の送風路を交互に閉塞する遮断弁がそれぞれ設けられ、前記弁杆が前記弁室外部から操作自在に構成されてなり、好ましくは、前記左右の送風路の入口部にそれぞれ前記遮断弁が密着する弁座部材が設けられ、さらに好ましくは、前記弁杆のスライド機構が、該弁杆と交差する方向に設けられた長孔を有する係合片と、揺動端部に該係合片の前記長孔に係合する係合ピンを有し、基端部に前記弁室外に延長された回動軸を有する揺動腕と、前記弁室外から前記回動軸を回動させる切換レバーとからなる構成としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る一実施の形態の送風切換装置を装着した乗用管理機の一例を示す概略全体斜視図、図2は本発明の実施の一形態の送風切換装置の要部斜視図、図3は図2の要部縦断面図、図4は図3のIVーIV矢視断面図、図5は送風切換弁装置の要部の分解斜視図である。
【0009】図1には、本発明の一実施の形態の送風切換装置が装着された乗用管理機の一例が示されている。この乗用管理機は、機体を構成する架台1の前方に薬液散布装置2が設けられ、後方に粒剤散布装置3が設けられ、略中央に運転席4が設けられて構成される。図中、5は薬液タンク、6は粒剤タンク、7は遠心式送風機である。
【0010】図面に示された乗用管理機においては、前記架台1の前方に設けられる薬液を散布するための前記薬液散布装置2は、機体の走行方向に直交させて左右方向に展張あるいは折畳み自在のブーム部材8が設けられ、その下面部に多数の噴射ノズル9が適当間隔をあけて設けられ、さらに、該多数の噴射ノズル9の前後両側に前記遠心式送風機7から前記架台1の骨材を管路として送風される空気の吐風口(図示せず)が設けられ、前記噴射ノズル9の前後両側にエアーカーテンが形成される構成になっている。
【0011】さらに、前記薬液散布装置2は、前記架台1の左右両側面に一端が軸支された平行リンク式リフトアーム10によって支持され、水田や畑の作物等の高さに合わせて上下動して地上高調節自在に構成されている。
【0012】また、前記架台1の後方に設けられる粒剤等を散布するための前記粒剤散布装置3は、その詳細を図示していないが、前記遠心式送風機7から送風される空気により、前記粒剤タンク6に収納された粒剤を送風搬送して散布する構成とされている。すなわち、前記遠心式送風機7から、前記架台1の前方に設けられた前記薬液散布装置2及び前記架台1の後方に設けられた前記粒剤散布装置3に向けて、前記架台1や可撓管等で構成される前方送風管11及び後方送風管12がそれぞれ延長されて連結されている。
【0013】本実施の形態に係る送風切換装置13は、前記遠心式送風機7と前記前方送風管11及び前記後方送風管12との連結部に設けられる。具体的には、図1乃至図3に示されているように、まず、円筒状の前方送風路14(以下、「左送風路14」と言う。)及び後方送風路15(以下、「右送風路15」と言う。)が直線状に設けられ、該直線状部に前記遠心式送風機7の吐風口7aと連結される送風入口16が直角に交差させて設けられた、合成樹脂等の二つ割り形筐体で弁室19が形成される。
【0014】さらに、図面実施の形態においては、前記左送風路14及び前記右送風路15と前記送風入口16との連結部の左右両側に円弧状の膨出部17a、17bを設けて前記弁室19が形成されている。この該膨出部17a、17bは、前記送風入口16から前記弁室19へ送られる送風を前記左送風路14及び前記右送風路15へ安定化して送出できるように、前記弁室19の容積を十分に確保するために形成されている。
【0015】つぎに、前記弁室19内に、前記左送風路14及び前記右送風路15を交互に閉塞する切換弁装置18が設けられる。
【0016】該切換弁装置18は、まず、前記弁室19内の前記左送風路14及び前記右送風路15の略中心位置に前記左送風路14及び前記右送風路15間において左右にスライドする弁杆20が設けられる。具体的には、図4に示されているように、二つのL字状の枠部材21a、21bを、前記弁室19の底部前後の外壁に固着されて後述する回動軸25を軸支する軸受35、35の固着用ネジ30により共締め固定して、短矩形の枠体23が構成される。
【0017】そして、該枠体23の対向する二面、具体的には、前記直線状に設けられる前記左送風路14及び前記右送風路15側の二面に貫通孔24a、24bがそれぞれ設けられ、該貫通孔24a、24bに前記弁杆20が左右へスライド自在に挿通される。さらに、該弁杆20のやや上方に、該弁杆20と直交させて前記回動軸25が前後方向に貫通及び支持させられる。
