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【発明の名称】 遠隔保守型ボールバルブ
【発明者】 【氏名】小海 昇

【氏名】高見沢 良和

【氏名】上田 靖三

【氏名】松井 典夫

【氏名】豊田 義弘

【氏名】山崎 純

【氏名】小泉 忠義

【氏名】大野 勝男

【要約】 【課題】箱形のバルブ本体の中に、有底筒状で流体通過孔を有するカートリッジを一対のガスケットを挟んで着脱可能に設け、カートリッジの内部にバルブボールを一対のボールシートを介して回転可能に設けてあり、バルブ本体を覆うボンネットと、このボンネットに回転可能に取り付けたステムとを有するボールバルブにおいて、マニプレータを用いた遠隔保守が可能であって、バルブ本体からボンネットおよびステムとともにカートリッジを分離すること、ならびに、バルブ本体にボンネットおよびステムとともにカートリッジを取り付けることが容易なバルブを提供する。

【解決手段】バルブ本体の両側に少なくとも1本ずつのガイドピンを立てるとともに、ボンネットの対応する位置にこれらのガイドピンが入る孔を設け、かつ、ボンネットの両側に少なくとも1個ずつのボンネットボルトを、それらのヘッドはボンネットの上に位置するがボンネットから脱離しないように設けるとともに、バルブ本体にこれらのボンネットと噛み合うナットを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バルブ本体の中に、有底筒状で流体通過孔を有するカートリッジを一対のガスケットを挟んで着脱可能に設け、カートリッジの内部にバルブボールを一対のボールシートで挾んで回転可能に設けてあり、バルブ本体を覆うボンネットと、このボンネットに回転可能に取り付けたステムとを有するボールバルブにおいて、バルブ本体の両側に少なくとも1本ずつのガイドピンを立てるとともに、ボンネットの対応する位置にこれらのガイドピンが入る孔を設け、かつ、ボンネットの両側に少なくとも1個ずつのボンネットボルトを、それらのヘッドはボンネットの上に位置するがボンネットから脱離しないように拘束するボルトストッパ−とともに設け、かつバルブ本体にこれらのボンネットボルトと噛み合うナットを設けたことを特徴とする遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項2】 ボンネット下部とカートリッジ上部のいずれか一方に少なくとも2個の横方向の突出片を設けるとともに、他方にはこの突出片と係合する溝を設け、溝の一方に突出片の通過を許す切欠きをそなえることにより、ボンネットとカートリッジとをバヨネットマウント式に着脱可能とした請求項1の遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項3】 ステムを回転駆動するためのアクチュエータをそなえた請求項1の遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項4】 ボンネットおよびステムを吊り下げるための吊りベイルをそなえた請求項1の遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項5】 ボンネットに少なくとも1個のジャッキボルトを設け、ジャッキボルトがボンネットのボルトストッパ−と噛み合って前進することにより、ボンネットをバルブ本体から押し上げて引き離すように構成した請求項1の遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項6】 バルブ本体が、実質上直方体のブロックの上面から左右両側にフランジが延びた形状を有し、このフランジに前記ガイドピンをとりつけ、ボンネットのそのフランジに相対する部分に、ボンネットボルトおよびジャッキボルトをとりつけた請求項1または5の遠隔保守型ボールバルブ。
【請求項7】 バルブ本体が、実質上直方体のブロックと、その左右両側に取り付けた2個のL型ブラケットとからなり、L型ブラケットの一辺がフランジを形成したものである請求項6の遠隔保守型ボ−ルバルブ。
【請求項8】 ボンネットボルトと噛み合うナットが、バルブ本体の両側に形成したフランジの下に位置させた、バルブ本体と別体のナットであり、L型ブラケットにナットストッパーを設けてナットの位置決めを容易にするとともに脱落を防止し、かつ両側のナットに対してそれらを結合する取手を与えて、取手をつかんで両側のナットを取り扱うことができるように構成してなる請求項6または7の遠隔保守型ボールバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠隔保守型のボールバルブに関し、詳しくは、バルブ本体とステムを含むボンネット部分およびバルブボールを収容したカートリッジ部分とが、遠隔操作によって容易に分離することができ、点検および修理に好都合なボールバルブを提供する。
【0002】
【従来の技術】バルブ類の点検や修理を、配管系統から外さずに行なうことが容易なバルブとして、発明者らの一部は、共同研究者とともにカートリッジ式のバルブを開発して、提案した(特開昭56−120862号)。 カートリッジ式のバルブは、バルブ本体、バルブおよびバルブシート、ボンネットならびにボンネットステムを基本的な要素とするバルブであって、バルブ本体は箱形であり、バルブおよびバルブシートは流体の通過孔をそなえた有底筒状のカートリッジ内に収容されており、このカートリッジを箱形のバルブ本体内に着脱可能なように構成したものである。
【0003】この構造のバルブは、ボンネットおよびボンネットステムを固定しているボルトをゆるめて、バルブ本体からそれらを取り出すことにより、カートリッジの点検や交換が容易に行なえる。 カートリッジが修理を要するときは、新しいものと交換して再びボンネットを固定し、古いカートリッジをその後に分解して、必要なら部品の交換をするなどして、再調整することができる。 従って、カートリッジ式バルブは、配管を通る流体に接触することを極力避けたい、放射性物質や劇毒物を取扱うプラントに使用して、大いにその意義を発揮して来た。
【0004】このカートリッジ式のバルブに対して、さらにボンネット下部とカートリッジ上部とをバヨネットマウント方式で着脱する構造を採用し、ボンネットの取り外しと同時にカートリッジも取り外せるようにする改良を施したものを開発し、これもすでに提案した(特開昭57−22477号)。 具体的には、ボンネットの下部とカートリッジ上部のいずれか一方に少なくとも2個の横方向の突出片を設けるとともに、他方にはこの突出片と係合する溝を設け、溝の一部に突出片の通過を許す切欠きをそなえた構造としたものである。
【0005】カートリッジ式のバルブは、ボールバルブ、ゲートバルブなど種々のタイプが可能であるが、とくにボールバルブへの適用が有利であり、ほとんどボールバルブとして実用されている。 ボールバルブにおいては、カートリッジ内でボールに対するボールシートとカートリッジおよびバルブ本体間のシールをするガスケットの材料としてPEEK樹脂のようなエンジニアリングプラスチックを使用し、高温かつ放射線下の使用条件に耐えられるようにし、かつボールシートおよびガスケットの断面形状を工夫することにより、ボール回転のトルクを小さく抑えることに成功したタイプも、すでに開示した(特開平7−27238号)。
【0006】このようなバルブの使用に当たって、放射線への被ばくや劇毒物との接触をいっそう軽減するためには、バルブ本体からのボンネットおよびカートリッジの分離と、その後の取り付けとを、マニプレータのような遠隔操縦手段によって行なう必要がある。 しかし、従来のカートリッジバルブは、この要求に応えることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記のような必要に応えて、上述したカートリッジ式のバルブのうち主流をなすボールバルブにおいて、マニプレータを用いた遠隔保守が可能であって、バルブ本体からボンネットおよびステムとともにカートリッジを分離すること、ならびに、バルブ本体にボンネットおよびステムとともにカートリッジを取り付けることが容易なバルブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的に合致する本発明の遠隔保守型のボールバルブは、その好ましい態様の全体を図1および図2に示すように、バルブ本体(1)の中に、有底筒状で流体通過孔を有するカートリッジ(2)を、一対のガスケット(14a,14b)を挟んで着脱可能に設け、カートリッジの内部にバルブボール(3)を一対のボールシート(3a,3b)で挾んで回転可能に設けてあり、バルブ本体を覆うボンネット(4)と、このボンネットに回転可能に取り付けたステム(5)とを有するボールバルブにおいて、バルブ本体の両側に少なくとも1本ずつのガイドピン(6a,6b)を立てるとともに、ボンネットの対応する位置にこれらのガイドピンが入る孔(61)を設け、かつ、ボンネットの両側に少なくとも1個ずつのボンネットボルト(7A)を、それらのヘッドはボンネットの上に位置するがボンネットから脱離しないように拘束するボルトストッパ−(16A)とともに設け、かつバルブ本体にこれらのボンネットと噛み合う本体ナット(11)を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の遠隔保守型のボールバルブは、実際の製造に当たって、前記した特開昭57−22477号に従って、バヨネットマウント方式を採用した構造とすることが好ましい。 すなわち、ボンネット下部とカートリッジ上部のいずれか一方に少なくとも2個の横方向の突出片を設けるとともに、他方にはこの突出片と係合する溝を設け、溝の一方に突出片の通過を許す切欠きをそなえることにより、ボンネットとカートリッジとをバヨネットマウント方式により着脱可能とした構造である。 この方式を採用するにせよしないにせよ、そのほかボ−ルバルブが通常有する部品、たとえばカ−トリッジと本体との間をシ−ルするO−リング(図示してない)などを、本発明のボ−ルバルブもまたそなえるべきことはいうまでもない。
【0010】バルブ本体から立てるガイドピンは、図1ないし図3に示したように、上部は細く、下部に向かって段階的に太くなり、最終的にはボンネットに設けた孔(61)と嵌め合わされる形状にして、位置決めに役立つようにするのがよい。 図3にみるように両側に1本ずつ立てた場合には、たとえば一方(6a)を他方(6b)より長くするなどして高さが異なるようにしておき、マニプレータ操作でまず長い方の1本(6a)によりおおよその位置を決めてから、残り(6b)で精密な位置決めをするような構成とするのがよい。
【0011】ボンネットボルト(7A)をボンネット(4)から脱離しないように取り付けるには、図4に示したような構造が有利である。 この図において、ボルトは、後述するブラケット(13)の一部としてバルブ本体から両側に張り出したフランジの下に位置する本体ナット(11)とだけ噛み合えばよいから、オネジはボルトの先端だけに切っておけばよい。 そこで、ボンネットにとりつけたボルトストッパー(16A)の内側に、本体ナットと同じメネジを切っておき、ボンネットボルトのオネジをこのナットを通しておけば、バルブ本体(1)からボンネット(4)を分離したときに、不用意に傾いたりしても、ボンネットボルト(7A)が脱離することが防げる。
【0012】このバルブの開閉操作は、マニプレ−タを用いて遠隔的に行なうことができるが、開閉はアクチュエータによることが、動作が確実であり容易であるという点で好ましい。 従って本発明のバルブは、図1に示したように、ステムを回転駆動するためのアクチュエータ(8)をそなえた形態が普通である。 アクチュエータのタイプは任意であるが、空気式がもっともポピュラーであり、多くの場合に最適である。
【0013】遠隔保守はまた、バルブ本体から分離したボンネットおよびステムを、マニプレータで吊り下げて取り出すことになるから、本発明のボールバルブは、図1に示したように、吊りベイル(9)をそなえるべきである。
【0014】バルブ本体からボンネットおよびステムを分離するときに、カートリッジをこれらに合わせたものは、大型のバルブにおいてはかなりの重量になるから、これにガスケットにおける密着などが加わったときは、若干の力が要る。 マニプレータの能力が不足するおそれがある場合にそなえて、バルブ本内とボンネットとの分離を容易にすることが望ましく、その目的で、図1に示したように、ジャッキボルトを設けることが推奨される。 詳細を図5に示すように、ボンネットに少なくとも1個のジャッキボルト(7B)を設け、ジャッキボルトがボンネットのナットと噛み合って前進することにより、ボンネット(4)をバルブ本体(1)から引き離すように構成するわけである。 図1および図3に示した例では両側に1本ずつのジャッキボルトがあり、この態様によれば確実な引き離しができるが、通常は片側に設けただけで間に合う。 ジャッキボルトもボンネットボルトと同様に、図5に示したボルトストッパ−(16B)を設けて拘束することにより、ボンネットからの脱離を防ぐことができる。