【0018】さらに、前記弁杆20の左右両端に、前記左送風路14及び前記右送風路15を交互に閉塞する遮断弁26a、26bが、それぞれ圧入ピン27、27により適宜の遊びを与えて取着される。
【0019】さらに、前記弁杆20の略中間部の該弁杆20と交差する方向に切欠き凹状の長孔28aを有する係合片28が設けられる。
【0020】つぎに、前記弁杆20を左右にスライドさせ、前記左送風路14及び前記右送風路15を交互に前記遮断弁26a、26bにより閉塞する機構について説明する。
【0021】図面実施の形態では、前記回動軸25の下方に向けて前記弁杆20の径巾よりも略広い間隔をあけて互いに平行に揺動腕29a、29bを突設し、該揺動腕29a、29bの揺動端部に前記弁杆20に設けた前記係合片28の前記長孔28aに係合する係合ピン31を設けて構成している。
【0022】さらに、前記回動軸25の前記弁室19からの外方突出端に切換レバー32が設けられる。なお、詳細を図示していないが、該切換レバー32は、前記左側遮断弁26aが前記左送風路14を開放し、前記右側遮断弁26bが前記右送風路15を閉塞した状態、及び逆に前記左側遮断弁26aが前記左送風路14を閉塞し、前記右側遮断弁26bが前記右送風路15を開放した状態を維持する位置、及びこれ等の中間位置に固定できる構成になっている。
【0023】また、前記弁室19と前記左方送風路14及び前記右送風路15それぞれの入口部には、前記遮断弁26a、26bが密着する、鋼管等を輪切りにしてその端面を平滑に仕上げた弁座部材33a、33bがそれぞれネジ34によって取付けられている。
【0024】前記構成の本実施の形態の送風切換装置13は、例えば、図3に示された状態において、前記切換レバー32を操作して前記回動軸25を反時計回り方向に所定角度回動し、該回動軸25に連動する前記弁杆20及び該弁杆20に固着された前記右側遮断弁26bを前記右送風路15側に移動させると、前記右側遮断弁26bが前記右側弁座部材33bに密着され、前記右側遮断弁26bによって前記右送風路15が完全閉塞されるとともに、他方の前記左側遮断弁26aが前記左送風路14の前記左側弁座部材33aから離れ、前記送風機7からの送風が前記左送風路14に向けて送られる。
【0025】また、前記切換レバー32を操作して前記回動軸25を時計回り方向に所定角度回動し、該回動軸25に連動する前記弁杆20及び該弁杆20に固着された前記左側遮断弁26aを前記左送風路14側に移動させると、前記左側遮断弁26aが前記左側弁座部材33aに密着され、前記左側遮断弁26aによって前記左送風路14が完全閉塞されるとともに、他方の前記右側遮断弁26bが前記右送風路15の前記右側弁座部材33bから離れ、前記送風機7からの送風が前記右送風路15に向けて送られる。
【0026】また、清掃作業時等には、前記切換レバー32を中間位置に固定せしめると好適である。さらに、前記回動軸25を電動モータ駆動として、前記運転席4から遠隔制御可能とせしめてもよい。
【0027】以上のごとく、本発明によれば、所望の送風方向と反対方向への送風の漏洩を全くなくすことができるため、送風ロスが発生せず、送風効率の低下が防止できる。また、二つの遮断弁を一つの弁杆のスライド操作で開閉可能としたため構造も簡単である。
【0028】なお、本発明の送風切換装置は、前記乗用管理機用に限定されるものではなく、各種送風装置にも適用できることはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、送風機から薬液及び粒剤散布装置への送風切換え時に、送風の漏洩をなくして送風ロスの減少を図り、送風効率、特に送風圧力の向上を図ることができるとともに、構造も簡単で安価な送風切換装置を提供できる等の効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000141990
【氏名又は名称】株式会社共立
【出願日】 平成9年(1997)11月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
【公開番号】 特開平11−141703
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−327118