【0015】バルブ本体の両側には、それぞれ少なくとも1本ずつのガイドピンとボンネットボルトとがあり、図示した態様においては、ジャッキボルトもやはり両側に1本ずつ存在する。 これらは、直接バルブ本体に取り付けてもよいが、そうするとバルブ本体が無用に大きく広がることになる。 そこで、バルブ本体が、実質上直方体のブロックの上面から左右両側にフランジが延びた形状を有し、このフランジに前記ガイドピン、ボンネットボルトおよびジャッキボルトをとりつけることが得策である。 左右に延びるフランジを有するバルブ本体は、塊からの切剤加工により、または一体の鋳物の機械仕上げにより製造することができる。工作の便宜からは、図示したように、バルブ本体を実質上直方体のブロックに形成し、その両側にL型ブラケット(13,13)を取り付けることにより上面にフランジを形成する手法が推奨される。 なおここで、「実質上直方体」とは、可能な部分で肉を盗むなどの変更を加えた形を包含する意味である。
【0016】上述のようにしてバルブ本体の上面にフランジを形成した場合は、ボンネットボルトと噛み合う本体ナットを、図6に示すように、上記のフランジの下に位置させた、バルブ本体(破線で示してある)とは別体のナット(11)とすることが推奨される。 それにより、ボンネットボルトの締め付けでナットにカジリ損傷などが生じた場合でも、ナットの交換で対処できるようになり、遠隔保守の目的に一層よく合致する。 この態様においては、さらに、図示したようにL型ブラケットにナットストッパー(15)を設けてナットの位置決めを容易にするとともに脱落を防止することが好ましい。 マニプレータによるナットの取り扱いを容易にするためには、両側のナットを鋼線などで結合し、それにマニプレータでつかむための取手(12)を与えることが望ましい。
【0017】そのほか本発明の遠隔保守型バルブには種々の態様が可能であり、発明の精神を逸脱しない限り、それらも本発明に包含される。
【0018】上述の構造を有する本発明の遠隔保守型ボールバルブは、点検や修理に当たっては、マニプレータによりボンネットボルト(7A)をゆるめてバルブ本体(1)とボンネット(4)との結合を解き、ジャッキボルト(7B)がある場合はそれを回して両者を分離し、吊りベイル(9)をもって吊り下げることで、ボンネット(4)、ステム(5)およびカートリッジ(2)を一体として、バルブ本体(1)から取り出す。 必要なメンテナンスを行なった後は、これと逆の手順により、バルブの組立てをすることができる。 ボンネットボルト(7A)と噛み合う本体ナット(11)は、通常、ナットストッパー(15)上にそのまま置いておけばよいが、位置の調節を要するときや交換するときには、マニプレータで取手(12)をつかんで動かせばよい。
【0019】
【発明の効果】本発明の遠隔保守型のボールバルブは、上記のような手順で分解したり組み立てたりすることができ、それをマニプレータ操作によって容易に実現できる。
【0020】それと同時に、本発明のボールバルブを用いれば、カートリッジ式のバルブの一つとして、すでに開示したカートリッジ式のバルブが享受する、すべての利益が得られる。 とくに、バヨネットマウント方式を採用した好ましい態様においては、ボンネットとバルブ本体との着脱に当って、カートリッジを同時に着脱できるという効果を奏する。 ボールシートの材料として適切なエンジニアリングプラスチックを使用し、その断面形状を適切に選択することにより、高温の使用条件に耐え、かつボールの回転をスムーズにするという、その後の開発により得た成果もまた、利用することができる。
【0021】このようにして本発明は、危険・有害物質を取扱う配管系統のバルブとして、危険・有害物質との接触の機会をさらに減らすことを可能にする。
【出願人】 【識別番号】593132272
【氏名又は名称】岡バルブ製造株式会社
【識別番号】000224754
【氏名又は名称】核燃料サイクル開発機構
【識別番号】597156502
【氏名又は名称】株式会社ペスコ
【出願日】 平成9年(1997)11月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】須賀 総夫
【公開番号】 特開平11−141702
【公開日】 平成11年(1999)5月28日
【出願番号】 特願平9−306237